電力を送電するとき、電圧上昇抑制が起こることについて、そのしくみについて詳しく教えてください。
住宅用太陽光発電システムでは、太陽光発電パネルで作った電力をパワーコンディショナで変換して住宅で使用し、余った電力を電力会社に売電することができます。
設置容量が大きく、余剰電力が大きい場合は売電収入によって太陽光発電システムの償却も考えることができるのが大きな魅力のひとつです。
売電をするには、パワーコンディショナが余剰電力を外に送り出さなくてはなりません。
水は高いところから低いところに流れますが、電力も同じように高いところから低いところに流れます。
そのため、パワーコンディショナが電力を外に出すときは、送電線の電圧よりも高くすることで電力が外に流れるようにしています。
つまり太陽光発電システムで作りだした電力を送電線に逆流させ、その逆流した電力量を計り、電力量に応じて電力会社から料金が支払われるようになっているのです。
しかし、売電は必ずできるわけではありません。
太陽光発電システムで作りだした電力が売れない場合もあります。
それは電圧上昇抑制が起こったときです。
太陽光発電システムでは、電力モニタによって発電量や売電量をチェックすることができますが、ときどき電圧上昇抑制が起こったことを示す表示が現れることがあります。
それはパワーコンディショナで送り出す電圧が107V以上にはならないよう決められているためです。
そのため送電線の電力負荷が少ないなどの理由で送電線の電圧が107V以上になっているとき、売電をすることができません。
これが電圧上昇抑制です。