今回は、太陽光発電との相性が良いと言われるオムロンの蓄電池の特徴について簡単にご紹介します。オムロンと言えば、制御機器や電子部品の製造メーカーとして古くから有名な会社ですが、私たちの生活に身近な家庭用健康医療機器なども取り扱っています。さらに、近年では環境関連事業にも力を入れており、蓄電池システムの開発、販売も手掛けているのです。
オムロンの蓄電池は、既に太陽光発電を導入済みのご家庭でも、簡単に後付けで設置可能な蓄電池も用意されているなど、太陽光発電と蓄電システムを効率的に活用して省エネを目指すことが出来るのが特徴です。つい最近も、1日に何度も充電・放電を繰り返しても、15年後の電池容量維持率70%を保証する長期メーカー保証が付いた蓄電池を発売するなど、現在蓄電池の導入を検討中の方であれば、ぜひ知っておきたい蓄電池メーカーの一つです。
そこで今回は、オムロンが販売する蓄電池の種類やその特徴をご紹介します。
オムロンの販売する蓄電池の種類と特徴
それではまず、オムロンが展開している蓄電池の種類とその特徴についてご紹介します。オムロンの家庭用蓄電池は、「KP55Sシリーズ」「KP48S2シリーズ」「KPACシリーズ」の3種類が展開されていました。2019年6月からは、放電サイクルの回数制限がない『15年保証』の長寿命蓄電システム「KPAC-Bシリーズ」も追加されています。
- KP55Sシリーズ
『KP55Sシリーズ』は、太陽光発電用ハイブリット蓄電システムで、太陽光発電と蓄電システムのパワーコンディショナーが一体型となったタイプとなります。 - KP48S2シリーズ
『KP48S2シリーズ』は、「売電優先」や万一の停電時に備える「蓄電優先」、「自家消費優先」など、3つの運転モードを自在に選べるのが大きな特徴の太陽光発電用ハイブリット蓄電システムです。 - KPACシリーズ
こちらフレキシブルタイプの蓄電池です。『KPACシリーズ』は、既に太陽光発電を導入しているご家庭でも、後付けで簡単に設置可能な産業用・家庭用共用のフレキシブル蓄電システムとなります。太陽光発電システムに後から連携させる場合でも、余計な機材の買い替えコストが少なくなるのが大きなメリットです。
世界最小・最軽量サイズのコンパクト蓄電池
オムロンの蓄電池は、世界最小・最軽量のコンパクトサイズになっていることが特徴の一つです。したがって、蓄電池のタイプを問わず、わずかなスペースでも場所を選ばず設置することが出来るのが大きなメリットになるでしょう。通常、基礎工事をした上に自立設置する蓄電池ですが、オムロンの蓄電池は、壁にかけて設置する壁掛け設置可能なタイプもあります。
※「世界最小・最軽量サイズ」は、2017年2月現在、オムロン調べです。
コンパクトで屋内設置も可能!
オムロンの蓄電池は、非常にコンパクトで屋内設置でも場所をほとんどとりません。都市部などであれば、隣家との距離が非常に近く、家庭用蓄電池の設置スペースがない…などと言うこともあるかもしれません。しかし、世界最小・最軽量サイズをうたうオムロンの蓄電池は、奥行きが120mmしかないタイプもあり、屋内に設置しても邪魔になるようなことはないと思います。
さらに、壁掛け設置も可能ですので、「土地が低く、水害が心配…」などと言う方も安心して導入することが可能です。
海の近くでも設置できる重塩害対応タイプ!
オムロンの『KPACシリーズ』6.5kWhタイプ蓄電池には、重塩害地対応タイプのものがラインナップされています。一般的に、海岸線から500m以内の重塩害地域に指定される場合、通常の蓄電池を設置することが出来ません。しかし、オムロンの『KPACシリーズ』重塩害地対応タイプであれば、設置可能な範囲が大きく広がるのです。
ただし、海水のしぶきが直接飛んでくるなど、海岸線に非常に近い場所となると、重塩害地対応タイプでも非対応となる場合があります。
15年保証の長期保証タイプ!
