コラム

太陽光発電が「発電しない?」と思った時に考えられる可能性5選

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自宅に太陽光発電システムを設置したのに、「発電しない」「発電量が落ちた」と感じたら、まず何をするべきなのでしょうか。もちろん施工会社に調査を依頼するのが最善ですが、その前にできることはいくつかあります。

当記事では太陽光発電が発電しない、発電量が落ちたと感じた時に考えられる原因と、取りうる対策について解説します。こうした問題が起きた際には早めの原因究明と対策が重要なので、該当する方はぜひ最後までお読みください。

太陽光発電が発電しない時に考えられる原因5選

太陽光発電が発電しないと原因として実際によくある原因を5つに整理しました。まずはこの5つのうちどれかに該当していないかを疑ってみてください。

原因① 太陽光パネル表面が汚れている

太陽光パネルの中にはモジュールといって光エネルギーを電力に変換する部品があります。太陽光パネルを見ると青もしくは黒に近いような色をしているのが分かりますが、これがモジュールの色です。そのモジュールを上から強化ガラスで覆うことで太陽光パネルが成り立っています。

窓ガラスを掃除しないと次第に汚れて曇ってしまうのと同様に、太陽光パネル表面のガラスも放置していると汚れが付着します。汚れは内部にあるモジュールへ光が到達するのを妨げるため、発電量の低下につながります。ひどい場合は部分的に発電しないことになり、故障につながることもあります。

なお、一般的にホコリや砂などの汚れが屋根に溜まることがないのと同じく、風や雨で流れ落ちます。厄介なのは鳥の糞や落ち葉、紙きれなどの飛来物です。これらがパネル表面に付着するとそのまま取れにくくなることがあるので、その場合は除去する必要があります。

原因② 太陽光パネルの寿命

太陽光パネルには寿命があります。一般的に20年から30年程度とされており、ちょうど2009年から2010年代の太陽光発電普及期に導入したケースでは太陽光パネルが寿命を迎えつつあります。特に何も心当たりがないのに発電量が著しく減った、もしくは発電しないということであれば、太陽光パネルの寿命を疑ってみてください。

原因③ パワーコンディショナーの寿命

太陽光パネルがそうであるように、パワーコンディショナーにも寿命があります。太陽光パネルの寿命が20年以上であるのに対し、パワーコンディショナーの寿命は10年から15年程度です。太陽光パネルよりも短いところが要注意です。

パワーコンディショナーは電力を直流から交流に変換して家庭内で使えるようにするための重要な機器です。パワーコンディショナーが本来の性能を発揮できない状態になると変換効率が低下し、太陽光パネルではしっかり発電をしているのに発電量が低下してしまいます。もちろんパワーコンディショナーが寿命を迎えた、もしくは故障で機能停止になってしまうと、十分な日照量があるのに発電しない状況になります。

原因④ パワーコンディショナーの故障

パワーコンディショナーが故障すると電力の変換が止まってしまうため、太陽光パネルで発電をしていてもその電力を使うことができません。しかもパワーコンディショナーは太陽光発電システムの中で唯一、常に稼働している機械です。それゆえに他の機器類と比べると故障のリスクが高く、発電しないという状況に陥ったらパワーコンディショナーの故障も十分あり得る原因です。

原因⑤ 落雷や浸水

太陽光パネルは屋根の上にあるので、天候による影響を強く受けます。本来であれば屋根が風雪による影響から家の中を守っているわけですが、その上に太陽光パネルがあるということは、太陽光パネルがその役割を担っているわけです。

天候による影響で最も注意するべきは、落雷と浸水です。落雷は強い電流が流れるためダメージが大きいことは想像がつくと思いますが、実際に太陽光パネルに雷が落ちることはほとんどありません。それよりも近くに落雷があったことで強い電流が流れ、電気系統にダメージが発生するリスクのほうが高いといえます。

また、長年にわたって風雪の影響を受け続けると、太陽光発電の機器に水がしみこみ、漏電などの故障を起こすことがあります。これも自然由来の故障原因なので、上記の原因に心当たりがない場合は疑ってみる余地があります。

