太陽光発電設備を検討中の方は、電波障害に関して心配してしまうこともあるかと思います。しかし、電波障害に関する誤った噂や情報も多いため、太陽光発電の正しい情報を知っておく必要があります。
そこで今回は、太陽光発電と電波障害について詳しくご紹介します。太陽光発電初心者で電波障害に関する正しい内容を把握したい方や、太陽光発電に関するあらゆる情報を確認している方などは、参考にしてみてください。
そもそも電波とは何?
太陽光発電と電波障害の関係について理解するためには、電波の特徴を確認しておく必要があります。まずは、電波の意味や種類についてわかりやすく解説します。
電磁波の一種
電波は電磁波の一種で、さまざまな機器や設備に活用されています。
電波自体は、空間を伝って広がる波のようなイメージです。電波の大きさや強弱は、周波数という単位で表されています。たとえば1Hz(Hz)は、1秒間に1回の波が伝わる状態を示しています。
以下に電波を活用したサービスや機器を紹介します。
- レーダー
- 衛星放送
- 携帯電話
- 電子レンジ
- 無線通信
- ラジオ
電波を活用すれば、映像や音声といった情報を指定の場所に伝えることが可能です。さらに周波数を上げていくと、特定のエリアや機器へたくさんの情報を伝達できるのが特徴です。反対に周波数を下げていくと、幅広いエリアに少ない情報を伝達できます。
このように、電波は単にノイズということではなく、私たちの生活に欠かせないものなのです。
電磁波は電界と磁界による波
電波を含む電磁波は、電界と磁界で構成されています。電界とは、「+(プラス)」や「-(-)」といった電気による力が作用している場所や空間のことです。一方、磁界は、N極やS極といった磁力の働いている空間を指しています。
つまり、電波が伝わっている場所には、磁力や電気といった力や影響が働いているということです。そのため、電磁波の周波数や機器の設置場所によっては、テレビやパソコンモニターにノイズが入ったり受信障害につながったりする場合もあります。
なお総務省の見解によると、WHO(世界保健機関)のガイドラインを下回る電波であれば、人体への影響はないとのことです。
出典:総務省ホームページ
国内の設備は、WHOのガイドラインや電波防護指針などの規制や保護に沿って運用されているため、影響を受けずに生活できるといえます。
電波障害とは?
一般的に電波障害は、電波の影響を受けやすい場所で発生するノイズや機器の不具合を指しています。
たとえばテレビ電波障害は、テレビの映り具合に影響を与える電波障害です。ある場所に大型の建物が建築された場合、周辺の住宅のテレビの映りが悪くなることもあります。
このような電波障害は、2つの原因で起こります。
1つは、大型の建物や施設に反射した電波を受信してしまうことで、テレビに影響をおよぼすケースです。もう1つは、障害物によって電波が遮断されてしまい、テレビが電波を受信できなくなるケースです。
太陽光発電は電波障害を引き起こす?
電波障害の意味を把握したあとは、太陽光発電と電波障害の影響について確認していきましょう。特に太陽光発電所を所有している個人や企業は、電波障害についても把握しておくのがいいでしょう。
大規模な電波障害の事例はない
現時点では、太陽光発電による大規模な電波障害は報告されていません。
環境省が公開している資料によれば、太陽光発電の電波は人体に影響を与えないレベルとのことです。磁界の大きさはメガソーラークラスや住宅用太陽光発電でも変わらず、ガイドライン400μTを大きく下回る8.33μTです。また、パワーコンディショナから発生している磁界は7.49μTと、人体に対するガイドライン200μTを下回っています。
このように、太陽光発電の設置運用によって発生する電波は、建物や人に影響を与えるほどの強さではないといえます。
出典:環境省ホームページ
太陽光発電設置による体調不良などの事例はない
太陽光発電からは、人体に影響を与えるほどの電波は発生していません。また、いわゆる電磁過敏症は、医学的には確認されていないものです。そのため、太陽光発電関連の情報に同様の影響が記載されている場合は、根拠の乏しい内容として注意する必要があります。
太陽光発電所の電波トラブルについて心配な場合は、なるべく人通りの少ない山間部などへ設置するといった対策も考えられます。電波は距離に比例して弱くなる性質を持っているので、都市部から離れた場所であれば、影響を与えずに運用することが可能です。
太陽光発電から電磁波が発生する場所は?
