エコキュートの高圧タイプとは?標準圧タイプとの違いやメリット&デメリット

エコキュートの高圧タイプとは?標準圧タイプとの違いやメリット&デメリット

エコキュートには、水圧によっていくつかの種類があります。「高圧タイプ」と呼ばれるエコキュートは、標準タイプのエコキュートよりも水圧が高いことが最大の特徴です。水圧が高いことでどんなメリットがあるのでしょうか、その反対にデメリットは?

当記事では、エコキュートの水圧による分類と、高圧タイプについて詳しく解説したいと思います。

エコキュートの高圧タイプとは

エコキュートの高圧タイプとは、文字通り水圧が高いエコキュートのことです。なぜエコキュートにはこのように水圧による分類があるのでしょうか。最初にエコキュートの高圧タイプの基本について解説します。

エコキュートには「高圧」と「標準圧」がある

エコキュートはヒートポンプという技術を用いてお湯を沸かす給湯器のことです。「エコ」と名づけられているように、エコキュートは空気中にある熱を利用してお湯を沸かすため、環境瀬能に優れています。

しかしながら、エコキュートには「水圧が弱い」というイメージがあります。これは実際に利用している人からよく聞かれる声で、特にエコキュートが登場した時期の初期的なモデルで顕著な傾向のようです。

エコキュートが登場する以前、給湯器といえばガス給湯器が主流でした。ガスを使う給湯器には皿洗いに用いることが多い瞬間湯沸かし器もあります。瞬間湯沸かし器のパワーを知っていると、ガスの熱量がいかに凄まじいかが分かります。それと比べると空気中の熱を利用してお湯を沸かすエコキュートだとガス給湯器のようなパワーを発揮するのは難しく、「エコキュートは水圧が弱い」というイメージにつながっています。

水圧の違いを最も顕著に感じるのは、シャワーでしょう。シャワーの水圧が弱いと体をきれいに洗えている実感を持ちにくいこともあって、シャワーの水圧が弱いことを嫌う人は多くいます。そのため、エコキュートを導入した家庭での不満として「シャワーの水圧が弱い」がよく上がってくるわけです。

エコキュートの高圧タイプは、こうした問題を解決するために登場したモデルです。高圧モデルに対して、従来の水圧のモデルを標準圧タイプといいます。

エコキュートは水圧が弱いと言われる理由

エコキュートの水圧が弱いと言われることには、構造的な理由があります。最大の理由は、沸かしたお湯をいったんタンクに貯めるというエコキュートの基本的な構造にあります。ガス給湯器は水道水を瞬間的にお湯にしているため、水道の水圧がそのまま維持されます。しかしエコキュートはタンクに貯めたお湯を出しているため、エコキュートがお湯を出す力によって水圧が変わるわけです。

標準圧タイプのエコキュートは水道よりも水圧を減圧しているため、エコキュートを導入した多くの家庭では「エコキュートは水圧が弱い」と言われるわけです。

高圧タイプと標準タイプの違い

それでは、エコキュートの高圧タイプは標準圧タイプとどれほどの違いがあるのでしょうか。数値で比較してみましょう。水圧はエコキュートのメーカーによっても異なるため、ここでは主力メーカーであるコロナのエコキュートで比較してみます。

エコキュートの種類 水圧
標準圧タイプ 170kPa
高圧タイプ 260kPa

ここで登場したkPaというのは、水圧などを示す「キロパスカル」という単位のことです。この数字だけだと「高圧タイプのkPaが高い」ことしか分からないと思いますので、目安としていくつかの例を示します。

厚生労働省が示している水道水の最低水圧は、150kPaと定められています。150kPaより水圧が低いのはダメだと言っているわけで、日本全国の水道は150kPa以上であると考えて良いでしょう。

従来からあるガス給湯器の水圧は、500kPa前後です。この数字だけを見ると、やはりガス給湯器を使い慣れている人にとってエコキュートは水圧が弱いと感じると思います。

