コラム

エコキュートの薄型タイプのデメリットとは?一般的な角型タイプと比較した時のメリット・デメリットをご紹介

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こんにちは、『エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップ』です。今回は、エコキュートの導入をお考えの方に向け、薄型タイプのエコキュートについて、「薄い」以外にどのようなメリットがあり、また薄型を選ぶ場合に注意すべきデメリット面を解説します。

エコキュートは、タンクにお湯を貯めておくという特性上、ガス給湯器など、他の給湯器とは異なり、貯湯タンクの置き場所が設置工事のネックになる場合があります。例えば、一般的な角型タイプだと、エコキュートの設置後に通路として利用できなくなる…なんて現場も少なくありません。しかし、このような施工条件のお宅の場合、薄型タイプのエコキュートを選べば、省スペースで設置することができるほか、家の景観も壊すことが無いというメリットが得られます。ただ、いろいろなメリットが指摘される薄型タイプのエコキュートですが、決して見落とすことができないデメリットも存在しています。

そこで当コラムでは、「エコキュートを設置したいけど、どのタイプが最適か分からない…」とお考えの方に向け、薄型タイプのエコキュートのメリットとデメリット、角型との違いなどを解説します。

エコキュートの「薄型」は「角型」と何が違う?

エコキュートは、「角型」タイプが多く流通しているのですが、設置場所のスペース的な問題で角型を設置できないご家庭も珍しくないため、各エコキュートメーカーから省スペースでも設置可能な薄型タイプが販売されるようになっています。

それでは、エコキュートの「角型」と「薄型」はどこが違うのでしょうか?ここでは、角型タイプと薄型タイプの特徴とそれぞれの違いを簡単に解説します。

一般的なエコキュートは「角型」タイプ

現在販売されているエコキュートについては、角型タイプと呼ばれるものが多く流通しています。角型タイプは、底面が正方形に近く、縦長の貯湯タンクになっているのが特徴です。

なお、タンク容量については、ほとんどのエコキュートメーカーで3タイプの角型タンクが用意されていて、370L(3~4人家族用)、460L(4~5人家族用)、550L(5~7人家族用)と言ったラインナップになっています。

角型タイプは、エコキュートの中では最も一般的な形状なのですが、設置スペース的な問題で導入が困難になるケースがあります。

スリムな形状で、設置条件が緩和された「薄型」タイプ

エコキュートは、上述した角型タイプの貯湯タンクで販売を開始されたのですが、「場所を取る」という問題で、設置したくてもできない…というご家庭がありました。特に、近年新築される戸建て住宅は、家と家の距離が非常に近くなっているため、角型タイプのエコキュートを設置すると、通路が利用できなくなる、隣家が近すぎて騒音や冷風でトラブルを抱えるといった問題が生じました。

そこで、角型タイプのデメリットを解消するために開発されたのが「薄型」タイプのエコキュートです。

薄型タイプのエコキュートは、タンクの底面が長方形になっていて、奥行きが角型よりもかなり短くなるように設計されています。そのため、角型だと設置場所を確保できない…という方でも、エコキュートを導入できるようになりました。薄型タイプのエコキュートであれば、ベランダなどのちょっとしたスペースにも導入できるのが大きな特徴です。

現在では、エコキュートの主要メーカーは、角型にあわせて薄型タイプのエコキュートを販売するようになっています。

角型と薄型のサイズはどれほど違う?

それでは、エコキュートの貯湯タンクについて、角型タイプと薄型タイプでは、どれほどの大きさの違いがあるのかについてもご紹介します。

ここでは貯湯タンクサイズの参考として、パナソニックエコキュートの角型と薄型の寸法をご紹介します。

  • 角型タイプのサイズ(460L):2170×600×680mm(高さ×幅×奥行)
  • 薄型タイプのサイズ(460L):2199×1078×440mm(高さ×幅×奥行)

上記のように、薄型タイプのエコキュートは、角型と比べると、奥行きが25cm近く薄くなります。モデルによって30cmほども狭くなるため、角型タイプを設置すると、通路が使えなくなる…という問題があるお宅の場合でも、薄型なら導入ができるケースが多いです。

現在、設置スペースの問題でエコキュートの導入を躊躇している方がいれば、薄型を検討してみてはいかがでしょう?

