こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、災害対策や日常生活の電気代削減目的として、急速に普及が進んでいる蓄電池について、ポータブル蓄電池は家庭用蓄電池と同じように使えるのかを考えてみたいと思います。
一般的に、蓄電池と聞くと屋内や屋外に設置場所を用意し、そこにしっかりと固定して運用するタイプの設備をイメージする方が多いと思います。住宅向けに販売される製品は、家庭用蓄電池と呼ばれていて、災害対策として非常に有効な設備になることから国や自治体も設備の普及を強く推進するようになっています。
ただ、蓄電池にもいくつかの種類が存在していて、キャンプなどのアウトドアレジャーが人気になっている昨今では、ポータブル蓄電池と呼ばれる製品への注目度が非常に高くなっています。ポータブル蓄電池は、その名称から「持ち運びが可能なのだろう!」と言うことが予想できるものの、一般家庭に普及し始めた家庭用蓄電池との違いがどこにあるのか疑問に感じる方も多いようです。また、ポートブル蓄電池についてネット検索してみると、日本製と海外製に違いが存在するという情報を目にすることも多く、実際に購入する際にはどれを選べば良いのか分からないという人も多いようです。
そこでこの記事では、ポータブル蓄電池の特徴や災害対策を考えた時、定置型の家庭用蓄電池と何が違うのかについて解説します。
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ポータブル蓄電池とは?
ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池と比較すると、コンパクトなサイズで設置工事なども必要が無く、手元に届いた瞬間から使用することができるタイプの蓄電池を指しています。基礎を作り固定するのが一般的な家庭用蓄電池と違い、持ち運びも可能なため、災害などの緊急時だけでなく、キャンプなどのアウトドアレジャーやイベント事などで使用できることが大きな特徴です。
近年では、キャンプやBBQなどのアウトドアレジャーが人気になっていますが、屋外でのレジャーのため便利な電化製品を利用することは難しいのが一般的です。しかし、ポータブル蓄電池を用意しておけば、屋外にいても電源が必要な調理機器や暖房機器などを使用することができるようになります。ポータブル蓄電池が普及し始めた昨今では、キャンプ用品のメーカーなども、電源があることを前提とした小型のアイテムを広く展開するようになっていて、両者の相乗効果により一気に蓄電池の注目度が高くなっています。
なお、ポータブル蓄電池にもさまざまな種類の製品が存在していて、蓄電容量などは製品によってかなりの違いが存在します。例えば、スマートホンなど、小型のアイテムの充電ができる手軽なものから、暖房機器や調理機器まで稼働させることができる大容量タイプなど、用途に合わせて購入する製品を選べるようになっています。
一般的に、キャンプなどのアウトドアレジャーを想定する場合は500Wh前後の容量を持つものが選ばれ、災害対策が目的の場合、1,000Wh以上のものが選ばれています。
家庭用蓄電池との違いは?
ポータブル蓄電池の特徴が理解できれば、家庭用蓄電池とはかなり異なる製品なのだということが良く分かると思います。
家庭用蓄電池は、定置型蓄電池とも呼ばれていて、基本的には屋内や屋外など、設置する場所を決めて運用するタイプの蓄電池となります。通常の家庭用蓄電池は、購入後に専門業者に依頼して設置工事や電気工事をしてもらう必要があります。また、太陽光発電を導入しているお宅の場合、それと蓄電池を連携して運用することも可能です。
持ち運びの面に関しては、家庭用蓄電池の場合、設置工事により固定することになるため、一度場所を決めて設置したら基本的に後から移動させることはできません。何らかの理由で、やむを得ず移動させたいという場合、動かせないこともないのですが、その場合は再度設置工事が必要になるため、その工事に費用がかかってしまいます。ポータブル蓄電池は、「持ち運びする」ことを前提としているのですが、家庭用蓄電池は一箇所に固定し家庭内の電力運用に役立てるための設備となるのが最大の違いと言えるでしょう。
なお、蓄電容量に関しては、ポータブル蓄電池よりも圧倒的に多いため、自然災害による停電対策を考えた時には、長時間電力を維持することができるなど、家庭用蓄電池の方が優れていると言えます。ただ、ポータブル蓄電池、家庭用蓄電池ともに、充電していた電力を使い切った場合、太陽光発電などの再エネ設備との連携が無ければ使えなくなる点は同じです。
ポータブル蓄電池のメリットとは?

ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池と比較すると、蓄電容量は小さいものの持ち運びできるという大きな特徴を持っています。
ただ、蓄電容量が小さいという点は、災害対策の面では少し不安に感じてしまう方も多いと思います。ここでは、家庭用蓄電池と比較した時の、ポータブル蓄電池のメリットをご紹介します。
メリット1 導入コストの負担が少ない
ポータブル蓄電池のメリットは、家庭用蓄電池と比較すると低コストで導入できる点でしょう。ポータブル蓄電池は、設置工事が不要ですし、本体価格も比較的リーズナブルなので、導入コストの負担はかなり軽減することができます。
家庭用蓄電池は、年々導入コストが下がっていると言われるものの、設置工事や電気工事に費用がかかるうえ、蓄電容量が大きいため本体価格もまだまだ高額だと言われています。実際に、家庭用蓄電池の導入費用相場は100万円以上と言われていますし、決して安いとは言えないのが実情です。ポータブル蓄電池の場合、安いものであれば数万円で購入できますし、大容量モデルでも数十万円のコストで導入可能です。
メリット2 持ち運びが可能
ポータブル蓄電池の最大のメリットは「持ち運びが可能だ」という点です。
例えば、家の中でも多くの端末を同時に使用していて、コンセントの空きがない…なんて場合でも、ポータブル蓄電池があればコンセント代わりに使用することが可能です。
さらに、キャンプやBBQ、イベント事など、屋外のレジャーの際にも、電源が必要な器具を自由に使用することができるようになります。近年、キャンプなどのアウトドアレジャーが人気ですが、屋外でも快適さにこだわりたいという方も少なくありません。この場合、ポータブル蓄電池があれば、調理や暖房器具を使用することができるようになるため、初心者の方でもキャンプに行きやすくなります。
災害対策に使用できる
ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池と比較すると蓄電容量は少なめです。しかし、スマホやパソコンなどの小型機器の充電であれば問題なくできるため、災害による停電など、緊急時の備えとして役立てることができます。
家庭用蓄電池のように、家中の電力を賄うといったことは難しいものの、電子ケトルや小型の冷蔵庫などは利用できるため、緊急時にも活躍するでしょう。
ポータブル蓄電池のデメリット
ポータブル蓄電池は、キャンプなどのアウトドアレジャーを趣味とする方には人気ですが、自宅の災害対策や電気代削減を目指す設備としては、そこまで注目される設備となっていません。
実は、家庭用蓄電池と比較した時には、いくつかのデメリットが指摘されていて、それにより利用範囲が限定的な設備となっているのです。ここでは、ポータブル蓄電池のデメリット面もご紹介します。
デメリット1 蓄電容量が少ない
ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池と比較すると、蓄電容量がかなり少ないです。キャンプなどで、小型の電気製品を使用したい、スマホやパソコンの充電に使用したいなど、容量の少なさを理解したうえで購入するのであれば問題ありません。
しかし、災害による停電時にエアコンや冷蔵庫など、大型家電に電力を安定供給したいと考え、蓄電池の設置を検討している方であれば、この蓄電容量の少なさが致命的な問題となります。製品によっては、大型家電でも一時的に使用することはできるかもしれませんが、すぐに充電がなくなり使用できなくなるでしょう。災害時などに、長時間電力の安定供給がしたいという目的で蓄電池の導入を考えているなら、家庭用蓄電池がおすすめです。
デメリット2 充電が切れると使えなくなる
ポータブル蓄電池は、事前に充電して、その電力を他の機器で使用できるようにするアイテムです。スマートホンのモバイルバッテリーをイメージしていただければ分かりやすいです。
家庭用蓄電池は、自宅で使用する設備なので、自家発電した電力や電力会社の電力でいつでも充電可能な状況になっています。ポータブル蓄電池は、屋外に持っていき使用することが想定されるのですが、事前に充電した電力を使い切れば使えなくなるのです。最近では、小型のソーラーパネルと組み合わせることができる製品も登場していますが、天候や日当たりが関係する上、製品価格が高くなります。
デメリット3 水に弱い
