エコキュートで騒音トラブルがあるの?その対策を解説!

エコキュートで騒音トラブルがあるの?その対策を解説!

エコキュートと聞くと、そのエネルギー効率の良さに目が行きがちですが、実は騒音トラブルも起こる可能性があります。エコキュートの発する騒音はどんなもので、どのようなトラブルが起こりえるのか。騒音トラブルを未然に防ぐためのエコキュートの選び方、設置場所の考え方、そして防音対策について解説します。エコキュートの騒音を未然に防ぎたい、すでに設置しているのでこれから対策をしたいという方にお読みください。

エコキュートの騒音はどんな音なの?

エコキュートから聞こえてくる騒音、それは主にヒートポンプが生み出す低周波音です。聞いてみると、「ブーン」といったモーター音。その大きさは40~50デシベル程度。これは図書館内の静かさ程度です。

しかしエコキュートは私たちが眠りにつく夜間に動いてお湯を準備します。そのため、昼間と比べると響いたりしてしまうので、いくら小さな音とはいえ騒音になりやすいんですね。

またエコキュートの仕組み上、ヒートポンプを室外に設置する必要があるため、近隣の住宅に対して気づかいが必要になります。

デシベル 音の源
120dB ジェットエンジン(飛行機)の近く
110dB 自動車のクラクション(2m)
100dB 電車が通るときのガード下 / 液圧プレス(1m)
90dB 犬の鳴き声(5m) / 騒々しい工場の中 / カラオケ(店内中央) / ブルドーザー(5m)
80dB 地下鉄の車内 / 電車の車内・ピアノ(1m) / 布団たたき(1.5m) / 麻雀牌をかき混ぜる音(1m)
70dB 騒々しい事務所の中 / 騒々しい街頭 / セミの鳴き声(2m) / やかんの沸騰音(1m)
60dB 洗濯機(1m) / 掃除機(1m) / テレビ(1m) / トイレの洗浄音 / 車のアイドリング(2m) / 乗用車の車内
50dB 静かな事務所 / 家庭用クーラー(室外機) / 換気扇(1m)
40dB 市内の深夜 / 図書館 / 静かな住宅地の昼
30dB 郊外の深夜 / ささやき声
20dB ささやき / 木の葉のふれあう音

※かっこ()内は騒音発生源からの距離

引用:日本騒音調査「騒音値の基準と目安」

エコキュートでよくある4つの騒音トラブル

エコキュートの騒音の主な発生源は「ヒートポンプ」、つまりエネルギーを変換する装置の動作音によるものです。では、この騒音がどのような形でトラブルになるのかを見ていきましょう。

1. エコキュート音による深夜の睡眠妨害

エコキュートの騒音トラブルを引き起こす一例として、まず挙げられるのが「深夜にエコキュートの音により目覚めてしまう」ケースです。

エコキュートは、より効率的にお湯を供給するために夜間に稼働します。その結果、特有の低周波音が発生し、これが眠りを妨げる要因となることがあります。

例えば、自身は深く眠っていても、家族や近隣の方々がこの音により目覚めてしまう可能性があります。また、この音により自律神経が乱れ、体調を崩すという報告もあるため、注意が必要です。このような事態が近隣との間でトラブルに発展することもあります。

2. エコキュートの低周波音による住宅の振動

エコキュートが発する低周波音が「住宅全体を揺らす」という問題も報告されています。エコキュートから出る低周波音は約12.5Hzとされていますが、木造住宅の固有振動数は4〜8Hz。これらが一致した場合、共振と呼ばれる現象が起き、これがまるで地震のような揺れを感じさせることがあります。

この現象は、直接のうなり音ではなく、低周波音によって住宅全体が揺れるという形で騒音トラブルを生じます。その結果、近隣住民に不快な体験を与えることがあります。

3. 近隣に迷惑をかけて苦情を受けることも

エコキュートの騒音問題は、近隣住民との関係を左右することもありえます。エコキュートが発生する音や低周波音による振動が、近隣住宅に影響をおよぼすと、それが原因で苦情を受けるケースがあります。その結果、コミュニティ内の人間関係が悪化するという流れですね。

音や揺れ以外にも、エコキュートから発生する冷風が近隣住宅に吹き付けることで、新たな不快感を与える可能性もあります。ただ、エコキュートを夜間に全く使わないというのは現実的ではありません。設置時にできる対策をして、近隣に迷惑をかけないようにすることも大切です。

4. 損害賠償を求められることも

エコキュートの騒音問題が深刻化すると、法的なトラブルに発展する可能性もあります。低周波音が原因で近隣住民の健康に影響をおよぼし、それによって訴訟を起こされて、場合によっては損害賠償を求められることも。

訴訟などのトラブルを避けるには、エコキュートの設置場所を変更する、エコキュート自体を撤去するという対応を考えることも最悪必要になるかもしれません。しかし大事なのは、トラブルが発生する前に適切な予防策をとること。そうすることで、最悪のシナリオである法的トラブルを未然に防ぐことが可能になります。

エコキュートで騒音トラブルになりやすい2つのケース

エコキュートの騒音トラブルはさまざまな要因により引き起こされます。これらの問題を未然に防ぐには、トラブルになりやすいケースを知っておくに越したことはありません。そこで、エコキュートによる騒音トラブルが起きやすい2つのケースをご紹介します。

