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蓄電池とリチウムイオン電池の危険性と安全性、注意が必要なポイントとは?

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蓄電池とリチウムイオン電池の危険性と安全性、注意が必要なポイントとは?

災害時の備えとして、蓄電池を検討するご家庭や企業が近年増え続けています。そして、その蓄電池にはリチウムイオン電池が使用されています。

リチウムイオン電池は、身近なスマートフォン、ノートパソコン、モバイルバッテリーなどの電子製品に広く使われており、小型で高性能で、充電と使用を繰り返すことができる特徴を持つ電池です。

しかし、蓄電池として使用されるリチウムイオン電池には注意が必要です。消費者庁は、リチウムイオン電池を落としたり、衝撃や圧力を与えないように注意を呼びかけています。

そこで、今回は私たちの日常生活に欠かせない蓄電池の危険性と安全性について、電池の基本情報から、安全な蓄電池を選ぶための情報などをご紹介します。

電池の基礎知識

電池の種類

電池は大きく分けて一次電池と二次電池の2種類あります。

一次電池は、一度使い切ると交換が必要な電池タイプです。具体的な例として、マンガン電池やアルカリ電池が挙げられます。また、自動車のスマートキーなどで使用されるボタン型やコイン型の電池のほとんども、一次電池に分類されます。

対照的に、二次電池は充電して何度も使用できる電池です。この再利用の仕組みは、移動する電子(イオン)を外部からの充電電流によって「スタート地点」に戻すことに基づいています。この仕組みにより、電池を使い切るのではなく、何度も充電して使用できるようになりました。

リチウムイオン電池とは

リチウムイオンとは

まず、リチウムは金属の中では最も軽い元素として認識されています。その密度は水のおおよそ半分程度であり、柔らかい金属として特徴づけられます。

さらに、周囲との反応性が非常に高く、空気にさえ触れると、窒素と反応して窒素リチウムが生成され、水と接触すると容易に燃焼します。これらの理由から、リチウムは単体として存在せず、リチウムイオンとして存在することが一般的です。

同時に、電子を最も容易に放出する傾向があり、そのため電池技術において非常に有用な素材と見なされています。

リチウムイオン電池の発電の仕組みと特徴とは

リチウムイオン電池は、電気エネルギーを化学反応によって蓄え、必要なときに放出するデバイスです。この電池は、主に正極(カソード)、負極(アノード)、電解質、およびセパレータと呼ばれる4つの主要な要素で構成されています。

電池の充電時、外部電源から電力が供給され、電子は正極から負極に流れます。同時に、リチウムイオンは負極に蓄えられます。一方、電池が電力を供給する必要があるとき、電子は負極から正極に戻り、蓄えられたリチウムイオンは正極から放出され、電子を通じて外部回路に電力を供給します。

この仕組みにより、リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を持ち、コンパクトなサイズで多くの電力を供給できます。

また、効率的な充放電サイクルを提供し、多くのサイクルを経ても性能を維持できます。さらに、軽量でコンパクトな設計により、携帯性が高く、多くの電子機器や電動車に適しています。自己放電が比較的少ないため、長期間の保管にも向いています。そして、環境への影響が少なく、リサイクルが可能な電池としても知られています。

これらの特徴から、リチウムイオン電池は現代の電子機器や電動車、再生可能エネルギー貯蔵システムなど、さまざまな用途で幅広く利用されています。

リチウムイオン電池はどんなものに使われているか

リチウムイオン電池は、携帯電話のような小型家電から、電動自動車など大きなものまで幅広い用途で使用されています。現代人の生活に特に欠かせないモバイルIT機器のバッテリーです。

リチウムイオン電池の小型・軽量という特徴が、モバイル IT 機器のバッテリーとして用いられている最大の理由です。

その小型で軽量な特性と高エネルギー密度により、モバイルデバイスから再生可能エネルギー貯蔵まで多くの分野で利益をもたらしています。また、環境への影響も比較的少なく、持続可能なエネルギーソリューションの一部として広く採用されています。

リチウムイオン電池の種類と危険性

リチウムイオン電池の種類と危険度

リチウムイオン電池は身近にあるものですが、その中にも種類があり、危険度は大きく異なります。

ここでは、リチウムイオン電池の種類と危険度、何に利用されているかをお伝えします。

コバルト酸リチウム電池(LiCoO2)

高いエネルギー密度と優れた性能を持つ。一般的に携帯電話やラップトップなどの消費者向け電子機器に使用されている。高温での過充電や過放電、物理的な損傷に対して安定性が低く、発熱や発火のリスクがある。

しかし、原価が高く価格変動が激しいだけでなく、熱暴走の危険もあるため、現在はあまり利用されていません。

リン酸鉄リチウム電池(LiFePO4)

安定性が高く、長いサイクル寿命を持つ。主に電動自動車や太陽光発電システムなどに使用され、安全性が重視される用途に適している。エネルギー密度は比較的低いため、大容量バッテリーには適していない。

リン酸鉄リチウムイオン二次電池(LFP)