参照:パナソニック公式サイト

薄型タイプのエコキュートに存在するメリットとは?

薄型タイプのエコキュートは、角型と比べるとコンパクトな形状だという点がメリットと言われています。それでは、コンパクトな貯湯タンクは、具体的にどのようなメリットをもたらせてくれるのでしょうか?

以下で、エコキュートを購入する際、角型ではなくて薄型タイプを選んだ場合に得られるメリットをご紹介します。

設置スペースを取らない

薄型タイプ最大のメリットが、エコキュートの設置場所について、スペース的な条件が角型よりも緩和されているため、設置可能なお宅が多くなることでしょう。

一般的な角型タイプは、底面が正方形に近いことから、ちょっとしたスペースにフィットさせて設置することが難しいというデメリットがあります。実際に、角型タイプのエコキュートを設置した場合、通路がつぶれてしまい日常生活が不便になった…などと言った声をあげる人もいます。

これが薄型タイプであれば、奥行きがかなり狭くなるため、ベランダなどに設置しても物干しスペースを確保できる、1F駐車場の奥まったデッドスペースに設置可能など、エコキュートの設置要件をかなり緩和できます。

家の景観を損なわない

新築時にエコキュートを選択する方は、「住宅の景観を損なわない」という点をメリットと捉える場合が多いようです。

従来の角型タイプは、大型冷蔵庫をさらに大きくしたような形状なので、玄関先や庭に設置すると、かなり目立ってしまいます。

これが薄型タイプのエコキュートの場合は、奥行きがかなり狭く、壁に沿うような形状になっているので、壁と同系色のものを選べば目立たせることなく設置が可能です。

また、家の裏のちょっとしたスペースなど、角型が設置できない場所でも設置可能なので、エコキュートを全く目立たせることなく設置することも可能です。そのため、家の見た目や景観にこだわりを持っているという方にとっては、薄型を選ぶメリットが非常に大きいと思います。

設置場所の選択肢が広がる

薄型タイプのエコキュートは、「設置スペースを取らない」というメリットから、一般的な角型タイプよりも設置可能な場所のバリエーションが豊富です。

例えば、エコキュートの設置が認められているマンションであれば、サービスバルコニーなど、ちょっとしたスペースでもエコキュートを導入することができます。他にも、隣の家との間でも、通路機能を確保したままエコキュートの導入ができるなど、設置場所のバリエーションはかなり増えると考えていただいても構いません。

なお、薄型は角型と比べると、設置の際の搬入も楽になると言われているため、奥まった場所でも追加料金が発生する可能性が低くなる点もメリットでしょう。

薄型タイプのエコキュートに存在するデメリット

薄型タイプのエコキュートは、設置場所に困る可能性が少ないというメリットがある反面、いくつかのデメリットも指摘されています。

実際に、薄型タイプのエコキュートを設置してから後悔しないよう、薄型タイプに存在するデメリット面もきちんと押さえておくべきでしょう。

タンク容量の選択肢が少ない

薄型エコキュートは、角型と比べて、タンク容量のバリエーションが少ないというデメリットが存在します。

上述しているように、一般的な角型エコキュートは、370L(3~4人家族用)、460L(4~5人家族用)、550L(5~7人家族用)の3種類をメインとして、この他にも集合住宅でも設置できるような185L(1~2人用)の容量がコロナ社から販売されています。しかし、薄型タイプでは、185Lという小さな容量のものは販売されていません。

さらに、角型タイプのように、500Lを超える大家族向けの容量を持つタンクも用意されていません。薄型タイプは、タンクそのものが薄く設計されているため、通常よりも容量がどうしても少なくなり、最大の容量でも460L(2023年現在)となっています。

つまり、5人以上の大家族や通常よりも多くのお湯を使用するという方の場合、薄型を選ぶことで、頻繁に湯切れを起こしてしまう恐れがある点が大きなデメリットになります。

エコキュートの機種が限定される

薄型エコキュートは、タンク容量が限定されるだけでなく、エコキュートの機種そのものも限定されるというデメリットがあります。

例えば、ダイキンやパナソニックの商品ラインナップを確認してみると、この二社は、薄型タイプになるとフルオートタイプの機種しか用意されていません。フルオートタイプは、追い炊きから湯張りまで、すべてを自動で行ってくれる高性能な機種なのですが、人によってはここまで高機能なものでなくても構わないと考える場合があります。角型であれば、セミオートや給湯専用タイプが用意されていて、機能が削減される一方でエコキュートの導入コストを抑えられるというメリットが得られるわけです。

