コラム

太陽光?節電?プラン見直し?電気代を安くする方法を3つの視点から解説

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電気代が高いとお感じの方はとても多いと思います。しかも最近特に、目に見えて電気代が高くなっているとお感じの方がほとんどではないでしょうか。

その理由としてはウクライナ戦争によるエネルギー価格の高騰やインフレの進行などを思い浮かべると思いますが、それ以外の理由も複雑に絡み合って日本の電気代は上がり続けています。

しかもこれからも電気代が高くなることはあっても、安くなることは考えにくい見通しです。それなら電気代を安くする方法を知り、実践したいところですが、電気代を安くする方法にはさまざまな視点があります。

当記事では電気代を安く方法を「節約」「プランの見直し」そして太陽光発電を軸とする「創電」という3つのカテゴリーに分類し、それぞれの考え方や方法について解説します。今すぐ実践できるものもあるので、ぜひ参考にしてください。

電気代が上がり続けている

最初に、電気代が上がり続けている現状と考えられる原因、そして今後の見通しについて解説します。いきなり絶望的な内容の解説になってしまいますが、まずは現状を正確に把握することが大切です。その上で電気代を安くする方法を解説しますので、ご安心ください。

電気代は1年半で1.5倍以上の上昇

私たちは日々の生活で、さまざまなモノの価格が高くなっていることを感じていますが、電気代もその例外ではありません。2021年1月から2022年9月までの1年半少々で、電気代はなんと1.5倍も上昇しています。そのことは、以下のグラフを見ても明らかです。

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出典:「1年半で約3,000円の値上がり!?電気代はなぜ上がっている?」(日本生命コラム)

上記のグラフは2022年9月までのデータですが、これ以降も電気代は上昇し続けているので、2023年はこれよりもさらに深刻になることが必至です。1.5倍もしくは2倍の電気代を請求されている人も少なくないはずです。

これまで1万円だったものが2万円になったことを想像してみてください。しかもそれが毎月続き、さらに今後は2倍以上に上昇していくかもしれないのです。

電気代の高騰がいかに深刻なことであるか、お分かりいただけると思います。

電気代が高くなっている理由

ここまで電気代の上昇が深刻になっていることには、いくつかの理由があります。その中でも深く関わっている主な原因を挙げてみました。

①ウクライナ戦争

2022年から2023年にかけて起きている電気代の急騰に最も深く関わっているのは、ロシアによるウクライナへの侵略戦争です。戦争という地政学リスクの高まりに加えて産油国であるロシアへの経済制裁によって供給が細り、世界中でエネルギーの争奪戦が起きたことは原油価格や天然ガス価格の上昇を招きました。

発電の大半を火力に依存している日本では、こうしたエネルギー価格の高騰が直接的に電気代を押し上げます。

②インフレ

欧米諸国を中心に進行しているインフレは、ジワジワと日本にも押し寄せています。消費者物価指数は3%台の上昇を続けており、相対的な貨幣の価値が下がることによってエネルギー価格や電気代が相対的に上昇します。

③円安

2022年はドル円が152円を付けるなど、歴史的な円安となりました。2023年になっても円安基調は変わっておらず、エネルギーや資源のほとんどを海外からの輸入に依存している日本は為替レートが円安になることによって調達コストが増大します。

それが結局、電気代に転嫁されます。

④原発再稼働の遅れ

日本の電力供給力の3分の1程度を担ってきた原子力発電。これが福島第一原発の事故によって一変し、一部の原発を除いてほとんどが停止したままの状態です。

原発は発電コストが安いため、安全面への懸念から原発の再稼働が遅れることは電気代の高騰につながります。

今後の電気代はどうなる?

上記で挙げた電気代高騰の理由のうち、今後改善が見込まれるものはあるでしょうか。戦争以外は構造的な問題なので、今すぐ改善されるものではありません。そうなると今後も電気代の高止まり、もしくはさらに上昇すると見るのが妥当でしょう。

残念ながら電気代が安くなることを見込めないのであれば、電気代を安くする方法を自分で学び、実践するしかありません。

電気代を安くする方法 節約編

電気代を安くする方法のひとつめは、節約編です。ここでは電気使用量を削減することによって電気代を安くする方法を解説します。

心がけによる節電

無駄な照明やつけっぱなしのテレビなど、身の回りにある無駄を見直して節電を実施する方法です。特別な機器などを必要としないため、最も手軽で今すぐ始められます。

待機電力を削減する

待機電力というのは、家電をスタンバイ状態にしておくための電力です。ある試算によると家庭の消費電力のうち待機電力は6%もあるとのことで、これを削減すると即効性があります。

