太陽光パネルの感電リスクとは?注意点や対策についても

太陽光パネルの感電リスクとは?注意点や対策についても

法人だけでなく個人にも普及している太陽光発電ですが、正しい運用と管理を実施しなければ思わぬ重大事故につながる場合もあります。特に太陽光パネルの接触などで起こる感電事故には注意が必要です。

そこで今回は、太陽光パネルで感電事故が発生する原因や注意点、感電リスクを抑える方法について詳しくご紹介します。太陽光パネルの事故リスクを把握した上で運用していきたい方や太陽光パネルの感電事故に関する注意点をよく知らない方などは、参考にしてみてください。

太陽光パネルで感電してしまう場面とは?

太陽光発電設備で感電してしまう場面は、いくつか存在します。しかし、初めて運用する場合や感電事故についてよく知らない方にとっては、どのような状況下でリスクが高まるのか理解しにくいと思います。

まずは、太陽光パネルで感電してしまう場面とはどのような状況なのか、1つずつ確認していきましょう。

太陽光パネルや配線などに触れてしまう

稼働中の太陽光発電設備に触れてしまうと、感電してしまう場合があります。だからといって、破損や不具合の生じていない太陽光パネルに触れても感電しない、ということではありません。

たとえば、配線ケーブルの端子部分が露出していると、そこから感電することがあります。また、不具合によって太陽光パネルや架台、周辺機器から漏電しているケースも考えられます。

このように、漏電や絶縁部分の破損による金属部分の露出といった状況がある場合、感電事故につながることもあるのです。

施工不良による漏電事故

あってはいけないことであり、極めて確率の低いことですが、施工不良による漏電で感電事故に発展してしまう場合もあります。

太陽光発電の販売・施工業者は、国内に多数存在します。中には、施工実績の少ない業者や施工品質の悪い下請け業者へ依頼している悪質な施工販売店などもあるかもしれません。

こうした悪質業者によって設置された太陽光発電設備は、配線ミスによる火災や漏電などといったリスクも高いと考えられるため、事前に施工業者の比較検討を入念に行うことをおすすめします。

雨の日に漏電していて感電してしまう

太陽光発電設備が漏電していた場合、雨の日に感電してしまうおそれもあります。

太陽光パネルに不具合が生じた事例の中には、雨の日に地絡(地面に電気が漏れる)し、漏電につながってしまう事例もあります。地絡は漏電の一種なので、感電リスクにつながります。

雨の日に異常が検知される、パワーコンディショナの安全装置が稼働する、などといった場合は、速やかにO&M業者へ相談しましょう。

水没による漏電

土砂災害や台風、豪雨によって太陽光発電所が水没した場合も、漏電事故が起こる可能性が高まります。

近年、太陽光発電所の普及と同時に、水没を原因とした漏電・感電事故も報告されています。たとえば令和2年に発生した豪雨では、全国的に太陽光発電所の水没や故障などが起きました。さらに水没した太陽光発電所の中には、太陽光パネルから発電した電気が漏電したケースもありました。

そのため、水没した太陽光発電所に近づいたり太陽光パネルや架台などに触れたりした瞬間、感電してしまうことがあるのです。

特に野立て太陽光発電所は台風や豪雨で水没しやすく、注意の必要な設備といえます。

火災発生時でも発電し続けている場合

太陽光発電所が水没もしくは別の原因で破損した場合、火災に発展してしまうこともあります。さらに火災発生時でも発電し続けているケースがあり、漏電リスクの高い状況です。

そこで電源を落とそうとあわてて設備に触れてしまい、感電してしまう事例も出ています。また、近年では消防隊員の方々が太陽光発電所の消化活動中、漏電していた設備に触れて感電するという事故も発生しています。

太陽光発電所は火災や破損時にも発電していることがあり、破損部分などから漏電してしまうことも珍しくありません。太陽光発電所の異常を検知した場合は、絶対に触らず、O&M業者や119通報を迅速に行うのが大切です。

太陽光パネルで感電してしまったら?

