コラム

北海道など寒冷地でのエコキュートの選び方!寒冷地仕様のエコキュートを選べば他の給湯器よりもお得?

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こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、北海道など、冬場の気温が特に下がる寒冷地域に住む方がエコキュートの導入を検討した時、購入するエコキュートの機種選びの際の注意点を解説します。

エコキュートは、エアコンにも採用されているヒートポンプシステムが組み込まれていることから、電気だけでなく大気中の熱を効率よく利用することで、お湯を沸かすときの光熱費を削減できるとされています。実際に、ガスをエネルギー源とするガス給湯器などと比較しても、日々の生活にかかる給湯コストは、半分~1/4程度(地域によって変わります)にまで削減できるとされています。ただここで気になるのは「大気中の熱を活用してお湯を沸かす」という点で、冬場の気温が極端に下がるような地域であれば、大気中の熱が利用できなさそうだしエコキュートは設置できないのではないか…と考える人が少なくないようです。また、導入できたとしても、光熱費は高くなるのではないかと考える人もいるでしょう。

実は、エコキュートの機種には、冬場の気温が極端に下がる場所でも設置できるよう、標準仕様とは別に寒冷地仕様が用意されています。標準仕様と寒冷地仕様のエコキュートは、基本的に機能面、性能面に大きな違いはないのですが、実際の機種選びの際には寒冷地仕様ならではの選び方があります。そこでこの記事では、寒冷地仕様のエコキュートを購入する場合の選び方などについて解説します。

そもそもエコキュートにおける寒冷地の定義とは?

冒頭でご紹介したように、エコキュートは電気のみでお湯を沸かしているわけではなく、ヒートポンプシステムを活用して大気中の熱を取り込むことで効率よくお湯を作ることができる給湯システムです。そのため、外気温が一定よりも低くなる地域においては、標準仕様のエコキュートだと給湯効率が低下してしまうという問題があります。そこで、そのような地域に適した機能を持つ機種として開発されたのが寒冷地仕様のエコキュートです。

それでは、日本国内で「寒冷地」の扱いを受ける場所とはどのような条件なのでしょうか?実は、エコキュートにおける寒冷地域の定義は、建設省が定めた日本の断熱化基準である「次世代省エネルギー基準(https://tostem.lixil.co.jp/lineup/sash/dannetu/energie.pdf) 」における、Ⅰ地域とⅡ地域が該当しています。具体的には、外気温がマイナス10℃を下回る地域が指定されていて、以下の都道府県にエコキュートを設置する場合、寒冷地仕様を選ぶことになります。

北海道、青森県、岩手県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県、山梨県、岐阜県

なお、外気温がマイナス25℃(メーカーによってはマイナス20℃)を下回る地域の場合、屋外にエコキュートを設置することはできません。この場合、屋内に機器を設置できる場所を確保できなければ、エコキュートの導入は難しいです。

寒冷地仕様のエコキュートは標準仕様と何が違う?

上記のような地域は、標準仕様のエコキュートではなく、寒冷地仕様のエコキュートを購入して設置しなければいけません。というのも、一般地仕様や標準仕様と呼ばれる通常のエコキュートは、外気温がマイナス10℃を下回る地域に設置した場合、性能を十分に発揮することができず、満足にお湯を沸かすことができないのです。つまり、給湯コストが高くなるといった問題ではなく、機器本来の動作ができなくなってしまう訳です。

これは、エコキュートを設置した場所の寒さによって、配管内を通る水が凍結したり、ヒートポンプが故障してしまうことが要因です。そこで、エコキュートメーカーが開発したのが、外気温がマイナス10℃を下回る地域でも使用できる寒冷地仕様のエコキュートです。

寒冷地仕様のエコキュートは、外気温が低い環境でも給湯効率が向上するような機能が搭載されていたり、凍結防止ヒーターが標準で装備されている、現地施行において断熱材が追加されているなどの工夫が施されているのが標準仕様との違いです。

例えば、フルオートタイプのエコキュートは、浴槽と貯湯タンク、貯湯タンクとヒートポンプの間で水が循環する構造となっています。ただ、外気温が、マイナス10℃以下など、極端な低温になるとこの水が凍結することでお湯が作れなくなってしまう訳です。寒冷地仕様のエコキュートの場合、水が循環する配管部分に凍結防止用ヒーターが装備されていて、凍結防止運転機能が搭載されています。なお、凍結を防げる最低気温については、開発メーカーによって違いがあるため、その辺りは後述します。

寒冷地仕様のエコキュートは、上記のような凍結防止対策が施されていることから、外気温が極端に下がるような地域でも、配管が凍結することなく、通常の動作を確保することができます。ただ、凍結防止ヒーターなどの部品が追加されることにより、標準仕様のエコキュートよりも本体価格が割高になる点は注意しましょう。一般的に、同レベルの機能性を持ったエコキュートの場合、寒冷地仕様のエコキュートは標準仕様のものよりも5~6万円程度高くなります。

寒冷地域に住む方がエコキュートを選ぶメリットとは?