一般的なポータブル蓄電池は、屋外で使用する想定であるものの、防水機能が備わっている製品が非常に少ないです。そのため、雨天時のキャンプや豪雨による浸水などで濡れてしまうと使用できなくなるのです。家庭用蓄電池は、屋外設置モデルの場合、防水対策がしっかりとなされています。
高音多湿な日本の気候では、適切な状況での保管を心がけないと、結露などで故障してしまうリスクも高いと言えるでしょう。
デメリット4 使用できる家電が限られる
ポータブル蓄電池は定格出力が決まっています。そのため、使いたいと思う家電であっても、定格出力の関係で使えない…なんてことになる場合があるのです。
キャンプなど、屋外での使用を想定している場合、どのような家電を使用したいかよく考え、その消費電力が定格出力を超えないようにしなければいけません。
デメリット5 海外製のものは粗悪品も多い
ポータブル蓄電池は、日本国内で製造されているもの以外にも、海外で製造された海外製のものが販売されています。基本的に、日本製のものよりも海外製のものがより安く販売されている感じです。ただ、詳しくは後述しますが、日本製と海外製の製品の違いをきちんと押さえておかなければいけません。
というのも、海外製のポータブル蓄電池の中には低品質の製品があり、安全性に疑問が残るものも普通に販売されているとされるのです。ポータブル蓄電池は、設置工事などが不要なため、ネットショップで購入する方が多いのですが、価格の安さだけに注目して製品選びを進めると、粗悪品をつかまされてしまう可能性があります。
もちろん、海外製のポータブル蓄電池だから全てが粗悪品だとは言いませんが、製品品質以外にも注意しなければならないポイントも多いです。したがって、実物を確認することなく購入するネット通販の場合は、商品の情報をしっかりと仕入れてから自分に合った製品を探さなければならないと考えましょう。
ポータブル蓄電池を選ぶときのポイントについて

近年では、蓄電池の利便性が広く知れ渡ってきたこともあり、さまざまなタイプの製品が販売されるようになっています。上で紹介したような、家庭用蓄電池とポータブル蓄電池と言う大きな区分けだけでなく、同じポータブル蓄電池の中でもさまざまな商品が販売されるようになっているのです。
特に、キャンプなどのアウトドアレジャーが人気になっている昨今では、海外製のものも含め、本当に多種多様な製品が販売されており、どれを選べば良いのか分からない…と言う声を聞く機会も多いです。
そこでここでは、ポータブル蓄電池の購入を検討している方に向け、製品選びの際のポイントをご紹介します。
使用用途を明確にする
蓄電池の導入を検討した際には、製品価格の安さではなく「何のために蓄電池が必要なのか?」と言う使用用途を明確にすることが大切です。蓄電池の導入を検討している方でも、以下のようにその目的は異なるはずです。
- アウトドアレジャーで電化製品を使いたい
- 災害による停電など緊急時に備えたい
- 日々の生活にかかる電気代を削減したい
導入すべき蓄電池は、それぞれの使用用途によって最適なものが変わります。用途に最適な蓄電池を選ぶためのポイントを以下でもう少し詳しく紹介します。
- アウトドアレジャーで使用したい
キャンプなど、自宅以外で家電を使用できるようにしたい場合は、定置型の家庭用蓄電池を購入しても意味がありません。この場合、ポータブル蓄電池を選択すべきなのですが、小型のケトルや冷蔵庫、IHコンロが使用できれば良い程度なら300Wh~500Wh程度の容量があれば十分でしょう。蓄電池自体も小型になるので、持ち運びも容易です。 - 緊急時の備えとして使用したい
緊急時の備えとして蓄電池の導入を考えている場合、ポータブル蓄電池ではなく家庭用蓄電池がおすすめです。費用の関係でポータブル蓄電池を選ばざるを得ない場合、最低でも500Wh以上の容量を持つ製品を選びましょう。このタイプなら、扇風機や電気毛布を約10時間使用することができるので、避難するまで一時的に使用することは可能です。なお、ポータブル蓄電池を緊急時に継続使用したい場合は、ソーラーパネルが付属された製品がおすすめです。 - 電気代削減に使用したい
日々の生活の電気代削減を目的に蓄電池の導入を検討している場合、ポータブル蓄電池は望ましくありません。蓄電池による電気代削減は、住宅用太陽光発電との連携や電力会社の料金格差を活用することで得られるのですが、ポータブル蓄電池の容量ではこういった方法が採用できません。したがって、長期的な視点で考え、費用をかけてでも家庭用蓄電池を設置するのがおすすめです。
このように、蓄電池は使用用途によって導入すべき蓄電池の種類が変わることを忘れないようにしましょう。
