長く安心して使うために!太陽光発電の 「メンテナンス相場」を知ろう

長く安心して使うために!太陽光発電の 「メンテナンス相場」を知ろう

太陽光発電システムは寿命が長く「メンテナンスフリー」といわれることもありますが、実際には定期点検やメンテナンスが非常に重要な設備です。
では、太陽光発電システムの定期点検やメンテナンスの費用はどの程度かかるのでしょうか?今回は、太陽光発電システムの定期点検やメンテナンス費用について詳しくご紹介していきます。ぜひ、最後までご一読下さい。

長く使える太陽光発電、メンテナンスをしないとどうなる?

本来、長く使える太陽光発電ですが、メンテナンスしないことによってどのようなことが起こるのでしょうか。詳しくご紹介いたします。

1.FIT認定の取り消し

太陽光発電には「改正FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)」という法律が適用されます。改正前のFIT法は、「FIT価格」と呼ばれる固定買い取り制度があり、太陽光発電エネルギーの導入量は大幅に増加した一方、負担(導入費)の増大や、導入はしたものの使っていない(未稼働)などの問題が浮き彫りとなりました。
改正FIT法では、新しく認定制度を創設し、これまでの設備を確認する「設備認定」や事業計画を確認する「事業計画認定」を設定することで、さらに安定した電力供給が見込めるようになりました。
また、適切なメンテナンスの実施を求め、一定期間が過ぎても発電を始めないと買い取り期間が短縮するといったルールも設けています。
つまり、メンテナンスを怠っていると改善命令を受けるか、最悪のケースではFIT価格の認定が取り消される恐れがあります。
FIT認定が取り消されてしまうと売電そのものができなくなるため、認定取り消しとならないよう、メンテナンスは定期的に行いましょう。

2.発電効率の低下

ソーラーパネルの耐用年数は20年以上と非常に長く使用できます。とはいえ、ソーラーパネルに汚れが付着すると、発電量が低下してしまう可能性があります。
パネルの表面はガラス製のため、多少の汚れであれば雨で自然に流れ落ちます。しかし、例外があることも覚えておいた方がいいでしょう。
特に花粉や黄砂、道路や工場の排気ガス等油分を含む物質は、雨が降っても自然には落ちづらい汚れです。その他にも、ソーラーパネルの設置角度や風雨の当たり方によっても汚れは溜まりやすくなります。
汚れは放置すると少しずつ堆積し、発電効率を低下させます。専門業者に依頼して、定期的な清掃やメンテナンスをすることが大切です。

3.故障や事故のリスクが上がる

長期間に渡ってメンテナンスをしていないと、発電効率がガクンと下がります。その他にも蓄積した汚れや傷が原因となって故障や事故につながる可能性もあり、注意が必要です。
具体的な例を上げると
・カラスがソーラーパネルに石を落とした
・カエル等の小動物がパワーコンディショナーに入り込んで停止させてしまった
・ソーラーパネルに鳥の糞や落ち葉が付着して部分的に影になり、発熱後発火してしまった
といったものがあり、メンテナンスをしないまま放置しておくのは非常に危険です。
定期的なメンテナンスを行うことで予期せぬトラブルを未然に防ぎ、早期に発見して原因を取り除くことができます。

太陽光発電のメンテナンスの「種類」を知ろう

太陽光発電のメンテナンスには様々な種類があります。防草対策や部品チェックなど様々なので、ここでしっかり確認しておきましょう。

1.最も重要なのは「防草対策」

春から夏にかけてのシーズンは最も太陽光発電の恩恵を受けやすい反面、雑草に悩まされます。草で太陽光が遮られた時の損失は大きく、特に売電を考えている方には大きな問題となります。
また、発電機器が草によって破損することもあり「たかが雑草」とはいえない部分もあります。
太陽光にできる防草対策としては、以下のようなものがあります。
・防草シートを敷く
・定期的に草刈りをする
・除草剤を散布する
・雑草の生育を邪魔する種子をまく
除草の回数は、その土地に生える植物の種類や生育速度によって変わります。近年では施工前に防草シートを敷くのが一般的ですが、耐用年数や経年劣化があります。永続的な効果ではないことを知っておくといいでしょう。
また、草刈りは設備破損のリスクがあり、素人に安価で依頼するとトラブルの元となります。できるだけプロに依頼するのが安全です。

