蓄電池の交換費用相場と寿命を延ばしてコスパを向上させる方法

蓄電池の交換費用相場と寿命を延ばしてコスパを向上させる方法

蓄電池には、寿命があります。それは、日常的に使用しているスマホなどの電子機器に内蔵されているバッテリーの充電機能が徐々に劣化していくのと同じです。スマホはもちろん、多くの家庭用蓄電池もリチウムイオン電池を使用しているため、その特性にも似通った部分があります。

寿命があるということは、蓄電機能を利用し続けるためには交換が必要です。その交換費用がいくらくらいが相場なのか、また蓄電池のバッテリーを少しでも長持ちさせるにはどうするのが良いのかといった点について、解説したいと思います。

これから蓄電池の導入を検討している方、もしくはすでに蓄電池を使用している方、それぞれにとって重要な情報なので、ぜひ最後までお読みください。

蓄電池は交換費用はいくら必要?

蓄電池の交換が必要になった場合、その交換費用はいくらくらいを見ておけば良いのでしょうか。最初に、蓄電池の交換費用についての相場や「無料で交換できる可能性」について解説します。

蓄電池は交換が必要

一般的に太陽光発電と一緒に導入されることの多い家庭用の蓄電池には、多くの場合、リチウムイオン電池が内蔵されています。リチウムイオン電池には寿命があるため、寿命を迎えたり、その他の理由で充放電ができなくなったら、交換が必要です。

決して安い買い物ではないだけに、蓄電池の交換時期や交換に要する費用は気になるところだと思います。

費用や交換時期、少しでも長持ちさせる使用方法について順次解説を進めていきます。

保証期間内であれば基本的に無料で交換可能

メーカーの保障期間内に、何らからの理由で充放電ができなくなった場合、その原因が保証の対象であれば、無料で交換に応じてもらえます。この場合は費用負担がないので理想的ですが、メーカーも保証期間中に不具合が起きることを想定して蓄電池を製造していないので、稀なケースといえます。

保証期間を過ぎている場合の交換費用相場

メーカーの保証期間を過ぎている場合、蓄電池の交換には費用負担が発生します。一般的に、蓄電池の寿命は15年から20年程度といわれています。これは、内蔵されているリチウムイオン電池の寿命とほぼ同じで、機器としての蓄電池が使えなくなってきたら、それは内部のリチウムイオン電池の寿命が近づいていると考えて問題ありません。

蓄電池の交換費用は、下は70~80万円、上は250万円前後が相場といわれています。これだけ交換費用に大きな幅があるのは、交換する蓄電池の容量によって機器の価格に幅があるからです。

蓄電池は購入してすぐに使えるものではなく、設置工事あ必要です。そのため、蓄電池の交換費用は工事費用などの諸経費も込みで考える必要があります。先ほど紹介した相場は、いずれも工事費用を含んでいます。

蓄電池の交換工事をプロに依頼するべき理由

蓄電池といっても「大きな箱」のような形をしていることが多く、配線にもそれほど難しい工事は無いように見えなくもありません。しかし、だからといって自分で取り付けるのはやめておいたほうが賢明です

業務で電気工事をするには資格が必要ですし、仮に自宅の工事を自分でやるだけなら無資格でも問題はないとしても、事故のリスクがあります。事故によって怪我をするのは重大なリスクですが、そうではなくても蓄電池が故障するなどの原因になってしまった場合、自分で工事をした(つまり無資格の人が工事をした)ことが分かると、保証の対象外になる恐れがあります。

蓄電池は適切に設置して、適切に使用して初めて役立つ機器です。工事費用はそれほど高額ではありませんし、わずかなお金をケチって大損をしないようにしましょう。

蓄電池の交換が必要になるタイミング

費用もかかるし、できるだけ蓄電池の交換の頻度は少なくしたいとお考えの方は多いでしょう。それでは、蓄電池の交換はどの程度の頻度で、どんなタイミングで必要になるのでしょうか。交換のタイミングかどうかを判断する目安を知っておきましょう。