「定格出力」と「周波数」を確認する
ポータブル蓄電池を選ぶときには「定格出力」と「周波数」と言った製品の仕様をきちんと確認しなければいけません。
定格出力とは、給電可能な最大の出力のことで、ポータブル蓄電池が継続して安全に給電可能な電力の最大出力を意味しています。例えば、蓄電容量400~700Whの製品は、AC出力ポートの定格出力が300~500Wになっています。この場合、消費電力が500Wを超える家電を蓄電池に接続したとしても、稼働させることができないのです。ポータブル蓄電池は、自分が使用したい家電製品を稼働させることができる定格出力を持つ製品を選ばなければいけません。
また、ポータブル蓄電池は、周波数も家電製品の稼働に関係します。一般的な家庭用コンセントは、周波数が50Hzと60Hzに分類されていて、家電製品はどちらか一方にしか対応していない場合があります。異なる周波数の家電とポータブル蓄電池を接続した場合、正常に稼働できないだけでなく、故障してしまう可能性もあるのです。ポータブル蓄電池の中には、どちらの周波数にも対応可能な製品が販売されているため、使用したい家電が複数ある場合、そういった製品を選ぶと良いでしょう。
用途に合った重量の物を選ぶ
家庭用蓄電池は、一度設置したら後から移動させることがないため、製品の重さを気にする必要はあまりありません。しかし、ポータブル蓄電池の場合、持ち運びを前提としているため、いざという時に不便に感じないレベルの重さの製品を選ぶ必要があるのです。
一般的に、ポータブル蓄電池の重さは1.5~10kg程度とされています。蓄電容量が大きければ大きいほど、製品の重量が増えていきます。例えば、キャンプなどのアウトドアレジャーで使用するという場合、10kg以上の重さとなれば、重くて持ち運びが困難に感じます。また、災害時に使用したい場合でも、重くて持ち出せない…なんてことになるかもしれません。したがって、移動を前提としたポータブル蓄電池は、使いやすいと感じる重さの製品を選ぶことも大切です。
緊急時の利用を想定するなら充電方式に注意
ポータブル蓄電池の使用目的によっては、充電方法にも注意が必要です。多くの場合、ポータブル蓄電池はコンセントに繋いで充電する仕組みになっているのですが、この場合、災害による停電が発生したら、使えなくなってしまいます。つまり、コンセントでのみ充電できるポータブル蓄電池は、緊急時にはあまり役に立たない製品となってしまうのです。
もしポータブル蓄電池の導入が「災害対策も考えて…」とのことであれば、コンセント以外の充電方法が用意されているものを選びましょう。例えば、小型のソーラーパネルが付属されていて、それと連携することで充電できるものや、車のシガーソケットを使用して充電できるカーチャージ機能が搭載されているものもあります。
出力ポートの種類と数
ポータブル蓄電池は、製品によって出力ポートの種類や数が変わります。したがって、自分の使用用途に合った製品を選びたいなら、この部分もきちんと確認しておかなければいけません。
出力ポートとは、使用するもしくは充電したい機器をつなぐための差し込み部分のことで、この数が少なければ同時に使用できる機器の数も少なくなるのです。また、出力ポートの形状に関しても、USBポート、ACポート(コンセント)にシガーソケットなど、さまざまな種類があります。
自分にとって必要なポータブル蓄電池を購入するには、使用予定の機器を明確にしたうえ、それらの機器を差し込むことができるポートが搭載されているのかを確認しましょう。
製品の安全性について注意する
ポータブル蓄電池は、ほとんどの製品でリチウムイオン電池が採用されています。スマートホンやノートパソコンの電池としても使用されているのですが、リチウムイオン電池は、耐久性がそこまで高くなく、外部からの衝撃により故障してしまうケースも少ないとされています。
さらに、故障した部分から発火する危険性もあるとされており、キャンプなど屋外で使用する際には慎重に取り扱わなければならないのです。もちろん、市販されているポータブル蓄電池については、どの製品も安全確認などが行われているはずです。しかし、先ほど紹介したように、海外製の製品の中には粗悪品が混ざっているケースが少なくないとされ、数カ月で故障して使えなくなった…なんて話も耳にします。ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池よりも安価に購入できる点がメリットの一つとはいえ、製品の安さばかりに注目するのではなく、製造元の評判や耐久性についてもきちんと確認しておきましょう。製品の耐久性については、やはり大手メーカーの製品の方が信頼できるといえるでしょう。
