太陽光発電の売電先を新電力へ切り替えるメリットとは?

太陽光発電の売電先を新電力へ切り替えるメリットとは?

2016年に電力の小売り自由化が行われ、誰でも電力会社を切り替えられるようになりました。太陽光発電の売電先は、大手電力会社と新電力の中から選択することが可能です。しかし、新電力についてよく分からないという方は、売電先の選び方や新電力の特徴などあらゆる点で悩むかと思います。

そこで今回は、太陽光発電と新電力の切り替えメリットや注意点について詳しくご紹介します。太陽光発電の売電収入をアップさせたい方や新電力のプランに関心を持っている太陽光発電投資家は、参考にしてみてください。

新電力についておさらい

電力事業は、発電と送電、小売りの3種類に分かれています。これまで各事業は、地域の電力会社10社のみ認められていたため、新規参入の難しい分野でした。

しかし、電力の自由化へ向けた法改正などが実施されるようになり、電力事業も少しずつ規制緩和へ向かっています。

そこでまずは、新電力の制度について確認していきます。

2000年に電力の部分自由化が行われる

電力の小売り自由化は、2000年3月より始まります。

2000年3月の自由化では、主に特別高圧契約の設備などへ供給される電力の小売り事業が自由化されました。特別高圧向けプランとは、7,000V超えの電圧を必要とする設備向けの電気料金プランのことです。

たとえば、10,000㎡以上の大規模工場、デパートや百貨店、高層ビルなどを運営している企業は、大手電力会社10社を含む新電力を選択できるようになりました。

そして、2004年と2005年には、高圧電力の小売り事業も自由化され、特別高圧の自由化と同様に新電力を選択可能な状況へ変わります。

2016年の電力小売り全面自由化によって誰でも新電力へ切り替え可能

一般のニュースでも話題になったのが、2016年の低圧向け電力小売り全面自由化です。

前段で紹介した電力小売り自由化は、あくまで法人や事業者のみ新電力を選べる改正なので、一般家庭では新電力を選べない状況でした。一方、2016年以降は、一般の方も電力会社の切り替えを検討することが可能になりました。

さらに太陽光発電事業者は、電圧の区分にかぎらず売電先を比較検討できるため、確認の手間や規制による売電先の制限などを受けずに済みます。

なお、2022年度からは、電力の送配電に関する自由化も予定されているので、コストや送配電網の品質などを比較できる予定です。

太陽光発電の売電先に新電力を選ぶメリット

電力の自由化により参入してきた新電力の中には、太陽光発電事業者向けの電力買取サービスを提供しているケースもあります。

そこでここからは、太陽光発電の売電先に新電力を選ぶメリットを5つ紹介していきます。

プレミアム買取による売電単価アップが期待される

売電先を新電力へ切り替えると、プレミアム買取というメリットを得られる場合があります。

プレミアム買取とは、固定買取価格を上回る単価のことです。さらにプレミアム買取が何らかの理由で単価を引き下げられても、固定買取価格を下回ることはありません。固定買取期間であれば、売電先を変更しても必ずFIT制度の最低価格を保証してもらえるためです。

プレミアム買取で売電できれば、売電収入を増やせますし、固定買取価格を下回るリスクを気にせず発電事業を継続できます。

卒FIT後も引き続き売電可能な場合もある

新電力会社の中には、卒FIT後の太陽光発電から発電された電力を買い取っている事業者も存在します。卒FIT後もしばらく売電を継続したい方にとっては、メリットの多いサービス内容です。

FIT制度の適用期間終了後も売電契約を結びたいと考えている時は、卒FIT後の設備も対象にしている新電力を含め確認してみてはいかがでしょうか。

切り替え手続きが楽

売電先の切り替え手続きは、電力会社側で対応してもらえます。そのため、太陽光発電事業者側で、複雑な変更手続きや書類の準備など不要です。また、売電先の切り替えに伴う設備の変更や調整などは不要なので、比較的簡単な作業でもあります。

このような切り替えの手軽さは、本業で忙しい方や手続き関係が苦手な方にとって利用メリットの1つです。

切り替え手続きの際に費用がかからない

太陽光発電の売電先を新電力へ切り替える時には、工事や切り替え費用などもかかりません。費用面でも負担の少ない手続きという点が、新電力への切り替えメリットでもあります。

なお、住宅用太陽光発電を運用している場合は、新電力への切り替えに伴ってスマートメーターの取り付け工事が行われるケースもあります。ただし、スマートメーターへの切り替え工事費用は、電力会社側で負担してもらえるので、特に気にする必要はありません。

新電力への切り替え制限などはない

太陽光発電の売電先を新電力へ切り替えたあとは、再び大手電力会社へ切り替えたり別の新電力へ切り替えたりすることも可能です。売電先の切り替えに関する制限がかけられていないので、さまざまなサービスを試しながら自身に合った売電先を模索できます。

