こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、貯湯式の給湯器であるエコキュート特有の不具合について、その原因や対処法を解説します。エコキュートを使用している方の中には、「普段通りに使用していただけなのに、エコキュートのお湯が貯まらない…これって故障?」と言った事態に陥り、困ってしまったという経験があるのではないでしょうか?
エコキュートは、ガス給湯器とは異なり、一日に使用するお湯をまとめて沸かして貯湯タンクに貯めておくという仕組みになっています。そしてお風呂やキッチンでお湯を使用する際は、貯湯タンクからお湯を供給することになるのですが、普段通りに使用していたのに、タンクや浴槽にお湯が貯まらない…なんて不具合が生じることがあります。このような状況になると、お風呂に入ることができませんし、当然エコキュート本体の故障を疑ってしまうことでしょう。
ただ、エコキュートにお湯が貯まらない…なんてケースでも、エコキュート自体の故障ではない場合も少なくありません。そこで当コラムでは、貯湯タンクおよび浴槽にお湯が貯まらなくなる原因や、実際に「お湯が貯まらない」という不具合が起きた時の対処法などについて解説します。
エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらない原因
「エコキュートにお湯が貯まらない…」という不具合については、沸き増ししたのに貯湯タンクのお湯が増えない…という不具合と、浴槽にお湯が貯まらない…という不具合が考えられます。
ここではまず、貯湯タンクにお湯が貯まらないという症状について、考えられる代表的な原因を解説します。貯湯タンクにお湯が貯まらないという症状が出た時には、機器の故障を疑ってしまいますが、エコキュートそのものの故障ではないケースもあります。まずは、原因を特定するためにも、以下の点を確認していきましょう。
原因① エコキュートのAIによる設定変更で沸き上げ量が不足している
「エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらない…」という問題が生じた時、一つ目の原因として考えられるのが、エコキュート側の設定による「沸き上げ量の減少」です。
最近のエコキュートは、AI機能が搭載されていて、ご家庭の普段の使用湯量を学習し、必要な分だけ沸かすように設定変更するようになっています。これは、必要以上の湯量を沸き上げないようにするための省エネ機能として非常に喜ばれる機能です。つまり、直近の使用湯量が少なければ、沸き上げ量も少なくなるという仕組みなのですが、残湯量が満タンにならないことから「お湯が貯まらない…故障なのかな?」と勘違いしてしまっているわけです。
AI機能が搭載されたエコキュートであれば、正常に機能が動いている証拠ですので、故障ではありません。ただ、沸き上げ量が足らなくて、使用途中にお湯が足りなくなる事態が続く場合、沸き増しに無駄なコストがかかるため、手動で夜間の沸き上げ量を増やす設定にするのがおすすめです。
原因② 夜間のお湯の使用
エコキュートのタンクにお湯が貯まらない原因として、夜間にそれなりの量のお湯を使用しているという、使い方の問題も考えられます。
エコキュートは、省エネ効果が非常に高い給湯器と言われているのですが、これは電気料金が格安になる深夜帯にお湯を沸かす仕組みになっているからです。多くの電力会社は、オール電化用料金プランを用意していて、エコキュートを導入する際に、この料金プランに変更することで光熱費削減を目指すのが一般的です。
つまり、エコキュートが沸き上げを行う時間帯にお風呂に入るなど、大量のお湯を使ってしまうと、翌日の日中にお湯切れを起こしてしまい「タンクにお湯が貯まっていない…」と勘違いするわけです。
これが原因の「エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらない」という症状は、機器の故障ではなく、使い方の問題です。日中のお湯切れが頻繁に起こるようであれば、エコキュートの省エネ効果を最大限生かせなくなるので、お湯を使用する時間や、沸き上げ量を見直すのがおすすめです。
原因③ 沸き上げ中に停電が発生していた
稀にですが、夜間の沸き上げ中に停電が起こり、エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらずに朝を迎えるというケースもあるようです。エコキュートの沸き上げは、住人さんが就寝中に行われますので、朝起きて本来貯まっているはずのお湯が貯まらないという状況になっていれば、機器の故障を疑ってしまうことでしょう。