設置スペースの問題などで、薄型タイプのエコキュートを選ぶ場合には、本体価格が割高なフルオートタイプしか選べなくなる可能性が高いなど、機能面の選択肢が狭まる点は大きなデメリットになるでしょう。

「塩害地仕様」や「寒冷地仕様」など、仕様が選べない可能性が高い

エコキュートを長持ちさせるためには、設置場所の環境条件に合った仕様のものを選ぶ必要があります。例えば、冬場の外気温が-10℃以下になるような寒冷地であれば「寒冷地仕様」、海に面した場所であれば潮風に耐えられるような「耐塩害仕様」を選ぶといった感じです。

ただ、薄型タイプのエコキュートの場合、「寒冷地仕様」や「耐塩害仕様」など、特別仕様のエコキュートが用意されていないケースがほとんどです。実際に、パナソニック社の商品ラインナップを確認してみると、寒冷地仕様や耐塩害仕様は、角型エコキュートしか用意されておらず、薄型は一般地仕様のみとなっています。

塩害の可能性がある場所や、冬場の凍結リスクが高い場所なのに、無理に一般地仕様のエコキュートを設置すると、故障リスクが高くなるため基本的におすすめできません。したがって、薄型エコキュートは、仕様の選択肢が狭い点も大きなデメリットになるでしょう。

角型よりも本体価格が割高に設定されている

薄型エコキュートの大きなデメリットとして、角型の同スペックモデルと比較すると、本体価格が割高に設定される傾向がある点も忘れてはいけません。

例えば、パナソニック社が販売するエコキュートについて、パワフル高圧のフルオートタイプ、360Lで比較してみましょう。角型エコキュートでは「HE-JU37KQS」の本体価格が税込みで1,069,200円となっています。これが、薄型タイプになると「HE-WU37KQS」モデルで、税込み1,212,200円がメーカー希望小売価格になります。

「HE-JU37KQS」と「HE-WU37KQS」で比較すると、むしろ角型の「HE-JU37KQS」の方が、年間保温効率が高いにもかかわらず、薄型よりも15万円近く安く販売されています。

つまり、薄型エコキュートは、基本的に角型よりも導入コストが高くなる点がデメリットです。

角型に比べると耐震強度が低くなる

薄型エコキュートは、底面が長方形なので、正方形に近い角型よりも安定感にかけてしまいます。

実際に、多くのエコキュートメーカーの370L角型タイプは、「耐震クラスS」を取得しているのに対し、薄型エコキュートで「耐震クラスS」に位置付けられている機種はほとんどありません。

なお、薄型エコキュートになると、耐震強度が著しく悪くなるかというとそうではなく、「耐震クラスA」という一般住宅と同程度の耐震強度は持っています。

そもそも、エコキュートは、しっかりした基礎を作り、その上に座金とアンカーボルトでしっかりと固定します。したがって、地震が起きたとしても、ちょっとやそっとの揺れで倒れるといった被害が生じることはないので安心してください。ただ、角型よりは揺れに弱くなるという点はデメリットと言われても致し方ないと思います。

買い替えの場合、設置工事のコストが高くなることも

もともと角型エコキュートを利用していた方が、買い替えのタイミングで薄型に交換する場合、既存の基礎が使い回しできない可能性があり、その場合は設置工事にかかるコストが高くなります。

上述したように、角型と薄型では、底面の形状やサイズが異なります。特に、横幅については、倍近くサイズが変わることになるため、角型エコキュートの設置のために作った基礎の場合、薄型の施工ができない可能性があるのです。

そのため、「角型⇒薄型エコキュート」という買い替えパターンでは、エコキュートの基礎も一から作り直すことになり、施工にかかる費用が高くなるというデメリットがあります。

エコキュートの補助金を使えない可能性がある

これも金銭的なデメリットになります。エコキュートの導入は、地方自治体などから補助金が出る場合があります。また2023年度は、カーボンニュートラル実現のため、国がエコキュートの導入に補助金を出しています。

