太陽光発電は雨の日に発電できる?注意点や対策を解説

太陽光発電は雨の日に発電できる?注意点や対策を解説

太陽光発電事業を軌道に乗せるためには、一定の発電量を保つ必要があります。太陽光発電は、日射さえあれば雨の日でも、まったく発電できないわけではありません。しかし、晴れの日よりも発電量が低下してしまいます。発電効率を高めるための対策へ取り組むのが、発電量低下をカバーする上で重要です。

今回は雨の日における太陽光発電の発電量、発電効率を高める方法や注意点について詳しくご紹介します。雨の日の発電量低下に備えたい方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電は雨の日にどうなる?

太陽光発電の発電量は、雨の日や曇りの日に減少してしまいます。しかし、一定の発電量は確保することが可能です。まずは、雨の日の太陽光発電事情を解説します。

晴れの日に対して5分の1~20分の1程度の発電量になる

雨の日の発電量は、晴れの日に対して5分の1~20分の1程度まで減少する傾向にあります。雨雲が日光を遮り、太陽光パネルに陰を作るためです。

また、曇りの日は晴れの日に対して3分の1~10分の1程度まで減少します。

雲の量・日射量、太陽光パネルの性能によっても左右されるため、この発電効率はあくまで目安です。また本来得られる発電量から大幅に減少しているため、売電収入・自家消費による電気料金削減などにおいては大きく影響を受けるでしょう。

そのため、太陽光発電事業を始める際は、設置場所周辺の年間降水量や天候の傾向についても調べておくことをおすすめします。年間の日射量に関するデータは、NEDO日射量データベースシステムなどで確認することが可能です。

雨の日でも発電できるのは散乱光のおかげ

太陽光発電が雨の日でも発電できるのは、散乱光があるからです。

実は地上に届く太陽光は、太陽から直接差す「直射光」と、空気などの分子にあたって屈折して届く「散乱光」の2種類にわかれています。雨の日は雲に遮られ、直射光が減少してしまいますが、雲などに反射した散乱光は地上に届いています。

とはいえ、晴天時と比較すれば発電量は減少しているため、普段から可能な限り発電効率を上げられるよう努めることが大切です。

雨の日以外でも発電量が低下する他の理由

雨の日は発電量が低下する天候条件ではありますが、発電量の低下は、天候や設備など複数の原因が関係しているケースもあります。発電量が低下している原因を調べるときは、雨の日の多さだけでなく、さまざまな視点から考えることが大切です。ここからは発電量が低下してしまう理由について、1つずつ解説します。

気温25℃を大きく下回る・上回る

太陽光パネルが最も効率よく発電できる気温は25℃です。

一般的な太陽光パネルに搭載されている結晶シリコンは、気温25℃から1℃上昇するごとにおよそ0.4%ずつ発電効率の低下を招きます。そのため、気温の上昇が激しい地域では発電量が伸びにくい日も増えてしまいます。また氷点下など極端に気温の低い日が多い環境では、周辺機器が凍結しエラーを起こすケースも珍しくありません。

設置場所の気候によっては、冷却機能を備えたり、耐寒性のある素材を重視したりすることも大切です。

季節や周辺環境によって日照時間が短い

太陽光発電にとって日照時間の長さは発電量に直結する要素のひとつです。

1日あたりの発電量は、太陽光パネル1枚あたりの性能と設置枚数、日照時間や天候によって変わります。また、日照時間は季節に応じて変化しており、11月~2月にかけて短くなります。反対に4月~5月、8月は、1年間の中で日照時間の長い季節です。

気候は一定ではないため、日照時間の傾向も毎年変動があります。太陽光発電の発電量が低下しているときは、過去のデータと比較しながら日照時間の影響も調べてみると良いでしょう。

ソーラーパネル表面が汚れている

太陽光パネル(ソーラーパネル)表面の汚れは、発電量の低下を引き起こします。

太陽光発電所は屋外に設置しているため、水垢をはじめホコリや泥、鳥のフン、砂などの付着は避けられません。定期的なパネル洗浄を怠っている場合、汚れが蓄積することで光を遮ってしまい、発電量の低下につながります。

