太陽光発電所の売却方法 高く売るためのポイントも紹介

太陽光発電所の売却方法 高く売るためのポイントも紹介

「現金が必要になった」「新たな投資にチャレンジしたい」「所有するメリットがなくなった」など、さまざまな理由から太陽光発電所の売却を検討する方は多くいます。ですが、いざ売却するとなったら「どこに売ればいいの?」と悩んでしまう方も多いでしょう。そこで本記事では、太陽光発電所を売却する方法と手順について解説します。
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目次

太陽光発電所を売却する3つの方法

太陽光発電所の売却には「仲介業者を利用する」「買取業者を利用する」「個人で売却する」という3つの方法があります。まずは、それぞれの特徴や、売却までにかかる期間の目安、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

仲介販売を利用して売却する

仲介業者は、売主と購入希望者の間に入り、売却を斡旋する業者のことです。太陽光発電所の取扱いに特化した仲介業者は、専門的な知識を身につけているため、売却時の適正価格を熟知しています。そのため、購入希望者の提示金額と適正価格を調整し、双方が納得できる売却価格を導き出してくれるのです。また、場合によっては、適正価格より高値で売れることもあります。この他にも、買い手を探す必要がない、複雑な手続きを全て任せられるなど、仲介業者を利用するメリットは、たくさんあります。
しかし、一方で、買い手が見つからなければ売却ができないというデメリットも抱えています。それゆえ、仲介業者を利用した売却には、時間がかかりやすく「すぐに現金化したい」という方には、不向きです。
仲介業者を利用した売却期間の目安は、基本的に1~3ヶ月以上とされており、現金化に時間がかかります。また、売却価格の3%が仲介手数料として取られるなど、売却時にお金がかかるのがデメリットです。これらのことから、仲介業者を利用した売却は「現金化を急いでいない」「より高値で売却したい」という方に最適な方法と言えるでしょう。

買取業者を利用して売却する

買取業者とは、太陽光発電所を直接買取ってくれる業者のことです。仲介業者と違い、買取業者が直接太陽光発電所を買取るので、買い手が見つからないという不安がありません。また、売主が買取業者の提示した査定金額に納得し、売却の契約が成立すれば、現金化までのスピードが早いのもメリットです。なお、買取業者を利用した売却期間の目安は、大体1〜2週間と言われています。そのため「すぐに現金が必要」という方に向いています。また、仲介手数料がかからないのも嬉しいポイントです。
ただし、太陽光発電所に詳しくない業者にあたると、適正価格で買取ってもらえない可能性もあります。場合によっては、適正価格以下の安い金額で売却されてしまうケースもあるため、業者選びには、注意が必要です。買取業者での売却を検討する際は、複数の業者に相見積もりを依頼して、査定金額を比較するようにしましょう。

仲介業者を通さずに売却する

太陽光発電所の売却は、仲介業者を通さなくても行えます。個人の場合、太陽光発電所転売のためのマッチングサイトや、知り合いのつてを頼って買い手を探すのが一般的です。ただし、仲介業者や買取業者のように売却に関するノウハウがないので、なかなか上手くいかないと言われています。万が一、買い手を見つけられたとしても、価格交渉や各種手続き、税金の処理なども自分で行わなければならず、手間と時間がかかるなど、デメリットの方が多いでしょう。
また、個人間の売買では、トラブルが起こりやすく、対処しなかったことで訴訟問題にまで発展したケースもあります。そのため、特別な事情がない限り、個人での売却はしないのが無難でしょう。

