「エコキュートが突然動かなくなった」「お湯が出ない」とお困りではないでしょうか。エコキュートを導入されているご家庭の中には、すでに長年エコキュートを愛用しているというご家庭も多いでしょう。エコキュートも長年使用されていれば、いつかは故障します。しかし、突然故障するとパニックに陥ってしまいますよね。
そこで今回は、エコキュートによくある故障と解決策についてご紹介いたします。様々な角度からよくある故障と解決策をごしょうかいしておりますので、ぜひ最後までご一読ください。
エコキュートの耐用年数はどのぐらい?
エコキュートの中心部ともいえるタンクやヒートポンプユニットの耐用年数はどの程度なのでしょうか?簡単にご紹介していきます。
タンクの寿命
タンクの寿命は10年~15年といわれています。他の部品に比べても長く、各メーカーの保証もタンクだけなら3~5年の保証期間を設けています。
定期的に水抜き等のメンテナンスを行うことで寿尿をさらに延ばすことが可能です。定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
ヒートポンプユニットの寿命
ヒートポンプユニットは5~10年程度で故障するケースがほとんどです。タンクよりも電子的な部品が多いため故障しやすく、修理費も10~15万円と少し高めです。
エコキュートの故障時に見られる症状をチェック
使っていて「あれ?」と思うエコキュートの症状は、放っておくと重大な故障につながることがあります。今回は、よくあるトラブル内容とその対処法について具体的に解説していきます。
足し湯をしても水しか出てこない
お風呂の足し湯ができない・水しか出てこないという時は、単純にお湯を使い切ったことによる「湯切れ」の可能性があるため、お湯の沸き上げ(沸き増し)を行ってみましょう。
別の原因として、温度調整をしている基盤が劣化している可能性もありますが、この場合はエコキュート本体をリセットすることで直ることもあります。
それでも問題が解決されない場合には、以下の原因が考えられます。
- 温度調整基盤がすでに老朽化している
- 温度検知器等の部品が故障している
これらが原因の場合は、業者に修理もしくは交換してもらう必要があります。
特に、初期に生産されたエコキュートでは起こりやすい症状だといわれています。できるだけ早くメーカーに連絡して、対処法を聞きましょう。
湯張りが止まらず、お湯が浴槽からあふれてしまう
設定した水位でお湯張りが停止しないこともあります。まずは焦らず、水位の設定ミスがないかどうかを確認しましょう。この他にも、以下のような原因が考えられます。
- 入浴剤の汚れが浴槽の循環口に詰まっている
- 水位センサーの故障
入浴剤等の汚れが詰まっている場合は掃除をすれば治ります。掃除をしても治らず、水位の設定が正常であるといった時にはセンサーの故障を疑いましょう。家族が多い方や入浴剤を使用されている方は特に注意が必要です。
シャワーの湯温が一定にならない
キッチンの給湯には問題なく、お風呂のシャワーのみ湯温が安定しないのであれば、シャワーの温度を調節する混合水栓(サーモスタット水栓)に問題がある可能性が高いといえるでしょう。設定温度を少し上げて、安定した湯温になるかチェックしてみて下さい。
この対処法でも解決できない時には、以下のような問題が考えられます。
- 水栓の異変
- エコキュートそのものの故障
水栓(蛇口)の異変は、お湯と水の2つのハンドルで温度や水の量を調整する「2ハンドル混合栓」や、レバーを横や縦に動かして、温度と水の量を調整する「シングルレバー混合栓」の場合は、レバーの故障でお湯が出なくなったり、お湯の量が変化したりすることがあります。
ただし、お風呂やキッチンといった複数の場所でお湯の温度が安定しない、お湯が出ない、設定とは違う温度のお湯が出続ける場合は、エコキュートそのものに不具合が起きている可能性があります。
水栓交換とエコキュートの修理の、どちらにも対応できる業者に見てもらうと1度で済み効率的です。
貯水タンクから水・お湯が漏れる
エコキュートの運転中は、タンク内の水がお湯に変わることで体積が増え、膨張した分がタンクの外に排水されます。水漏れと勘違いされがちですが、故障ではありません。また、水漏れが収まれば問題ありません。
ヒートポンプユニットから水が漏れている