高圧タイプは標準タイプと比べるとかなり高圧ではありますが、それでもガス給湯器と比べると水圧が低いと感じるかもしれません。

高圧タイプと標準圧タイプの水圧はメーカーによって異なる

先ほど少し述べたように、エコキュートの水圧はメーカーによってかなりの違いがあります。先ほど挙げたのはコロナの一例ですが、コロナとほぼ同じ水圧なのは日立だけです。

その他にエコキュートを製造しているメーカーとしては三菱電機やパナソニック、ダイキン工業などがあります。これらのうちダイキン工業やパナソニックは水圧が高いことで知られており、後述する「パワフル高圧」や「ウルトラ高圧」といったように、ガス給湯器に近いような高圧タイプのエコキュートを製造しています。

「高圧タイプ」「標準圧タイプ」というのはあくまでもそれぞれのメーカー内での対比であって、それぞれのメーカーによってその基準が異なることを押さえておいてください。

高圧タイプより高圧の「パワフル高圧」「ウルトラ高圧」もある

先ほど少し触れたように、メーカーによっては高圧タイプとして販売されているエコキュートよりもさらに高圧の製品があります。

例えば、パナソニックには「ウルトラ高圧」のエコキュートがあります。パナソニックの基準では高圧タイプが180kPaで、パワフル高圧が280kPaです。そしてウルトラ高圧は325kPaなので、一般的な標準圧のエコキュートと比べると倍近くの水圧があります。

高圧タイプであることにこだわりたいのであれば、パナソニックのエコキュートは有望な選択肢になるでしょう。

エコキュート高圧タイプのメリット

ここまでエコキュートの高圧タイプについての解説をしてきましたが、そもそもエコキュートの高圧タイプにはどんなメリットがあるのでしょうか。

水圧が高いので快適

シャワーの水圧は高いほうが快適と感じる人は多いのではないでしょうか。洗髪をしている時には水圧が強いほうが頭皮にお湯が行き届いているように感じるでしょうし、強い水圧のシャワーにはマッサージ効果もあります。

近年ではシャワーヘッドを付け替えて洗浄効果をアップさせる商品も登場しており、シャワーの「質」にこだわりを持っている人は多いように思います。

エコキュートにするとシャワーの水圧が弱くなると聞いて、これまで強い水圧のシャワーに親しんできた人の中には「それならエコキュートはやめておこう」となるかもしれません。

高圧のエコキュートは、こうした人たちのニーズを満たしてくれるでしょう。

2階、3階でもシャワーが快適

エコキュートの水圧が高いと、2階や3階といった場所でシャワーを使う際にも威力を発揮します。というのも、エコキュートを1階に設置した状態で2階や3階といった上層階でシャワーを使うと、引力に反してお湯を上層階に送るために水圧が弱まってしまうからです。ただでさえ水圧が低い上に2階や3階でもっと水圧が弱くなってしまうようでは、シャワーを使う際の快適性が損なわれかねません。

しかしながら高圧タイプのエコキュートであればその問題を解消しやすく、特に3階建て住宅の3階部分にシャワーを設置したい場合は、最初から高圧タイプのエコキュートを検討するべきでしょう。

2か所同時にお湯を使える

1台のエコキュートから供給できるお湯の量には限りがあるので、2か所以上で同時にお湯を使うと、その分水圧が低下します。標準圧タイプのエコキュートだともともとの水圧が高くない上に2か所以上でお湯を使うことで水圧が半減してしまい、さらに水圧が低いと感じることでしょう。

その点、高圧タイプのエコキュートであれば同時使用で水圧が低下したとしても一定の水圧を保つことができるため、異なる場所で同時にお湯を使う可能性がある住宅でエコキュートを導入するのであれば、高圧タイプにするべきでしょう。