冒頭でご紹介したように、エコキュートは大気中の熱も効率よく活用することで給湯にかかる光熱費の削減が実現する給湯器とされています。こう聞くと、冬場の外気温が極端に低くなる寒冷地の場合、エコキュートを選ぶメリットが少なくなるのではないかと考える方が多いと思います。

しかし実は、寒冷地域であっても、給湯器としてエコキュートを選ぶのには明確なメリットが存在します。ここでは、寒冷地にエコキュートを設置するメリット面をご紹介します。

ガス給湯器を設置するよりも給湯コストが安い

大気中の熱も活用してお湯を沸かすエコキュートは、気温が低い寒冷地域に設置した場合、機器が持つ光熱費削減効果が最大限生かせなくなる…と考えている方は多いと思います。しかし実は、寒冷地域であっても、その他の給湯器と比較した場合、年間の給湯にかかるコストはエコキュートが圧倒的に安くなるとされているのです。以下は、エコキュートメーカーとしても有名なパナソニックが公表している、北海道における給湯器ごとの年間給湯コストです。

  • エコキュートの場合:54,000円
  • 電気温水器の場合:184,800円
  • ガス給湯器(都市ガス)の場合:104,400円
  • 石油給湯器の場合:78,000円

このように、家庭で使用する給湯器については、北海道電力エリアでも、エコキュートを設置した場合が最も安く収まるというデータが存在します。給湯システムとして最も広く普及しているガス給湯器と比較しても、年間のランニングコストは約1/2にまで削減することが可能です。

給湯器選びの際には、やはり給湯部分にかかる光熱費をどれだけ削減できるのかを重視する方が多いと思います。その場合、寒冷地域に設置する給湯器の場合でも、エコキュートが最もお得に生活できると考えられます。

参照:パナソニック公式サイト

タンクに非常用水を確保できる

寒冷地域でエコキュートを選ぶメリットは、万一、断水した時のことを考えて、タンクに大量の非常用水を確保しておけるという点があげられます。

エコキュートは、一日に使用するお湯をまとめて沸かして貯湯タンクに貯めておくという仕組みになっています。したがって、地域で断水などが発生した時でも、ある程度の量のお湯と水を常に確保しておけるのです。実は、寒冷地域においては、この機能が非常に助かると指摘する方も多いです。

北海道を始めとした寒冷地域では、外気温が極端に下がることで凍結による断水が発生することが珍しくないとされます。例えば、北海道苫小牧市の公式サイトを確認してみると、昨年1月にはなんと900件以上も凍結が報告されているなど、他の地域では考えられないほどの異常なペースで凍結による断水が発生するのです。

このような場所でエコキュートを設置していれば、貯湯タンク内のお湯を非常用水として活用することができます。貯湯タンクは、断熱材などでしっかりと保温できるような対処が為されているため、断水が数日間続いたとしても、ある程度の暖かさを維持することが可能です。

寒冷地域などは、大量の雪が降り積もることから、凍結によって配管が破裂した場合、インフラの復旧までにかなりの時間を要すると考えられます。水は人の生死にかかわる重要なものですので、有事の際にも備えられるエコキュートは、非常に大きなメリットのある機器と言えるでしょう。

参照:苫小牧市公式サイト

寒冷地ならではのエコキュート利用時のデメリット

寒冷地域でエコキュートの導入を考えた場合、極端に低い気温でも問題なく機器が稼働できるように、寒冷地仕様のエコキュートが開発されています。つまり、一般地でエコキュートを設置するのと同じく、給湯コストの削減を目指してエコキュートを選んでもまったく問題はないのです。

ただ、寒冷地域は「極端に気温が下がる」という問題以外にも、大量の雪が降り積もるなどの特徴があるため、一般地とは異なる利用時のデメリットが存在します。寒冷地域に住んでいる方がエコキュートの設置を検討した場合、以下のような問題が立ちはだかるかもしれないということを頭に入れておきましょう。

