家で使い切れなかった電力が逆潮流することがある、というのはどういう意味ですか?問題はないんですか?
ご質問の、逆潮流ありの場合、需要家内で使い切れなかった電力が逆潮流するというのは、いわゆる「バンク逆潮流」のこので、バンクとは変電所の変圧器です。
変電所から出た配電線は6600Vの高圧線で各家庭や工場に電気を送っています。
一般家庭向けには柱上変圧器で100Vに降圧して電力を送ります。
工場などへは6600Vのままの電力を送っています。
この様に変電所から負荷側に流れる電気を「順潮流」といいます。
そこに、太陽光発電を設置すると、電力会社から供給される電圧よりも少し高い電圧で電力を送りだします。
これが「逆潮流」です。
つまり本来の電力会社からの電気とは逆方向に電気をおくることです。
なお、家庭用太陽光のように少量の場合は太陽光発電で発電した電気は周辺の家や工場などで消費されますから、問題になることはありません。
しかし、これが産業用太陽光発電となると、2つの問題が発生する可能性があります。
それは、(1)太陽光発電で発電した電力が需要家で消費する電力大きくなった場合、変電所まで逆潮流が及ぶことです。
次に、(2)太陽光発電を連係した地点の電圧が上昇して、法定電圧範囲(低圧101V±6V)を超えてしまうことです。
最初に示した状態は『バンク逆潮流』と呼ばれ、規制緩和により、変電所側でバンク逆潮流の対策をおこなうことを条件に連系ができるようになっています。
(2)の状態は過電圧で、この状態だと周辺の需要家に規定以上の電圧で電気が供給されるので、家電などの機器の故障などが起こる危険があります。