エコキュートは、電気をエネルギーとして動作する機器ですので、沸き上げ中に停電したりブレーカーが落ちたりすると、その時点で沸き上げが停止されてしまいます。そして、停電が朝までに復旧したとしても、沸き上げが行われるはずの時間帯がずっと停電していた場合、十分な沸き上げが行われずお湯が貯まらない状態で朝を迎えてしまう訳です。
なお、この原因でお湯が貯まらないケースは、エコキュート自体の故障ではないので、停電が解消された後に沸き上げすれば問題なくタンクにお湯が貯まるはずです。
※停電で電源が落ちた場合、エコキュートの時刻設定がズレてしまう可能性があります。電気復旧後に、その辺りの設定をチェックしてください。
原因④ タンクや配管からの水漏れ
これは、エコキュートの故障です。エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらない原因として、貯湯タンクそのものや配管の一部が破損して水漏れしているという事態も考えられます。この場合、エコキュートが正常に動作をして、お湯を沸かしたとしても、タンクや配管からそのお湯が漏れていきますので、「タンクにお湯が貯まらない…」という状態になってしまう訳です。
タンクや配管からの水漏れが原因の場合、水漏れ箇所を特定してその部分を修繕しなければ、「お湯が貯まらない…」状態を解消することができません。
したがって、まずはエコキュートのリモコンに、水漏れを知らせるエラーコードが出ていないか、エコキュートの本体周りや配管が通っている場所で水濡れしている箇所はないかを確認し、水漏れの有無を判断しましょう。
水漏れが発生しているとわかった場合、販売店やエコキュートメーカーに連絡し、修理してもらう必要があります。
原因⑤ 温度センサなど、エコキュート内部の部品が故障している
「エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらない…」時には、エコキュート内部の部品故障が原因の場合もあります。
例えば、エコキュートの貯湯タンクには、温度センサが内蔵されているのですが、これが故障してしまうと正常な温度を測れなくなるため沸き上げが途中で停止してしまいます。
温度センサが故障した場合、「沸き上げは正常に行われたのに、翌朝にお湯が貯まっていない…」「リモコンの残湯メモリは満タンなのに、すぐにお湯がなくなる…」などと言った症状が出ますので、こういった不具合が生じた時には温度センサの故障を考えましょう。もちろん、これ以外の部品故障が発生した時にも、「タンクにお湯が貯まらない…」なんて症状が出ることがあります。エコキュート内部の部品故障が原因のケースでは、台所リモコンに何らかのエラーコードが表示されていると思うので、確認してみましょう。
なお、エコキュート内部の部品故障は、ユーザー様自身で対処するのは難しいので、販売店やメーカーに連絡し、点検・修理をしてもらいましょう。
エコキュート利用中に浴槽にお湯が貯まらない原因
エコキュートの「お湯が貯まらない…」という不具合には、上述した貯湯タンク以外にも、浴槽にお湯が貯まらないという問題があります。
この場合、貯湯タンクにはきちんとお湯が貯まっているのに、お湯張りができないという症状ですので、当然機器の故障を疑ってしまうことでしょう。それでは、お湯はきちんとあるのに、浴槽にお湯が貯まらないという問題はなぜ起きるのでしょうか?以下で代表的な原因をご紹介します。
原因① パッキンやフィルターなど消耗部品の劣化
エコキュートを使用しているご家庭で、浴槽にお湯が貯まらない…という不具合が生じた場合、ゴムパッキンやフィルターなどの消耗部品の劣化が原因となるケースがあります。
浴槽のゴムパッキンや循環アダプターのフィルターは、エコキュート本体ほどの耐久性はありません。そのため、本体の機能は正常に動作していても、消耗部品の劣化が原因でさまざまな不具合が生じることがあるのです。例えば、ゴムパッキンが経年劣化で破損してしまうと、浴槽にお湯を送る際、お湯の逃げ道ができてしまい、浴槽までお湯が届かずにお湯が貯まらなくなるなんてことが起きます。フィルターについては、日々の清掃を怠ったことで、目詰まりを起こすなんてこともあります。
ゴムパッキンやフィルターは、消耗部品ですので、定期的な清掃や異物の除去、専門業者による点検が必要不可欠です。ただ、メーカー保証などについては、消耗部品が対象外となっているので注意しましょう。『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』では、お客様に安心してエコキュートを利用していただくため、消耗部品も対象とした10年間保証を用意しています。エコキュートの購入をお考えの方は、お気軽にとくとくショップにお問い合わせください。
なお、パッキンやフィルターなどの消耗部品については、お客様自身で市販品と交換することも可能ですが、ちょっとしたミスで大きな故障を招きますので、可能であれば専門業者に点検してもらい交換してもらうのがおすすめです。
