こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。当コラムでは、日々の給湯コストを大幅に削減できると人気のエコキュートについて、エネファームを始めとしたその他の給湯器と何が違うのかを解説します。
電気料金やガス料金の値上げが続く中、日々の生活にかかる光熱費を削減することができる省エネ関連住宅設備への注目度が高くなっています。特に、調理や入浴など、ひと月の光熱費の中で大きな割合を占める給湯コストの削減が可能なエコ系給湯器への入れ替えを検討する方が多くなっています。実は、資源エネルギー庁が発表した調査結果によると、家庭で消費されるエネルギーの中で、約3割となる27.8%を『給湯』が占めているとされています。つまり、既存の給湯器を高効率給湯器に交換することで、日々の生活にかかる光熱費を大幅に削減することができるわけです。
ただ、一口に「エコ系給湯器」と言っても、エコキュートやエコジョーズ、エネファームなど、さまざまな給湯器が登場していて、どれを選択するのが自分にとって最適なのか分からないという声も多いです。そこで当コラムでは、エコ系給湯器の主力商品となっている、エコキュート・エコジョーズ・エネファームの違いについて解説します。
参照データ:資源エネルギー庁「エネルギー白書2022(エネルギー消費の動向)」
エコキュート・エコジョーズ・エネファーム、それぞれの特徴とは?
エコキュートとエコジョーズ、エネファームは、名前が似通った製品であることも、それぞれの違いが分かりにくく感じる理由の一つだと思います。ただ、これらの給湯器の中身を見てみると、各設備が担う役割りからして全く異なります。例えば、住宅設備として見ただけで以下のような大きな違いがあります。
・エコキュートやエコジョーズ
熱の生産や供給に関する性能を最大限に高めた給湯器
・エネファーム
熱に加えて、電力の生産・供給も担う。コージェネレーションシステムとも呼ばれます。
このように、住宅設備として求められている役割がそもそも異なる製品です。さらに、エコキュートとエコジョーズに関しても、エコキュートは電力を動力源にする、エコジョーズはガスが動力源など、熱を作るためのエネルギー源が異なります。
以下で、エコキュート・エコジョーズ・エネファームそれぞれの特徴についても簡単に解説します。
エコキュートの特徴
日本国内では、ガスをエネルギー源としてお湯を沸かす給湯器が一般的です。しかし、エコキュートは、電気をエネルギーとしてお湯を沸かす仕組みになっている点が大きな特徴です。お湯を沸かす際に、ガスを燃焼させないことから二酸化炭素の排出量が削減でき、給湯時の環境負荷も軽減することが可能です。さらに、電力会社が用意している深夜帯の電気料金が安くなるプランを使用することで、お湯を沸かす際にかかる電気料金が大幅に安くなるため経済的です。太陽光発電やオール電化と組み合わせれば、日々の生活にかかる光熱費を大幅に削減できます。
この他にも、エコキュートは、台風や地震などによる自然災害で断水になったとしても、一定量の非常用水を確保しておけるという点も特徴の一つです。エコキュートは、一日に使用するお湯をまとめて沸かしてタンクに貯めておくという仕組みですので、万一の断水時にはタンクのお湯を取り出し使用することが可能です。エコキュートのタンクは、魔法瓶のような構造になっていますので、停電時でもある程度は温度を保ってくれ、非常時でもお湯を利用することが可能です。
なお、エコキュートの注意点は、空気中の熱を効率的に利用するヒートポンプシステムによりお湯を作る仕組みであることから、気温が低下する冬場は熱効率が下がります。冬場は、給湯にかかるコストがかかりやすいので注意しましょう。この他、お湯をタンクに貯めてそこから供給するシステムですので、友人が泊りに来たなど、普段よりもお湯の使用量が増えた際に、お湯切れになるリスクがあります。
エコジョーズの特徴
エコジョーズは、見た目上、従来のガス給湯器とほとんど変わらないため、一般の方から見ると「何の変哲もない従来の給湯器」というイメージを持たれています。
ただ、エコジョーズは、「排気熱を有効活用できる」という点が特徴で、この機能が追加されたことにより、給湯にかかるコストを削減しています。
