国土交通省では、脱炭素を推進していくために太陽光パネルの設置に関する新たな制度を示しています。新制度の案では、道路周辺に太陽光パネルを設置できるという内容で、太陽光発電事業者にとっても気になる情報でしょう。そこで今回は、国が検討している道路と太陽光パネルに関する新制度について詳しくご紹介します。太陽光発電事業を拡大していきたい方などは参考にしてみてください。
太陽光パネルを道路周辺に設置しやすくなる?
道路法改正案の中には、太陽光パネルの設置場所に関する新制度も含まれています。まずは、太陽光パネルを道路周辺に設置しやすくなる理由と新制度の概要を解説します。
条件を満たせば道路周辺に太陽光パネルを設置できる
新制度の案では、道路周辺への太陽光パネル設置を認める方針が示されています。
現在、道路周辺への設備設置は、規制されています。たとえば、道路周辺に施設を設置するためには、道路の占用許可を得る必要があり、審査も必要です。そのうえ、申請したからといって必ず設置できるというわけではなく、審査に通過した案件のみが設置できます。
この既存の規制は道路の脱炭素化を進めるにあたって、大きな課題となっており、国は「道路の脱炭素化につながる設備を設置する場合にかぎり、規制を緩和する」という方向で検討を進めています。
新制度が実現すれば、太陽光パネルを道路周辺に設置しやすくなるため、太陽光発電事業者としても今後の動きに注目したいところです。
太陽光パネル以外の設備も新制度に含まれる
道路法改正案で示されている新制度案では、太陽光パネル以外の設置に関しても規制緩和される方針で、脱炭素につながる設備は、規制緩和の対象とされています。
たとえば、EV充電器などが対象とみなされています。太陽光パネルやEV充電器の設置が増えれば、さまざまな場所でEVの充電を行いやすくなるほか、トンネルなどの照明を太陽光発電でカバーできるようになるため、脱炭素化の促進に重要だとして推し進められているのです。
道路上に設置するための制度ではない
しかし、注意しておきたいのは、道路法改正案の新制度は、道路周辺やトンネル周辺への設備設置に関するものであり、道路上に太陽光パネルなどの設備を設置しやすくさせる制度ではないという点です。路面太陽光発電のための改正案ではない、ということです。
なお道路法改正案では、CO2排出量の少ないLED照明や低炭素アスファルトの導入、渋滞対策の検討についても進められています。LED照明に関しては、設置数に関する目標も示されています。
道路照明のLED化は、2022年度時点で約40パーセントの状態です。そこで国の道路は2030年度までに100%、地方自治体でも80%まで引き上げられるよう、目標が定められました。
企業は、脱炭素化の流れに沿って省エネや脱炭素につながる商品開発、再生可能エネルギーの導入などを進めていきましょう。
なぜ道路周辺への設備設置が認められるのか?
道路の整備や利用、管理に関するCO2排出量は、全体の18%を占めており、減少へ向けた対策が必要とされています。このため、道路周辺も脱炭素化が必要とされており、そのために今までの規制を緩和する必要があるのです。
これまでインフラに関する脱炭素の計画は、港湾や空港のみでした。道路に関する脱炭素の計画や取り組みは進んでいないというのが現状です。道路法改正案が成立すれば、脱炭素につながる設備を設置したり、取り組みを進めたりしやすくなるでしょう。
道路周辺に太陽光パネルを設置するメリットとは?