ちなみに、ポータブル蓄電池の寿命は、サイクル数で考えると小型のもので500回、高価で大容量なタイプで3,000回程度とされています。サイクル数とは、1回の充電と放電を1サイクルと換算し、何回充放電を繰り返すことができるかの目安です。頻繁にキャンプなどに行く方の場合、小型の蓄電池を購入すると、充放電の繰り返しで、すぐに容量が減少して使えなくなってしまう可能性があります。蓄電容量が大きくなれば、本体価格が高くなるものの、長く使用できると考えられますし、中長期的に考えるとお得になる可能性があります。したがって、自分が想定する蓄電池の使い方をイメージし、最も長く使用できそうな製品を選ぶのがお得だと思います。
日本製と海外製のポータブル蓄電池の違いについて
ポータブル蓄電池は、年々その注目度が高まっていることもあり、多種多様な製品が販売されるようになっています。特に、ネットショップなどでは、日本製のものだけでなく、海外製のポータブル蓄電池を取り扱うお店も増えていて、どれを購入すれば良いのか分からない…とその選択肢の多さが逆に困ってしまうような状況にもなっているのです。
それでは、ポータブル蓄電池は、日本製と海外製では何が異なるのでしょうか?ここでは、多くの方が気になっているであろうポイントをいくつかの視点で紹介します。
価格が異なる
日本製と海外製のポータブル蓄電池は、本体価格に違いがあります。多くの場合、海外製品は日本製品よりも安い価格設定になっていて、どうしてもその安さに注目してしまいがちです。
ただ、リチウムイオン電池が使用される蓄電池は、安さばかりに注目するのは危険です。海外製のものは、大量生産するというその製造体制で安さを実現している場合があり、製品の検品が不十分で低品質のものが普通に流通してしまっている可能性があるのです。実際に、安価だという理由で海外製品を購入した方の中には、使用時に異常な発熱や発煙などがあり、安全に使用することが出来なくてすぐに買い替えた…なんて方も少なくないと言われています。なお、海外製品の全てが安全性に問題があるというわけではないので、その点は安心してください。
保証内容が異なる
ポータブル蓄電池は、日本製のものと海外製のものでは、保証内容がかなり違うので注意しましょう。
ポータブル蓄電池にも、購入時点でメーカー保証が必ずついているのですが、海外製品は日本製品と比較すると、保証期間が短いものがほとんどです。さらに海外製品の場合、修理サポートや搭載バッテリーの交換など、アフターフォローはほぼしてもらえないと考えなければいけません。修理や部品交換は、メーカーに現物を送付し、修理後に送り返してもらうといった対応が一般的ですよね。海外製品の場合、日本にサポートをする拠点などがないメーカーが多いため、そういったアフターフォローが全く受けられない可能性が高いのです。日本製の場合、万一の際は、手厚いサポートを受けることが可能でしょう。ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池よりも寿命が短い傾向にありますが、それでも数年単位で使用する製品なので、購入後のサポート体制はきちんと確認すべきです。
海外製ならではの機能の高さは評価できる
日本製のポータブル蓄電池は、その安全性の高さが大きな特徴と言えるでしょう。また、万一の際に、アフターフォローを受けやすいことから、安心して機器を使用することができます。
もちろん、海外製のポータブル蓄電池でも、その全てが安全性に問題があるわけではありませんが、大量生産されることからどうしても低品質な製品が混ざってしまいやすいとされています。ただ、機能性に関しては、海外製ならではの嬉しい機能が搭載されているモデルが多いのも事実です。例えば、海外製品の多くは中国製のバッテリーが採用されているのですが、中国では高速充電や出力コントロールを搭載したバッテリーが販売されているなど、非常に技術が発展している部分もあるのです。また、安全性を重視する日本市場に合わせて、国内の安全基準を取得した製品も増えていますし、一概に海外製だからと不安に感じる必要はない時代になっています。
災害対策を考えた時のポータブル蓄電池の注意点

それでは最後に、災害による停電など、緊急時に利用する電源として考えた時、ポータブル蓄電池にどのような問題があるのかも簡単に解説します。