従来のガス給湯器は、お湯を作る際に高温の熱が空気中に放出されていました。当然、お湯を作ることを考えた場合、空気中に熱を放出するのは非効率です。そこで、エコジョーズは、その排気熱を回収し、お湯を作るために再利用する仕組みが搭載されました。この排気熱を再利用する仕組みにより、従来の給湯器で80%程度であった給湯時の熱効率を、なんと95%程度まで高めることに成功しています。
エネファームの特徴
エネファーム最大の特徴は、エコキュートやエコジョーズと同じ給湯能力を持っているだけでなく、発電能力まで持っていることです。さらに、エネファームは、発電能力の性能も高く、製品によっても発電効率が変わるものの、高いもので50%を超える発電効率を持つ製品があります。
さらに、発電時に発生した熱を給湯機能にも有効活用することができる仕組みになっていますので、余計なエネルギー消費が非常に少ない設備となります。
注意が必要なのは、上で紹介したエコキュートやエコジョーズと比較すると、導入にかかるコストが圧倒的に高くなります。単なる給湯器ではないものの、「給湯器の入れ替えを検討している!」という方が、他の給湯システムと比較した場合、「さすがに高額すぎる…」というイメージを持たれやすいです。なお、エネファームは、二酸化炭素の排出量が少ない環境に優しい製品ですので、自治体によっては導入を補助してくれる制度が設けられている場合があります。補助金が利用できれば、導入にかかる負担は少なくなります。
※エコキュートなどの導入も補助金制度が設けられている場合があるので、調べてみましょう。
エコキュートとエコジョーズ(ガス給湯器)の違い
それではここから、さまざまなある給湯器について、それぞれの違いをいくつかのポイントで比較していきます。
エコキュートとガス給湯器(エコジョーズ含む)の違いについては、「電気を動力とするエコキュート」と「ガスが動力のエコジョーズ」など、根本的にエネルギー源が異なるという違いが最も分かりやすいです。ただ、これ以外にもさまざまな違いが存在しますので、以下でご紹介します。
給湯の仕方が違う
まずは給湯の仕方が異なる点です。エコジョーズのようなガス給湯器は、お湯を作るのにガスと電気を必要としますが、エコキュートは電気のみでお湯を作ります。同じ湯量を作る場合、ガスと電気では、電気の方が少ないエネルギーで効率よく作れます。
さらにエコキュートは、ヒートポンプの仕組みを使っていますので、空気中の熱を効率よく利用でき、より少ない電気でお湯を作ることが可能です。そのため、エコキュートのメーカーサイトなどでは、ガス給湯器からエコキュートに入れ替えするだけで、給湯にかかる光熱費を大幅に削減できるとしています。
なお、一般的なガス給湯器は、「瞬間沸かし方式」が採用されていて、お湯が必要な時に必要な分、沸かすようになっています。一方、エコキュートは、一日に使用するお湯をまとめて沸かし、タンクに貯めておくという方式です。そのため、地震や台風などの自然災害時でも、エコキュートであれば一定の非常用水を確保して置けることが大きなメリットと捉えられています。ガス給湯器は、停電・断水時は水もお湯も使えなくなるので、自然災害の多い日本では、エコキュートの「非常用水を確保できる」という特徴が非常に大きなメリットになります。
給湯器の導入にかかるコストが違う
エコキュートとガス給湯器の二つ目の違いは、イニシャルコストが違うというポイントです。
一般的に、エコキュートの設置は、本体と設置工事費を含めると、30~80万円程度と言われています。エコキュートは、フルオート・オート・給湯専用など、いくつかのタイプが存在していて、さらにメーカーごとに独自の便利機能があり、どれを選ぶのかによって本体価格が大幅に変わります。
一方、ガス給湯器は、本体と設置工事を含めて、18~40万円程度が相場です。ガス給湯器も、製品によって本体価格が変わりますが、従来タイプで追い炊き機能なども搭載されていないものなら、設置工事を含めても20万円程度と、エコキュートよりもイニシャルコストが安くなります。エコジョーズの場合は、30~40万円程度が相場です。
エコキュートは、さまざまな面で優れている給湯器として人気になっていますが、初期にかかるコストについては、ガス給湯器に軍配が上がります。ただ、給湯器は、設置してから10年程度は使用することを想定していますので、光熱費などのランニングコストまで含めると、エコキュートに軍配が上がるという声が多いです。
光熱費(ランニングコスト)の違い