太陽光パネルの一部が汚れで隠れ、部分的に発電できない状況が続くと、ホットスポット現象による発熱、破損や発火といった事故やトラブルを招く恐れもあります。

汚れの付きやすさは設置場所の環境にもよります。発電量が低下しているときは、専門業者へ目視点検や太陽光パネルの洗浄を依頼してみましょう。

故障や劣化の可能性

太陽光発電所の故障もしくは経年劣化が、発電量を低下させている可能性もあります。

太陽光発電所は継続的な監視や定期点検を行わなければいけません。また、パワーコンディショナの寿命は導入から10年~15年程度、太陽光パネルは20~30年程度とされており、次第に劣化していきます。

また飛来物との衝突、落雷や水害といった災害、盗難による故障リスクもあります。急激な発電量低下・エラー表示などを確認した際は、すみやかに専門業者へ問い合わせ、点検や修理交換について相談するのが大切です。

雨の日が続く場合は汚れや水垢に注意

雨の日が続いていると、雨風によって汚れや落ち葉などが太陽光パネルに張り付くこともあります。太陽光パネルは角度を付けて設置するため、一定の汚れなら雨で流されるといわれています。しかし、設置確度や環境、雨風の影響によっては、流れた汚れが太陽光パネルから落ち切らず、下の方だけ泥汚れが溜まったり、水垢が残ったりすることもあるのです。

部分的に汚れが蓄積していたり、落ち葉が張り付いたままになっていたりするとホットスポット現象を引き起こす可能性もあります。鳥の糞や落ち葉のように太陽光パネル表面に張り付いてできる陰は、通常の物陰と異なり、散乱光をも遮るためほとんど発電できません。ホットスポット現象は、一部分の陰が原因で一部のパネルが発電できなくなる現象ですが、この発電できないパネルが電流を妨げるため、太陽光パネル全体で発電効率が低下してしまいます。

雨の日が続いた場合は、早めに各パネルの表面を確認したり、洗浄を専門業者へ依頼したりしましょう。

ホットスポットの詳細が気になる方は、以下記事をぜひ参考にしてみてください。

太陽光発電を効率的に活用するためには?

太陽光発電の効率的な活用には、機器の性能向上やメンテナンスなどさまざまな対策が欠かせません。続いては、天候の影響を受けやすい太陽光発電事業で重要なポイント、効率的な活用方法について紹介します。

発電効率の高い太陽光パネルやパワーコンディショナを導入

雨の日が多い地域で太陽光発電事業を営んでいる場合は、発電効率の高い太陽光パネルやパワーコンディショナの導入を検討してみましょう。

太陽光パネルの中には、変換効率や出力の高いパネル、低照度でも起動・発電可能なパネルが存在しています。たとえば、近年実用化されたN型モジュールは、従来の太陽光パネルと比較すると25℃以上の気温でも発電効率低下を抑えられます。さらに、早朝や夕方、雨の日といった日射量が多くない環境でも一定の発電量を確保できるのが、大きなメリットです。

他にも両面発電型太陽光パネルという、地面の反射光をパネル裏面から吸収し、発電量増加を期待できるものもあります。更新や増設のタイミングで、こうしたモデルへの変更も検討してみてください。

パワーコンディショナはメーカーや型番によって、変換効率のほか、制御方法にも違いがあります。集中型パワーコンディショナは、1つの回路で各ストリング(ストリング:太陽光パネルを直列に接続した回路)の入力を制御する方式です。

一方、分散型パワーコンディショナは、各ストリングの入力を個別に制御します。たとえパネルの一部が陰になっても、発電出力が低下するのは一部にとどまるため、発電ロスを抑えることができるのです。

産業用蓄電池を併用する

電力を自社で活用する目的で発電している事業者にとっては、雨の日に左右されない安定した電力の確保が重要です。安定した自家消費が必要な場合は、産業用蓄電池を活用してみましょう。全量自家消費型太陽光発電所単体では、発電した瞬間に自家消費しなければ、せっかく生産した電力を失ってしまいます。また雨の日のように日射量が少ない天候が続いてしまうと、自家消費率を高められません。