ケース1:エコキュートを閑静な住宅街に設置した

エコキュートは動作時におよそ40dBの音を発します。これは図書館の館内と同程度の音量なのですが、閑静な住宅地ではこの音が際立ち、近隣住民の睡眠を妨げる可能性があります。駅から距離がある静かな地域や、商業施設や飲食店が少ない地域での設置は、特に注意が必要です。自身がどのような地域に住んでいるのかを確認し、必要な騒音対策を考えることが重要です。

ケース2:エコキュートと隣家の距離が近い

住宅同士の距離が狭い場所では、エコキュートから発生する音が隣家に直接伝わりやすく、騒音問題が生じる可能性が高まります。エコキュートが隣家の寝室に近い場所に設置されていると、近隣住民の睡眠を妨げることもありえます。さらに、エコキュートの周囲に物を置くと、共振によって音が増幅されることもあります。このことからも、エコキュートの騒音トラブルが起きにくい、適切な場所に設置することが重要となります。

騒音トラブルを避ける!エコキュート設置のコツと3つの対策

エコキュートが起こす騒音トラブルを避けるための設置時コツと対策を3つご紹介します。

寝室からは距離をあけて設置する

エコキュートによる騒音トラブルを避けるためのポイントの一つは、設置場所の選択です。音は狭い場所では跳ね返りやすく、音が増幅しやすくなります。そこで、エコキュートを設置する際には、ゆったりとした広い場所を選ぶようにしてください。

そして夜間の睡眠トラブルを避けるためにも、寝室からはできるだけ距離を取りましょう。具体的には、寝室からは15メートル以上離れた場所が理想的です。思いがけない騒音トラブルを避けるために、エコキュートの設置場所選びには工夫が必要です。

防振ゴム・防音シートなどの防音グッズを活用する

騒音問題をさらに軽減するために、防音対策アイテムの使うことも考慮してみましょう。既にエコキュートが設置されていて、すぐに移動させることが難しい場合でも、防音グッズを使えば騒音を最小限に抑えられます。

例えば、エコキュートの振動を和らげるために、ヒートポンプユニットの下に防振ゴムを敷く、ヒートポンプユニット自体に防音シートを貼ることで、揺れや騒音を抑えることが可能になります。そして、騒音の元から1メートル以上高い位置に防音壁を設置するのも効果的な対策の一つです。ただし、防音壁だけでは振動を完全に防ぐことが難しいこともあるので、防振ゴムと併せて利用することをおすすめします。

何か問題が起きたら、早めの対処をする

騒音に対する苦情がきてしまったら、エコキュートの設置場所を見直すことも重要になります。無視をしていると、それが訴訟問題に発展することもありえるからですね。苦情を真摯に受け止めることを忘れないようにしつつ、対策を講じましょう。

エコキュートの設置位置の調整については、専門業者に依頼することが一番です。そして、エコキュートの業者に定期的なメンテナンスをしてもらうことも大切になってきます。エコキュートが長く使われてきて寿命が近づいている場合や、故障が生じている場合には、騒音や振動が発生しやすくなります。プロの手によるメンテナンスで、それらを早期発見し、エコキュートを常に良好な状態に保つことで、騒音トラブルを未然に防ぎましょう。

騒音トラブルを避けるエコキュートの選び方

騒音トラブルを避けるために、騒音が少ないエコキュートを選ぶことも大切なポイントです。騒音の抑えられたエコキュート選びのポイントを、一緒に見ていきましょう。

動作音が小さいエコキュートを選ぶ

騒音トラブルを避けるためには、動作音が小さなエコキュートを選ぶのがおすすめです。

エコキュートの騒音レベルは、製品やメーカーによって微妙に異なります。多くのエコキュートが冬季でも約45dB程度ととても静かです(図書館の館内程度)。しかし一部の大型製品では、最大で60dBほどの音がでるものもあります。騒音が気になる方は、エコキュートを選ぶときに運転音と容量をチェックすることを忘れないようにしましょう。

専門業者に相談して最適なエコキュートを選ぶ

騒音トラブルを避けるためのエコキュート選びをするとき、忘れてはならないのが専門業者へ相談をするということです。

専門業者であれば、エコキュート各製品の音の違いはもちろん、最適な設置場所などについてのアドバイスが期待できます。費用の安さだけを優先してエコキュートを選んだ結果、騒音トラブルが生じ、後悔するという事例が多く発生しています。騒音トラブルを回避しながら快適に使うには、信頼できる専門業者と一緒に、最適なエコキュート選びを行うことが大切です。

エコキュートの騒音トラブルを避けるための対策を知っておきましょう

エコキュートは便利な給湯器ですが、思わぬ騒音トラブルが発生することがあります。その騒音トラブルを回避するためには、いくつかのポイントを覚えておくことが大切です。

まず、エコキュートを設置する場所を工夫しましょう。広い場所、特に寝室からは15m以上離れた位置が望ましいです。防音グッズを活用することも効果的で、特に既に設置済みの場合には防振ゴムや防音シートが有効です。そして、エコキュート自体を選ぶ際には、低騒音型を選ぶことや、信頼できる専門業者に相談することもおすすめです。

騒音トラブルを未然に防ぐためのエコキュートの選び方と設置方法を、ぜひとも知っておいてください。

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