給湯器の交換に際しては、「光熱費が安くなるのか?」が最も気になるポイントでしょう。この部分については、エコキュートメーカーとしても有名なパナソニックが公表している情報をご紹介します。
パナソニックの発表によると、パナソニック製エコキュートの関西電力エリアでの給湯にかかる毎月のコストは、平均で1,700円、年間で20,400円としています。一般的なエコキュートの寿命10年間で考えると、エコキュートの入れ替えまでの給湯コストは204,000円という計算になります。
一方、都市ガスを使用した場合の給湯にかかるコストは、月平均で6,800円ほどとなり、年間で81,600円、10年間で816,000という金額になります。ちなみに、プロパンガスはこれよりももっと高いです。
これからも分かるように、エコキュートとガス給湯器では、本体の寿命目安となる10年間使い続けた場合、60万円近い差額が生じます。もちろん、シミュレーション上の話ですが、ランニングコストについては、圧倒的にエコキュートが有利で、イニシャルコストの分を含めても、トータルでの支払いはエコキュートの方が安くなるでしょう。
参考:パナソニック公式サイト
飲料水として利用できるかが違う
一般的に、エコキュートは、タンクにお湯を貯めるシステムですので、エコキュートのお湯は不衛生でそのまま飲めない。ガス給湯器は、水道直圧方式なので、そのまま飲めるので、この点はガス給湯器が優れていると考えられています。ただ、全ての機器にこのイメージが当てはまるわけではありません。
まずガス給湯器に関しては、大抵の場合、瞬間湯沸かし式で、給湯栓を開くと同時に、水道水を加熱しながら給湯するので、問題なく飲用水として利用できます。
エコキュートの場合は、貯湯式の給湯システムで、作られたお湯が貯湯タンク内に長時間貯め置かれている可能性があります。したがって、エコキュートメーカーは、タンク内でどれぐらい時間が経過するか分からないことから、そのまま飲用に使うのではなく、生活用水として利用すべきという見解を出しているわけです。なお、シャワーを浴びる際にお湯が口に入る程度であれば何の問題もなく、飲用や料理に使用する場合は煮沸すればOKとしています。ただ、エコキュートの中にも、水道直圧給湯モデルが日立から登場していて、このタイプであれば、ガス給湯器と同じく、そのまま飲用水として利用可能です。
機器のサイズが違いから施工性が異なる
エコキュートとガス給湯器は、機器のサイズが大きく異なります。そのため、給湯器の設置工事の難易度が大きく変わります。
ガス給湯器は、皆さんご存知の通り、非常にコンパクトで重量もそれほどないので、壁掛け設置されるケースが多いです。マンションなどの集合住宅にガス給湯器が多いのは、設置場所をあまり問わないのが大きな理由です。
一方、エコキュートは、エアコンの室外機のようなヒートポンプユニットとお湯を貯めておくための貯湯タンクユニットを設置しなければいけません。エコキュートの機種にもよりますが、貯湯タンクだけで横幅600mm・奥行750mm・高さ1800mm以上もの大きさになるので、設置にはそれなりに広いスペースが必要になります。最近では、薄型タイプの貯湯タンクユニットなどが登場しており、設置条件は緩和されていますが、この点はエコキュートの弱点とも言えます。
その他の違いについて
上で紹介したポイントが、エコキュートとガス給湯器の大きな違いとなります。またこれ以外にも、エコキュートの方が安全面で優れている、寿命が長い傾向にあるなど、いくつかの違いが存在します。
ガス給湯器は、ガスを利用しますので、どうしても火災リスクがついて回るのですが、エコキュートは、ガスも火も利用せずお湯を沸かすので、火災リスクが低くなります。最近では、エコキュートなどを導入したオール電化住宅なら、火災保険料が安くなる保険会社なども登場しています。
エコキュートとエネファームの違い
それでは最後に、エコキュートとエネファームの違いについてもご紹介します。エネファームは、エコキュートやエコジョーズのような単純な給湯器ではなく、発電能力まで持っている点が最大の違いです。
もちろん、この他にもさまざまな違いがありますので、以下で簡単にご紹介します。
エネファームはお湯と電気を作ることができる
エコキュートは、あくまでも給湯器であることは間違いなく、従来の給湯器と比較して給湯コストが削減できる、環境負荷が少ないなどと言ったメリットから人気になっている機器です。
