家庭内の電気を太陽光発電でまかない、余剰分を売って利益を得るという考え方は魅力的ですが、設置状況や契約方法によっては後悔することもあります。初期投資の大きい太陽光ですから、太陽光発電を検討している場合は、このような後悔の原因と対策を事前に知っておくことが重要です。本記事では、住宅用太陽光発電を選ぶ際に起こりがちな失敗例と、それらを回避する方法について説明します。
目次
発電量についての後悔
太陽光発電を導入する前に、販売会社に見積もりを依頼して、家庭での発電量や電気代の削減効果、売電収入などのシミュレーションを行うことはとても大切です。最近の10年間で発電量のシミュレーションシステムは大幅に進化し、高い精度で数値を出せるようになりました。
しかし、設置方法が最適でない場合は、理想的な発電量を得られない場合があります。例えば、太陽光パネルの向きが北向きである場合、日光が当たる時間が短くなり、発電量が減少してしまいます。新築を前提とする場合は、太陽光パネルに日光が当たりやすい土地を選ぶことが重要です。また、設置したパネルの種類や設置角度によっても発電量は異なります。販売業者によって異なる機種やメーカーのパネルを使用するため、同じ家でも発電量に差が生じます。そのため、太陽光発電を導入する場合は、3社以上から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。営業姿勢やシステムの組み合わせによって発電量に差が出ることがありますので、しっかりとシミュレーションを確認しましょう。
価格に関する後悔
太陽光発電を購入する際には、相場から大きく外れた価格で購入すると後悔することが多いため、注意が必要です。高すぎる価格だけでなく、実は安すぎる場合にも品質やアフターフォローに問題があることがあります。自宅に太陽光発電業者がアポなしで訪問するケースもありますが、こうした業者は信頼性に欠ける可能性があるため、注意が必要です。また、太陽光発電の費用相場や最適な価格を知るためには、複数の業者から見積もりを取り、発電シミュレーションの根拠が適切かどうか、1kWあたりの価格にはどのようなコストが含まれているか、アフターフォロー体制などを確認することが大切です。最終的には、実績のある信頼できる施工業者かどうかを判断するために、過去の施工実績やアフターフォローや口コミの評判をチェックすることをおすすめします。こうした対策を講じることで、後悔することなく太陽光発電を導入することができます。
元を取るまでのコスト
太陽光発電を導入する場合、設置コストを回収する期間は一般的に8年～10年が目安とされています。ただし、発電量が予想よりも多くなる場合、10年よりも早く回収できることもあります。また、太陽光パネルには保証期間が設けられており、10年間は自然故障などのトラブルにも耐えられます。しかし、その後に修理やメンテナンスが必要になる場合、計画が崩れる可能性もあります。こうした予想外の出費が発生すると、投資した意味がなかったと感じることもあるかもしれません。こうしたリスクや追加費用の可能性については、業者に事前に説明を求めることが大切です。このような情報を収集し、検討することで、後悔を避けることができます。また、そうしたリスクまでをしっかりと事前説明をしてくれる信頼できる施工業者を選ぶことも重要です。
予想以上の高額請求に注意！
太陽光発電を導入する際には、安価でエコな電気を手に入れることができるという魅力があります。しかし、業者から提供された見積もりや契約内容には、注意が必要です。というのも、設備追加や屋根の状態などの理由をつけて、無理に追加工事費用を取ろうとする業者が存在するためです。このような業者には、技術的な問題があることもあります。手抜き工事をしたり、適切な設置方法を取らなかったりするため、後に問題が発生する可能性があります。契約後に屋根の改修が必要だと発覚し、別途工事費用が追加されたケースなどもあります。業者に勢いに任せてしまうと、予想以上の高額請求になってしまい、後悔することもあるかもしれません。
こうした事態を避けるためには、設備追加の提案にはすぐにOKを出さず、本当に必要かどうかを考える時間を取ることが重要です。業者選びには時間をかけ、丁寧に見積もり内容を確認し、工事費用を把握することが大切です。このような対策を講じることで、太陽光発電の導入によるリスクを最小限に抑えることができます。
屋根の葺き替えに必要な作業とコスト
太陽光パネルを屋根に設置する場合、屋根自体もメンテナンスが必要になることがあります。屋根の寿命を延ばすためにも、太陽光発電を導入する前に屋根の状態を必ず確認しましょう。