太陽光発電が「思ったより発電しない」場合の原因3選

次に、太陽光発電が完全に発電しないのではなく「思ったより発電しない」という場合に考えられる原因についても解説します。発電量の低下幅によっては気づきにくい部分なので、この機会に発電量が低下していないかどうかをチェックしてみることも併せておすすめします。

屋根の形状、方角が非効率的

そもそも屋根の形状や方角が太陽光発電には不向きというケースがあります。理想的なのは南向きの屋根スペースが広く、平面部分の面積が広いことです。そして地域的に十分な日照量があれば、なおよしです。最初から太陽光発電を前提に家を買う、建てるのであればこうした条件を考慮できますが、後付け設置の場合は太陽光発電を設置することを想定していない家を買うことになります。そのため、後付け太陽光発電では条件がそれほど良くないことが「思ったより発電しない」ことの原因になりがちです。

ただし、これについては販売店の責任も大いにあると思います。販売店は設置前に太陽光発電のシミュレーションを行います。その結果、十分なメリットがあると判断できれば正式に契約という流れになりますが、この段階で契約欲しさに決して良い条件とは言えないような住宅に太陽光発電を提案するといった事例もあります。近年では太陽光発電の販売店の淘汰が進んだため悪質な業者はあまり見られなくなりましたが、太陽光発電の普及が進んでいる過渡期にはモラルの低い販売店も多く見られました。

そのため、2009年頃から2015年頃に太陽光発電を導入したケースでは、当初から十分な発電量が得られていないのにそのことに気づいていないことがあります。途中から発電量が減ったのであれば変化に気づきますが、最初から発電量が変わらないのであれば気づきにくくなります。シミュレーション結果との乖離があると感じる方は、専門家による診断を受けてみるのもひとつの方法です。

パワーコンディショナーの性能

太陽光パネルで生み出された電力を利用可能なものに変換するのがパワーコンディショナーです。具体的には直流の電流を交流に変換するわけですが、この際に若干のロスが発生します。太陽光パネルで発電された量をそのまま100%利用できるわけではなく、パワーコンディショナーが変換したあとの電力のみ利用できます。この時に数%のロスが発生するため、変換効率が高いパワーコンディショナーであっても98%程度です。海外製のパワーコンディショナーは安い一方で変換効率が低いことが多く、95%にまで低下するモデルもあります。

この数%のロスが大きいと「思ったより発電しない」と感じてしまうことでしょう。

太陽光パネルの面積が小さい

太陽光発電の発電量は、設置している太陽光パネルの面積に比例します。自宅屋根に太陽光パネルを設置する場合、その限られたスペースにいかに多くの面積を確保するかが発電量に直結します。

メーカーによっては小さなスペースや四角形ではないスペースにも置ける太陽光パネルがあるので空きスペースを有効に活用することができますが、そういった太陽光パネルを使用しない場合や、設置する住宅の特性をあまり考慮していない設計だと面積の無駄が多くなり、結果として「思ったより発電しない」という結果につながります。

太陽光発電が発電しない原因には不可抗力のものも

太陽光発電が発電しない原因には、不可抗力のものもあります。ここではそのうち主なものを2つ紹介しましょう。

日照時間の変化

十分な日照がなければ、太陽光発電は期待通りの発電をすることができません。もちろん設置前の設計段階でシミュレーションをするので「こんなはずではなかった」とはなりにくいのですが、ノウハウが乏しい販売店だとシミュレーションの精度が低く、思惑通りにならないこともあります。

また、自然環境の変化によって日照時間が短くなったり、夏季の異常な暑さによって太陽光パネルの出力が落ちるといった現象も近年では多く報告されています。これについては自然環境の変化なので、不可抗力と言わざるを得ません。