長い寿命と高い安全性を持つ。主に電動バスや電動トラック、大容量エネルギー貯蔵システムなどで使用される。エネルギー密度が低いため、一部の用途には適していない。

リチウム鉄リン酸亜鉛電池(LiFePO4Zn)

安定性が高く、耐久性があり、高温環境にも適している。エネルギー貯蔵システムや産業用途に使用される。 エネルギー密度はやや低めである。

リチウムイオン電池の危険度は、化学組成や設計に大きく影響されます。一般的に、高エネルギー密度を持つリチウムイオン電池は、過充電、過放電、物理的な損傷、高温環境などに対して慎重に取り扱う必要があります。適切な設計、冷却システム、充放電管理などの安全対策が重要です。特に、高性能のリチウムイオン電池を扱う際には、適切なガイドラインと手順を守ることが不可欠です。

リチウムイオン電池の事故例

リチウムイオン電池の事故例は、その高エネルギー密度や特性から、時折発生することがあります。以下は、いくつかのリチウムイオン電池に関連する事故例です。

【事例1】携帯電話やラップトップの発火

過充電、過放電、物理的な損傷などが原因となり、携帯電話やラップトップのバッテリーが発火したり爆発したりするケースが報告されています。これらの事故は、個人の安全性に影響を与える可能性があります。

【事例2】自動車の火災

電動自動車やハイブリッド自動車に搭載された大容量のリチウムイオン電池が事故時に火災を引き起こすことがあります。高温や物理的なダメージによるショートサーキットが原因となります。

【事例3】航空機内での問題

航空機内でのリチウムイオン電池の問題も報告されており、機内で発火や煙が発生したり、乗客と乗員の安全性に関わる事象が発生することがあります。航空業界ではリチウムイオン電池の適切な取り扱いに厳格な規制が存在します。

【事例4】廃棄物処理時の火災

使用済みのリチウムイオン電池が不適切に廃棄物処理されると、火災の原因となります。これらの火災は廃棄物処理施設で発生することがあり、環境への影響も懸念されます。

これらの事故例からも分かるように、リチウムイオン電池の事故は、適切な取り扱いと安全対策の重要性を示しています。特に、充放電管理、冷却システム、携帯電子機器や輸送手段での適切な梱包とラベリングが安全性向上に寄与します。また、リチウムイオン電池のリサイクルや廃棄物処理にも注意が必要です。事故の予防と安全性確保は、技術の進化と規制の強化により改善されています。

蓄電池の安全な取り扱いと保管方法

蓄電池の取り扱い時の注意事項

正しい充電器の使用: 蓄電池にはメーカーが指定した充電器を使用しましょう。不適切な充電器を使用すると、電池に損傷を与える可能性があります。

過充電と過放電の防止: 過充電や過放電は電池の寿命を短縮し、安全性を低下させる可能性があります。充電と放電を指定された範囲内で行いましょう。

物理的な損傷に注意

蓄電池本体やケーブルに物理的な損傷がある場合、使用しないでください。損傷した電池は危険を引き起こす可能性があります。

過熱の防止

蓄電池は高温環境での使用を避け、直射日光や暖房器具から遠ざけましょう。過熱すると発火や爆発のリスクが高まります。

緊急時の対処法の知識

電池が異常を示す場合、発熱や発火が発生する可能性があるため、適切な対処法を知っておくことが重要です。消火器や消防用具への経路を確保しましょう。

蓄電池の安全な保管方法

涼しい場所で保管

蓄電池は涼しい場所で保管することが大切です。高温や直射日光の当たる場所から遠ざけましょう。

乾燥した場所を選ぶ

電池を保管する場所は湿度が低く、乾燥している場所を選びましょう。湿度が高い環境では腐食が進む可能性があります。

原則は直立させる

電池は原則として直立させて保管することが推奨されます。横たえたり積み重ねたりすると短絡の危険性が高まります。

保護キャップの使用

使用しない蓄電池は保護キャップで端子を覆うことが安全です。端子が露出すると誤って短絡する可能性があります。

専用の収納ケース

蓄電池用の専用収納ケースを利用することで、物理的な保護と整理ができます。

まとめ

蓄電池は持続可能なエネルギーソリューションの一環として広く利用されており、その取り扱いと保管には注意が必要です。正しい充電器の使用、過充電と過放電の防止、物理的な損傷の確認、適切な温度管理、緊急時の対処法の知識を守ることで、電池の安全性を確保できます。

また、蓄電池の保管は涼しい場所で、湿度の低い環境で行い、直立させて専用の収納ケースを使用することが重要です。これらの注意事項を守ることで、蓄電池の寿命を延ばし、安全な使用を実現できます。持続可能なエネルギー利用と安全性確保の両方を重視し、蓄電池の活用を進めることが求められます。

和上ホールディングスでは、太陽光発電や蓄電池の導入に関して専門知識と経験を持ったスタッフがサポートいたします。ご希望に合わせた最適なプランを提案し、設置時のコスト削減に貢献いたします。太陽光発電や蓄電池の導入に関するご相談は、和上ホールディングスにお任せください。皆様のエネルギー節約と経済効果の最大化をサポートいたします。

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蓄電池

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