太陽光発電所を売却する基本的な手続きを解説

ここからは、太陽光発電所の売却を仲介業者に依頼した場合の基本的な手順をご説明します。

太陽光発電所の査定から売却までの手順

(1)査定を依頼する
売電実績や施工状態、設置場所の状況など、査定に必要な情報を仲介業者に開示する。

(2)査定開始
仲介業者が査定をし、売主に売却価格を提示します。

(3)販売開始
売却価格が決定し、売主が納得したら、買い手を探します。

(4)各種手続き
条件の合う買い手が見つかったら、契約に向けた各種手続きをします。

(5)売買契約締結
各種手続きが終了したら、売却は完了です。その後、支払いを受けます。

査定時のポイント

査定時に重視されるポイントは、売電実績と近隣トラブルの有無です。中古の太陽光発電所を購入したいと考えている人は、これまでにどのくらい売電し、実際にいくらの収益になったのかということを重要視しています。
新規で太陽光発電所を購入する場合、売電価格を予想することはできても、実際の数値は分かりません。ですが、中古で使われていた太陽光発電所であれば、売電実績が確認できるため、新規で購入するよりも安心できると考える人が多いのです。そのため、太陽光発電所の査定を依頼する際は、売電実績が確認できる書類を必ず用意してください。
また、近隣トラブルの有無も太陽光発電所を査定する際に重要視される項目です。ごくまれに、太陽光発電所の設置が原因で、近隣トラブルが発生することがあります。例えば「反射光がまぶしい」「電磁波で体調に支障が出た」「動作音がうるさい」など、近隣住民から苦情が寄せられるケースです。このようなトラブルが起きていることを知らせないまま売却を完了してしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。

太陽光発電の相場はどれくらい?売却価格の決め方

売却価格の相場は、売電実績や利回り(設置で得られる対価)、設置場所などの情報をもとに仲介業者が算出しますが、最終的に決めるのは売主です。ですから、売主の状況によって売却価格の決め方も変わります。
例えば「とにかく現金化を急ぎたい」という場合は、適正価格より少し低い売却価格で売り出します。そうすることで、買い手がつきやすくなるからです。適正価格よりも安い価格で太陽光発電所を販売した場合、約30~50%の人が購入を検討し、大体3ヶ月以内で売却に至るケースが多いと言われています。
また、適正価格で売り出した場合は、約20~30%の人が購入を検討し、大体3ヶ月~半年以内で売却が成立すると言われています。一方、適正価格よりも高い価格で売りに出した場合、購入を検討する人は多くても5%程度で、売却まで半年以上かかってしまう可能性が高いです。

太陽光発電所売却の査定時に必要な書類一覧

ここからは、太陽光発電所の査定時に必要な書類と情報についてご紹介します。

査定に必要な書類

太陽光発電所の査定には、以下の書類が必要です。

・太陽光発電所の契約書
・保険契約書
・メーカー保証書
・土地登記簿
・売電実績が分かる資料
・発電所の仕様書
・発電所の仕様書
・保守点検計画書

書類の他に用意しておいたほうが良い情報

必要書類の他に、以下の情報も用意しておきましょう。

・発電所の設置場所
・発電所の出力(kW)
・発電開始時期
・売電単価
・使用機材の一覧

太陽光発電所を売却する際の注意点

太陽光発電所を売却する際は「固定買取制度」「確定申告」「名義変更」の3つについて知っておく必要があります。次の項目で、それぞれの注意点を解説します。

売電価格と売電期間はリセットされない

名義変更をして太陽光発電所を売却したとしても、固定価格買取制度(FIT)における売電価格や売電期間は、リセットされません。つまり売主である前所有者が契約したプランを購入者がそのまま引き継ぐ形です。家庭用太陽光発電所の固定買取期間は、10年間と定められているため、例えば5年間稼働した太陽光発電所を売却した場合、購入者に残された売電期間は残りの5年間となります。
固定価格買取制度が終了すると、一気に売電価格が下がるため、購入者は、新たなプランに契約したり、違う電力会社に乗り換えたりするなど、何かしら対策を講じなければなりません。また、電力会社を変える以外にも、太陽光で発電した電力を、自家消費に回すなどして、電気代を節約するのもおすすめです。

売却益が生じた際は確定申告を忘れずに

太陽光発電所や設備を売却したときの価格が、自身が購入したときの価格や売却時の費用を差し引いて黒字になった場合は、収入を得たとみなされ、所得税(個人の所得に対してかかる税金)の支払い義務が発生します。その場合、売却した年の確定申告は、必ず行わなければなりません。さらに、個人が太陽光発電所を売却した場合は、累進課税(所得額に応じて税率が変わる税金)も適用されます。累進課税では、所得が多ければ多いほど支払う税金の額も高くなるため、個人で売却する際は注意が必要です。

