太陽光発電の景観破壊問題を徹底解説【エコは嘘って本当⁈】

太陽光発電の景観破壊問題を徹底解説【エコは嘘って本当⁈】

太陽光発電はエコなエネルギーとして、近年注目されてきています。一方で、景観破壊などによる近隣住民とのトラブルなどの、環境問題も取り上げられ始めてきました。エコなエネルギーとしての役割は、嘘か本当か本質を知りたいところではないでしょうか?

今回は太陽光発電の景観破壊問題について徹底解説していきます。ぜひ参考にしてください。

太陽光発電の景観破壊問題とは?

太陽光発電の景観破壊問題とは?

2021年に実地された毎日新聞によるアンケート調査では、47都道府県のうち、実に8割もの地域が、太陽光発電による何らかのトラブルを抱えている事が分かっています。特に大きな問題となっているのが、太陽光発電設備による景観の破壊問題です。

太陽光発電設備のいったい何が問題となっているのでしょうか?それでは、詳しく見ていきましょう。

太陽パネルの景観破壊がトラブルで最も多い

太陽光パネルの設置によるトラブルでは、自然災害の発生、景観の破壊、生活環境の変化、自然保護への懸念などが報告されています。その中で最も、トラブルの報告が多いとされているのは、景観の破壊問題です。

特に、長野県、山梨県、静岡県、三重県での報告が多いとされています。自然豊かな地域や歴史的な背景のある地域に太陽光パネルが設置される事でそれらの風景が破壊されるため、都会での生活から自然を求めて移住してきた方や、もともとの住民の方の心情は穏やかではないでしょう。

当時は太陽光発電設備を設置する規制条例がなかったために撤去が難しく、地域住民との話し合いが行われているのが現状のようです。

「景観権」を巡り訴訟事も発生している

太陽光発電設備自体は建築物でない事が多く、騒音や排気ガスも出さない事から規制されにくいという現状があります。

しかし近年は、「景観権(けいかんけん)」をめぐり、太陽光パネルの撤去がなされた訴訟事例も発生しました。「景観権」とは、その地域に住む住民が周囲の風景から得られる利益が、法的に保護される価値がある場合に発生します。

例えば、景色の良い別荘地に太陽光パネルが乱立し、その風景が壊されてしまった場合などに発生するケースなどがあるようです。

そのため、太陽光発電設備を設置する際には、設置予定の地域が周辺住民とのトラブルに発展しないかを十分に検討する必要があるでしょう。

【太陽光発電】景観破壊以外で広がる環境問題

【太陽光発電】景観破壊以外で広がる環境問題

太陽光発電設備の設置には、景観の破壊問題に加えてその他の様々な問題が複合的に生じているケースも少なくないようです。それでは、景観の破壊問題の他に、どのような問題が生じでいるのでしょうか?

大きく分けて3つの問題が発生していると報告されているため、それぞれご紹介していきます。

パネル設置による森林伐採

1つ目は、メガソーラーシステムの太陽光パネル設置による森林伐採問題です。メガソーラーシステムとは、主に産業用に使用される大容量の発電設備です。

住宅の屋根に取り付ける家庭用太陽光発電と仕組みは同じですが、その設置に広いスペース(主に数ヘクタール)が必要であるため、伐採される森林の規模も大規模な物になってきます。近年、大雨時に発生する土砂崩れなどの自然災害の頻度が増えてきているのは、このような大規模な森林伐採とおおいに関係があるのではないかとの指摘も報告されています。

大雨による土砂崩れなどの人的災害

2つ目は、先ほどの森林伐採問題とも関連性の深い、大雨時に発生する土砂崩れなどの人的災害問題です。

森林伐採によって森林の保水機能が低下し、土壌の安定性が損なわれる事、土の硬さに差が生じるため地盤の中の水の流れが変化し、一か所に水が集中しやすくなる事などが、土砂崩れが起こりやすくなる原因だと言われています。

また、そもそもの土地の安全性にも関係しているケースもあります。安全性の低い土地は地価が相場よりも低めな事が多いため、太陽光発電設備を設置するコストを抑えられます。

大規模なメガソーラーシステムを設置する場合では、その費用の差は莫大なものになってくるため、安い土地を求める業者も存在するようです。

このような背景から、太陽光発電設備設置による土砂崩れは、人的災害であるとの見方もされています。

利用後の不法投棄問題

3つ目は、太陽光パネル利用後の不法投棄問題です。一般的に太陽光パネルの寿命は25年から30年と考えられており、現在の設置状況から考えると、2040年頃に使用済み太陽光パネルが大量に廃棄されるのではないかと言われています。

使用済みパネルは、廃棄物処理法上の産業廃棄物に該当するため、所有者は解体、撤去等の申請が必要となります。

そのため、廃棄の際の不法投棄が懸念されていましたが、2020年6月5日の国会にて、10kw以上の事業用太陽光発電設備を設置する場合は、廃棄にかかる費用を見込んで積み立てをする事が法案として可決されました。

【太陽光発電】景観などの環境問題への対策とは?

