太陽光発電システムを導入しているご家庭であれば、発電した電気をより効率よく運用できるようになると言われる『家庭用蓄電池』の導入を検討している方も多いのではないでしょうか?家庭用蓄電池は、その名称通り「電気を蓄えておくことができる設備」で、昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておき、それを日射が無く発電できない夜間に利用することができるようになるなど、電気の自給自足を目指すには必要不可欠な住宅設備となっています。さらに、「太陽光発電+蓄電池」という体制を作っておけば、自然災害による大規模停電が発生した場合でも、生活に必要な電気を確保することができるため、災害対策用のアイテムとしても注目されているのです。
しかし、さまざまな面で私たちの生活を助けてくれる家庭用蓄電池ですが、実際に導入を進める場合には多額のイニシャルコストがかかってしまうことがネックとなっています。一般的な定置式家庭用蓄電池であれば、80~180万円程度が導入にかかる相場だと言われており、「誰でも気軽に導入できる!」とは決して言えない導入費用がかかってしまうのです。
そこで、近年注目されているのが家庭用蓄電池のレンタル(リース)サービスです。それでは、家庭用蓄電池をレンタルで導入する場合、購入するよりもお得になるのでしょうか?この記事では、家庭用蓄電池のレンタルサービスの基礎知識をご紹介します。
蓄電池をレンタルで導入するメリット
家庭用蓄電池のレンタルサービスとは、皆さんがイメージしている通り、イニシャルコストをかけて購入するのではなく、月々決まった金額を支払って蓄電池をレンタルするというサービスです。初期にまとまったお金を用意する必要が無いというのが大きなメリットになるのですが、ここではまず、蓄電池をレンタルして導入する場合のメリットと言われている部分をご紹介します。
初期費用が抑えられる
家庭用蓄電池をレンタルサービスを利用して導入する場合の最大のメリットは『初期費用を抑えることができる』ということでしょう。
家庭用蓄電池を導入する場合には、蓄電池本体のお金はもちろん、設置のための工事費用なども掛かってしまいますので、購入することを考えると100万円以上のコストがかかるのが普通です。蓄電池の導入をためらってしまう最大の原因がこの初期コストの高さだと思います。
しかし、レンタルサービスを利用して蓄電池を導入する場合には、設置工事費用も月々のレンタル料金に含まれますので、多額の初期コストかかってしまう…なんてことが無いのです。蓄電池のレンタルサービスは、「とにかく初期費用をかけたくない…」と考える方には非常に大きなメリットがあります。
導入後も手間がかからない
家庭用蓄電池は、導入後もメンテナンスがほとんど必要ありませんので、購入した場合でも「日々の蓄電池のメンテナンスが大変…」なんてことはありません。しかし、何年も使用していく住宅設備となりますので、定期的な点検や部品交換などが一切必要ないという訳ではないのです。
蓄電池をレンタルで導入した場合には、こういった定期的なメンテナンスに関してもレンタル会社側が行うことになっていますので、使用者は特にメンテナンスのことを気にする必要が無いというのもメリットと言えるでしょう。また、蓄電池が故障した場合や、寿命で廃棄する場合でもレンタル会社側が行いますので、手間も費用も掛かりません。
購入する場合、手厚いアフターフォロー体制が整っている販売店と契約していれば、同じような対応をしてもらえますが、中には修理やメンテナンスが保証内に入っていない場合もあるのです。その場合、自費で修理費用を払わなければならなくなる…など、ランニングコストが嵩んでしまう危険もあります。
蓄電池をレンタルで導入するデメリット
家庭用蓄電池のレンタルサービスは、初期にかかるコストを削減できるのが大きなメリットと捉えられています。しかし、レンタルサービスはメリットばかりかというとそうでもなく、いくつかのデメリットも指摘されているのです。
ここでは、家庭用蓄電池のレンタルサービスにおけるデメリットをご紹介します。
長期の契約期間、解約する場合の違約金