所有者の名義変更が必要

太陽光発電所を売却する際は、所有者の名義変更が必須です。家庭用ソーラーパネルは、住宅の屋根に設置されているため、太陽光発電所つきの中古物件を購入すれば、そのまま所有権が譲渡されると思いがちですが、物件と太陽光発電所のそれぞれで名義変更をする必要があります。
太陽光発電所の名義変更は、国に申請するための事業計画認定の作成や、電力会社に申請する売電契約、土地登記簿の名義変更など、さまざまな手続きを踏む必要があり、非常に複雑です。そのため、名義変更には、大体3ヶ月〜半年以上かかると言われています。したがって、名義変更の申請は、時間に余裕を持って行うことが大切です。
また、太陽光発電所の名義変更では、贈与税(個人が贈与によって得た財産に対してかかる税金)の支払いが発生するケースもあります。それは、夫婦間または、祖父母と子や孫の間で名義変更を行った場合です。ただし、祖父母と子孫の間での名義変更は、優遇税制により最大3,000万円までは非課税対象です。

太陽光発電所の売却時に必要な名義変更|揃えておきたい必要書類

太陽光発電所の売却時に必要な所有者の名義変更ですが、産業用太陽光発電と住宅用太陽光発電とで、名義変更の内容が異なります。ここからは、それぞれに必要な名義変更の種類について解説します。

産業用太陽光発電売買時に必要な名義変更

産業用太陽光発電(10kW以上)に必要な名義変更は、以下の7つです。

・事業計画認定の設置者
事業計画認定の設置者の名義変更は、国に申請します。事業譲渡または相続かによって必要な書類が異なります。
事業譲渡の場合は「譲渡契約書または譲渡証明書(原本)」「印鑑証明書(原本)」が必要となり、加えて設置者が個人の場合は「住民票の写し・戸籍謄本(原本)・住民票記載事項証明書(原本)のいずれか」、法人の場合は「履歴事項全部証明書(原本)」が必要です。また、破産による譲渡では「破産管財人証明書」、地方自治体の場合は「譲渡契約書または譲渡証明書」と「公印規定」が必要となります。
相続の場合は「被相続人の戸除籍謄本(原本)」「法定相続人全員の戸籍謄本(原本)または法定相続情報(原本)」「法定相続人全員の印鑑証明書(原本)」「遺産分割協議書または相続人全員の同意書」が必要です。なお、太陽光発電が50kW未満の場合は、JPEA代行申請センターから電子申請を行うことも可能です。

・売電契約
売電契約の名義変更の手順は、電力会社ごとに違います。また、名義変更に必要な書類も異なるため、契約している電力会社に問い合わせてみましょう。

・土地登記簿
土地登記簿の名義変更に必要な書類は「登記簿謄本」「戸籍謄本」「住民票」「評価証明書」です。土地登記簿の名義変更は、取得する書類や作成するものが多く、最も時間のかかる項目のため、仲介業者や司法書士、代行業者などに任せるのが安心です。

・遠隔監視装置
新しい所有者が新規で遠隔監視装置に契約できるよう、前所有者は現在の契約を解除する必要があります。契約に必要な書類は、契約中のシステム会社に問い合わせましょう。

・施工保証契約、メンテナンス契約
太陽光発電所に施工保証がついている場合は、名義変更後も保証が継続されるのか確認してください。保証が継続される場合は名義変更を行い、継続されないときは新しい所有者が新規契約を結びましょう。契約または解約に必要な書類は、契約中の業者に問い合わせてください。

・損害保険
相続以外の第三者間で名義変更をする場合は、前所有者は現在の契約を解除する必要があります。契約の解除に必要な書類は、契約中の保険会社に問い合わせて確認しましょう。

・メーカー保証契約
メーカー保証契約の名義変更には、主に「名義変更依頼書」「メーカー保証書」が必要です。ただし、契約している会社によって必要な書類が異なるので、メーカーに問い合わせて確認しましょう。

住宅用太陽光発電で必要な名義変更

住宅用太陽光発電(10kW未満)に必要な名義変更は、以下の2つです。

・事業計画認定の設置者
設置者の名義変更には「譲渡契約書または譲渡証明書(原本)」「印鑑証明書(原本)」「住民票の写し・戸籍謄本(原本)・住民票記載事項証明書(原本)のいずれか」が必要となり、運転開始後に初めて変更手続きをする場合は「受給開始を証明する電力会社発行の書類」が追加で必要です。

