蓄電池の電解液は、何度くらいで凍結してしまうのでしょうか?
水酸化カリウムや希硫酸などの電解液はだいたい何度くらいで凍るのかについては一概には何度と決まっていません。
電解液が凍結をはじめる温度にはイオン物質の濃度が深く関係しているからです。
電解液が凍結をはじめる現象を凝固点降下、英語では、Freezing-point depressionと言い、不揮発性の溶質を溶媒に溶かすと溶媒の凝固点が低くなる自然現象です。
ここで電解液が凍結し始める温度をはっきりと示せない理由は、溶質の濃度により凝固点が異なるからです。
なお、通電中の場合でも変化があるかという点に関しては、金属などのクーロン抵抗とは異なったとしても、基本的には電気化学的な反応も通常は発熱するか、あるいは発熱反応を起こすものしか使えないので、したがって温度変化にも当然注意が必要になります。
すなわち、通電中には変化が起り得ると考えられます。
付記しますと、蓄電池類の最大電流の量はイオンの拡散速度で決まります。
そのため、蓄電池類周辺の温度が低すぎても、高すぎてもベストな性能は得られないと考えられます。
これは南極や北極などの極寒冷地、あるいは赤道直下など気温が高いところでは蓄電池が性能を発揮できなくなるばかりでなく、作動すらしなくなることがあることが知られています。