定置用蓄電池の基本から電池の種類、選び方、費用相場や補助金情報まとめ

定置用蓄電池の基本から電池の種類、選び方、費用相場や補助金情報まとめ

太陽光発電と相性がよく、近年になってさらに多くのメリットが注目されることとなり、普及が急速に進む蓄電池。当記事では蓄電池の中でも家庭用の普及が進んでいる定置用蓄電池について、その基本や種類、実際に設置するのにあたって知っておくべき知識をまとめました。

太陽光発電をすでに導入していて定置用蓄電池を後付けで設置する方、また太陽光発電とセットでの導入を検討している方、それぞれにとって重要な知識なので、ぜひこの機会にマスターしておいてください。

定置用蓄電池の基礎知識

最初に、定置用蓄電池についての基礎知識をおさらいしておきたいと思います。すでに概要をご存じの方は、ここを読み飛ばして次章からお読みいただいても問題ありません。

定置用蓄電池とは

定置用蓄電池とは、固定の場所に設置する蓄電池のことです。蓄電池は大きく分けて定置式と移動式があり、定置式は文字通り一度設置したら、原則として動かすことなく同じ場所で使用し続けることを前提としています。

家庭用の定置用蓄電池は住宅に設置しますが、それ以外にもオフィスビルや商業施設、医療施設などに設置するタイプもあります。

急速に普及が進む蓄電池

もともと蓄電池は、どちらかというと業務用の機器というイメージが強く、家庭用の蓄電池というのはいささかマイナーな存在でした。最大の理由はコストの高さですが、近年は家庭用の蓄電池の普及が急速に進んでいます。

今や太陽光発電を導入する際には定置用蓄電池をセットにしたシステム構成になっていることが多く、「太陽光発電+蓄電池」は半ば常識と考えてもよいでしょう。

定置用蓄電池の普及が進んでいる理由

特に家庭用の分野で急速な普及が進んでいる定置用蓄電池ですが、なぜそんなに普及が進んでいるのでしょうか。その理由となっているメリットは、主に4つあります。

節電(電気代の節約)効果が大きい

太陽光発電には、電気代の節約効果があります。オール電化と併用することで、最も電気料金が高くなる時間帯は太陽光発電でまかない、それ以外の時間帯は電気料金が安くなる仕組みになっているため、電気代を大幅に削減できます。

定置用蓄電池があると、この電気代節約モデルがさらに進化します。日中時間に余った電力を蓄電池に貯めておき、それを夜間や悪天候の日など太陽光がない時に使います。こうすることでさらに買電量が少なくなり、光熱費の圧縮効果が大きくなります。

卒FITによる自家消費モデルの拡大

卒FITという言葉をご存じでしょうか。太陽光発電を導入した際に得られる補助金のようなもので、家庭用の場合は設置・連系開始から10年間は、高い価格で電力を買い取ってもらうことができます。この固定価格買取制度のことを、別名でFITといいます。

このFITには、期限があります。家庭用の場合は10年間なので、10年を経過したら買取価格は通常の相場どおりになり、「下駄をはいた」価格ではなくなります。つまり、FITが終了すると収益性が急激に落ちてしまうのです。

そこでFIT終了後の取り扱いを考える必要があるわけですが、それを「卒FIT」といいます。卒FITの中で最もメリットが大きいとされているのが、自家消費モデルです。余った電力は売電せず自宅内の定置用蓄電池に貯めて、それを使うという自己完結型のモデルです。

2019年から順次卒FITを迎える人が出ており、2024年の時点で初めての卒FITから5年が経過しています。続々と卒FITを迎える人が多くなる中、自家消費モデルに移行する人が増えたため、そのために不可欠な定置用蓄電池の需要が拡大したというわけです。

災害対策として見直されている

太陽光発電が災害に強いことは、大規模な災害で何度も証明されています。停電になっても、自立運転モードにすれば太陽光のある時間帯だけでも電気が使えたことは、被災地で大きな意味をもっていました。

定置用蓄電池があると、太陽が出ていない時間帯も電気を使えるようになります。自家消費モデルにしている場合は、そもそも電力会社からの電力供給にほとんど依存しません。自己完結型のモデルがあると、災害時に停電の影響をほとんど受けずに済むでしょう。

補助金を活用できる

とてもメリットの多い定置用蓄電池ですが、最大のネックは設置費用です。蓄電池の価格はキャパシティによって比例する仕組みになっており、1kWhあたり10~30万円程度が相場です。