積雪が多い地域の場合、雪対策が必要

エコキュートは、エアコンの室外機のような見た目のヒートポンプユニットと高さが2m程度ある貯湯ユニットの二つの大型機械を設置しなければいけません。そのため、基本的には屋外に設置スペースを確保して、先ほどの二つのユニットを設置します。

寒冷地仕様のエコキュートの場合、配管凍結を防止するためのヒーターなどが標準装備されていますので、屋外に設置しても凍結でお湯が使えない…なんてことになるケースは少ないです。ただ、寒冷地でのエコキュートの設置では、気温への対策だけでなく、積雪への対処が必要不可欠です。エコキュートのヒートポンプは、雪に埋まる、底面が雪に接する、風雪が吹き込む、霜取り運転の水が内部で凍結するなどと言った事態が発生すると、ヒートポンプが緊急停止したり、最悪の場合故障に発展することがあるのです。

したがって、寒冷地域の中でも積雪が多い地域にエコキュートを設置する場合、防雪対策用の部材を購入し設置するのが望ましいです。ただ、防雪用の部材は、2~4万円程度と、それなりに高額なため、エコキュートの導入にかかる出費が嵩んでしまうという問題が生じます。

寒冷地域でのエコキュートの設置では、外気温がマイナス25℃(メーカーによってはマイナス20℃)を下回る、積雪が非常に多い地域の場合、機器への影響が少ない屋内への設置が推奨されています。ただし、先ほどご紹介したように、エコキュートはその他の給湯器と比較すると、本体が大型の設備となりますので屋内に設置スペースを確保するのがなかなか難しいです。

最低温度に限度がある

寒冷地仕様のエコキュートは、外気温がマイナス10℃を下回るような地域でも、エコキュートが持つ性能や機能を十全に発揮できるように開発された給湯器です。エコキュートは、大気中の熱も利用して効率よくお湯を作る仕組みになっていますので、外気温が低くなればなるほどエネルギー効率は低下していきます。寒冷地仕様のエコキュートは、そのような環境下でも、一般地と同じようにお湯を沸かすことができるように工夫が施されているわけです。

ただ、いくら寒冷地仕様のエコキュートだとは言え、本来の性能を発揮できる限界の気温というものが存在します。上でも少し触れていますが、寒冷地仕様のエコキュートでも、外気温がマイナス25℃(メーカーによってはマイナス20℃)を下回る環境の場合、屋外設置で使用することはできないとされているのです。

日本国内で、マイナス20℃を下回るようなことなどないのでは…と考える人もいるかもしれませんが、北海道などではこれを下回る日が普通にあるような地域があります。また、本州でも長野県の一部では、マイナス20℃を下回る気温が観測されることがあります。

寒冷地域に住んでいる方が、エコキュートを導入する場合には、機器が稼働できる限界の温度があるという点を理解しておく必要があるでしょう。通常の冬であれば、そこまで気温が下がらないような地域でも、異常寒波でマイナス20℃を下回る日が続く…と言ったことがあると、一定期間エコキュートが使用できなくなったり、寒波の影響で故障してしまうリスクがあります。

ちなみに、ガス給湯器であっても、屋外設置可能な最低気温はマイナス20℃程度とされています。

寒冷地域に住む方がエコキュートを選ぶ際の注意点

それでは最後に、寒冷地域に住んでいる方が、自宅で使用する給湯器としてエコキュートを選んだ時、機種選びの際に注意したいポイントについて解説します。

寒冷地仕様のエコキュートでもメーカーによって特徴が異なる

エコキュートは、コロナ社が世界で初めて販売を開始した給湯器です。その後、パナソニックや三菱電機など、国内有数の電機メーカーが開発・販売に参入しており、どのメーカーのエコキュートを購入するのかによって、機器の使い勝手などが微妙に変わります。ここでは、寒冷地仕様のエコキュートについて、主要メーカーの機器の特徴を簡単にまとめます。

