太陽光発電が家庭に広がる中、その効果をさらに引き上げるための鍵として、蓄電池が注目を集めています。
すでに太陽光発電を導入している方であっても、後から蓄電池を設置することでさらなる利便性や経済性を享受することができます。
しかし、いつ導入するのがベストなのか、コストや補助金の情報はどこで確認できるのか、多くの疑問が浮かぶかと思います。
この記事では、後付けで蓄電池を設置する際の注意点やおすすめのタイミングを解説していきます。
太陽光発電に蓄電池を後付けするメリット
太陽光発電は、自然な光エネルギーを電気エネルギーに変換するシステムですが、この太陽光発電システムに蓄電池を追加することで、さらなるメリットを享受することができます。
では、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
電気代の削減
太陽光発電に蓄電池を後付けする最大の魅力の一つが、電気代の削減です。
では、具体的にどうやって電気代を削減するのでしょうか?以下、その方法とメカニズムを探ります。
太陽エネルギーの活用
太陽光発電は、太陽からの光を電気エネルギーに変換します。
このエネルギーは無料であり、蓄電池に保存して後で使用することができます。つまり、太陽が出ている間に集めた電力を、夜や曇りの日に使うことができるのです。
ピーク時の電力料金のカット
一日の中で電力使用量が最も高い時間帯には、電力会社が高い料金を設定することが一般的です。
蓄電池からこの時間帯に電力を取り出すことで、高い電気代から逃れ、削減することができます。
余剰電力の販売
太陽光発電で生成した電力が自宅での消費量を上回る場合、余剰電力として販売することも可能です。
蓄電池に保存しておくことで、電力供給が不足する時間帯に供給し、利益を上げることができます。
災害時の自家発電
万が一の災害時にも、蓄電池に保存した電力は非常用電源として活用することができます。
通常の電源が利用できない状況でも、重要な家電の使用やライトの点灯が可能で、安心して過ごすことができます。
例えば、ある家庭では毎月の電気代が平均して10,000円だったとします。太陽光発電と蓄電池を導入することで、この費用を毎月30%削減できるとしたら、年間では約36,000円の節約が可能になるでしょう。
このように、蓄電池の後付けによる電気代の削減は多岐にわたります。
自宅でのエネルギーの使い方に合わせて、蓄電池をうまく活用すれば、生活の質の向上と共に、経済的にも非常に効果的です。
省エネの推進
太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、環境にやさしいエネルギー利用の推進に大いに貢献します。
通常の電力供給は化石燃料を主なエネルギー源としていますが、太陽エネルギーは再生可能なリソースであるため、CO2の排出を削減し、地球環境を守ることができます。
太陽光の利用効率向上
日中、太陽の光が強い時間帯には、太陽光発電システムは多くの電気を生み出します。しかし、すぐにすべての電力を使用するわけではありません。このような場面で蓄電池が役立ちます。
蓄電池には、余った電力を蓄えておくことができるため、太陽光のエネルギーを最大限に活用することができます。晴れた日の昼間に蓄えた電力を、夜や曇りの日に利用することで、太陽光発電の効率を大きく向上させることができます。
蓄電池を後付けする際の注意点
蓄電池の導入は太陽光発電の有効活用を促進しますが、設置を検討する際にはいくつかのポイントを考慮する必要があります。以下、その注意点を詳しく説明していきます。
蓄電池は太陽光発電と同じメーカーでなくてもいいの?
太陽光発電システムのメーカーと蓄電池のメーカーは一緒の方がいいんじゃないの?と考えたりしませんか?
例えば、自宅で使うテレビとブルーレイレコーダーなども、同じようなことを考えてしまいますよね。
しかし蓄電池と太陽光発電のメーカーが異なっても、基本的に問題はありません。太陽光発電と蓄電池のメーカーを限定すると、選択肢が狭まる可能性もあるので、得策ではありません。
蓄電池の選択では、必ずしも太陽光発電のメーカーに合わせる必要はなく、ご自身のライフスタイルや要望に合ったものを選択することが重要です。
また、一部、蓄電池と太陽光発電の組み合わせが困難な場合もあります。しかし、適切な組み合わせを推奨するメーカーのリストや情報は提供されているので、参考にするのもおすすめです。
設置スペースの確保と配置
家庭用蓄電池の設置には、複数の機器の配置を考慮する必要があります。
蓄電ユニットの重量
蓄電ユニットの重さには範囲があり、屋内用や屋外用で重さが異なることも。そのため、安全な設置場所の確保が必要です。
搬入経路の確認
曲がり角や段差、エアコンの外機など、様々な障害物が搬入経路に存在する場合があります。設置前に専門業者に現地確認を依頼し、搬入経路の確認をすることは非常に重要です。
パワーコンディショナーの位置
パワコンは屋内外両方に設置可能なものもありますが、特に屋内専用の場合、設置スペースを確保する必要があります。さらに、北面設置が推奨されているため、その点も考慮が必要です。
FITの変更認定や制度面での変動点
FIT(固定価格買取制度)は、再生可能エネルギー源からの発電に対する買取価格を固定する制度です。
蓄電池の後付けに際しては、この制度の変更や認定面での変動点にも注意が必要です。
変更認定
蓄電池の追加設置を行う場合、FITの変更認定を受ける必要がある場合があります。これにより、買取価格や条件が変わることも考えられるため、事前に確認をしておくことが大切です。
制度の更新
FIT制度自体も定期的に見直されます。そのため、制度の変更点や新しい情報についても定期的にチェックすることがおすすめです。