蓄電池には寿命がある

そもそもの話として、蓄電池には寿命があります。これは内臓されているリチウムイオン電池に寿命があるからで、リチウムイオン電池が寿命を迎えるとバッテリーの「持ち」が悪くなってきます。長くスマホを使っていると、徐々にバッテリーの「持ち」が悪くなり、購入した直後よりもすぐにバッテリー残量が減ってしまうという経験をした方は多いと思いますが、家庭用蓄電池であっても同様の症状が表れます。

リチウムイオン電池の寿命目安

多くの蓄電池に内蔵されているリチウムイオン電池の寿命は、15年から20年程度です。家電製品のなかでは比較的長持ちする機器といっても良いかもしれません。しかも、寿命を迎えたからといっていきなり充放電が全くできなくなるわけではなく(万が一、そんな症状になったら故障の可能性大です)、徐々に充電できる容量が小さくなっていくのが普通です。

うまくできていると感じるのは、多くのメーカーの保証期間が15年以内であることです。メーカーはリチウムイオン電池の寿命をよく理解しているので、ちょうど寿命を迎える頃にメーカーの保証期間が終了するというわけです。

そのため、寿命を迎えたことで交換となってもメーカー保証を受けられる可能性は低いと考えておいたほうが良いでしょう。

充放電回数の上限を超えると交換時期

リチウムイオン電池は、充放電の「回数」にも一定の寿命があります。充放電は1回充電したものを使い切ったことで1回としてカウントされ、これは使い切らなくても充電と放電を繰り返すとカウントされます。

公益社団法人東京電機管理技術者協会は、リチウムイオン電池の寿命について「バッテリー容量100%に相当する電力を充電することを1回として充電回数500回が目安」としています。しかしこれはリチウムイオン電池単体のスペック的な寿命の話であり、家庭用蓄電池として販売されている製品の多くは、4,000サイクルが寿命の目安となっています。

1日に1回、満充電まで充電した状態から使い切ったとすると、1年が365日として、10年で3,650日。さらに5年が経つと5,475サイクル使用することになります。さすがにそこまで酷使することは少ないと思うので、やはり15年前後から充放電回数の面からも寿命を意識する必要があるわけです。

出典:公益社団法人東京電機管理技術者協会

故障したら交換が必要な場合も

蓄電池は、リチウムイオン電池以外にも多くの電子部品で構成されています。バッテリー部分に異常はなくても電子回路や配線などに不具合が発生し、故障することもあります。その場合はメーカー保証期間内に発生する可能性もあるため、保証が適用される可能性もあるでしょう。

保証適用の有無にかかわらず、蓄電池が故障したらそのままでは使えないので、交換の必要が生じます。

蓄電池の寿命を長くするための基礎知識

保証が適用されない場合、少なくとも数十万円以上の出費を伴うこともあって、蓄電池には少しでも長く活躍してもらいたいところです。使い方の工夫次第では蓄電池の寿命を延ばすこともできるので、ここではリチウムイオン電池の特性を交えつつ蓄電池の寿命を長くして交換時期を少しでも遅らせるための基礎知識を解説します。

充放電の「しすぎ」に注意

充電や放電を繰り返すことができるのは蓄電池のメリットです。しかし、リチウムイオン電池には過充電や過放電に弱い性質があります。過充電とは、もう満充電になっているのに充電し続けるようなことを指します。逆に過放電とは、残量がゼロになるまで使い切り、そのまま放置するような使い方です。どちらもリチウムイオン電池に負荷をかける使い方なので、寿命を短くする原因になります。

最も負荷が少ないのは、使い切らず、充電しすぎずの使い方です。特殊な状況ではない限り、蓄電池の残量がゼロになるまで使い切ることはあまりないと思います。50%や30%といった残量になったら充電するなど、使い切らないように再充電をするような使い方がおすすめです。

直射日光が当たる場所は避けて設置する

次に意識したいのが、蓄電池の設置場所です。リチウムイオン電池は熱に弱い特性があるため、常に高温になるような場所は寿命に悪影響を及ぼします。夏の暑い日にクルマの中にスマホを置きっぱなしにするとバッテリーの寿命が短くなるといわれていますが、家庭用蓄電池も高温の環境にさらされ続けると、寿命が短くなってしまいます。

