太陽光発電の危険性とは?対策と注意点について解説

太陽光発電の危険性とは?対策と注意点について解説

太陽光発電システムは、脱炭素化に欠かせないエネルギーの1つですが、破損による有害物質の流出といった危険性もあります。そのため、太陽光発電事業に参入する際には適切な管理運用と撤去の方法を把握しておく必要があります。

そこで今回は、太陽光発電の危険性と対策、運用に関する注意点について詳しくご紹介します。太陽光発電事業のリスクについて分からず悩んでいる方や、太陽光発電の運用管理に関するマニュアルを作成している方は、参考にしてみてください。

太陽光発電の危険性とは?

太陽光発電の危険性とは?

太陽光発電の危険性は、太陽光パネルに含まれる有害物質の流出、破損したパネルからの感電、発電時に発する電磁波による健康リスクの3点について考慮する必要があります。

太陽光パネルに含まれる有害物質の危険性

太陽光パネルには、鉛やセレン、カドミウムなどの有害物質が含まれていることがあります。自然災害によるパネルの破損や、将来的な廃棄の際にはこれらの有害物質が流出し、人体に悪影響を及ぼす危険性があることを理解しておく必要があります。

破損したパネルからの感電の危険性

太陽光発電設備は、破損していても光が当たれば発電します。破損して放置されたパネルに不用意に触れると、感電の恐れがあり危険です。

電磁波の影響による健康被害の危険性

太陽光発電設備から発生する電磁波を懸念する人もいます。結論から言うと、太陽光発電設備から発生する電磁波は電子レンジやドライヤーなどの家電製品と大差なく、健康被害を及ぼすレベルではありません。

そもそも、太陽光パネルから発生する電気は直流電流のため波形が無く、理論上電磁波は発生しません。

電磁波を発生させる設備は、直流電流を交流電流に変換するパワーコンディショナーの部分です。

電磁波は発生源から距離が離れるほど弱くなりますので、どうしても電磁波の影響を気にされる方は、屋内設置ではなく屋外設置タイプのパワーコンディショナーの導入を検討しましょう。

太陽光発電の危険性が高まる瞬間はどのような時?

太陽光発電の危険性が高まる瞬間はどのような時?

太陽光発電の危険性に関する基本を押さえた後は、危険性の高まる瞬間・タイミングについて確認していきましょう。ここからは、太陽光発電設備の危険性が懸念されるケースについて説明します。

経年劣化やメンテナンス不備による飛散・破損

台風などの強風で太陽光パネルが飛散した場合、人や物にぶつかり被害を及ぼすケースがあります。パネルの固定状況を定期点検でチェックするなど、定期メンテナンスは欠かせません。

また、太陽光パネルによっては鉛やセレン、カドミウムなどの有害物質が使われている場合があり、パネルの破損状況によっては有害物質が流出する恐れもあります。

豪雨により太陽光発電設備が浸水

豪雨などで浸水した太陽光発電設備は、光が当たれば発電することがあり、むやみに近づいたり触ったりすると感電することがあります。

野立ての太陽光発電所などは水路の近くや低湿地に設置されているケースもあるため、発電所内に容易に入れないようにフェンス等で区画する必要があります。

太陽光発電を載せた建物の火災

屋根に太陽光発電を載せた建物は、火災時に簡単に鎮火できないため注意が必要です。

水は電気を良く通すため、建物の消火のために放水がおこなわれるとパネルの破損部分と消防放水の間に電気の通り道ができてしまい、消火活動にあたった消防士が感電してしまう恐れがあるからです。