屋根のメンテナンスが必要な場合、全てのパネルを外してから行う必要があり、作業時間が長くなったり費用が高くなることがあります。そうしたことから、「こんなはずでは」と後悔する人もいます。
しかし、屋根材と一体型のパネルを使用することで、将来のメンテナンス費用を抑えることができます。また、信頼できる業者に依頼し、将来のメンテナンスも含めてしっかりと対策を立てることで、後悔を防ぐことができます。太陽光発電を導入する前に、屋根の状態や将来のメンテナンスについてしっかりと確認し、対策を立てることをおすすめします。
新築住宅で後悔する間取り
太陽光パネルの設置には、屋根の面積が必要であるため、屋根の形状や高さ、障害物の有無などもパネル設置に影響します。しかし、太陽光パネルのために間取りを変更してしまうと、生活に不便をきたすことがあります。たとえば、南向きの部屋がなくなってしまったり、風通しが悪くなってしまったりする可能性があります。
したがって、太陽光発電の発電量を最大化するだけでなく、快適な生活を送るための間取りや設計も考慮して、バランス良く決めることが大切です。建築士や設計士などの専門家に相談し、最適な間取りを探すことをおすすめします。
また、屋根を設置する際には、屋根材と一体型のパネルを使用することができるため、将来のメンテナンス費用を抑えることもできます。
予定外のメンテナンス費用
太陽光発電システムの設置後、定期的なメンテナンスが必要です。しかし、その費用は規模や経年などによって異なります。例えば、4年に1回の点検費用や、パワーコンディショナーの交換費用があります。ただし、パワーコンディショナーには15年保証が付いているため、保証期間も各メーカーによって異なります。
メンテナンス費用については、専門業者に相談して事前に把握しておくことが大切です。また、メンテナンス費用を考慮して太陽光発電のシミュレーションを行うことで、将来的な予算面での不安要素を排除できます。
新築時に太陽光発電を設置して後悔！？
新築時に太陽光発電を導入する場合、注意すべきポイントがあります。まずは、住宅ローンについてです。太陽光発電の設置費用は、住宅ローンに含めることができますが、返済期間が太陽光発電の設備寿命よりも長い場合、ローン返済が終わってから設備を更新する必要があるため、返済期間と設備寿命を比較することが大切です。
また、屋根の形状によっても注意が必要です。太陽光パネルを設置するためには、屋根に一定の面積が必要となります。屋根の形状が複雑だったり、傾斜がきつかったりする場合、設置面積が限られてしまい、発電量が低くなることがあります。また、設置場所によっては、周囲の建物や木々によって日照が遮られてしまう場合もあります。
お金に関する問題を回避する方法
上手にローンを利用する
太陽光発電を新築時に導入する場合、住宅ローンに組み込むことができるため、既存住宅とは異なるメリットがあります。しかしながら、借入限度額を超える場合やハウスメーカーの価格が高い場合など、注意すべき点があります。一方、新築後に太陽光発電を設置する場合、費用面で優位になることがあります。計画をしっかり立て、自分にとって最適な方法を選ぶことが重要です。
初期費用を0円にする
住宅を新築する際、太陽光発電を導入するための費用を抑えたい場合、無料で太陽光発電を設置できる「PPA」があります。ただし、PPAには電気料金が高いというデメリットがあります。自己資金で太陽光発電を導入することができない場合は、ソーラーローンの利用を検討しましょう。初期費用はかからず、自宅で発電することで電気代を節約することができます。
屋根の形に配慮する
新築住宅に太陽光発電を後付けする場合、屋根の形状を考慮しないと後悔することがあります。太陽光パネルの形は基本的に長方形であり、おしゃれなデザイン屋根には効率的に設置できないことがあります。建築設計に太陽光発電の専門家の意見を取り入れることで、新築住宅に太陽光発電を設置する際のリスクを回避できます。
電力使用量を可視化する
HEMSとは、住宅の電力使用状況を可視化するシステムです。このシステムを使うことで、リアルタイムで電力使用量や使用箇所を把握できるため、無駄な電力の使用を抑えることができます。HEMSは一般的に15万円～25万円程度で購入でき、太陽光発電や蓄電池の補助金を受ける際には必須となることが多いです。HEMSを導入することで、節電の意識が高まり、結果的に電気料金を削減することができます。
新築時に太陽光発電と蓄電池を一緒につけて後悔！？
新築住宅に太陽光発電を設置する場合、蓄電池も併せて設置することをおすすめしますが、蓄電池の導入には注意点があります。成功するケースもあれば、後悔するケースもあるので、事前にしっかりと検討しましょう。