家庭用蓄電池のレンタルサービスは、「初期投資を抑えることができる」というメリットがある一方、10年間という長期契約が必須となるのが大きなデメリットとして捉えられています。例えば、蓄電池を導入してみたけど、予想よりも電気代の節約ができなかったなどといった場合でも、10年間は利用し続けなければいけないのです。なお、契約期間の途中で解約を申し出た場合には、高額な違約金が掛かってしまいます。
もちろん、家庭用蓄電池というものは、そもそも10年以上にわたって使用することが想定される住宅設備ですので、10年間の契約が長い…かというとそうでもないと思います。ただし、レンタルで10年以上の長期間にわたって利用する場合には、コスト面でもデメリットが表面化してしまいます。コスト面のデメリットは下でご紹介します。
長期間利用した場合は購入するより高くなる
近年、家庭用蓄電池の需要がどんどん伸びていることもあり、大手電力会社などでも蓄電池のレンタルサービスを行うようになっています。例えば、関西電力が行っているレンタル(リース)サービスをご紹介すれば、蓄電容量6.5kwhの大容量蓄電池は、15年間の契約期間で『月々9,800円(税抜)』でレンタルすることができます。
レンタルですので、初期にかかる費用は一切必要ないのですが、15年間利用することを考えた場合、総額で1,764,000円(税抜)となり、20年使用することを考えればもっと費用が嵩んでしまう訳です。購入することを考えた場合、初期に100万円程度のお金が掛かってしまうことになるのですが、アフターフォローがしっかりしている販売店から購入していれば、20年使用したとしても「どんどん費用が嵩んでしまう…」なんてことはないのです。
つまり、長期間利用することが想定される家庭用蓄電池をレンタルで導入した場合、大切に使えば使うほど費用が嵩んでいってしまう…というのが非常に大きなデメリットになると思います。
参考:かんでんEハウス株式会社『蓄電池レンタルページ』
家庭に最適な蓄電池を選べない可能性も
家庭用蓄電池を購入する場合には、現在のライフスタイルから、どのような電力利用をしているのか…、他の住宅設備は何を導入しているのか…などを考えて、家庭に最適な蓄電池を選択することになります。
しかし、レンタルサービスを利用して家庭用蓄電池を導入する場合には、レンタル会社が所持している蓄電池から選ぶことになるため、蓄電容量やメーカー、機種が限定されてしまうのです。つまり、その蓄電池が本当に家庭に最適なものかなど関係なく、指定された蓄電池を導入することになるのです。
そのため、蓄電池を導入したものの、使い勝手が非常に悪い…なんてことになってしまう可能性もあります。なお、このような状況に陥ったとしても、レンタル契約の解約には高額な違約金が掛かってしまいます。
結局『購入』と『レンタル』ならどっちがお得?
今回は、家庭用蓄電池を導入するための手段の一つ『蓄電池のレンタルサービス』についてご紹介しました。この記事でご紹介したように、レンタルという手段で蓄電池を導入する場合「初期コストを抑えることができる!」という非常に大きなメリットが存在しています。しかし、その一方で、「家庭に最適な蓄電池を導入できないかも…」や「長期間利用すると高くなってしまう…」などと言ったデメリットも存在しているのです。
ここで気になるのは、「購入するのとレンタルではどっちがお得なのだ?」ということかもしれませんが、この点に関してはその人の状況や考えによって異なるとしか言えないでしょう。例えば、とにかく初期費用をかけずに蓄電池の導入をしたいという方で、ご自宅に最適な蓄電池をレンタルしている会社が見つかったのであれば、レンタルサービスの方が要望に合うかもしれません。しかし、何度も言うように、家庭用蓄電池は、導入後10年、20年と長期間使用し続ける住宅設備となりますので、「同じ蓄電池をできるだけ長く使用したい!」と考えている方であれば『購入』して導入するのが最もお得になると思います。
とくとくショップでは、蓄電池導入後もお客様が安心して利用できる万全なアフターフォロー体制を整えています。また、お客様が最も導入しやすくなるよう、購入方法や補助金の利用など、さまざまな面でアドバイスさせていただきますので、「蓄電池を検討してみようかな?」とお考えであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。