パナソニック
  • 最低気温がマイナス25℃までの地域で設置可能
  • マイナス20℃を下回る地域では貯湯ユニットを屋内設置
  • タンク容量は370リットルと460リットルから選べる
  • フルオート・給湯専用から選べる
三菱電機
  • 最低気温がマイナス25℃までの地域で設置可能
  • マイナス25℃を下回る地域では使用不可
  • タンク容量は370リットルと460リットルから選べる
  • フルオート・給湯専用から選べる
日立
  • 最低気温がマイナス25℃までの地域で設置可能
  • タンク容量は370L、460L、560Lから選べる
  • フルオート標準タンク(水道直圧給湯or通常)のみ選択可能
ダイキン
  • 最低気温がマイナス25℃までの地域で設置可能
  • マイナス20℃を下回る地域では貯湯ユニットは屋内設置
  • マイナス25℃を下回る地域では使用不可
  • タンク容量は370リットルと460リットルから選べる
  • フルオート・給湯専用から選べる
コロナ
  • 最低気温がマイナス25℃までの地域で設置可能
  • マイナス20℃を下回る地域では貯湯ユニットは屋内設置
  • タンク容量は370リットルと460リットルから選べる
  • フルオート・給湯専用から選べる
  • タンクは省スペース用も選べる

上記のように、寒冷地仕様のエコキュートも、開発するメーカーによって微妙に機能などが異なります。日立は、エコキュートメーカーの中でも独自の視点での開発が特徴で、水道直圧式の給湯を唯一実現しています。

温度に関しては、ほとんどのメーカーがマイナス25℃までは使用可能としていますが、マイナス20℃を下回る環境の場合、タンクは屋内設置が前提となっています。

設置環境によっては屋内用のエコキュートにすべき

上述しているように、寒冷地仕様のエコキュートは、基本的に外気温がマイナス25℃までは使用可能とされています。ただ、外気温がマイナス20℃を下回るような環境の場合、貯湯ユニットを屋内設置するのが条件となります。

日本国内で、冬場の気温がマイナス20℃を下回る地域は多くありませんが、お住まいの地域についてこの条件に該当するのであれば、屋内設置用のエコキュートを選ぶべきでしょう。

屋内設置用のエコキュートは、外観も機能性も通常の物と比較して大きな違いはありませんが、本体価格は2~3万円程度高く設定されています。

霜取りや雪かきなど一般地では不要な作業を覚悟する

寒冷地域にエコキュートの設置を行う場合、日々の給湯を効率的に行えるようにするため、一般地では不要な作業が必要になるかもしれない点に注意が必要です。

まず、エコキュートの霜取りについてですが、冬場にエコキュートを利用する場合、ヒートポンプの背面に霜が付着して給湯効率を下げてしまうことがあります。これは、エコキュートが、大気中の熱を利用してお湯を作る仕組みになっていることが大きな要因です。ヒートポンプは、空気中の熱を利用してお湯を作るユニットですが、熱を利用された空気は、冷却されてから排出されます。そしてその時に、冷たい空気に含まれている水分が結露して、ヒートポンプの背面に霜となって付着してしまうのです。霜を取り除かずに放置すると、ヒートポンプが目詰まりを起こし、給湯効率の低下や故障を起こす可能性があります。

これを防ぐためには、エコキュートに搭載されている霜取りモードを利用すると良いです。メーカーごとに名称は異なりますが、どの機種にも霜取りモードが搭載されているため、定期的にこの機能を使って霜取りを行いましょう。

また、積雪量が多い地域の場合、ヒートポンプユニットの周辺に雪が積もり、給気と排気が上手くいかないことで給湯効率が低下してしまうことがあります。積雪量が多い地域は、上述した防雪対策を施すほか、定期的にヒートポンプ周りの雪かきを行うようにしましょう。

まとめ

今回は、北海道など、冬場の気温が極端に低くなる地域でエコキュートの導入を考えた際におさえておくべきポイントをご紹介しました。

記事内でご紹介したように、エコキュートには一般地で使用することが想定された標準仕様の機種以外にも、低温環境で利用できる寒冷地仕様のエコキュートが開発されています。大阪市内などは、真冬でも最低気温が氷点下まで下がることは少ないですが、東北地方や北海道などになると、マイナス20℃近くまで気温が下がることも珍しくありません。そして、こういった地域にエコキュートを設置したいと考えた時には、標準仕様のエコキュートではなく、寒冷地仕様を選ぶ必要があるのです。なお、大気中の熱を活用することで給湯コストの削減ができるエコキュートは、気温が低い寒冷地は使うメリットがないと考えている方がいます。しかし、この認識は間違っていて、北海道電力エリアなど、真冬の気温が特に低くなるような地域でも、給湯にかかるコストはエコキュートが最も安くなるのです。

エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、お客様がエコキュートに求める条件をお伺いしたうえで、最適な機能性を持つ機種のご提案なども行っています。給湯器の入れ替えをご検討中の方は、お気軽にとくとくショップまでご相談ください。

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