蓄電池を設置する際には、電力の使用量や停電時の予備電源としての必要性を考慮して、十分な容量の蓄電池を選ぶことが大切です。また、長期間使用しない場合は定期的なメンテナンスが必要です。蓄電池を正しく運用することで、より快適な住環境を実現することができます。
蓄電池の設置で後悔しないためのポイントとは？
新築住宅に太陽光発電と蓄電池を導入する場合、注意すべきポイントがあります。1つ目は、電気料金プランを確認することです。深夜電力が安いプランを利用している場合、蓄電池に深夜の安い電力を貯めておくことで電気代を節約できます。2つ目は、蓄電池の活用シーンを十分に把握することです。自然災害のリスクや自家消費のトレンドを踏まえて、蓄電池のメリットを正しく理解してから導入することが大切です。また、蓄電池を購入する際には、性能や品質も重要なポイントです。
業者選びに失敗すると起こるトラブルで後悔
適切な業者を選ぶことは、新築住宅に太陽光発電や蓄電池を設置する際に非常に重要です。不適切な工事が行われると、雨漏りや建材の腐食など、大きなトラブルが発生する可能性があります。専門的な知識を持つ施工業者は、屋根の状態や種類に合わせた適切な工事を行うことができますが、実績が不足していたり、専門的な知識がない業者だと適切な対策が怠られる可能性があるため、注意が必要です。
特に、雨漏りは住宅にとって大きな問題になるため、実績や工事方針についても確認して信頼できる業者を選ぶことが重要です。適切な業者選びを怠って後悔することのないよう、事前に複数の業者から提案を受け、比較検討を行いましょう。適切な業者選びを行うことで、安心して新築住宅に太陽光発電や蓄電池を設置することができます。
音や光が原因で近隣からクレーム？
太陽光発電を導入する際には、近隣からのクレームやトラブルを回避するために、以下の点にも注意が必要です。
1つ目は、法律や自治体の規制を守ることです。特に、建築基準法や景観条例には、太陽光発電の設置について細かな規定があります。これらの規制を守らないと、近隣からクレームが寄せられることになります。
2つ目は、保険に加入することです。太陽光発電の設置によって、住宅や周辺の不動産価値に影響を与えることがあるため、トラブルが起きた場合には保険に加入しておくことが重要です。
3つ目は、メンテナンスについてです。太陽光パネルの汚れや劣化が原因で発電量が低下することがあります。定期的なメンテナンスを行い、パネルの劣化を防ぐことが重要です。
以上のように、太陽光発電の導入には様々なリスクが伴います。しっかりと調査し、信頼できる業者を選び、法律や自治体の規制を守り、適切なメンテナンスを行うことで、トラブルを回避し、快適な住環境を実現することができます。
設置後のアフターフォローが不十分な場合
設置後にトラブルが発生した場合、信頼できる業者であればきちんとアフターフォローしてくれます。例えば、発電量が思ったように出ていない場合など、優良な業者は迅速に現地調査を行い、工事自体の問題であれば修正します。また、パネルの補償対象となる内容であれば、無償でメーカーから材料を仕入れて交換まで行ってくれます。ただし、中には「忙しいから見に来られない」といった対応が雑な業者もいるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。トラブルに対応するだけでなく、長期的なメンテナンス体制も確認しておきましょう。業者選びを失敗すると、不具合が解消されずに太陽光発電が思うように機能しないことになります。
後悔しない太陽光発電メーカーの選び方とは？
新築住宅に太陽光発電を設置する場合、建設会社が特定の太陽光発電メーカーを指定する場合があります。しかし、この場合は、指定されたメーカーについて事前に調べ、信頼できるかどうか確認することが重要です。故障率が高いなどの問題がある場合は、建設会社の指定に従わず、住宅が完成してから太陽光発電を設置することをおすすめします。
3社以上の見積もりを取ることで、後悔やトラブルを回避することができます！
太陽光発電を新築住宅に設置する際は、一括見積もりサイトを活用することをおすすめします。そうすることで、料金の比較や業者の知識や対応力の確認ができます。また、複数の業者から提供された情報を比較することで、適切な設備の選定や設置方法の判断がしやすくなります。最も大切なことは、自分たちのニーズや予算に合った最適な太陽光発電システムを選ぶことです。事前にしっかりと業者と話し合い、納得のいく設置プランを立てることが後悔しないためには必要不可欠です。
