太陽光発電の発電量が低下している?効率的に運用するための知識とテクニックをご紹介

太陽光発電の発電量が低下している?効率的に運用するための知識とテクニックをご紹介

太陽光発電の発電量が低下している?効率的に運用するための知識とテクニックをご紹介

「太陽光発電の発電量が低下している」とお悩みではないでしょうか。発電量低下の原因は様々ですが、主に経年劣化やガラスの破損などが挙げられます。

ということで今回は、太陽光発電の発電量が低下している原因や、効率的に運用するための知識やテクニックについてご紹介いたします。

太陽光発電の発電量が低下してしまう原因とは?

ここでは太陽光発電の発電量が低下してしまう原因についてご紹介いたします。

原因1.経年劣化

精密機械でもある太陽光発電システムは、時間の流れと共に劣化します。これを「経年劣化」と呼びます。この劣化する早さはメーカーごとに異なり、1年で0.5%未満のパネルがある一方、1%を超えるパネルもあります。また、パネルの素材によっても経年劣化の度合いは異なります。

劣化率が低いパネルでも、15年ほど経過した時に発電量が下がることもあり、気がついたらパネルの耐久性に限界がきていた…という事例もあります。特に日本の気候は移り変わりが激しいため、梅雨や猛暑、大雪等に対応していくのが難しいようです。

原因2.ガラスによる破損

パネルのガラス破損も原因の1つに数えられます。主に強風や台風で物が飛んできてぶつかり破損する事例が多いようです。自然災害補償が適用された太陽光発電であれば問題ありませんが、保証適用外となる場合は自己負担になるため注意が必要です。あらかじめ災害保険等に加入しているかどうか確認しておきましょう。

また、屋根上や地面に設置されている太陽光発電のパネルは、カラスなどの鳥が石やゴルフボールをわざと落とすため、パネルが破損することがあります。

この問題は目でパネルをチェックする目視巡回、もしくは発電量の低下によって太陽光パネルに異常がないかを確認し、点検することが重要となります。

原因3.パネル表面の汚れ

パネルの表面は汚れやすい環境にあります。黄砂や鳥のフン、枯れ葉等でガラスの表面が汚れると、発電効率は大きく低下します。

原因4.高温

太陽光発電はその特性上、高温に弱い性質があります。特に猛暑日が続く8月は発電効率が低下しやすく、春先の発電量は上がります。発電効率が最も良いのはパネルの温度が25℃程度で、1℃上昇するごとに0.5%ほど発電量が低下するといわれています。

気温が30℃異常になるとパネル内部の温度は70~80℃まで上がってしまうため、真夏は発電効率があまり良くない傾向にあります。

原因5.電圧上昇抑制

発電量が多くても、パワーコンディショナーで発電が制御されていると発電効率は一気に低下します。これは「電圧上昇抑制」と呼ばれ、この現象が起きている時にはモニターにその旨が表示されたり、パワーコンディショナーの制御ランプが点灯したりします。

原因6.パネルのセルの故障

パネルのセルが割れる、セルを結んでいる線が切れると発電効率は下がります。1枚のパネルは複数のセルが集合してできており、それぞれのセルが発電を行っています。このセルを結ぶ線が1つでも断線していると、つながっているセルの全ての電気が運ばれない状態になってしまいます。

専門業者による定期的な点検が必要となる部分です。

発電量を低下させない対策方法

発電量を低下させない対策方法

対策1.定期的なメンテナンスを行う

セルを構成している素材である「シリコン」は性質上劣化しにくく、20~30年は使用可能であるといわれています。しかし、その他の部分はもっと早くにメンテナンスが必要となるでしょう。パネルを設置している架台やパワーコンディショナー、電力網等のメンテナンスが早期に必要となります。

定期的に専門業者へ点検を依頼しましょう。

対策2.モニタリングを欠かさない

発電量のモニタリングで太陽光発電システムの動きを把握しておくことも大切です。パネルだけではなく、パワーコンディショナーや接続箱の状態もチェックし、発電量の変化を目で確認しておきましょう。

システムの仕組みを把握しておくと、モニタリングにも役立ちます。

対策3.パネルの掃除をこまめに行う

パネルに付着した汚れは専門の高圧洗浄機で落とせます。屋根に上がって掃除をするのは危険が伴うため、必ず専門業者に依頼しましょう。

また、地面に設置されている産業用太陽光発電の周辺は雑草が生い茂り、天敵から身を守りやすいことや、木の実や虫などの食に困らないため鳥の住処になりやすくなっています。フェンスがある場合はさらに住みやすい環境になり危険です。