先程からご紹介しているように、災害による停電に備える目的で蓄電池の導入を考えている場合、定置型の家庭用蓄電池の方がおすすめできます。なぜなら、ポータブル蓄電池は、以下のような問題があるからです。
一部の家電しか動かせない
ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池と比較すると、蓄電容量や定格出力が小さいです。そのため、住宅に設置されるような冷蔵庫やエアコンなどの緊急電源として使用することは基本的にできないのです。
ポータブル蓄電池は、あくまでもスマホやPC、ケトルや電気毛布など、小型の電化製品を稼働させることができるだけで、災害による長期の停電が発生した時に普段の生活を維持することはできません。
家庭用蓄電池は、停電が発生した時、瞬時に家の中の家電全てに電気を送ることができ、太陽光発電と連携させれば、普段と変わらない生活を維持することができる製品もあるので、災害対策の面ではより安心できるでしょう。
容量が少ないためすぐに使えなくなる
ポータブル蓄電池は、家庭用蓄電池と比較すると圧倒的に蓄電容量が少ないです。キャンプ用などとして人気のポータブル蓄電池であれば、500Wh程度の容量の製品がほとんどです。
ただ、この程度の容量の場合、小型の冷蔵庫や扇風機を10時間ほど稼働させれば、充電がなくなってしまい、新たに充電しなければ蓄電池が使えなくなってしまうのです。災害で蓄電池が必要と言う状況は、電力会社の電気の供給がストップしていることを意味しますし、新たな電気を充電することはできず、結局数時間で使えなくなることを意味するのです。
家庭用蓄電池の場合、冷蔵庫やエアコンなど、人の命に係わる家電のみを稼働させるという場合、数日間は充電が持つとされています。さらに、住宅用太陽光発電と連携させれば、長期的な停電でも安定的な電力供給を維持することができます。
事前に充電しておかなければならない
ポータブル蓄電池は、単体で充電することはできません。事前にコンセントなど、電源に繋いで充電しておかなければ、緊急時に電源として使用することはできないのです。
台風や豪雨による水害の場合、事前に停電の可能性が予想できるのであらかじめ蓄電池に充電しておくということも可能でしょう。しかし、地震に関しては、いつ・どこで発生するのか現在の技術をもってしても予想することができないので、事前に充電するという対策が難しいのです。ポータブル蓄電池による災害対策の場合、小まめに蓄電池に充電しておくといった手間がかかるうえ、充放電を何度も繰り返すことになるため、機器の寿命が短くなってしまいます。
まとめ
今回は、年々その注目度が高くなっているポータブル蓄電池について、家庭用蓄電池との違いや災害対策に役立つ製品なのかを解説しました。記事内でご紹介したように、ポータブル蓄電池は、持ち運びが可能な小型の蓄電池で、キャンプなどのアウトドアレジャーで活躍できると注目度が高くなっています。近年では、動画配信者などの影響からか、キャンプなどのアウトドアレジャーを趣味とする方が増えているのですが、ライト層の方の場合は屋外でも快適さを求め、家電製品を使用したいと考えるようです。そしてこのような要望を叶えることができる設備として、ポータブル蓄電池が注目されているのです。
ただ、日本国内で蓄電池が注目されている理由としては、災害対策や電気代削減も大きいです。国内でも急速に普及し始めた家庭用蓄電池は、災害による停電が発生した際、瞬時に家中に電気の供給を始めてくれる製品もあり、万一の時に家族の安全を守ることができるのです。さらに、電気代高騰が社会問題になっている近年では、蓄電池を利用した電気代の削減方法が注目され、家庭用蓄電池の導入に踏み切る方も増えています。このような状況の中、ポータブル蓄電池も家庭用蓄電池と同じようなメリットが得られるのではないかと考える人が増えています。しかし、上で紹介したように、ポータブル蓄電池は、あくまでも屋外のレジャーで役立つアイテムで、災害対策や電気代削減効果はあまり見込めません。
現在、地震や台風、豪雨による水害など、自然災害に備えるために蓄電池の導入を検討しているという方がいれば、定置型の家庭用蓄電池の設置がおすすめです。家庭用蓄電池であれば、普段の生活における電気代を大幅に削減することができるため、蓄電池の導入にかけるコストを取り返すことも可能です。
家庭用蓄電池による電気代削減効果の詳細などが知りたいという方がいれば、お気軽に『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』にご相談ください!