エコキュート高圧タイプのデメリット

メリットの次には、高圧タイプのエコキュートを導入するのにあたって知っておくべきデメリットについても解説します。

水道料金が高くなりがち

高圧タイプのエコキュートは、短時間に多くのお湯を出します。それはつまり、多くの水道水を使用することになるため、水道料金が高くなります。高圧タイプのエコキュートは短時間に多くのお湯を出せるようにするため、タンクの容量も大きくなります。その大きなタンクの中にお湯を貯めるためには、多くの水道水が必要です。

高圧タイプのエコキュートを導入している家庭で水道料金を抑えるためには、使用していない時はこまめにシャワーや流し台の蛇口を閉めるか、節水シャワーヘッドを取り付けるなどの対策が有効です。

エコキュート自体の価格が高い

高圧タイプになると、水道料金だけでなくエコキュート自体の価格も高くなります。タンクの容量が大きくなりますし、お湯を出すためのポンプも高性能なものになるため、それは当然でしょう。

主要なメーカーのエコキュートについて、その価格差を見てみましょう。

まずは、三菱電機。標準圧タイプの価格が約98万円であるのに対して、高圧タイプは約113万円です。ダイキン工業のエコキュートの場合、標準タイプが約115万円であるのに対して、高圧タイプは約127万円です。どちらも10万円以上の価格差があるので、「高圧タイプであること」を選択すると10万円以上のコスト増になることは念頭に置いておく必要があります。

騒音トラブルが起きる可能性がある

エコキュートにはヒートポンプという機構が実装されています。このヒートポンプは空気中の熱を取り込んでお湯を沸かすための重要な役割を担っているのですが、ヒートポンプが作動しているときは一定の騒音が発生します。特にエコキュートは電気料金が安くなる深夜に稼働することが多いため、静まり返っている深夜にエコキュートの騒音が発生すると、近隣トラブルに発展する可能性があります。

特に高圧タイプのエコキュートは出力が高い分だけ騒音も大きくなります。標準圧タイプよりも騒音が大きくなったり、長時間になったりするため、標準圧タイプよりも近隣トラブルへの配慮が必要になります。

トラブルを回避するための対策としては、家の北側に設置する、昼間に運転するようにするなどの方法が有効です。

水圧の低いエリアでは機能を発揮できないことも

水道の水圧が元から低い場所で使用する場合、高圧タイプのエコキュートを設置してもその能力を発揮できないことになります。なぜなら、エコキュートは貯湯式(減圧式)といって、水道の水圧よりも低い水圧でお湯を供給する仕組みになっているからです。そうではなく水道の水圧でそのままタンクに水を入れるとタンクの負荷が大きくなって早期に故障してしまう可能性があるため、減圧処理をしています。そのため、水道の水圧を超える水圧を出すことはできないわけです。

先ほど、水道水の最低水圧は150kPaであると述べました。これはあくまでも最低水圧であり、ほとんどの場所はこの150kPaを上回っています。

しかし、山間部など標高の高い場所は水圧が低くなりがちで、国が定めている最低水圧ギリギリである場所もあります。そういった場所で150kPaを超える水圧を出せる高圧タイプのエコキュートを設置したとしても、水道の150kPaを超えることはありません。つまり、「高圧タイプを導入したのに水圧が上がらない」ということになってしまいます。

この点はエコキュートの導入を考えている時に、販売店・施工店にしっかり相談するようにしてください。

高圧タイプ?標準圧タイプ?選ぶのに迷ったら

これからエコキュートを導入しようとしている際に、高圧タイプと標準圧タイプのどちらを選ぶべき?となったら、以下のポイントをチェックしてみてください。1つでも当てはまる項目が多ければ、高圧タイプ導入するメリットが大きくなります。

シャワーは水圧が高いほうが好き

人の好みの問題もあると思いますが、シャワーの水圧が高いほうが好きだと感じる人は多くいます。特にスーパー銭湯などではシャワーの水圧にこだわりを持っている人が多いらしく、水圧が低いとクレームの原因になるそうです。