また、放水した水が地表に流れて周辺に広がり、被害を拡大させる恐れがあります。

太陽光パネルの放置・不法投棄による有害物質の流出

太陽光発電事業は、参入障壁が低いためさまざまな事業者が取り組みやすい特徴があります。

また、発電所の転売等で事業主体が変更されることが多くあり、知識不足の事業者による誤った認識での運営がまかり通ることがあります。

自社の屋根や土地で発電事業を実施している場合は、経年劣化で発電を終了した後に適切な廃棄処理をおこなわず、パネルが放置される可能性があります。

他者の屋根や土地を借りて発電事業をしている場合は、賃借期間終了時にパネルの廃棄費用を捻出できず、他の土地に不法投棄される懸念もあります。

太陽光パネルに含まれる有害物質

太陽光パネルに含まれる有害物質

太陽光パネルに含まれる有害物質の種類と、破損や劣化したパネルの適切な処分方法について解説します。

太陽光パネルに含まれる有害物質

  • 鉛…体内に蓄積し、けいれんや昏睡などの鉛脳症を引き起こすことがあります。
  • セレン…食品に含まれるミネラルの一種ですが、過剰摂取による脱毛、筋肉のけいれん、下痢、関節痛などの健康被害が報告されています。
  • カドミウム…イタイイタイ病の原因物質です。長期間にわたって過剰摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性があります。
  • アンチモン…三酸化アンチモンとして工業製品に使用されており、誤って摂取すると嘔吐、腹痛、下痢などの健康被害を及ぼすのみならず、発がん性も指摘されています。
  • 銀…銀を摂取することにより、皮膚が灰青色になる銀沈着症の危険性があります。
  • ヒ素…短期間に大量に体中に入ると、発熱、下痢、嘔吐、脱毛などの症状があらわれます。

適切な廃棄処分の方法

太陽光パネルには、前述のように鉛、セレン、カドミウムなどの有害物質が含まれており、それぞれ適切な方法により処分します。

しかし、パネルに含まれる有害物質についての情報が廃棄物処理業者に伝わっておらず、適切な処分がおこなわれていないケースがあります。

例えば、コンクリートで囲われ、有害物質が土中に浸出しない「管理型最終処分場」での埋め立て処分が要求されるところを、土を掘ってそのまま埋める「安定型最終処分場」で埋め立てする、といったケースです。

また、急速に普及している太陽光パネルは、将来的に大量に廃棄される時期を迎えます。

最終処分場の受け入れ体制が間に合わず、ひっ迫する懸念があります。

最終処分場のひっ迫を緩和し、資源の有効活用を図るためには、太陽光パネルのリユース・リサイクルを促進する必要があります。

自動車のようなリサイクル料金徴収の仕組み

リサイクルを含む太陽光パネルの適正処理を進め、放置や不法投棄を防ぐために、売電収入の一部を将来の廃棄費用としてあらかじめ積み立てておくべきです。しかし、実際に積み立てをしている事業者は少ないのが実態です。

そのため、自動車のように購入時にリサイクル料を徴収するなど、廃棄費用を担保する仕組みづくりが求められています。

参考:資源エネルギー庁 「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題」

太陽光発電の危険性にどう対処すべきか

太陽光発電の危険性にどう対処すべきか

ここでは、太陽光発電設備の危険性に対する対応策を紹介していきます。

壊れた太陽光発電には近づかず専門業者へ速やかに連絡

自然災害などで飛散や破損した太陽光パネルには触れず、発見したら発電事業者へ速やかに連絡するようにしましょう。

劣化が進まないよう定期的な保守点検を欠かさない

長期間にわたり安全運用するためには、保守点検が欠かせません。日常の目視点検だけでなく、固定状況や電気絶縁なども、定期点検により安全性を確認しなければなりません。

施工業者や発電事業者を選定する際には、単純な導入価格だけではなく、保守管理体制も含めて検討しましょう。

損失をカバーするために火災保険や動産総合保険へ加入

長期にわたり運用する太陽光発電設備ですので、運転中には自然災害などさまざまなトラブルに見舞われる可能性があります。

修理や修繕で当初の収支計画が狂わないように、火災保険や動産総合保険へ加入し、その保険料を見込んだ収支計画を立てましょう。

太陽光発電の寿命がきたらどうすればいい?

太陽光発電の寿命がきたらどうすればいい?

太陽光パネルの廃棄処分については、発電事業者が責任を持つことが原則です。将来の世代に負の遺産を残さないためにも、太陽光発電設備の導入に際しては、将来的な廃棄やリサイクルの方策まで検討しておき、廃棄やリサイクルするにあたって金銭的な担保ができる仕組みを構築することが大切です。

太陽光発電の危険性を把握しておけば対策がとれる!

太陽光発電の危険性を把握しておけば対策がとれる!

太陽光発電の設置には、最終的な廃棄処分やリサイクルも含めて社会的責任が問われます。

導入時にリスクとその対策をきちんと検証し、トラブルがあっても慌てずに対応できるよう取り扱いマニュアル等を作成しておくことが肝要です。

太陽光発電のリスクを把握した上で関心を持っている方や太陽光発電投資について前向きに捉えられている方は、今回の記事を参考に太陽光発電投資を検討してみてはいかがでしょうか?

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