使わない家電はコンセントから抜いておくのが理想ですが、それが面倒なのであればスイッチ付きの節電タップを活用して使わない家電はタップの電源を切っておきましょう。

冷蔵庫やエアコンの室外機を壁に密着させない

冷蔵庫やエアコンの室外機はいずれも熱をうまく交換することで性能を向上し、電力消費を抑えることができます。壁のギリギリに設置すると熱の交換がしづらくなるため、どうしても出力が高くなって消費電力を増大させます。

これらの機器は壁から離して風通しの良い状態にしておきましょう。

風呂、洗濯はまとめて

風呂を何度も沸かしては冷めてを繰り返すと、消費電力を増大させます。また、洗濯も何回も回すより少ない回数で済ませたほうが節電になります。風呂や洗濯は一度にまとめて、を基本にしてください。

エアコン使用の工夫

エアコンの設定温度について、夏は28度、冬は20度にするのが理想とされています。しかしこれらの温度設定だと十分な効果が得られないこともあるので、その場合は無理せず少しずつ温度を調節しながら快適な温度を探してみてください。

エアコンに加えてサーキュレーターといって空気を攪拌する機器を使うと、空調の効率がアップします。

電気代を安くする方法 プランの見直し編

次に、節電ではなく電力会社との契約を見直すことによって電気代を最適化する方法について解説します。

使用電力量に合わせた最適なプランを選択

電力会社には、さまざまな料金プランがあります。従量課金と定額課金だけでも最適なモデルは全く違いますし、深夜電力を安くできるプランなど、生活スタイルや使用電力量によって最適なプランは異なります。

電力会社のホームページにシミュレーションができるコンテンツが用意されている場合は、そういったツールを使って最適なプランを探すのもひとつの方法です。それ以外にも電力会社の相談窓口やコールセンターなどに相談してみるのも良いでしょう。

新電力を活用する

電力自由化によって、日本国内は700余りの新電力会社があります。それぞれの新電力会社によって考え方や電力の調達先は異なりますが、安さを売りにしている新電力会社もたくさんあります。

現在利用している電力会社に最適なプランがない、もっと安くできる方法がないかと検討している人は、新電力会社への乗り換えを検討するのも有効です。

電気代を安くする方法 創電編

電気代を安くする方法の3つめは、創電編です。創電とは「電気を創る」という意味で、電力会社から供給される電力だけでなく、自前の設備で電力を生み出してそれを使用することで購入する電力量を減らす考え方です。

自宅で創電をするなら太陽光発電

自宅で創電をする方法として、最も現実味があるのは太陽光発電です。すでに家庭用の発電システムが普及しており、比較的安価に導入できるからです。特に駆動部分もないため静かで、排ガスが出る心配もありません。

自宅の屋根や空いたスペースなどを活用して太陽電池を設置し、そこで創電をするのが電気代を安くする基本線です。

太陽光発電で電気代を安くできる理由

太陽光発電を導入する電気代を安くできることは、多くの人がイメージしやすいと思います。しかし、そこには意外な理由もあります。特に3つめの理由は知らない人が多いので、それも含めて太陽光発電で電気代を安くできる3つの理由を解説します。

①太陽光は無料のエネルギー

太陽光は無料かつ無限に降り注ぐ自然のエネルギーです。無料で使えるエネルギーを電力に変換すれば、仕入れコストゼロの電力が手に入ります。太陽光発電による供給量を増やせば増やすほど電力会社から購入する電力量が少なくなるため、電気代を安くできます。

②従量電灯の場合、電気代の単価が安くなる

多くの人は、電力会社との契約が「従量電灯」になっていると思います。これは電力使用量によって単価が決まる仕組みで、使用電力量が多くなればなるほど単価が高くなります。

太陽光発電によって使用電力量を減らせば、電気代の単価も安くなるというわけです。

③再エネ賦課金の削減効果

私たちが毎月支払っている電気代には、再エネ賦課金と呼ばれる料金が上乗せされています。これは正式名称を「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という、再生可能エネルギー普及のための費用負担です。金額はまるで違いますが、公衆電話を維持するために携帯電話料金に上乗せされている「ユニバーサルサービス料」と似た性質の費用です。