産業用蓄電池を併用すれば、晴れの日に発電した電力を貯めることが可能です。雨や曇りの日で発電量が不足した際、蓄電池に蓄電池しておいた電力を自家消費に活用できます。

天候による影響を受けやすい地域や、発電しやすい時間帯に電力を使用しない事業形態で自家消費をしたい場合、産業用蓄電池との併用について検討してみてください。

パネル表面に付着した汚れを定期的に清掃

太陽光パネルの定期的な清掃は、発電効率を保つ上で欠かせない作業の1つです。ただし、業者に依頼せずセルフで太陽光パネルを洗浄する行為は、トラブルを引き起こす可能性があります。

水道水にはカルキや不純物が含まれており、太陽光パネルの洗浄に使用すると水垢により白く濁ってしまいます。また、太陽光パネルの洗浄作業中に誤って配線ケーブルに触れると感電事故などを招く可能性があるため、専門業者へパネル洗浄を相談しましょう。

定期的なメンテナンスを怠らない

太陽光発電には洗浄の他にも定期的なメンテナンスが必要です。点検や整備などのメンテナンスを怠らないことで、発電量に大きな影響が出る前に対処できます。

ただし、太陽光発電所のメンテナンスは、国家資格を取得した技術者でなければ対応してはいけません。無資格者がメンテナンス作業を行った場合、メーカー保証の適用外、感電事故などさまざまなリスクを招きます。メンテナンス作業に関しては、次の項目で紹介するO&Mサービスへ依頼しましょう。

太陽光発電のメンテナンスや洗浄はO&Mに依頼!

最後は、太陽光発電の維持管理にO&Mサービスを活用する重要性について解説します。

専門技術で電気点検から機械点検まで対応してもらえる

太陽光発電のO&Mサービスでは、有資格者による機械点検から電気点検まで幅広いサポートを受けられます。

たとえば、太陽光パネルの割れや汚れ、パワーコンディショナなど周辺機器の腐食、架台接続部のゆるみやたわみなどといった目視点検を受けられます。また、太陽光発電所の電圧・電気抵抗点検などで異常の有無を確認してもらうことが可能です。こうした点検により、良い天候条件の際にしっかりと発電できる発電所を維持できるでしょう。

弊社とくとくサービスでは、ケーブルの漏電チェックや水路チェック、パネル飛散防止に向けた架台接続部の重点的な確認など、災害の影響を抑える施策を行っています。雨だけでなく台風や地震などの影響が心配な方は、ぜひお気軽にご相談ください。

パネル表面を含む洗浄・清掃作業までサポート

O&Mサービスは、太陽光パネルの洗浄を含む清掃作業にももちろん対応しています。これまでにお伝えしてきたとおり、水垢や泥、鳥のフンといった汚れの蓄積は、太陽光パネルのホットスポット現象や発電量低下の原因です。

O&Mサービスは、水垢が残らないよう洗剤や特殊な水を使用した洗浄を実施しており、丁寧に太陽光パネルを清掃してくれます。また敷地内の清掃も対応しているため、ゴミや枝・葉などの飛来、雑草による影の影響を抑えられるのが嬉しいポイントです。

通常時は遠隔監視システムで常時管理

多くのO&Mサービスの基本プランには、運用管理に関するサポートが含まれており、遠隔監視システムによる監視業務を代行してくれます。

セルフで太陽光発電所を監視するためには人的リソースを確保する必要があり、維持管理コストの圧迫につながります。一方、自社の負担を抑えながら継続的に太陽光発電所を管理できるのは、O&Mサービスの大きな利用メリットです。

太陽光発電は雨の日でも発電可能!定期点検が発電量を伸ばすポイント!

太陽光発電は、雨の日でも発電できます。ただし、晴れの日に対して5分の1~20分の1程度の発電量で、雨の日が続けば自家消費率や売電収入の減少につながります。

太陽光発電の発電量を改善したい方や雨の日の多い地域で太陽光発電事業を始めたい方などは、今回の記事を参考にしながらとくとくサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくサービスは産業用太陽光発電のO&Mサービスで、電気点検から目視点検、機械点検、洗浄や清掃まで総合的にサポートしております。また、リパワリングをはじめとした発電量改善に向けたご提案や災害対策まで対応しており、雨による影響が気になる事業者様にも検討しやすいプランです。

無料のおためし点検を実施中しており、費用が気になる方にもお気軽にご利用いただけます。まずはお電話やメールよりぜひご相談ください。

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