太陽光パネルや配線ケーブルなどに触れて感電してしまった場合の状態は、電流の程度によって変わります。感電事故のリスクは、電気の流れる量「電流」の大きさによって変化します。

1mAの場合は、静電気などのような少しパチンと刺激を感じる程度です。しかし、5mAになると痛みを感じるほどの強さに変わり、10mAでは耐えられないほどの痛みになります。

20mAの電流で筋肉の萎縮が始まり、感電の原因となっている場所から手を離したり移動したりできなくなります。そのため、感電している人を助けようと触れてしまうと、救助者も感電して動けなくなります。

そして、50mA以上は死に至るレベルの電流です。

感電による主な症状はやけどですが、他にも内臓の損傷や筋肉の萎縮による脱臼といった場合もあります。感電事故に遭った方を見かけた場合は、速やかに119番通報し、すぐに病院に連れて行ってもらえるようにしてください。

太陽光パネルや周辺機器からの感電事故を防ぐ方法

ここからは、太陽光パネルや周辺機器からの感電事故を防ぐ方法についてわかりやすく紹介していきます。

太陽光パネルや架台などに触らない

感電事故対策の基本であり、重要なポイントは、太陽光パネルや配線、架台といった太陽光発電設備全般に触らないことです。基本的に、正常に稼働している太陽光発電所は漏電していません。しかし、漏電しているかどうかは目では確認できず、正常に稼働していてもケーブルの端子に誤って触れて感電してしまう可能性もあります。

たとえば、太陽光発電所周辺で除草作業を行いたい時は、なるべくO&M業者へ依頼しましょう。O&M業者は太陽光発電所のプロですし、除草作業に関しても対応しています。

破損や水没した場合は近づかない

台風などの影響で太陽光発電所が水没してしまったら、設備に近づかないよう気を付けましょう。また、破損時も同様の行動をとりましょう。

前段で紹介したように、太陽光パネルは水没しても太陽光を吸収し、多くの場合で発電を続けていると思って間違いはありません。そのため、水没箇所周辺の水に触れて感電してしまう可能性があります。

太陽光パネルの他には配線ケーブル、パワーコンディショナ、集電箱、受変電設備なども感電リスクの高い部分です。

太陽光発電所の水没時は、契約中の施工業者やO&M業者へ連絡し、速やかな解体撤去を行ってもらうのが大切です。

O&M業者へ定期的なメンテナンスを依頼

太陽光発電所の運用管理などは、O&M業者へ依頼するのが重要です。

電気工事や電圧・電流測定、設備の異常チェックなどは、専門の資格を持った技術者でなければ対応してはいけません。O&M業者は、太陽光パネルやパワーコンディショナの異常チェック、ケーブルの絶縁状態や配線ミスなどの確認、発電量の監視や緊急時の対応も行ってもらえます。

また、弊社とくとくサービスでは、保守点検だけでなく二次災害を防ぎながら、災害からの復旧作業、太陽光パネルの設置工事などにも対応しているのが特長です。さらに災害による被害軽減のため、日ごろから太陽光発電所の防災対策にも努めています。

すぐれた保守点検業者に依頼したい時や現在契約している業者では対応力不足という時は、とくとくサービスへぜひご相談ください。お電話やメールで対応しています。

太陽光パネルの感電リスクに関するデマに注意

近年、SNSを中心に太陽光パネルの感電に関するデマが流れました。

具体的には、太陽光発電所の火災発生時に消防署で消火活動を行えないというものです。つまり、感電リスクがあるため消火活動を進められず、全焼するまで待たなければいけないという内容です。

また、上記の内容から「太陽光発電=危険」という風潮も一部で発生していました。

太陽光発電の消火活動を消防署が拒否することはありませんし、火災発生中でも対応してもらえます。太陽光発電に関するデマはSNSを中心に流れているため、専門知識と技術を持ったO&M業者や施工販売業者へ真偽を確かめることも大切です。

太陽光パネルの感電対策はまず触らないこと!

太陽光パネルや周辺機器からの感電を防ぐには、設備に触らないことです。漏電していたとしても触れなければ、感電せずに済みます。また、太陽光パネルやパワーコンディショナの不具合や破損の際は、O&M業者へすみやかに連絡しましょう。

太陽光発電所の安全な管理運用について考えている方や太陽光パネルの感電対策について悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながらO&M業者を検討してみてはいかがでしょうか?

創業から30年、実績15,000件のとくとくサービスは、産業用太陽光発電の保守点検および復旧サービスを展開しています。

保守点検サービスでは、各種固定部分のゆるみやたわみ、設備の汚れや錆びなどの目視点検をはじめ、敷地内の除草作業やごみの処分、太陽光パネルの高圧洗浄や発電量をはじめとした電気計測も実施しています。

また、災害発生時には破損した太陽光パネルなどの撤去から復旧作業までサポートいたします。

太陽光パネルの防災対策や安全対策について悩んでいる方は、この機会にぜひご相談ください。専任の技術者がお客様のご要望にお応えします。

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