原因② 各種センサ類の故障
浴槽にお湯が貯まらない…という不具合が生じた時には、水位センサや湯量センサなど、各種センサ類の故障が考えられます。
例えば、パッキンなどの消耗部品の劣化などが無い場合で、浴槽のお湯が全くたまらないわけではなく、たまる量が設定よりも少ない…なんて症状の場合は、センサ類の故障を疑うべきです。
特に、フルオートタイプのエコキュートの場合は、湯量などを自動的に計算するため、多くのセンサが搭載されているので、センサの故障やエラーが起きやすい傾向にあります。
センサ類の故障については、ユーザー様自身で修理などを行うことは難しいので、お湯が貯まらない、通常よりも湯量が少ないなんて症状が頻発する場合、販売店やメーカーに点検・修理を依頼しましょう。なお、水位センサや湯量センサなど、センサ類の不具合について一時的なエラーのケースも多いので、すぐに専門業者に連絡するのではなく、しばらく様子を見てみるのもオススメです。数日様子を見ても、毎日同じような症状が出る場合は、慢性的な故障と考えられるので専門業者に連絡しましょう。
原因③ エコキュート本体の故障
最後は、エコキュート本体の故障によって、浴槽にお湯が貯まらないという原因です。
浴槽にお湯が貯まらない…という不具合が生じた時、上で紹介した2つの原因ではなさそうという場合は、エコキュート本体の内部部品が故障している可能性が高いです。
例えば、エコキュート内部の電気系統の故障や、浴槽までの配管が破損しているといったことにより、浴槽にお湯が貯まらない…となるケースも少なくありません。
エコキュート本体の故障が原因の場合、専門業者に修理してもらう必要があるのですが、故障個所によっては修理費用がかなり高くなってしまう場合があります。したがって、盲目的に「エコキュートの故障=修理」と考えるのではなく、買い替えも検討すべきです。例えば、購入から10年前後使用しているエコキュートの場合、寿命による部品故障の可能性が考えられます。この場合、費用をかけて修理したとしても、すぐに別の場所に不具合が生じてしまい、修理費が嵩んでしまう恐れがあります。エコキュートの一般的な寿命目安は10年前後と言われていますので、10年近く使用した機種の場合は、修理にかかる費用などを基に、買い替えとどっちが良いのかを慎重に検討しましょう。
「エコキュートにお湯が貯まらない!」こんな時の対処法とは?
ここまでで、エコキュートの貯湯タンクにお湯が貯まらない…、タンクにお湯があるのに、浴槽にお湯が貯まらない…と言った場合、どういった原因が考えられるのか、その候補が分かっていただけたと思います。
当然、エコキュートにお湯が貯まらない…となった時には、原因に対して適切な対処をしてあげる必要があります。ただ、一般の方では、パッと見で原因を特定するのが難しい場合も少なくありません。
そこでここでは、「エコキュートのお湯が貯まらない…」となった時、原因を特定したうえで適切な対処ができるよう、ユーザー様が行うべき行動について、順を追ってご紹介します。
STEP1 エコキュートの設定とエラーコードの確認
エコキュートのお湯が貯まらない…という不具合が生じた時は、まず台所リモコンでエコキュートの設定やエラーの有無を確認してください。
上述しているように、「お湯が貯まらない…」という場合でも、エコキュート本体の故障などではなく、一時的なエラーやエコキュートの設定がご家庭の使用方法に見合っていないというケースもあるのです。
例えば、AI機能が搭載されたエコキュートの場合、直近の使用湯量に応じて夜間の沸き上げ量を自動で計算します。そのため、何らかの理由で直近の使用湯量が減少していた場合、沸き上げ量が減って「普段よりお湯が貯まらない…」と感じてしまう訳です。
このようなことが起こらないようにするには、ご家庭での平均的な使用湯量と設定上の沸き上げ量が見合っているのかリモコンで確認し、ズレているようなら設定しなおす必要があります。
エコキュートの設定に問題が無ければ、エラーコードが液晶画面に表示されていないか確認しましょう。中には、一時的なエラーが発生しているだけで、エラーを解除することで通常通りの動作に戻る場合もあります。
STEP2 水漏れの有無を確認する
次は、貯湯タンクや配管から水漏れが起きていないか確認していきましょう。
リモコンを確認して、エコキュートの設定やエラーが原因でないことが判明した場合、「エコキュートは正常に動作しているけど、どこかで水漏れが起きていてお湯が貯まらない…」となっている可能性が考えられます。