ヒートポンプユニットは、背面に熱交換器があります。これが低温になると、外気との温度差によって結露が発生し、ヒートポンプユニット下部から排水されます。これが水漏れに見えることもありますが、正常な動作の1つです。しかし、以下のような現象には注意が必要です。
- 排出される水の量が明らかに多い
- 配管やエコキュート本体が劣化している
- タンクに亀裂が入っている
- 電気代や水道代が急激に上がった
これらの現象はエコキュートの重大な故障に繋がっている可能性があります。主に水道トラブルに対処できる業者に連絡し、確認してもらうことをお勧めします。
エラーコードが出たらメーカーに問い合わせを
エラーコードが表示された場合にはメーカーごとに解除方法が異なります。取扱説明書での解除やメーカーへの問い合わせを早めに行い、適切に対処して下さい。
エコキュートの寿命を延ばすコツ
エコキュートの寿命を延ばすには、どういった対策があるのでしょうか?保証期間ギリギリまで安全に使うためにも、以下のことに注意してみましょう。
1.環境に合った機種選びをする
エコキュートは、ご自宅の環境に合った機種を選択しないと寿命が延びません。寒冷地用や塩害対策用等、土地にあったエコキュートを選びましょう。
またメーカー側は基本的に、井戸水や温泉水、地下水を使った場合の耐用年数は保証していません。こちらは井戸水や地下水に対応している製品を購入するようにすれば、保証を受けることができます。
2.物を吸込口に置かない
エコキュートのヒートポンプユニットには側面と背面に吸込口が、正面に吹出口があります。周辺に物を置くと、これらの口が塞がれて清浄に稼働できなくなり、故障の原因に繋がります。
障害物になるような物は置かず、エコキュートの周辺はすっきりとさせておいた方がいいでしょう。
3.タンクやヒートポンプの掃除・お手入れはこまめに
タンクやヒートポンプは、年に2~3回程度の水抜きを行うことが推奨されています。これを怠ると水道水の不純物が溜まり、お風呂のお湯が汚れの原因や本体の故障につながってしまいます。
長年汚れを溜めてしまうと、業者に依頼して修理してもらわなければなりません。ご自身で定期的に水抜きを行っておきましょう。
4.入浴剤の使用は慎重に
エコキュートには入浴剤の使用制限があります。特に追い焚き機能のある「フルオートタイプ」のエコキュートに多い制限です。これは追い焚きや保温等でお湯を循環させるため、ポンプや配管に入浴剤が溜まって腐食等のトラブルを引き起こしてしまうためです。
特に温泉のような濁り湯は使用を禁止しています。必ずメーカーが推奨している入浴剤だけを使う用にして下さい。
5.長期不在時は電源をOFFに
冬以外の時期で、旅行や出張といった長期間の不在でお湯を使う予定がない場合は、エコキュートが無駄にお湯を沸かさないように電源を切ってから出かけるのがお勧めです。
冬場は電源を切ると凍結の可能性があるため、電源は切らない方がいいでしょう。また、不在が1ヶ月以上になる場合は、タンクのお湯の水質が変化するおそれがありますので、排水しておくと安心です。
エコキュートの修理・交換に火災保険が使えることもある
契約している火災保険が、台風や落雷といった自然災害に適用でき、建物の付属物も補償の対象にしている場合には、エコキュートの修理や交換費用を火災保険でまかなえる可能性があります。
ただし、被害を証明するために故障した部品の提示や写真を求められます。交換・修理の前に必ず撮影しておきましょう。交換を済ませた後に申請しても、適用を拒否されることがあります。撤去した機器・部品を交換業者が既に廃棄してしまって証明写真を提出できず、適用できなかった事例も多く見られます。
交換を依頼する業者に火災保険の知識があるようであれば、保険が適用できるか相談できると安心ですね。また、工事の際にはエコキュートの破損箇所を証明できる写真を撮影しておく習慣をつけておくと、後々使えることが多いのでお勧めです。
まとめ:症状やエラーメッセージが出たら早めに対処しよう
エコキュートの不具合は、自己解決できるものとそうでないものがあります。しっかりとエコキュートのトラブル事例や解決方法を知っておけば、自己解決できるかどうかの「切り分け」ができるようになります。
自己解決できるトラブルもそうでないものも、できるだけ早めに解決するようにしましょう。「不安なまま使い続ける」のが実は一番危険な使い方です。プロに依頼する際にも、早めの対応をしてくれる業者だと安心ですね。エコキュートにおかしな症状やエラーメッセージが出たら、早めに対処するようにしましょう。