今回は、パナソニックが製造・販売している蓄電システムの種類と特徴についてご紹介します。パナソニックと言えば、日本人なら誰でも一度は耳にしたことがある家電製品のトップメーカです。洗濯機や冷蔵庫、掃除機など、現代人の生活に必要不可欠となる家電ばかりを開発しているというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実は、蓄電池や太陽光発電システムの分野でも非常に有名なメーカーです。しかもパナソニックが開発する蓄電システムには、蓄電池単独で使用するもの以外にも、太陽光発電との連携に長けたものや、超小型でエアコンのように室内壁掛けができるようなものもあるなど、顧客のニーズを考えた多様なラインナップが特長です。
そこでこの記事では、パナソニックが販売する各製品の特徴をまとめてご紹介します。
【住宅用】電気のムダを省く「創蓄連携システム」
引用:公式サイトより
まずは、パナソニック蓄電池の代表機種とも言われる「創蓄連携システム」です。「創蓄連携システム」は、太陽光発電と連携することを前提とした蓄電システムです。この蓄電システムは、蓄電池とパワーステーションがセットとなっており、太陽光発電で作る電気を効率的に蓄電することで電気の無駄を省くことが可能です。
「創蓄連携システム」の特徴をもう少し詳しくみていきましょう。
太陽光発電と蓄電池のパワコンを一体化
太陽光発電と蓄電池を連携させるためには、本来2台のパワーコンディショナーが必要になるのですが、この蓄電システムでは、太陽光発電用と蓄電池用のパワーコンディショナーを一体化させた『パワーステーション』を利用しています。パワーステーションによって、太陽光で作られた電気を蓄電池に直流で充電できるようになり、交流への変換ロスが少なく、電気の無駄を省くことが出来ているのです。それによって、短時間で、今までより多く蓄電池に充電できるという大きなメリットとなっています。
停電時も太陽光発電の電気をムダなく利用可能
「創蓄連携システム」の特徴の一つに、停電時も太陽光発電で作った電気を無駄なく利用できるというものがあります。従来の蓄電池でも、停電時に太陽光発電で作った電気を利用できますが、利用できるのはパネル容量に関係なく自立運転用コンセントの出力容量となる1.5kWと制限があるのです。しかし、パナソニックの「創蓄連携システム」の場合、5.6kWhの蓄電池で、出力約3.5kW分の太陽光発電を利用でき、11.2kWhの蓄電池なら、最大約6kW分まで利用することが可能となります。つまり、万一の停電時でも安心して家電を利用し、同時にしっかりと充電も出来るという訳です。
ライフスタイルに合わせて3つの運転モードを選べる
パナソニックの「創蓄連携システム」は、目的やライフスタイルに合わせて選べるよう、3つの運転モードが用意されています。
- 環境優先モード
環境優先モードは、電気の自給自足を目指している方にオススメです。昼間は、太陽光発電で作った電気を使用しながら、余剰電力は蓄電池への充電、さらに余るようであれば売電します。夜間は蓄電池に貯めた電気を利用するというモードですので、電力会社からの買電を最小限におさえることが可能です。 - 経済優先モード
経済優先モードは、太陽光発電で作った電気を、できるだけ売電に回したいという方にオススメです。このモードは、太陽光発電で作った電気のうち、自宅で使用する分以外すべてを売電に回すのが特徴です。蓄電池への充電は、夜間の安い電気で行いそれを太陽光発電が電気を作らない時間に使用します。日中は家を空けているという方にはオススメのモードです。 - 蓄電優先モード
蓄電優先モードは、常に蓄電池を満充電状態にするなど、万一の災害などに備えるためのモードです。このモードは、蓄電池に貯めた電気を日常で使用することが無いので、太陽光で作る電気以外は電力会社から買電する必要があります。
「創蓄連携システム」には、5.6kWhと11.2kWhの2つの蓄電容量タイプが用意されていますので、ご家庭のライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。なお、既に太陽光発電システムを導入している場合でも、パワーコンディショナーと接続箱を入れ替えることで導入可能です。
【住宅用】壁掛けタイプの「リチウムイオン蓄電盤」
引用:公式サイトより
壁掛けタイプの小型蓄電池は他にもあるのですが、パナソニックの「リチウムイオン蓄電盤」はまるでエアコンのような形状で、見ただけでは蓄電池とは思えないようなデザイン性も特徴です。室内のインテリアとも調和しやすいでしょうし、設置場所も困らず導入しやすいのが大きなメリットになります。
小型蓄電池ですので、蓄電容量は1kwhと少し心もとないかもしれませんが、万一の停電時には自動で給電が開始されるなど、非常用設備としてはとても心強いと思います。