2019年6月より販売開始された『KPAC-Bシリーズ』は、1日のサイクル数が無制限で、15年間の長期保証を実現しています。一般的な家庭用蓄電池は1日のサイクル数が1~2回と定められているのですが、この蓄電池は1日に何回充放電しても「15年間、蓄電容量維持率70%」を保証しています。
蓄電池の容量は4.2kWhと小容量なのですが、1日2回の充放電を繰り返すと考えれば、8.4kWhの大容量品に相当する価値を発揮でき、経済的な利用が可能です。
オムロンの家庭用蓄電池の価格やスペックについて
オムロンの家庭用蓄電池のスペックをまとめてみましょう。
品番 | 蓄電容量 | 実効容量 | 価格 | 保証 |
---|---|---|---|---|
KP-BU65-A | 6.5kWh | 5.9kWh | オープン価格 | 10年 |
KP-BU98-B | 9.8kWh | 8.8kWh | オープン価格 | 10年 |
KP-S-B64 | 6.4kWh | 5.8kWh | オープン価格 | 10年 |
KP-BU42-A | 4.2kWh | 4.0kWh | オープン価格 | 15年 |
オムロンの家庭用蓄電池は、奥行き、体積ともに世界最小クラスの省スペースで、家庭用の蓄電池として非常に導入しやすいのが特徴です。サイズによる設置スペースの制限も少なく、選ぶタイプによっては壁掛けも可能などと、導入のしやすさで言えばトップクラスの利便性があるのではないでしょうか。また、安心の大容量で万一の停電時でも長時間家電を使うことが可能です。
メーカーサイトが公表しているデータによると、冷蔵庫(50~100W)、テレビ(100~150W)、証明(50~100W)、携帯電話充電器(5W)など、合計約280Wの家電を動かした場合でも、6.5kWhの蓄電池ユニットで連続約19時間使用可能、9.8kWhタイプで連続約29時間使用可能となっています。太陽光発電と連携しておけば、日中は太陽光発電の電気を使用しながら余剰電力を充電するので、長期的な停電でも電気を利用することが可能となるのです。
さらに、重塩害に対応したタイプも用意されていますので、幅広い条件のご家庭にマッチするスペックがあると言えます。
オムロンの家庭用蓄電池、導入費用について
オムロンの家庭用蓄電池は、上で紹介した表のとおり、本体価格がオープン価格で販売されています。したがって、「どの価格が費用相場として最適なのか?」がわかりづらいということがデメリットと言えます。
さらに、蓄電池の販売価格は、本体価格に設置工事費用が含まれているのが一般的です。したがって、蓄電池の導入費用は、業者によって蓄電池本体の費用と設置工事費用にかなりの差が出てしまうことも少なくありません。蓄電池導入の際には、いくつかの業者から見積もりを取り寄せ、それぞれの見積書を見比べることで適正価格を見出す必要があるでしょう。
まとめ
今回は、家庭用蓄電池市場の中でも、コンパクトなサイズで設置しやすいと人気の、オムロン製の蓄電池の特徴についてご紹介しました。オムロンの蓄電池は、公式サイトで「世界最小・最軽量サイズ」とうたわれているように、広い設置スペースが確保できないご家庭などに非常にオススメです。蓄電池の中には、搬入・設置の際にクレーンを用意する必要があるものも多いなか、基礎工事すら必要としないオムロンの蓄電池は、非常に導入しやすいと思います。
もちろん、蓄電池自体も高性能・高機能ですし、最近登場した『KPAC-Bシリーズ』に至っては15年の長期保証までついていますので、設置スペースの問題で蓄電池の導入を諦めていた…などと言う人には特におすすめです。なお、オムロンの蓄電池は、設置業者によって導入費用が大きく異なることがありますので、複数の業者から相見積もりを取って、適正価格を見極める必要があるでしょう。