なお、新電力によっては解約手数料を設けている場合もあるので、契約前に解約手数料や更新手数料の有無を確認しておいてください。

新電力を検討する際に気を付けておくべきポイント

続いては、太陽光発電の売電先を新電力へ切り替える際に気を付けておくべきポイントを解説します。

対応地域が限定されている可能性

新電力の対応地域は事業者によって異なるため、自身の居住地域や設備設置場所までサービス提供してもらえない可能性もあります。

新電力の各サイトでは、電力の買取やサービス提供エリアについて明記されています。対応地域を確認したい時は、各新電力サイトで調べるのが大切です。

なお、大手電力会社各社の対応地域は分かれているので、居住地域によって契約できないケースもあります。

プレミアム買取に対応していない新電力もある

新電力の電力会社サービスは、各事業者によって異なる内容です。中には、プレミアム買取に対応していない新電力があるので、用途やコストなどから慎重に検討するのも大切なポイントです。

プレミアム買取対応型の新電力を探すには、以下の方法が考えられます。

  • 新電力サイトから1つずつ確認
  • 新電力を一覧で紹介している記事から各サービスを確認

新電力の一括見積サービスは主に消費者向けなので、太陽光発電事業者に利用メリットの少ない内容です。

電力買取の単価に着目している時は、自身で1サイトずつ確認していく必要があります。

太陽光発電の買取に対応している主な新電力

新電力の電力買取について理解したあとは、いくつかの新電力サービスを確認してみます。

ここでは4社の買取サービスを紹介するので、参考にしてみてください。

ENEOS太陽光買取サービス

ENEOSでんきの太陽光買取サービスは、FIT制度終了後の余剰電力を買い取っています。

具体的には、卒FIT後の住宅用太陽光発電で発電した電気を買い取ってもらえるサービスで、大手電力会社よりも1円〜3円/kWh程度高い買取価格です。

対象の地域は、沖縄県と離島を除く全国と幅広く、固定買取期間満了もしくはこれから満了を迎える方であれば申込手続きを進められます。

契約手数料や解約手数料については0円と明記されているので、切り替えに伴う費用負担を気にせず気軽に検討できるのも魅力の1つです。

Looopでんきの電気買取サービス

Looopでんきでは、FIT制度適用中の住宅用太陽光発電と卒FITおよび非FIT型住宅用太陽光発電を運用している方向けに、複数の電力買取サービスを提供しています。

Looopでんき+は、太陽光発電の電力買取に加えて電気とガス料金のセット契約やLooopでんきの蓄電池購入などといった条件が加えられています。その代わり高い買取単価を見込めるので、売電収入重視でなおかつ電気料金やガス料金の見直しを図っている方におすすめです。

Looopでんき0とLooopでんきFITの違いは、電力買取の仕組みと条件です。Looopでんき0は、発電した電気をLooopへ買い取ってもらい、毎月の電気料金へ充ててもらいます。そのため、売電収入として受け取らない仕組みです。また、エコキュートなどの設置が必要です。

一方、LooopでんきFITは、売電収入として受け取れるのが特長です。売電収入を獲得したい方には、シンプルな仕組みです。ただし、買取価格が安いため、経済的メリットの少ないプランという点に気を付ける必要があります。

SBパワーの電力買取サービス

ソフトバンクグループのSBパワーでは、不定期で電力買取サービスの受付を行っています。2022年1月25日時点で新規受付終了のため、新規募集を待つ必要があります。

対象の設備は、一般的な新電力と異なり出力50kW未満の太陽光発電まで含まれています。買取単価は、FIT制度の固定買取価格より1円高く設定してもらえるので、切り替えメリットのあるサービスです。また、FIT満了まで買い取ってもらえます。

エコ発電本舗

エコ発電本舗は、太陽光発電や蓄電池の比較や見積もり、設備の販売を行っています。新電力ではありませんが、エコ発電本舗経由で新電力へ契約するとプレミアム買取を適用してもらえます。

太陽光発電設備や蓄電池を比較している方は、エコ発電本舗などの施工業者と新電力のタイアップキャンペーンにも注目です。

売電先を新電力へ切り替えることで売電単価アップを見込める!

太陽光発電の売電先を新電力へ切り替えると、固定買取価格から1円アップのプレミアム買取やその他付帯サービスを受けられる場合があります。また、新電力への切り替えに伴う契約手数料はありません。

住宅用太陽光発電の売電収入を伸ばしたい方や50kW未満の太陽光発電を検討していて固定買取単価に悩んでいる方は、今回の記事を参考に新電力への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所物件を多数掲載しております。また、2012年や2014年など高い固定買取価格でFIT認定を受けた設備を取り扱っているので、利回り10%以上の物件で発電および売電を始められます。まずはお気軽にお問い合わせください。

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