続いては、太陽光発電から電磁波が発生する場所についてわかりやすく解説します。
太陽光パネルから発生されない
太陽光パネルは、電磁波が発生しない機器です。
電界を発生させるには、磁界に交流電気の影響を与える必要があります。太陽光パネルから発電される電気は直流電気なので、磁界に変化を与えません。
そのため、太陽光パネルからは電磁波が発生しません。
接続箱から発生されない
太陽光パネルと同じく接続箱からも電磁波は発生しません。
接続箱は、太陽光パネルと接続されている複数の配線ケーブルを納めるための箱です。接続箱内に流れている電気は直流電気なので、電磁波の発生につながりません。
太陽光発電のパワーコンディショナからノイズは発生する
太陽光発電関連で電磁波を発生する機器は、パワーコンディショナです。パワーコンディショナは直流電気を交流電気へ変換させる機器で、稼働時に電磁波も発生します。
そのため、太陽光発電所から数m以内にテレビなどの機器があると、ノイズなどの電波障害につながるおそれがあります。また稀なケースではあるものの、数10m離れた無線設備にノイズといった影響を与えてしまうこともあります。
過去には、太陽光発電と建物の位置関係に加えて、配線がアンテナのような役割を持ってしまったことで、テレビやラジオの受信障害を発生させた事例もありました。
そのため、特に住宅街や都市部に近い場所で屋根設置・野立て太陽光発電を稼働させる場合は、電波障害トラブルに気を付ける必要があります。
電波障害よりも気を付けるべき点
太陽光発電所の設置状況によっては、周囲の住宅などに電波障害といった被害を与えてしまう可能性があります。しかし太陽光発電所から発生する電波は小さいので、人体に影響を与えることはありませんし、電波障害の頻度も極めて少ない状況です。
これから太陽光発電所を導入する場合は、電波障害よりも気を付けておくべきポイントが多数あります。そこで最後は、太陽光発電所の導入時に注意すべきポイントを紹介します。
設置場所の災害リスクを調べる
太陽光発電用地を購入する時は、設置場所の日射量や周囲の建物に対する影響だけでなく、災害リスクについても調べておきましょう。
たとえば、沿岸部に近い場所では津波や塩害リスク、また地盤の弱い地域では、地震や土砂災害リスクに気を付ける必要があります。
具体的には、自治体から公開されている災害ハザードマップと太陽光発電用地を照らし合わせたり、施工販売業者に相談したりしてみるのがおすすめです。
稼働済み中古太陽光発電物件であれば、過去の運用実績から災害リスクなども確認できます。そのため、災害リスクを可能な限り抑えたいという場合は、新規設置だけでなく中古物件も検討してみてはいかがでしょうか。
施工実績豊富な業者へ相談する
太陽光発電所の導入時は、施工実績が豊富な業者に相談するのが大切です。
太陽光発電の施工販売業者は、それぞれ経験や技術、知識、サービス対応などに差があります。相場より高い金額を提示したり、施工不良を隠したりするような悪質業者には注意しなければいけません。
施工販売業者を比較検討する時は、施工・販売件数や評判、見積り作成時のサービス対応などから判断しましょう。
アフターフォローや保険などのサポート付きサービスから検討
太陽光発電の施工販売業者を比較する時は、アフターフォローサービスの充実した業者から検討しましょう。太陽光発電所はメンテナンスフリーではありません。定期的に保守点検したり修理したりしなければ、継続的に稼働できない設備なのです。
そのため、メンテナンスや修理交換、遠隔監視サービス、太陽光発電向け保険に関する提案やサポートなどのサービスを提供している会社を選んだ方が、あとからサポートサービスを探さずに済みますし、故障やトラブル発生時にも対応してくれます。
太陽光発電による深刻な電波障害はない!今からでも導入してみるのがおすすめ!
太陽光発電のパワーコンディショナからは電磁波が発生しています。しかし、人体に影響を与えたり機器を故障させたりするほどの強さはありません。また、テレビやラジオの受信障害は稀なケースですし、山間部などの住宅から離れた場所であれば電波障害リスクもありません。
太陽光発電事業は、売電収入や電気代削減効果、脱炭素化による企業価値アップなど、さまざまなメリットを得られる事業です。
太陽光発電事業に関心を持っている方や電波障害リスクの低さについて理解したことで、太陽光発電を導入したいと考えている方は、この機会にとくとくファームで太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか?
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