一般社団法人環境共創イニシアチブという機関が実施している、蓄電池の補助金を活用すれば、2024年は1kWhあたり3万7,000円の補助を受けることができます。予算が少ない補助金なので、募集開始後すぐに満了となってしまうといったことが続いています。

これから定置用蓄電池の導入を検討しているのであれば、募集開始時期を狙ってしっかりと確保したいところです。

今後も定置用蓄電池の市場は拡大する

上記の理由から、今後も定置用蓄電池の市場規模は拡大すると見られています。特に近年頻発している地震によって危機感をもつ人は多くなっており、非常時の備えとして蓄電池を設置しておきたいと考える人が増えています。

もう一点、見逃せないのが電気代の高騰です。戦争やインフレ、円安などの諸条件が重なって電気代の高騰が止まりません。今後も、上がることはあっても下がることは考えにくい電気代から生活を防衛するには、買電量を減らすのが最も有効です。そのためには太陽光発電+定置用蓄電池の自家消費モデルが効果的ということで、定置用蓄電池の人気はこれからも増していくでしょう。

定置用蓄電池の3種類+番外編

定置用蓄電池には、電気を蓄える仕組み、素材によっていくつかの分類があります。ここでは主要な4種類と今後普及がすすかもしれない1種類を番外編として紹介します。

リチウムイオン蓄電池

リチウムイオン電池は、定置用蓄電池以外にもバッテリー、蓄電池に幅広く用いられています。スマホやノートパソコンのバッテリーもそうですし、近年普及が進んでいるEV、ハイブリッド車などのバッテリーもリチウムイオン電池です。

定置用蓄電池向けの補助金も、対象はリチウムイオン電池です。

急速充電が可能であることからEVなど外出時の利用に適しており、当面は蓄電池といえばリチウムイオン電池という状況が続くでしょう。

鉛蓄電池(MSE、長寿命型制御弁式据置鉛蓄電池)

リチウムイオン電池が普及する前は、主流として広く用いられていた蓄電池です。安価に製造できるメリットはあるのですが、その一方で鉛を使用しているためとても重くなることや、鉛を誤って人体にとりこんでしまうと有害であることなどの問題があるため、近年ではリチウムイオン電池に取って代わる傾向が強まっています。

ニッケル水素蓄電池

ニッケル水酸化物と水素吸蔵合金で構成された蓄電池です。ニッケル水素蓄電池が開発される前は、ニッカド電池といって、ニッケルとカドミウムを使用した蓄電池が主流でした。

しかしながらカドミウムには毒性があるため、より安全な物質に置き換えることで開発されたのがニッケル水素電池です。

現在ではEVに用いられることが多いですが、それ以外にも用途が広がりつつあります。

番外編:ナトリウム硫黄蓄電池(NAS)

液体ナトリウムと液体硫黄を用いて、300度程度の高温で動作する仕組みの蓄電池です。発電所の余剰電力を蓄電するなど、大規模な蓄電設備に用いられることを想定して開発が進められています。

原料となる物質は、資源量が豊富で調達しやすく、安価であることから蓄電池のコストダウンも実現できる可能性を秘めています。

定置用蓄電池の価格相場と補助金制度

実際に定置用蓄電池を導入しようとお考えの方に向けて、ここでは「お金」の話をしたいと思います。定置用蓄電池の価格相場や、導入費用の軽減につながる補助金について解説します。

目安は、10~30万円/kWh

定置用蓄電池の価格相場は、すでに述べてきているように1kWhあたり10~30万円程度です。この目安は1kWhあたりの単価なので、容量が大きくなるほど価格は高くなります。

おおむね家庭用の蓄電池は3~4kWhのものが主力なので、仮に1kWhあたり20万円として、4kWhの定置用蓄電池を導入すると価格は80万円ということになります。

定置用蓄電池の容量については意見が多様で、さまざまな考え方があります。しかし共通しているのは、小さすぎると災害時に不自由を感じるかもしれませんし、逆に大きすぎるとオーバースペックになって費用が無駄になることも考えられます。

適切な容量は、実際に導入する際に、施工店の提案も参考にしつつ決めるのが最善だと思いますが、ここではまず相場観だけイメージしておいてください。

蓄電池の補助金制度

蓄電池を導入する際には、補助金制度を活用できる可能性があります。先ほど紹介した国の関連機関が設けている制度で、「DR補助金」と呼ばれています。

定置用蓄電池を導入する際には本体価格だけでなく、設置する工事の費用も必要になります。このDR補助金は、本体価格だけでなく工事費用も対象になっているため、該当する場合は活用する価値の高い補助金といえます。