こちらは草刈りや除草で対処できますので、パネルの掃除と一緒に頼んでおくと手間が省けます。

常日頃から意識したい太陽光発電の「状態」について

常日頃から意識したい太陽光発電の「状態」について

太陽光発電のメンテナンスは、定期的なパネルの点検だけではなく発電量のモニタリング等でも動きを把握しておくことが大切です。さらに、太陽光パネルだけではなくパワーコンディショナーや接続箱の状態も点検しておくといいでしょう。

特にパワーコンディショナーは故障しやすく、それがパネルに大きく影響を及ぼすことがあります。パワーコンディショナーは常に電気を変換するため熱を持っています。その熱が原因で他と比べても寿命が短くなっているため、注意が必要です。

状態に異常を確認したら、必ず販売店に連絡して対応を依頼しましょう。絶対にご自身で解決しようとはしないで下さい。

日頃のメンテナンスはもちろんですが、発電量のモニタリングやシステムの仕組みも把握しておくようにすると、発電量の低下を未然に予防できます。

太陽光発電の発電量の低下が気になったら専門業者のO&Mに加入しておこう

太陽光発電の発電量の低下が気になったら専門業者のO&Mに加入しておこう

太陽光発電の発電量の低下が気になるのであれば、専門業者のO&Mに加入することをおすすめいたします。ここではO&Mの目的や必要性などについてご紹介いたします。

太陽光発電O&Mの目的とは?

O&MとはOperation(オペレーション)&Maintenance(メンテナンス)の略で、太陽光発電システムの設置後にその運用と保守を行うことを意味します。太陽光発電システムそのものは20年以上の耐用年数を持ちますが、長い期間の間に故障や破損といったトラブルは必ず起こります。さらに、経年劣化による故障だけではなく、いたずらや台風等の天災による故障もあり得ます。

故障すればその期間の発電量は低下し、最悪の場合は火災や漏電等を引き起こす可能性もあります。それらを予防するための点検や発生後の被害を最小限に抑える、安心と安全を前提とした長期的な安定稼働をサポートするのが、太陽光発電O&Mの最大の目的です。

なぜO&Mが必要なの?

太陽光発電システムは政府の後押しもあってどんどんと増加していきました。その増加に伴い、太陽光発電設備に関連したトラブルも増加。場合によっては近隣の家屋等にも被害が出てしまう可能性があるため、経済産業省では太陽光発電O&Mの義務化をすることを目的として改正FIT法が2017年4月1日に施行されました。

改正前は設備を設置した時点で安全基準をクリアしていることが条件でしたが、改正FIT法では「太陽光発電事業として、適切な保守管理・維持管理を行うこと」が明記され、違反した場合は改善命令や認定取消の処分が下されることもあります。太陽光発電設備を持っている方にとって、O&Mはなくてはならない存在となったのです。

O&Mは具体的にどんなことをするの?

太陽光発電のO&Mがどんな内容なのか、具体的に解説していきます。

1.Operation(オペレーション)

オペレーションは監視と復旧対応の2つが主な内容です。「監視」とは、遠隔監視システムを利用して発電状況を確認して記録したり、故障や損傷等の不具合を検知した際にアラートを出す業務です。

復旧対応は、アラート発生時に現地に駆け付け部品の交換や機器の調整等の復旧作業を行う業務です。

2.Maintenance(メンテナンス)

太陽光発電システムのメンテナンスは、点検と管理が主な内容となります。点検とは、機材の劣化や損傷がないかをチェックする業務です。業務内容については日本電機工業会と太陽光発電協会がガイドラインを提供しています。

管理とは、発電量の減少となる太陽光パネルの汚れや雑草対策等の業務です。

また、サービスによっては損害保険や売電保証等を提供しているものもあります。しかし、全てのサービスでこれら全てを提供しているわけではありません。また、その内容や範囲も様々です。

まとめ:発電量の低下は「点検」や「専門業者への依頼」で解決できます

まとめ:発電量の低下は「点検」や「専門業者への依頼」で解決できます

太陽光発電システムにとってO&Mはまさに「なくてはならない」存在です。一時期「メンテナンスフリー」という言葉だけが一人歩きしましたが、長期に渡って使用する設備である以上、必ず点検やメンテナンスは必要となります。

長く運用すればするほど、発電量の低下や故障、経年劣化は免れません。気になったら必ず、専門業者に点検や修理を依頼しましょう。

太陽光発電システムは1度導入したら付き合いの長い設備です。ぜひ、専門業者の知識や技術を借りながら、効率良い運用を心がけていくと、電気代の節約や初期コストの回収が早く済みます。

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