続いては、道路周辺に太陽光パネルを設置することで得られるメリットを紹介します。
太陽光発電用地選定の幅が広がる
道路周辺へ太陽光パネルを設置しやすくなることは、太陽光発電用地の選定においてもメリットとなります。自社の敷地外に太陽光発電設備を導入する際は、まず太陽光発電用地を確保しなければいけません。(太陽光発電用地:太陽光発電所を設置するための土地)
太陽光発電に適した土地の主な条件は、以下の通りです。
- 日照時間が長い
- 日当たりがいい
- 周辺に木々や建物がない
- 地盤が強い
単に土地を確保すればいいわけではなく、発電量・安全性ともに確保でき、経済的にも合理性のある土地を探さなければなりません。そこで道路周辺へ太陽光パネルを設置できれば、用地選定の幅も広がると期待されています。
追加で設置することによって発電量増加を見込める
既に太陽光発電所を導入している企業にとっても道路周辺への設置規制緩和は、メリットの大きな動きといえます。
前段でも触れたように自社の敷地外で太陽光発電事業を始めるためには、土地の確保が必要です。しかし、太陽光発電の普及が進めば進むほど、太陽光発電用地に適した土地は減ってしまいます。
太陽光パネルの追加設置に関するハードルは高くなってしまうため、発電量の増加に向けた取り組みに時間と手間がかかります。道路周辺に太陽光パネルを設置しやすくなれば、これまでよりスムーズに発電量を増加させることが可能です。
日本でも道路に太陽光パネルを設置する動きがある
ここまで説明してきた規制緩和は「道路周辺」への設置に関するものです。しかし国や自治体では、道路周辺への設置にとどまらず、「路面太陽光発電」の取り組みも進めています。
路面太陽光発電とは、歩道や駐車場などといった「地面」に太陽光パネルを設置する発電方法のことです。特殊なコーティングが施すことで、太陽光パネルの上を通っても問題ないように造ります。路面太陽光発電によって発電された電気は、蓄電池に貯められたり公共設備に供給されたりすることが多いです。
海外では、オランダやアメリカなどで実証実験が進められています。また、国内では杉並区で路面太陽光発電の実証実験が行われており、一定の発電量を確保できれば公園などにも導入される予定です。
道路周辺以外で太陽光発電を自社の敷地外に設置できる?
最後は、道路周辺以外で太陽光発電を設置できる場所や注意点をわかりやすく解説します。
自社の敷地外に設置することは可能
太陽光発電所は、道路周辺以外にもさまざまな場所に設置することが可能です。たとえば、原野や山林などには、小規模な太陽光発電所からメガソーラーといった大規模設備まで、実にさまざまなタイプの太陽光発電所が建設されています。また、前段で触れたように国内の自治体では、歩道や駐車場などに路面太陽光発電を設置している事例もあります。
自社の敷地外に太陽光発電を設置できれば、より多くの発電量を確保できるほか、CO2削減量を伸ばすことが可能です。また、発電した電気については、売電したり自家消費したりできます。
現時点で自社の敷地に空いたスペースがなければ、太陽光発電の施工販売業者へ相談してみるのが大切です。施工販売業者は、太陽光発電の設計や設備の設置だけでなく、用地の選定にも対応しています。
グループ企業などと連携ができる
自社の敷地外に太陽光発電を設置した場合は、自己託送方式を活用しながらグループ企業へ電気を供給することが可能です。
自己託送方式とは、自社の敷地外から発電した電気を送配電網経由で自社もしくはグループ企業へ供給する方式のことです。送配電網は、一般送配電事業者で管理されている送電線や変電所などを指しています。
敷地面積が小さい場合、一定の容量を持つ太陽光発電所を自社の敷地内に設置できません。一方、自己託送方式なら、広い敷地面積を持つ場所に太陽光発電所を設置できるため、自社やグループ企業の電気料金やCO2排出量を大幅に削減することが可能です。
グループ企業を含めた脱炭素化や電気料金の負担に悩んでいる企業は、自己託送方式を含めた運用方法を検討してみるのがおすすめです。
自己託送方式の場合は託送料金がかかる
自己託送方式を検討する際は、託送料金やインバランス料金といったコストに注意しましょう。
自己託送方式で電気を供給するためには、送配電網を利用しなくてはいけません。つまり、送配電網を管理している一般送配電事業者に対して、託送料金と呼ばれる利用料金を支払う必要があります。
託送料金については、一般送配電事業者や低圧と高圧、特別高圧によって異なります。たとえば、低圧供給の場合は、1kWhにつき9~12円程度で推移しています。
また、同時同量制度を守らずに自己託送を行った場合は、インバランス料金が課されます。同時同量とは、電気の需要と供給を一致させる取り組みのことです。
具体的には太陽光発電の発電量と電力の需要量を30分単位で予測し、電力広域的運営推進機関へ報告する必要があります。万が一、発電量と予測がズレた場合は、ズレを修正するための費用を負担しなければいけません。
自社の敷地外に太陽光発電所を導入および自家消費する場合は、関連制度や費用についても把握しておくことが大切です。
道路周辺にも太陽光パネルを設置できる見通し!
国で検討されている道路法改正案には、太陽光パネルの設置場所に関する内容も含まれています。同改正案が成立すれば、道路周辺への太陽光パネル設置に関する規制が緩和される予定です。太陽光発電事業者にとっては、用地の幅が広がったり、EV転換事業などへ取り組みやすくなったりする、大きなチャンスです。
脱炭素化に向けて取り組みを始めたい方や再生可能エネルギー事業に関心を寄せている方などは、今回の記事を参考にしながら太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。
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