今回は『電気を作る』太陽光発電設備と『電気を蓄えておく』ことができる家庭用蓄電システムを連携させた場合に得られるメリットについて考えてみたいと思います。
近年では、一般住宅でも太陽光発電設備や家庭用蓄電池の導入がどんどん進んでいると言われています。しかし、現状では「太陽光発電設備だけ」「家庭用蓄電池だけ」など、どちらか単体で運用している方の方が多いのではないでしょうか。実はこの二つの設備に関しては、『電気を作る』『電気を蓄える』と全く異なる能力を持った設備ではあるのですが、ともに家庭で使用する電気に関する設備となるので組み合わせて使用することでより高いレベルで運用することができるようになるのです。
そこでこの記事では、より電気を有効活用するため、太陽光発電設備と家庭用蓄電池を組み合わせた『創蓄連携』のメリットについてご紹介します。
太陽光発電と蓄電池の特徴について
それではまず、創蓄連携システムのメリットの前におさらいとして太陽光発電設備、家庭用蓄電池、それぞれの特徴について簡単にご紹介しておきましょう。記事の冒頭でご紹介したように太陽光発電は、電気を自家発電することができる設備で、蓄電池はその名前の通り「電気を蓄えておくことができる設備」です。どちらの設備もそれ単体で非常に大きなメリットをもたらせてくれるのですが、組み合わせることでより大きな効果が得られると言われるのです。
まずは、それぞれの設備の特徴を掴んでおきましょう。
太陽光発電設備の特徴
太陽光発電設備は、すでに一般住宅でもかなり普及が進んでいます。これは屋根などの空きスペースに太陽光発電パネルを設置しておくだけで、太陽光エネルギーを電気に変換してくれる設備です。家庭で使用する電気を自分で作ることができるようになりますので、電気代削減効果が非常に高いのが大きなメリットです。さらに発電した電気を電力会社に売電することができますので、売電収入を得られるようになるなど、他の設備などと比較しても高い経済効果を持っているのが特長と言えるでしょう。
しかし「太陽光エネルギーを電気に変換する」という設備の特性上、日射のない夜間や悪天候時には発電することができません。
家庭用蓄電システムの特徴
「電気を作る」太陽光発電設備に対して、家庭用蓄電池は「電気を蓄えておくことができる」設備となります。例えば、最近の電気料金プランなどは、深夜帯の電気料金が安く昼間は高額になっているものが多いです。したがって、蓄電池を導入していれば安い深夜帯の電気で充電し、それを昼間に利用できるようになるなど電気料金の格差を利用して電気代削減が可能になるのです。さらに、最も大きなメリットとしてとらえられているのは、蓄電池に電気を貯めておけば、万一の自然災害で停電が発生した場合でも電気を利用することができるという点です。
蓄電池は、太陽光発電のように売電による収入が得られるわけではないので高い経済効果を見込むのは少し難しいのですが、非常時でも『ご家族の安全を守ることができる』という稀有な設備として注目された歴史があるのです。
太陽光発電と蓄電池を連携するメリット
それでは、太陽光発電と家庭用蓄電池を連携した『創蓄連携』のメリットについてご紹介していきましょう。上で紹介したように、この二つの設備に関しては、それぞれを単体で運用したとしてもそれなりのメリットが得られます。しかし、太陽光発電設備は「日射が無い時間帯は発電できない」など、明確なデメリットを持っているのです。
そこで、近年注目されているのが太陽光発電設備と家庭用蓄電池を連携させた『創蓄連携』システムです。創蓄連携システムにすると、日射のある時間に発電した電気のうち余剰分を蓄電池に蓄えておき、それを発電できない時間帯に使えるようになるなど、元々双方の設備が持っていた弱点を補うことができるようになるのです。ここでは、創蓄連携システムによって得られる利点をいくつかご紹介しておきましょう。
- 突然の天候不良でも買電量の抑制ができる