2024年時点で、例年同じ時期に設けられている補助金ですが、補助金はあくまでも予算ありきです。予算が編成されなければ補助金制度も実施されないので、これまである制度だからと来年以降もあるとは限りません。

また、予算の少ない補助金としても知られているので、できるだけ早めに情報をキャッチして動くことをおすすめします。

定置用蓄電池の選び方

定置用蓄電池には多くのブランドや、商品ラインナップがあります。たくさんある中から最適な蓄電池を選ぶために、ここでは基本的な考え方をお伝えしたいと思います。

設置場所の考え方

定置用蓄電池は同じ場所に設置して使用するだけに、最初に設置した場所から動かすことがありません。そのため、設置場所にはしっかりとした知識をもっておく必要があります。

定置用蓄電池を設置する場所についての大原則は、直射日光が当たらないことと、排熱しやすい場所であることです。

屋外に設置する場合は雨水による故障のリスクを軽減するためにも、雨が当たらない場所に設置することも意識しておきましょう。雨水がなくても湿気がたまりやすいジトジトした場所だと、空気中の水分が蓄電池の内部に入ってしまうことも考えられます。

直射日光と熱、水分。これらの影響を受けにくい場所に設置することを心がけましょう。家の北側にスペースがあるのであれば、おおむねそこに設置することで解決できるケースが大半です。

容量は大きすぎず、小さすぎず

先ほども述べたように、定置用蓄電池の容量はしっかり考えて決めるべき事項です。「大は小を兼ねる」とばかりに大きな容量の蓄電池にしたものの、オーバースペックになってしまうと費用が無駄になってしまいます。1kWhあたり数十万円の機器を購入するのですから、無駄に大きな容量は避けたいところです。

その一方で、容量が小さすぎるのも後になって問題を起こす原因になります。容量が小さすぎると頻繁に充放電を繰り返すようになり、蓄電池の寿命を速めてしまう恐れがあります。

大きすぎず、小さすぎず。このあたりは蓄電池の容量についても十分な知見を有している施工店に相談するのが得策です。優良な施工店であれば、それぞれの家庭の電力使用量や電力使用の傾向を分析して、最適な容量を提案してくれるはずです。

容量が決まったら価格の比較検討

最適な容量が決まったら、次にやるのは機器の選定です。先ほど1kWhあたりの価格相場を示した際に「10~30万円」というように価格の開きがあることにお気づきの方もいたかと思います。この差はバッテリーの種類の違いや蓄電以外の機能面の差で、高性能で多機能な蓄電池ほど高額になります。

とはいえ、定置用蓄電池に求める最も重要な性能は、電力をしっかり蓄えて必要な時に使用できることです。

メーカーやブランド、機種別に1kWhあたりの価格はまちまちなので、どの程度の性能を求めるかによって機種を絞り込んでいきます。

急いでいなければ待つのも一考

これから定置用蓄電池を導入したいと考えている方に向けて少々逆説的な話ではありまさが、特に急いでいないのであれば待つことも一考です。

というのも、定置用蓄電池は急速に普及が進んでおり、メーカー各社は続々と新しい機種を投入しています。多く売れる見込みが立っているのであれば量産効果で価格を下げやすくなるため、さらに普及が進んで量産効果が大きくなった頃を見計らって導入すると、今より安く導入できるかもしれません。

しかしながら、待つということはそれまでの期間は定置用蓄電池から得られる効果がないわけです。その機会損失を含めても待ったほうがいいのかどうかは、正直分からない部分があります。

まとめ

定置用蓄電池の基礎知識や主な種類、機種の選び方などについて解説しました。急速に普及が進んでいるほどメリットは多く、導入しておけば、いつ起きてもおかしくない大規模災害への備えにもなります。

まずはどんな種類があって、どんな機種があって、設置したらどの程度のメリットがあるのか。施工店はこうしたシミュレーションを無料で行っているので、こうしたシミュレーションを通じてより具体的なイメージを掴んでみてはいかがでしょうか。

和上ホールディングスでは、蓄電池に関して豊富な販売実績と施工件数を誇っております。特に、太陽光発電と蓄電池をセットで購入することで、よりお得に設置できるため、蓄電池のご利用や導入をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

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