しかし、エコキュートの補助金は、「高効率の給湯器に入れ替える」ことが前提となっているため、一定以上のスペックを持つエコキュートを選ばなければならないのです。例えば、一般地仕様のエコキュートの場合、年間給湯保温効率が3.0以上のものという制限がかけられています。

そして、薄型エコキュートは、年間保温効率が3.0を下回る機種が多いため、慎重に機種選びをしなければいけないのです。国のエコキュートの補助金は、1台の交換につき5万円の補助となっていますので、これを利用できないとなるとかなりのデメリットになるでしょう。

薄型エコキュートがおすすめの人

それでは最後に、エコキュートの導入を検討している方で、角型ではなく薄型タイプがおすすめ出来る人の特徴をご紹介します。

5名以下の家族

これは「おすすめ出来る!」というよりも、「この条件なら薄型でも問題ない!」と言った感じです。

上述したように、薄型エコキュートは、貯湯タンク容量に限界があり、最大でも460Lの容量となります。貯湯タンクの最大容量が460Lというのは、4~5人家族であれば、お湯切れを心配せずに使えるレベルの大きさです。

したがって、家族構成が6人以上、もしくは5名でも通常よりも多くの湯を使うご家庭の場合、頻繁にお湯切れを起こしてしまい、エコキュートの省エネ効果を最大限生かせなくなる恐れがあるのです。5名以下のご家庭で、通常の使用湯量であれば、省スペースでエコキュートの設置が可能なので、薄型はオススメできます。

マンションに住んでいる方

マンションに住んでいる方が、エコキュートの導入を検討した時には、薄型タイプがおすすめです。

マンションなどの集合住宅でエコキュートの設置を考えた場合、ベランダの空きスペースや玄関先に設置するケースが多いです。そのため、角型のエコキュートの場合、通路を塞ぐことになる、洗濯物を干すスペースが少なくなるなど、いくつかの問題点が指摘されていました。

これが薄型タイプであれば、エコキュートを設置したとしても、洗濯物を干すスペースを十分に確保できる、通路を塞がずに設置できる可能性が高いです。なお、マンションへのエコキュートの設置に関しては、事前に管理規約でエコキュートの設置が可能かどうかを確認しなければいけません。複数のご家庭が同じ建物内で生活する集合住宅は、エコキュートの設置など大掛かりな工事に制限がかかる場合があるので注意してください。

家の景観を壊したくない人

エコキュートは、ガス給湯器などとは比較にならないほど大型の給湯システムです。貯湯タンクだけで見ても、大型の冷蔵庫なみの大きさで、設置する場所によっては、住宅の外観や庭の景観を壊してしまう可能性があると言われています。

こういった問題から、新築時にエコキュートの設置を行う時には、角型タイプを嫌う方が多いです。薄型タイプのエコキュートは、奥行きがかなり狭くなるため、壁に沿って設置すればあまり目立たないというメリットがあります。

したがって、住宅の外観にこだわりを持っているという方は、薄型タイプのエコキュートがおすすめです。

まとめ

今回は、省スペースでエコキュートの設置が可能と言われている、薄型タイプのエコキュートについて、その特徴やメリット・デメリットを解説しました。

この記事でご紹介したように、現在のエコキュート業界では、角型タイプが一般的で、メーカーから販売されている機種の種類や実際の導入数も角型の方が多くなっています。しかし、角型タイプのエコキュートは、タンクの底面が正方形に近く、設置スペース的な問題で、エコキュートを置きたくても置けない…となってしまうご家庭があったのです。そのため、各エコキュートメーカーでは、少ないスペースでもエコキュートの設置が可能になるような省スペースモデルの開発を進め、薄型タイプやスリムタイプと呼ばれる機種が販売されるようになっています。ただ、これらの省スペースモデルは、タンク容量の上限が少ない、選べる機種の種類が少ないなど、いくつかのデメリットもあるので、その点は注意してください。

エコキュートとオール電化専門店 とくとくショップでは、全国でエコキュートの販売・設置工事を行っており、現地調査の段階から経験豊富なスタッフがお伺いいたします。お客様に最適な機種がどれなのか、スペース的にどのタイプが最適なのか、どのような質問にもその場でお答えいたしますので、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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