太陽光発電設備は、日射がないと発電することができません。つまり「日中であっても曇り空になってきた」「雨が降っている」など、突然の天候条件の変化によって発電量が左右されてしまうのです。こういった場合、太陽光発電単体の運用であれば、電力会社からの買電量を増やして家庭の電気を賄うということになるのですが、蓄電池と連携させていれば、買電量を抑制することができるのです。蓄電池に太陽光発電で作った電気を蓄えておけば、突然天候条件が変化しても、蓄電池から電気を賄うことができるようになり、太陽光発電による電気代削減効果をより高めることができます。 - 夜間でも太陽光発電の電気を利用できる
「夜間は太陽光発電設備が機能しない」と説明しましたが、蓄電池と連携させることで、この弱点を補うことができるのです。太陽光発電設備は、日中に発電し、その時間帯の電気代を削減できるのが大きなメリットです。ここに蓄電池を連携させれば、日中に余剰分の電気で充電をしておき、その電気で夜間の電力を賄うという運用方法も可能となるのです。つまり、太陽光発電+蓄電池という体制を作れば、完全な電力の自給自足を目指すこともでき、電力会社から購入する電気代を0円にすることも可能です。 - 売電量を増やすことができる
創蓄連携の場合は、『ダブル発電』によって売電量を増やして売電収入の増加を見込むことも可能です。ダブル発電の詳細については「シングル発電とダブル発電の違いは?」という記事でご紹介していますのでそちらをご参照ください。この方法は、太陽光発電で昼間に発電した電気を家庭では消費せず、蓄電池に安い夜間電力を蓄えておきそれを使うことで、太陽光発電で発電した電気を優先的に売電に回して収入を増やすという手法です。こういった使い方は、太陽光発電と蓄電池が揃って初めてできるのです。 - 環境問題に貢献できる
この部分は、日本政府も注目しており、これらの設備に豊富な補助金が作られている理由にもなっています。電力会社から購入する電気は、主に火力発電などで作られています。つまり、発電時には多くのCO2が排出されることになるのです。しかし、各家庭が太陽光発電と蓄電池を備えて電力の自給自足を始めれば、CO2を発生させない電気が増加しますので、温室効果ガスと言われるCO2排出量を削減することができるようになるのです。通常、環境問題への貢献は、さまざまな努力が必要になります。創蓄連携の場合、システムさえ作ってしまえば、後は普通の生活をするだけで地球環境への貢献ができるのです。これは、非常に大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
まとめ
今回は「電気を作る」太陽光発電設備と「電気を蓄えておく」家庭用蓄電池を連携させた『創蓄連携』システムのメリットについてご紹介しました。この記事でもご紹介したように、この二つの設備は、それぞれ単体で運用したとしても、それなりに大きなメリットが得られるため、どちらか一方を導入しているという方は多いのではないでしょうか。しかし、どちらの設備にしても明確な弱点を持っていますので、運用中に「もう少し上手に活用できないかな?」と不満に思うこともあるでしょう。
特に日本国内では、太陽光発電設備が先行して普及していることもあり、太陽光発電による電気代削減や売電収入のメリットを得ている人は非常に多いことだと思います。しかし、太陽光発電単体での運用であれば、「家庭で消費する」か「電力会社に売電する」の2つの選択肢しかないため、本来太陽光発電設備が持っている潜在的なメリット全てを享受できているとは言えないのです。ここに家庭用蓄電池を組み合わせることによって「発電した電気を蓄えておく」という選択肢が増えるため、電気の自給自足や災害時の電力確保など、新しいメリットを享受できるようになるのです。
現在、太陽光発電、蓄電池どちらか一方で運用している方で、今後『創蓄連携』システムの構築をご検討中の方は是非お気軽にお問い合わせください。とくとくとショップでは、豊富な施工実績がありますので、お客様の状況に合わせて最適なご提案をさせていただきます。