新たに影ができた

近隣に高い建物が建ち、その建物によって影ができたことによって日照量が減るといった問題も各地で起きています。もともとあった日当たりが遮られることで日照権の侵害であるといった係争が起きることはありますが、太陽光発電においても同じです。しかも「洗濯物が乾きにくい」といった問題以上に影による太陽光発電の出力低下は切実な問題なので、何らかの補償を求める必要もあると思います。

太陽光発電が発電しない事態を事前に回避する対策5選

太陽光発電が思惑通りに発電しない事態を避けるために、事前にできることを5つの項目で解説します。これから太陽光発電を設置しようと検討している方は、この5項目を1つずつ押さえたうえで設置を進めるようにしてください。

対策① 発電量シミュレーションのノウハウが充実している販売店を選ぶ

太陽光パネルを設置する条件を分析してどの程度の発電量が得られるかは、ノウハウの充実している販売店であればかなり正確にシミュレーションが可能です。しかしながらすべての販売店が発電量予測に精通しているわけではないため、販売店の精査はとても重要です。

発電量シミュレーションやシステム構成の提案を受けた際に、どの程度その数字に根拠があるのか、そして根拠に整合性があるのかを精査して販売店を選ぶようにしましょう。

対策② 定期的なメンテナンスで発電量をチェックする

太陽光パネル表面の汚れによって発電量が低下する問題について、すでに解説しました。風雪にさらされている以上、パネル表面の汚れは避けて通ることができません。そのため、定期的な発電量のモニタリングと清掃を中心としたメンテナンスがとても重要です。

少なくとも年に一度は販売店もしくは専門家のメンテナンスを入れてパネル表面を清潔に保ち、十分な性能を発揮できる状態にしておきたいものです。

対策③ 保証にも注目する

太陽光発電が発電しないという問題に直面した時、最終的には購入した販売店に助けを求めることになるのがほとんどでしょう。そんな時に頼りになるのが、販売店による保証です。太陽光パネルメーカーによる保証ももちろん重要ですが、それに加えて販売店の保証があると理想的です。

なお、和上ホールディングスは「トリプル保証」の制度を設けており、製品、工事、災害に対する10年保証が付いています。何かあった時にいつでも相談できることは安心感にもつながるので、販売店選びの際には保証にもしっかり注目するようにしてください。

対策④ 屋根にかかる影の将来予測を入念に行う

周辺に影ができるような建物などができてしまい、影があることで発電量が低下してしまう問題は、外的要因です。全く予想もつかなかったような建物が建ったり、携帯電話の基地局が設置されたことで影ができるといった場合は回避困難ですが、隣に空き地があってマンションが建つ計画があるなど事前に予想できる「影」要因については予測した上で設置計画を立てましょう。場合によってはほとんど日陰になってしまうこともあるため、その場合は太陽光発電そのものが不適地である可能性が高く、フラットな目線で検討する必要があります。

対策⑤ 予算に余裕があるなら単結晶を選ぶ

太陽光パネル内のモジュールには、いくつかの技術的な分類があります。多く流通しているものを挙げると、以下のようになります。

  • 単結晶シリコン
  • 多結晶シリコン
  • CIS

単結晶シリコンと多結晶シリコンはいずれも素材がシリコンですが、この両者を比較すると単結晶シリコンの方が発電効率が高く、同じ面積であっても多くの電力を生み出します。価格は多結晶シリコンと比べると高めになりますが、予算に余裕があるのであれば単結晶シリコンのモジュールを選ぶことをおすすめします。

3つめのCISは化合物半導体で作られてモジュールです。まだまだ本格的な普及は進んでいませんが、太陽光パネルの製造コストを大幅に安くできることから、今後の普及が期待されています。

まとめ

太陽光発電を設置したのに発電しない、思っていたほど発電しないといった問題が起きた際に考えられる原因と、それを防ぐための対策を中心に解説しました。太陽光発電は設置前の入念なシミュレーションと設置場所の特性を考慮した入念な設計が不可欠です。せっかく取り付けたのに「こんなはずではなかった」となってしまわないよう、十分な情報収集と販売店の精査をした上で太陽光発電の設置を進めるようにしましょう。

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