一方、エネファームは、単純な給湯器ではなく、電気まで創出することができることから、省エネ効果が非常に高くなるとされています。
エネファームは、機器自体が電気を生み出すことができることから、電力会社からの買電量が少なくなり、日々の生活にかかる光熱費が大幅に削減できる点が大きな特徴です。
騒音トラブルの心配がない
エコキュートは、エアコンの室外機のようなヒートポンプユニットがシステムに組み込まれています。そして、お湯を作る際に、この機器が振動することから、低周波音を発生させ、騒音トラブルになることがあります。エコキュートは、深夜帯の安い電力を利用して給湯コストを下げますので、周囲が寝静まっている時に機器が稼働します。そのため、本来はたいして大きな音ではないのですが、環境騒音が少ない分、エコキュートの低周波音が目立ってしまい、トラブルになることがあるようです。
エネファームの場合、エコキュートのような低周波音が発生しませんので、給湯に関わる騒音トラブルの心配はありません。
イニシャルコストが違う
エコキュートとエネファームの違いとしては、設置にかかるコストが大幅に違う点に注意しましょう。
上述したように、エコキュートを導入する場合、本体価格と設置工事費を含めて、30~80万円程度が相場となります。導入する機器によってはそれなりのイニシャルコストがかかりますが、平均値で見ると40万円前後が一般的です。
これがエネファームとなると、本体と設置工事を含めて140~200万円程度と、その他の給湯システムとは比較にならないほど高額なイニシャルコストがかかります。確かに、他の給湯器にはない「発電できる」というメリットはあるものの、単純に「省エネ効果が高い給湯器が欲しい」と考えている方にはかなりハードルが高いです。
エネファームは寿命が長いけど維持費が高い
エコキュートの寿命は、一般的に10~15年程度と言われています。ただ、給湯器は故障してから交換することを想定していた場合、お湯が使えない状態が数日続いてしまう可能性があるので、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』などでは、故障前兆が生じ始める8~10年程度での入れ替えをオススメしています。
一方、エネファームの寿命については、判断が難しいのですが、発電に関わる燃料電池ユニットは、使用を開始してから20年で「自動で停止する」ようになっています。これ以降は、普通のガス給湯器として利用することになります。
注意が必要なのは、エネファームは設置から10年間は無償でメンテナンスを受けることができる保証が付いています。しかし、10年を過ぎると、それ以降のメンテナンスは全て有償になってしまい、このメンテナンス費が非常に高額です。例えば、10年を過ぎたエネファームの場合、定期点検を受けるのに1回約10万円の費用がかかります。そして、その時に何か修理が必要な場合は、別に部品代や修理費がかかってきます。
つまり、エネファームは、イニシャルコストが非常に高額なだけでなく、ランニングコストも他の給湯器と比較すると、かなり高額になる点が大きなデメリットになるでしょう。
なお、「発電するなら、余剰分を売電すれば良いのでは?」と考える方がいますが、エネファームの余剰電力は一部のガス会社しか売電できません。
まとめ
今回は、エコキュートやエコジョーズ、エネファームなど、省エネ効果の高い給湯システムについて、それぞれの違いをご紹介しました。エコキュート・エコジョーズ・エネファームの3つについては、エネファームだけが少し毛色の違うシステムと言えるでしょう。エコキュートとエコジョーズは、どちらも「給湯」することがメインの住宅設備で、従来のガス給湯器と比較すると、エネルギー効率が高く光熱費の削減が目指せるシステムです。ただ、両者を細かく比較してみると、コスト面ではエコキュートの方がかなり有利だと考えられます。ただ、「どうしても設置場所が限られる」「直接、飲用水に使えないのは…」とお考えの方は、エコジョーズがオススメかもしれません。
『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』は、エコキュートの入替・交換を日本全国対応しています。24時間365日対応のフルーダイヤルも用意しておりますので、エコキュートの交換などをお考えなら、お気軽にお問い合わせください。