そういった人にとって、自宅のシャワーの水圧は日々使うものだけに高圧のほうが満足度も高くなるでしょう。

複数の場所で同時にお湯を使うことが多い

先ほど述べたように、複数の場所で同時にお湯を使うとその分エコキュートの水圧が低下します。2か所だけならまだしも、3か所、4か所と同時に使うようなことがあると、「ちょろちょろ」としたお湯が出ないといったことも考えられます。

少なくとも2か所で同時にお湯を使うことが多いのであれば、高圧タイプのエコキュートを選んでおいたほうが無難といえます。

3階建て住宅にエコキュートを設置する

水を高い場所に供給するには、高い水圧が必要です。エコキュートは1階に設置するのが一般的なので、1階から3階までお湯を供給するには高い圧力があったほうが一定のの水圧を維持しやすくなります。

そのため、3階建て住宅にエコキュートを設置し、3階でお湯を使う予定があるのであれば、高圧タイプでなければ十分な水圧が得られないかもしれません。

導入直後よりも水圧が低くなっていると感じたら

ここでは、エコキュートをすでに設置しているものの「水圧が低くなっている」と感じた際に考えられる原因を挙げてみたいと思います。水圧が低くなっていることが構造的な問題であれば高圧タイプへの買い替えも要検討ですが、その前に以下の3点を疑ってみてください。

止水栓の「閉まり具合」をチェックする

エコキュートに水道水が供給される部分に、止水栓があります。エコキュートの稼働を止める時や付け替えなどの工事をする際には止水栓を閉めることで水道水が漏れることがなくなるわけですが、この止水栓が何らかの作業をした後に閉まり過ぎていると、エコキュートへの水圧も低くなるため、シャワーなどの水圧が低くなっていると感じます。

特に他の理由が見当たらないのにエコキュートの水圧が低いと感じたら、まずは止水栓が閉まり過ぎていないかをチェックしてみてください。これは専門業者でなくても簡単にできます。

少し止水栓を開いてみてシャワーの水圧が高くなるようであれば、それで問題を解決できます。

水漏れの可能性を疑ってみる

特に他の理由が思い当たらないのに、突然シャワーの水圧が低くなったとしたら、どこかで水漏れが起きているかもしれません。この場合はエコキュート回りだけの問題とは限らないので、家の中の水道水が出る部分をすべて閉めて、その状態にしてから水道メーカーの針が動いていないかをチェックします。家中の蛇口が閉まっているのにメーターが動いているとしたら、それはどこかで水漏れが起きている証拠です。

水漏れの場合は素人が修理するといったことは不可能なので、できるだけ早く専門業者に依頼しましょう。

シャワーヘッドの詰まりを疑ってみる

他の部分では水圧の低下を感じていないのに、シャワーの水圧だけがどうも弱くなっているような気がしたら、シャワーヘッドに原因があるかもしれません。

よくあるのは、後から市販のシャワーヘッドに取り換えたものの、そのシャワーヘッドがしっかりと取り付けられておらず(もしくは正確に合致していない)、ごみなどの詰まりが生じているケースです。その他にも安物のシャワーヘッドに付け替えたせいでシャワーヘッドの性能が低く、水圧を下げてしまっている場合もあるようです。

元からついていたシャワーヘッドを保管しているのであれば、最初からついていたものに一度交換してみてください。それでシャワーの水圧が回復するのであれば、シャワーヘッドが「犯人」です。

性能の高いシャワーヘッドであっても、毎日使用していると劣化が進み、やがて思うような性能を発揮できなくなります。その場合は新しいシャワーヘッドに交換するのもひとつの方法です。

まとめ

これからエコキュートの設置を考えている人、もしくは現在使用しているエコキュートの水圧が低いと感じている人に向けて、高圧タイプの基本やメリット、デメリットなどを解説しました。もちろん水圧は高いに越したことはないと思いますが、その分のコストも発生します。

ニーズに合っているかどうかをしっかり検討して、時には販売店・施工店に相談しながら最適なエコキュートを絞り込んでください。

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