この再エネ賦課金も電力使用量に応じて高くなる仕組みになっているため、太陽光発電の導入によって電力会社からの供給分を減らせば、再エネ賦課金の節約効果も期待できます。

太陽光発電の電気代削減効果を最大化する方法

太陽光発電を導入すれば電気代を安くできることが理由とともにお分かりいただけたところで、次は太陽光発電の能力を最大化する方法について解説したいと思います。太陽光発電の導入では能力とメリットを最大化することがとても重要なので、以下の3つのポイントを理解した上で検討してみてください。

①過積載

一般的に用いられている「過積載」とは、トラックが最大積載量を超えて荷物を積んでいることを指します。この過積載は違反行為ですが、太陽光発電の過積載は能力を最大化するのに役立つアイディアです。

太陽光発電システムは、発電を行う太陽電池と電力の変換を行うパワーコンディショナーに分かれています。パワーコンディショナーの変換能力を超えた太陽電池を設置することを、過積載といいます。

過積載をするとパワーコンディショナーの能力の限度を超えて発電をしている時には容量オーバー分を捨てることになってもったいないですが、太陽電池が能力いっぱいまでの発電をする時間帯はそう多くはありません。その一方で過積載をしておくと最大出力になる時間帯以外の発電量が多くなります。

1日のうちわずかな時間に電力を捨てることと引き換えにしても十分メリットがあるので、太陽光発電を設置する際には過積載をぜひ検討してみてください。

②オール電化との併用

太陽光発電とオール電化はとても相性が良く、普及が進んでいた過渡期にも大いに推奨されてきたモデルです。オール電化にすることで家庭内の光熱費を電気代に集約し、その上で太陽光発電を利用することで昼間の使用電力のうち大半を太陽光発電でまかないます。

オール電化の料金プランは深夜電力が安くなるので、太陽光発電が稼働していない夜間は安い電力を購入します。

このモデルによって電気代が高くなる時間帯は太陽光発電からの供給でまかない、それ以外の時間帯は安い電力を購入することで電気代を安くできます。

③V2H

V2Hとは、「Vehicle To Home」の略です。直訳すると「クルマから家へ」という意味で、このV2Hは電気自動車(EV)を蓄電池のように活用するモデルです。

自宅に太陽光発電とEV充電器を設置し、そこにEVを停めます。EVへの充電はできるだけ太陽光発電からの供給でまかない、夜間にはEVに貯められた電力を家に送り、それを使うというのが大まかな考え方です。

蓄電池を別途導入すると費用が発生しますが、EVであればマイカーと併用できるため新たな費用負担を抑えることができます。

これからのEVが家庭の電力循環モデルとして、普及が期待されています。

太陽光発電の弱点と克服法

電気代を安くする方法として有用性の高い太陽光発電ですが、そんな太陽光発電にも2つ大きな弱点があります。これらの弱点を克服する方法はすでに確立しているので、太陽光発電による電気代の削減をお考えの方はぜひ参考にしてください。

・問題① 夜間や悪天候の日は発電できない

太陽電池は太陽光が当たることで電力が発生します。そのため、十分な日照のない夜間や天候の悪い日は発電をすることができません。これは太陽光発電が開発されるようになった当初からの弱点とされてきましたが、現在では蓄電池が安価かつ高性能になっているため、日中の余った電力を蓄電池に貯めておいて夜間や悪天候の日に使うという自家消費モデルが主流になりつつあります。

・問題② 太陽電池が汚れると発電能力が低下する

太陽電池の表面はガラスで、その内部にはセルと呼ばれる発電部分があります。ガラスは透明なので内部を守りつつセルに太陽光を届けますが、鳥の糞や落ち葉などによってこの表面が汚れてしまうと、発電能力が低下してしまいます。

表面の汚れを放置していると故障の原因にもなるので重大なリスク要因ですが、こうした問題を解消するためにO&Mサービスといって定期的なメンテナンスを依頼できるサービスがあります。表面の清掃だけでなく適切な発電量の監視や早期対応などもサービスに含まれているので、規模の大きな太陽光発電設備を導入する際には検討するべきでしょう。

まとめ

電気代を安くする方法として3つの視点から解説をしました。電気代は今後もさらに上昇する可能性が極めて高く、何らかの形で自衛をしなければ負担は増える一方です。最も効果的な方法として太陽光発電を提案しましたが、これは今後さらに電気代の上昇が進むとメリットが大きくなるので、この機会にぜひ検討してみてください。

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