設置場所に困らない壁掛けタイプが特徴
「リチウムイオン蓄電盤」の特徴は、なんといっても室内壁掛けで設置できる点で、製品のデザインもスタイリッシュになっており他のインテリアにも調和しやすいことです。通常の蓄電池であれば、設置のためにクレーンを導入し、基礎工事が必要になるようなタイプもある中、この蓄電池は地面に置くスペースを探すことも必要ありません。都心部で住宅が密接しており、蓄電池の設置スペースがない…という方の非常用設備としてはオススメです。
2つのモードが選べる
パナソニックの「リチウムイオン蓄電盤」は、万一の停電に備えて常に満充電状態にしておく「蓄電優先モード」と普段も給電を行える「経済優先モード」の2つのタイプが選べます。この2つのモードを適切に切り替えることで、日常時の節電と光熱費削減に役立てることが出来るでしょう。
【住宅・産業用】スリムで小型な「リチウムイオン蓄電システム」
引用:公式サイトより
最後は、スリムで小型なことが特徴の「リチウムイオン蓄電システム」です。通常、家庭用蓄電池は、それなりの大きさがあるものが多いため、設置場所にそれなりのスペースが必要になる場合が多いです。しかし、この蓄電池は、上で紹介している画像のように、室内のちょっとした空きスペースでも問題なく設置可能です。今まで、設置スペースの問題で蓄電池の導入を諦めていたという人には、非常にオススメです。また、充電は一般的なコンセントで行うので、太陽光発電システムを導入していないご家庭でも、何の問題もなく利用できる蓄電池です。
停電時には自動で家電に給電
パナソニックの「リチウムイオン蓄電システム」は、万一の停電時でも安心して電気を利用できるシステムとなっています。何らかの問題で停電が発生した場合には、0.2秒以内に自動給電をはじめますので、冷蔵庫や照明器具など、万一の場合でも電気を切らしたくない設備を守るには最適な蓄電池となっています。ちなみに、フル充電された状態であれば、冷蔵庫や照明、携帯の充電など、消費電力量合計約265Wの家電を約15時間利用できるといわれています。
パナソニック製蓄電池の価格や保証について
品番 | 蓄電容量 | メーカー希望価格(税抜) | 保証 |
---|---|---|---|
創蓄連携システム | 5.6kWh | システム構成による | 蓄電池ユニット: 10年/(有償)15年 |
創蓄連携システム | 11.2kWh | システム構成による | 蓄電池ユニット: 10年/(有償)15年 |
リチウムイオン蓄電盤(LJ-SJ10A) | 1kWh | ¥398,000 | 10年保証 |
リチウムイオン蓄電システム(LJ-SF50B) | 5kWh | ¥1,280,000 | 蓄電容量7年保証 |
パナソニックが販売する蓄電システムの価格や保証は上の表のようになっています。『創蓄連携システム』を導入する場合には、システム構成によって大幅に導入価格が変わってしまうため、詳細な価格は弊社スタッフまでお問い合わせください。保証期間に関しては、有償の保証も用意されていますので、その辺りは事前にチェックしておいた方が良いでしょう。
パナソニックが販売する蓄電システムは、ご家庭の生活スタイルに合わせていろいろなタイプを選べることや、室内の小スペースでも導入することが出来るのが大きなメリットとなります。また、リチウムイオン蓄電システム、リチウムイオン蓄電盤に関しては、他メーカーの蓄電池と比較してもかなり導入しやすい価格なのが特徴です
しかし、パナソニックの代表機種である『創蓄連携システム』の導入の場合には、高額な導入費用を覚悟しなければならないのがデメリットでしょう。なお、リチウムイオン蓄電盤は、蓄電池補助金の対象から外れてしまうのも、デメリットの一つです。
まとめ
今回は、パナソニックが製造・販売している蓄電池の種類とその特徴についてご紹介しました。パナソニックの蓄電池の魅力は、ライフスタイルや、蓄電池を導入する目的に合わせて最適な製品タイプを選択できることではないでしょうか。壁掛けタイプのリチウムイオン蓄電盤であれば、広い設置スペースはないけれど、万一の停電には備えておきたい…などと言った方でも安価に蓄電池の導入が可能です。
こういった顧客の細かなニーズをついてくるのは、家電製品のメーカーとして長年トップを走っているパナソニックならではだと思います。現在蓄電池の導入をお考えの方であれば、「できるだけ激安に蓄電池を購入したい…」「多少高くても節電効果が良いものが欲しい」などと、人それぞれ導入の目的が異なると思います。とくとくショップでは、お客様のご要望やご予算に合わせて、最適な蓄電システムの選定から行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。