太陽光発電と蓄電池を一緒に設置するかどうかお悩みではないでしょうか。高い買い物になるわけですから、慎重に購入に至りたいものだと考えられます。
上記のような方にお得な情報として、実は太陽光発電と蓄電池を設置すると様々なメリットがございます。もちろん、デメリットもありますが、長期的にみればお得になることは間違いありません。
そこで今回は、太陽光発電と蓄電池を一緒に設置するメリット・デメリットについて解説いたします。蓄電池について詳しく解説をしておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
近年話題の「蓄電池」とは?
太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気を供給するシステムを「太陽光発電システム」と呼びます。元々電気には「同じ場所に止まらず動き回る」という性質があります。電気が動き回らなくなる=エネルギーがなくなってしまうことになるため、発電した電気をそのまま貯めておくことはできません。
そのため太陽光発電システムには電気を貯める設備は基本的になく、発電したらそのまま使うことが大前提となっています。
また、太陽光発電はその特性上太陽のない夜間や悪天候時には電気を作れません。その弱点を補ってくれるのが蓄電池です。
蓄電池は電気を一旦他の物質に変えて保存できます。これは、水で例えるとわかりやすく、水を製氷機で氷にして、使いたい時に取り出すようなイメージを持つとわかりやすいでしょう。
太陽光発電と蓄電池を合わせて設置することで、非常事態においても「強い家」を作ることが可能です。家庭用蓄電池は2011年に起きた東日本大震災を機に、防災意識の高まりから普及が広がっています。また、ここ数年における豪雨や台風といった災害の多さからも、蓄電池の導入を検討する方が増えているようです。
蓄電池の仕組み
蓄電池の内部は、負極側(プラス)と正極側(マイナス)の2極にわかれています。
負極側から正極側に電子が移動することで放電し、電気を使うことができます。反対に正極側から負極側に電子が移動すれ、蓄電できる仕組みになっています。
蓄電池による価格や寿命の違い
様々な種類がある蓄電池ですが、現在の主流はリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は古くから使われてきた鉛蓄電池のデメリットを補った蓄電池だといわれています。
リチウムイオン電池のメリットは
・充電・放電を繰り返して劣化しにくい
ことがあげられます。
ただし、他の蓄電池と比べ比較的高価です。1kWhあたり20万円程度の価格となっていますが、近年は技術革新が進み市場の拡大により生産量も増え、価格も少しずつ下がってきています。今後も価格が低下していき、設置がしやすくなると予想されています。
家庭用蓄電池の特徴
ここでは家庭用蓄電池の特徴について詳しくご紹介いたします。
「二次電池」として使用される
家庭用蓄電池は、住宅用太陽光発電システムもしくは一般住宅に使用できる二次電池(充放電可能な電池)として取り扱われています。
蓄電容量はメーカーによって異なりますが、1kWh~15kWhといった容量で販売されています。
導入初期の段階では蓄電効率も悪く、予備電源としても難しい状態でしたが、現在では非常用電源として電子レンジやIHクッキングヒーターにも使用できる蓄電容量があります。
必ず「設置工事」が必要
蓄電池は自動車用バッテリーのように蓄電池単体で販売されているのではなく、制御システムや太陽光発電システムとの連携に関する機器も含まれています。
そのため、蓄電池を購入する際には必ず「設置工事」が必要となります。有資格者及び専門技術を持った業者が、住宅の配電盤をチェックし太陽光発電システムと家庭用蓄電池ユニットを接続していきます。
「定置型」と「移動式」に分けられる
家庭用蓄電池は、2種類の仕様に分かれています。
一度設置したら固定状態のまま使用する据え置き型の家庭用蓄電池です。太陽光発電システムと併設する場合はこちらが一般的です。
一定のスペースが必要で、事前に業者へ住宅の間取りを確認してもらった上で設置場所を決める必要があります。蓄電容量も比較的大きく、家庭全体の電気を一時的にまかなえます。
・移動式蓄電池
持ち運びや移動可能な小型家庭用蓄電池全般を指します。通販やホームセンターでも見かけ「ポータブル蓄電ユニット」とも呼ばれます。
設置スペースに困らず工事不要、小型で低価格なため気軽に買えるのが魅力です。しかし、小型ということは蓄電容量に大きな制限があり、大型電気機器の非常用電源や自宅の消費電力をカバーすることはできません。スマートフォン等の緊急充電に適しているタイプです。
価格が非常に幅広い
家庭用蓄電池の価格は、定置型と移動式で異なります。
・定置型蓄電池の場合
