銀行がESG投資に本腰 金融が動けば人・モノ・カネが動く

銀行がESG投資に本腰 金融が動けば人・モノ・カネが動く

太陽光発電事業を検討している企業の中には、ESG投資を意識している事例がとても多く見られます。かつてはCSR(企業の社会的責任)の一環として太陽光発電事業を採り入れていた企業が多かったのですが、今ではそこからさらに一歩(二歩?)進んで、環境や社会に貢献できるような企業でなければ投資対象にならないというESG投資の潮流が本格化しています。
これについては国も本腰を入れており、2021年の7月には環境省が「地域におけるESG金融促進事業委託業務」の委託先となる金融機関とそのプロジェクトが発表されました。これは同年の5月から公募されていたもので、そこには多くの金融機関からの応募がありました。

最終的に支援先金融機関となったのは、12の銀行です。京都銀行の「地域における上場メーカー・サプライヤーが一体となったESG/SDGsの取組促進」や北都銀行の「再エネを軸とした地方創生に向けて~脱炭素社会実現へのマイルストーン~」などのプロジェクトが選ばれています。
これらはいずれも地方銀行なので、それぞれの地域に密着した金融事業を営んでいます。つまり、ここで紹介したような金融機関はいずれもそれぞれの地方の経済を活性化させるためにESG投資やSDGsといった概念をプロジェクト化しているということです。こうした潮流が今では地域経済の活性化や促進といった目的にまで落とし込まれていることが印象付けられます。

経済の三大要素は、人、モノ、カネです。特にそのうちカネというのは経済システムを動かすうえで血液のようなものなので、カネが動くとそれ以外の人とモノも動きます。つまり、金融が動けば構想や計画も実際に動き出すということです。
今回の環境省の公募も、それを狙ってのことだと思います。地方創生や活性化はかねてからの大きな政策課題なので、それを具体的に動かすためにESG投資に目を付けたのでしょう。もちろんこれは正しい流れで、むしろ遅すぎると思うほどです。海外ではすでにそのような案件がゴロゴロとあって実際に結果も出ているのですから。

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