例えば、ある太陽光発電システムのユーザーが蓄電池を後から設置する際に、FIT制度の変更認定を受けずに進めた結果、期待していたよりも低い買取価格となってしまった、というケースが考えられます。
こういった事態を避けるためにも、事前の情報収集と確認は欠かせません。
蓄電池システムの種類と選び方
蓄電池を導入する際には、特にパワーコンディショナー(パワコン)の種類に注意が必要です。
パワコンは、太陽光発電システムなどの一次電源から供給される電力を、安定して安全な電力に変換・制御する装置です。
太陽光パネルから出力される交流電圧を直流電流に変換し、電力の電圧・周波数を整えると共に、入力電力の不純物やノイズを取り除きます。
また、蓄電池を導入する場合には、蓄電池に蓄えられた電力を太陽光発電の発電量と合わせて一定の交流電力に整えるためにも必要となります。
既に設置されている太陽光発電用のパワコンと併用する単機能型や、それを1つに置き換えるハイブリッド型など、状況に応じて選ぶことができます。
単機能型(フレキシブル)
単機能型蓄電池は、太陽光パネルと蓄電池のパワコンが独立しているタイプです。価格が安いため、太陽光発電用のパワコンが保証期間内の場合や、設置したばかりの場合には、既存のパワコンを残したまま蓄電池を導入することができます。一方で、電力変換に多くの工程が必要なため、電力ロスが大きくなる可能性があります。
ハイブリッド型
ハイブリッド型蓄電池は、パワコン1台で太陽光パネル用と蓄電池用、2台分のパワコンを兼ねているため、省スペースになります。電力変換の工程が減少するため、変換効率が高くなる一方で、単機能型に比べて価格が高くなる場合があります。太陽光発電用と同じメーカーのハイブリッド型に置き換える場合は保証が継続することがありますが、設備保証期間内の太陽光発電を置き換える場合は注意が必要です。万一、パワコンが故障した際には、ハイブリッド型は高価な丸ごと交換が必要となるため、修理費がかさむ可能性があります。
価格帯やサイズから選ぶポイント
蓄電池システムの選び方には以下のようなポイントがあります。
- 既存の太陽光発電用パワコンが保証期間内かどうかや、新しく導入したばかりかどうか。
- 費用面のバランスや省スペースをどちらを重視するか。
- 電力ロスにどの程度耐えられるか。
- メーカーごとの保証内容や残り保証期間を確認すること。
蓄電池設置のベストなタイミング
太陽光発電の普及とともに、蓄電池への関心も高まっています。では、いつが蓄電池の設置に最適なのか。これは2つのポイントで判断することができます。
設置済みの太陽光発電システムの状態
- パワコンの寿命
パワコンは太陽光発電システムの心臓部とも言える部分で、通常、10〜15年の寿命があります。冷蔵庫やエアコンのように、一定の期間が経過すると交換が必要となります。 - 保証期間の終了
最近、パワコンの保証期間終了と同時に蓄電池を購入するケースが増加しています。一般的には、パワコンの保証期間は約10年。新たに蓄電池と共にパワコンを購入すると、保証期間もリセットされるため、安心して使用することができます。
電力消費の変動やニーズ
- 補助金の利用
蓄電池の導入には補助金を利用することができる場合があります。しかし、この補助金は早いもの勝ちや審査が必要な場合もあるため、利用可能な補助金の有無や条件を確認して、タイミングを計ることが大切です。 - 電力のニーズ
家庭の電力消費が増えた場合や、災害時などの非常時に備えて電力を確保したい場合など、ニーズに合わせて蓄電池の導入を検討することも重要です。
蓄電池設置の費用と補助金
太陽光発電の蓄電池設置に関心があるなら、最も気になるのはその費用と、補助金や優遇策の利用可能性でしょう。以下では、設置費用と補助金について、初心者にもわかりやすく解説します。
一般的な設置費用の相場
蓄電池の設置費用は、蓄電池の種類や容量、設置場所などによって変動しますが、以下の点を考慮すると、一般的な相場が見えてきます。
- 容量
蓄電池の容量が大きくなればなるほど、価格も上がります。家庭用の一般的な容量であれば、数百万円の範囲に収まることが多いでしょう。 - メーカーと品質
高品質なメーカーの製品を選ぶと、価格もそれに応じて高くなることが一般的です。 - 設置場所と条件
屋外か屋内か、設置場所の条件によっても費用は変動します。専門業者による見積もりが確実です。
利用可能な補助金や優遇策
蓄電池設置に関する補助金や優遇策は、国や地域、時期によって異なります。以下に一般的なものを挙げます。
- 国の補助金
国からの補助金制度が存在する場合もあります。要件を満たせば、設置費用の一部を補助してもらうことが可能です。 - 地域の補助金
自治体によっては、地域振興や環境保護の一環として、蓄電池設置に対する補助金を提供していることがあります。 - エコポイント制度など
一部の地域ではエコポイント制度など、エコロジー対策の一環として蓄電池設置を奨励する制度があることもあります。
蓄電池設置の計画を進める際には、最新の情報をチェックし、専門業者に相談することが重要です。補助金や優遇策を上手く活用することで、設置費用の負担を軽減することが可能になります。
まとめ:太陽光発電導入後であっても、蓄電池の後付けはとても有効な手段
太陽光発電をもっと効果的に使うためには、蓄電池の後付けという選択肢も検討して見てください。
最適なタイミングや設置費用、さらには補助金の利用方法まで、後付け蓄電池に関するポイントを解説しました。
特に、既存の太陽光発電システムとの相性や、新しい設備投資としての蓄電池の効果を最大化するための方法を押さえることで、賢い選択が可能となります。
和上ホールディングスでは、蓄電池との同時見積りも可能であり、相場を知り適正価格を見極めるためにもぜひご利用ください。
太陽光発電と蓄電池をセットで購入することで、よりお得に設置できるため、ぜひ検討してみることをおすすめします。