本体だけではなく設置工事に関する費用もかかります。大まかに分けると
・蓄電池本体の費用
・設置工事の費用
・電気系統の施工費用
の3つになります。
家庭用蓄電池が販売され始めた段階では、総額で200万円を超えるのが一般的な相場でした。しかし、普及が大幅に進んだことにより、現在では100万円を下回る価格でも購入・設置が可能です。
また、蓄電池本体の価格もメーカーごとに80万円~160万円と幅広い価格のため、よく比較検討してからの購入をお勧めします。
・移動式蓄電池の場合
移動式蓄電池の場合は、大掛かりな施工作業はありません。設置費用がかからず安価で購入できます。
数万円~10万円台が一般的です。
補助金が各自治体で実施されている
家庭用蓄電池の導入を行うと、各自治体で独自に行っている補助金制度が受けられることがあります。
補助金制度の条件や金額は自治体によって異なるため、事前に該当する自治体の制度を確認しましょう。
太陽光発電とセットで蓄電池を設置するメリット
ここでは太陽光発電とセットで蓄電池を設置するメリットについて詳しくご紹介いたします。
メリット1.電気代を節約できる
2019年10月に、消費税が8%から10%へと引き上げられました。これにより、各電気会社も電気料金の値上げを行っています。5000円の電気代の場合、5400円だったものが5500円になるという僅かな差ですが、長い目で見ると大きな出費となってしまいます。電気は毎日必ず使うものですから、電気代の値上げは家計の負担となるでしょう。
太陽光発電システムや蓄電池を使うことで、電気代が高い日中に電力会社の電気を使うことが減り、電気代の節約になります。
メリット2.停電時でも電気が使える
停電すると冷蔵庫や電子レンジが使えない、テレビが見られないといった問題が出てきてしまいます。これも、蓄電池を導入することで解決します。
発電した電気を充電しておけるので、災害時の停電でも電気機器を使うことができます。非常事態に備えて蓄電池を設置しておけば、停電や災害に強い家となり、安心して過ごせるでしょう。
メリット3.FIT終了後も経済的
太陽光発電システムの導入を検討していると「FIT」という言葉を度々見かけます。これは「固定価格買取制度」と呼ばれるもので、太陽光発電で作った電力を電力会社に買い取ってもらう国の制度のことを指します。FIT開始当時は買取価格が高く非常にお得なシステムでしたが、太陽光発電システムの普及と共に価格は下落し、現在では5分の1程度になっています。
そのため、現在はFITを目的とするよりも、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて作った電力を家庭でそのまま消費する「自家消費型」に切り替えることが推奨されています。
光熱費の大幅削減につながり、非常に経済的な運用が可能となります。
太陽光発電とセットで蓄電池を設置するデメリット
メリットをご紹介したところで、反対に太陽光発電とセットで蓄電池を設置するデメリットについても詳しくご紹介いたします。
デメリット1.設置費用が高い
蓄電池の蓄電容量1kWhあたりの価格は、15~28万円です。容量が7.2kWhの蓄電池を設置する場合、初期費用は約140万円と高額になってしまいます。
ただし、経済産業省では家庭用蓄電池の価格をできるだけ下げるように各企業に働きかけているため、今後蓄電池の価格は下がる予測は立てられています。
デメリット2.充電回数に限りがあり、太陽光発電より寿命が短い
太陽光発電システムは一度の設置で10年以上部品を交換せず使用できますが、蓄電池は充電と放電を繰り返すことで少しずつ劣化していき、交換が必要になります。
蓄電池の寿命は「サイクル」で表記され、リチウムイオン電池の場合は4000回程度です。年数でいうと、約6~10年とされており、充電回数に限界があることが示されています。
デメリット3.設置場所の確保が必要
家庭用蓄電池の定置型を設置する場合、スペースが確保できるかどうかの確認が必要です。定置型の大きさはエアコンの室外機ぐらいの大きさで、重さは50~100キロほどあります。
定置型の蓄電池は、多くの場合屋外に設置されます。設置を検討している場合は、蓄電池を置けるスペースがあるかどうか確認しましょう。
まとめ:蓄電池の普及はまだまだこれから!
家庭用蓄電池は、太陽光発電の普及拡大と共に注目され始めたばかりのものです。今後も防災やエネルギー問題の観点から、さらなる普及と蓄電池本体の性能向上や価格の低下が期待されています。
メーカーによっては、太陽光発電システムと蓄電池をセットで販売していることがあります。同メーカーであれば相性が良いのはもちろん、別々に購入するよりも割安で施工費を抑えられてお得です。
蓄電池または太陽光発電システムの導入を考えている場合には、同時購入を検討してみるのがお勧めです。