直射日光が当たる場所は昼間常に高温になるので、日陰になる場所に設置しましょう。仮に日光が当たる場所に設置する場合であっても、日陰になるように何か障害物を設置するのがおすすめです。

蓄電池の施工店はこうした事情を熟知しているので、設置場所に直射日光が当たるような場合は、遮光用のパーテーションなどの設置を提案してくれると思います。

雨や湿気の少ない場所に設置する

先述の高温と同じく、リチウムイオン電池は湿気も嫌います。湿気の多い場所に設置すると常に湿気による影響を受け続けることになるため、それも寿命を縮める原因になります。

雨が当たる場所に設置すると雨水が機器の内部に入り込んでしまうリスクがありますし、湿気が滞留しやすい場所も同様です。

前項の高温と併せて湿気を嫌う性質を踏まえると、高温多湿になりがちな場所への設置はおすすめしません。

使用しない期間は満充電で保管する

過充電と過放電はリチウムイオン電池にダメージを与えると述べました。このうち過充電については、蓄電池の機能で満充電になったらそれ以上過度に充電しないように設計されてるため、あまり心配する必要はありません。

もう一方の過放電については使い方次第で負荷をかける可能性があるため、注意が必要です。

特に注意したいのが、しばらく使用しない期間があるような場合です。災害時に備えるために設置するなど、日常的に使用する予定がない蓄電池については、満充電にした上で保管するようにしてください。使用しなくても少しずつ残量は減っていくので、定期的に残量をチェックしてゼロになっていないかを確認します。ゼロが近づいてきたら再び満充電にするようにすると、過放電によるダメージを回避できます。

メンテナンスで寿命は延びるか

使い方次第でリチウムイオン電池の寿命を延ばすことができることを解説しました。それでは、何かメンテナンスをすることによって寿命を延ばせる可能性はあるのでしょうか。

ここでは、蓄電池のメンテナンスについて解説します。

蓄電池の日常的なメンテナンス

蓄電池は基本的にメンテナンスフリーといわれていますが、やはり電子機器なので、定期的にメンテナンスは安定稼働に役立ちます。主なメンテナンス内容は、以下のとおりです。

  • フィルター部分の清掃
  • 通風孔の清掃
  • エラー表示のチェック

基本的に気になる部分を定期的に清掃しておけば、問題ありません。通風孔がふさがってしまうほホコリが溜まってしまうと冷却機能に悪影響が出るため、リチウムイオン電池が嫌う高温環境になってしまいます。それを回避するために、定期的にフィルター部分や通風孔をきれいにしておきましょう。

また、何らかのエラーが発生したらそれを早期に復旧しておく必要があるので、エラー表示が出ていないかもメンテナンス項目です。

メンテナンスで致命的なダメージを回避できる

先ほど挙げたメンテナンスは、どれも常識的なものばかりです。これといって特別な作業をする必要はないので、時間がある時、手が空いている時に意識するだけで十分です。

フィルターや通風孔の清掃では高温や多湿になってしまうことを予防できるので、これらの部分をきれいにしておくだけで致命的なダメージを与えることは回避できると思います。

まとめ

蓄電池が寿命を迎えた時、交換費用はどれくらいかかるのかという疑問にお答えするために、交換費用の相場について解説しました。交換費用は決して安いものではないので、できるだけ長持ちさせる使い方を心がけ、費用負担を抑えて、コストパフォーマンスを向上したいところです。

リチウムイオン電池の特性を理解すれば、どうするのが最善なのかがすぐにわかるので、当記事で解説した内容を意識しつつ、少しでも蓄電池の寿命を延ばしてコストパフォーマンス向上に役立ててください。

和上ホールディングスでは、蓄電池との同時見積りも可能であり、相場を知り適正価格を見極めるためにもぜひご利用ください。

太陽光発電と蓄電池をセットで購入することで、よりお得に設置できるため、ぜひ検討していただくことをおすすめします。

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