したがって、エコキュートに水漏れが起きていないか、貯湯タンクや配管周辺を確認してみましょう。なお、配管からの水漏れの場合、目視で確認できない部分が破損している可能性も考えられます。目視で確認できる場所に水漏れが無い場合、家中の水を全て止めて水道メーターを確認してみましょう。家の中で水を出していないのに、メーターが回っていればどこかで水漏れしているということですので、専門業者に相談する必要があります。
STEP3 手動で沸き上げを行ってみる
水漏れやエラーの確認を行い、これらの問題が起きていないのであれば、一度手動でお湯を沸き上げてみると良いでしょう。沸き上げは、リモコンの「沸き上げ(満タン)」ボタンを押すだけです。設定上の問題や夜間のお湯の使用で、日中のお湯が足りなくなった時も、リモコンの沸き上げボタンを押せばお湯を貯めることができます。
なお、日中の沸き増しに関しては、割高な電気でお湯を沸かすことになるので、電気料金が高くなる点は注意してください。
この操作で、問題なく貯湯タンクにお湯が貯まるようであれば、エコキュートそのものに問題が生じているわけではなく、設定上の問題と判断できますので、日中にお湯が足らなくなることを避けるため、夜間の沸き上げ量を多めに設定するなどの工夫を行っておけば良いでしょう。
STEP4 エコキュートをリセットしてみる
沸き上げボタンを押す、設定を変えてみるなどの対処を行ってもお湯が貯まらない状況が続く場合、エコキュートをリセットしてみるというのも一つの手です。なお、リモコンにエラーコードが表示されている場合でも、リセットすることで正常な動作を取り戻すことがあります。
エコキュート以外の家電製品でも同じですが、軽微なエラーが生じた時には、一時的に正常な動作ができなくなるケースがあります。そして、このような時には、機器そのものをリセットすることで、エラーが解消される場合があるのです。パソコンでも、問題が生じた時に再起動することで問題が解消されることがあると思うのですが、これと同じやり方です。
エコキュートのリセットについては、次の手順で行うことができます。
- タンク正面に指で上げられるカバーを探す
- その中に「漏電遮断器」があるので、そのスイッチを「切」にする
- 30秒ほど時間をあけて、漏電遮断器を「入」に戻す
基本的に、上記の手順でエコキュートのリセットができます。なお、漏電遮断器の場所やリセット方法については、取扱説明書に記載されているので、詳細は説明書で確認してください。
STEP5 販売店・メーカーに点検・修理を依頼する
致命的な故障を知らせるエラーコードが表示されていたり、上で紹介した対処法を試しても問題が解消できない場合は、専門業者に点検・修理を依頼する必要があるでしょう。
なお、修理に関しては、「修理費がいくらかかるのか?」「何年ぐらい使用した機種なのか?」によって買い替えの方が良いケースもあるので注意してください。
上述したように、エコキュートの一般的な寿命目安は10年程度と言われていて、10年以上使用したエコキュートの場合は、修理ではなく買い替えによる対処の方がおすすめです。
なぜなら、故障場所がヒートポンプなど、エコキュートの根幹部品の場合は、修理費が10万円を超えてしまうことがあるうえ、修理してもすぐに問題が再発することも考えられるからです。何度も修理を依頼すれば、すぐに買い替えにかかるレベルの費用にまで達してしまいますので、コスト的なデメリットが大きくなってしまう訳です。
まとめ
今回は、エコキュートを利用しているお客様について、普段通り使っていただけなのに「貯湯タンクにお湯が貯まらない…」「浴槽にお湯が貯まらない…」なんてトラブルが生じた時の対処法について解説しました。
記事内でご紹介したように、エコキュートで「お湯が貯まらない…」なんてトラブルが生じた時でも、エコキュートのそのものの故障ではないケースも少なくありません。例えば、エコキュートがお湯を沸かす時間帯に大量のお湯を使ってしまったなど、単純にユーザー様の使い方に問題があるケースも少なくありません。他にも、季節の変わり目などで、使用湯量が突然減ってしまい、AI機能が意図的に沸き上げ量を少なくしているなんてことも考えられます。
エコキュートのお湯が貯まらない…なんて事態に陥った時には、「エコキュートが故障してしまった…」と焦る方が多いのですが、まずは記事内で紹介した手順で、何が原因なのかを落ち着いて特定してみましょう。そして、明らかに機器の故障が原因と考えられる場合にのみ、販売店などに相談すると良いでしょう。
なお、エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、全国でエコキュートの販売・設置工事を行っており、万一の際も手厚いアフターフォロー体制を構築しています。とくとくショップが用意している長期保証は、消耗部品の劣化なども対象にしていますので、安心してエコキュートを長期居利用できると思います。エコキュートの購入・交換の際は、是非とくとくショップにお問い合わせください。