2.電力を安定して作るための「部品チェック」

ソーラーパネルや周辺機器は4年に一度程度をサイクルにチェックすることが資源エネルギー庁より推奨されています。太陽光パネルはもちろん、パワーコンディショナーや架台といった周辺機器の点検と運転点検、電圧測定や絶縁抵抗測定などを合わせて行います。
これらは電力を安定して供給するためには不可欠なものばかりです。専門業者に依頼し、こまめなチェックを心がけましょう。

3.予期せぬシステムの不具合を早期に見つけられる

太陽光発電を安定して動かすためには「いかに早く故障を見つけられるか」が大きなポイントです。太陽光発電システムは様々な素材や部品、製造工程を経て作られているもののため、そのどこかで故障や不具合が発生する可能性をゼロにすることはできません、
故障・不具合は起こらない」と考えるよりも、「故障や不具合は、機械だから起こるもの」という前提でメンテナンスや点検を行うことが大切です。

太陽光発電のメンテナンスの相場

太陽光発電のメンテナンスの相場について詳しくご紹介いたします。定期点検や太陽光パネルの清掃などの相場をご紹介いたしますので、ぜひ参考にご確認ください。

定期点検:1回1万~2万円

長期間の運用で雨や風のダメージを受け、機器に不具合が生じることがあります。この不具合を発見し、あらかじめ改善しておくのが定期点検です。
点検の費用は、販売店によっては無料で行っているところもありますが、有償の場合は1回1万円~2万円程度です。4年に1回以上受けるのが望ましいといえるでしょう。

太陽光パネル(モジュール)の清掃:1回3~6万円

太陽光パネルも定期的に清掃しておきましょう。砂埃や鳥の糞、花粉などが表面に付着している場合、専門業者に依頼して清掃と洗浄を行います。太陽光パネルの数によって価格は異なりますが、大体1回の清掃・洗浄で3~6万円程度です。

パワーコンディショナーの交換:工事費込みで20万~30万円

太陽光パネルから発電した電気を家庭内で使えるように変換する装置です。パワーコンディショナーの寿命は10年~15年程度で、交換する場合は工事費込みで20~30万円となります。
パワーコンディショナーが使えないと売電できませんので、不具合が出たら早めに交換することをお勧めします。

点検・清掃のための足場代:壁一面で8万円前後

屋根の上に設置された太陽光パネルの点検や清掃の際には、ほとんどの場合で足場を組む必要があります。足場代は壁一面で8万円前後と少し割高な値段設定となっています。
太陽光発電のメンテナンスに合わせて、屋根の葺き替えや外壁塗装を合わせて行うと、屋根全体のメンテナンスになります。

トラブル・故障時の修理費:内容により大きく差が出る

太陽光発電を使っていて何らかのトラブルや故障が見つかった、あるいは定期点検で不具合見つかった場合は内容に応じて修理が必要になります。費用は修理の内容によって異なりますが、メーカー保証の対象になっていることも多くあるので確認してみましょう。
また、住宅に設置した太陽光発電は、建物の一部または家財として火災保険の対象となります。こちらも該当していないかチェックしてみましょう。

太陽光発電のメンテナンスは必ず「専門家」に任せよう

定期点検や清掃といったものを専門業者に任せず「セルフメンテナンス」を行う方もいます。しかし、屋根からの落下事故や太陽光パネルを傷つけてしまうリスクを考えると、セルフメンテナンスをした方がデメリットの多い結果となるかもしれません。
また、パネルの清掃も「濡れた雑巾で拭く」といった一般的な対応をすると、表面の強化ガラスが曇ったり傷つけたりといったおそれがあります。
雑巾を濡らす際に水道水を使うのもNGです。水道水に含まれるカルキ成分が付着し、水垢がついて取れなくなります。結局、専門業者に依頼することになり、しかも費用は割増しになってしまう可能性があります。
点検やメンテナンスは太陽光発電システムの「専門家」に任せるのがいちばん安心です。

まとめ:太陽光発電の日々メンテナンスを行って長く活用しよう

長い寿命を持つ太陽光発電システムは、適切にメンテナンスをすることで電力を安定して供給することができます。
裏を返せば、定期点検やメンテナンスを怠ってしまうと費用対効果のバランスが取れず、結果的にマイナスになってしまった…ということになりかねません。
太陽光発電システムの定期点検とメンテナンスを忘れずに行い、長く太陽光発電システムを活用していきましょう。

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