・売電契約
産業用太陽光発電のときと同様、名義変更の手順が電力会社ごとに異なるため、契約している電力会社に問い合わせて確認してください。

太陽光発電所の売却で発生する税金を調査

最後に、太陽光発電所の売却で発生する税金について解説します。

売却時の価値には減価償却が関係

売却時の価格には、減価償却(固定資産の購入代金を毎年分割して支払う仕組みのこと)が関係しているため「売却時の価格=購入時の価格」とはならないのが一般的です。なぜなら、固定資産の価値は、月日が経過するごとに下がっていくからです。そのため、現在の売却価格を求めるには「購入時の価格」から「売却時までに下がった価値」を差し引く必要があります。また、売却益は「売却による利益=売却額-(購入額-売却時までに減少した価値)」の式を使って算出します。

法人が売却する際にかかる税金

法人の場合は、太陽光発電所の売却益だけでなく、法人としての利益全てに税金がかかります。また、法人の減価償却は、定率法(比率が一定の減価償却)で計算するのが一般的です。節税対策として、即時償却や特別償却を行っていた場合は、売却時に課税額が高くなるので注意しましょう。

個人が売却する際にかかる税金

先述したように、個人で太陽光発電所を売却する場合でも、売却益が出たときは、所得税や累進課税の支払い義務が生じます。「売却による利益=売却額-(購入金額-売却時までの減価償却費の合計)」で、売却による利益を算出し、プラスの利益が出た場合には、納税と確定申告を忘れずに行ってください。
また、個人が太陽光発電所を売却する際に得た売却益は「譲渡所得」です。譲渡所得の場合、所有していた期間によって所得税や住民税の税率が変動するため注意してください。
(参照元はこちら)

太陽光発電所を高く売る3つのポイント

太陽光発煙所を少しでも高く売買するためには押さえておきたいポイントがあります。実際に売りに出す前に以下の点を押さえておきましょう。

売却前に補修などのメンテナンスを行う

太陽光発電所を高値で売却するなら、発電設備の清掃や補修などのメンテナンスを行ってから査定をするのがおすすめです。破損部分が放置されているままだと、これまできちんと管理されていなかったのではないかと思われる可能性もあります。一部分の印象が全体の印象につながることもあり、査定価格が下がってしまうかもしれません。メンテナンスのためには費用がかかりますが、それ以上に査定価格が上がる可能性もあります。事前に清掃や補修を行い、きれいな状態にして査定してもらうようにしましょう。

発電量や売電実績が分かる資料を揃える

発電量や売電実績が数字で分かるような資料があるのが望ましいです。稼働中の売電実績などから収益のシミュレーションもできるため、売買の査定基準の参考となります。発電能力が小さい発電所は査定額が低くなる傾向にありますが、その場合でも発電所の情報を正しく伝えましょう。過去の修理歴などもきちんと提示することで、買取業者の信頼につながり適切な査定をしてもらえます。

信頼できる買取業者に査定の依頼をする

太陽光発電所を売却するなら、買取り実績の豊富な業者を選ぶようにしましょう。さまざまなケースに対応したことのある経験豊富な業者なら、正確な査定価格を出してもらえます。また、複数の買い取り会社に査定を依頼してみるのもおすすめです。売却したい発電所がある地域に強い業者か、実際に同じ地域で取引したことがあるかどうかといったことも注意しておくとよいでしょう。

太陽光発電所の売却に関するQ&A

太陽光発電所を売却したいけれど、どうすればいいか分からないという方は多いと思います。太陽光発電所の売却を検討している皆様からよく寄せられるご質問に、太陽光発電所の売買を行う「とくとくファーム」が回答いたします。

故障している場合でも売却は可能でしょうか?

はい。とくとくファームでは故障した発電所も買取り可能です。弊社は自社で発電設備の修繕を行う技術を持っているため、劣化した発電所、修繕の必要な発電所についても買取りを行っております。

仲介業者に依頼した場合の売却期間はどれくらいでしょうか?

最短1ヶ月ほどです。売却手続きには、発電実績の分かる資料の確認・現地確認・契約内容のすり合わせに加え、資金調達などの時間も必要なため早めに検討することをおすすめします。
●まとめ
太陽光発電所の売却は、個人間でも可能ですが、価格交渉や各種手続き、税金の処理を一人で行わなければならないため、想像以上に手間がかかります。また、個人間の売買は、後々トラブルに発展する可能性もあるため、これから太陽光発電所の売却を検討している方は、太陽光発電所のことをよく知る仲介業者に売却を依頼するのが無難でしょう。名義変更などの面倒な手続きを任せられるので安心です。また、売却価格によっては確定申告が必要になることもあるので、注意してください。

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