【太陽光発電】景観などの環境問題への対策とは?

太陽光発電は、クリーンな持続可能エネルギーとして私達の未来に限りない可能性を与えてくれるシステムです。しかしその一方で、太陽光発電設備設置による景観破壊問題、土砂崩れなどの人的災害問題、不法投棄問題などが懸念されています。

このような問題に対して、現在どのような対策がなされているかをご紹介します。

自治体による規制条例の強化

メガソーラーを設置する場所の周辺住民と、事業者の間でのトラブル報告が多い事から、各地方自治体による「太陽光発電設備等の設置を規制する単独条例」の制定が急がれています。

「太陽光発電設備等の設置を規制する単独条例」とは、太陽光発電設備又は太陽光発電設備を含む再生可能エネルギー発電設備の設置について、自然環境や生活環境等との調和を図る観点から、届出、協議、確認、同意、許可、認定、禁止等のいずれかの手続や立地規制を課す単独条例を意味しています。

平成26年に大分県の由布市が初めて「太陽光発電設備等の設置を規制する単独条例」を制定したのを皮切りに、令和4年9月までに204条例の交付が確認されています。

しかし、条例には法的な強制力がないため、どこまで効果を上げる事ができるのかが懸念されています。

事業計画は近隣住民の同意形成が必要

2012年にFIT(固定価格買取)制度が導入され、再生可能エネルギー発電事業者の新規参入が急速に増加しました。

その中には、安全性への配慮が欠けている事業者も多く、周辺住民とのトラブルが数多く報告されています。

このような背景から、資源エネルギー庁は、太陽光発電事業計画ガイドラインを発表しています。ガイドラインによると、太陽光発電事業を開始する予定の事業者は、その企画・立案の段階で、周辺住民の理解を得て、地域と共生する必要があると定められています。

トラブルが起こってしまうと、事業計画の遅延や、最悪の場合は計画の中止が発生するケースもあり、放置された太陽光発電設備が自然環境に与える影響は多大なものとなってしまいます。

そのため、事業を行う事業者のコンプライアンス遵守が、高いレベルで求められています。

太陽光発電の景観問題に関するよくある質問

太陽光発電の景観問題に関するよくある質問

ここまでは、太陽光発電事業に関して、景観破壊問題や、起こりうる人的災害問題、太陽光発電設備の不法登記問題について説明し、それらの問題に対してどのような対策が取られているかをご紹介してきました。

ここでは、太陽光発電の景観問題について、現在話題となっている内容を取り上げ、掘り下げて説明していきます。

太陽光発電はエコじゃないって嘘?本当?

火力発電や、原子力発電と比較して、太陽光発電のCO2排出量は、約10分の1程度と非常に低く抑える事が可能です。

このCO2排出量というのは、太陽光発電設備を整える段階で発生する「間接CO2排出量」がほぼ全てを占めています。

発電の際に発生する「直接CO2排出量」は、ほぼゼロと報告されているため、太陽光発電は、CO2排出量という観点から見ると、非常にエコな発電方式です。

その一方で、悪質な業者による無計画な森林伐採や、安全生の低い土地に発電設備を建設した結果発生する土砂崩れなどの人的災害、発電設備の不法投棄、化学物質漏れ出しによる土壌汚染などが問題となるケースもあります。

自然環境全体から見ると、CO2削減というメリットもある一方で、人的災害によるデメリットも存在する事は事実であるため、太陽光発電事業に関する法律の改正は日々議論されているのが現状のようです。

田んぼを利用できるって本当ですか?

農林水産省のホームページによると、営農型太陽光発電と言われる取り組みが行われています。営農型太陽光発電とは、農地で行うソーラーシェアリングの事で、農地を営みながら、上部の空間に太陽光パネルを設置し、発電収入を得る仕組みです。

設備を導入するにあたっては「作業性」が1番の課題とされていて、農作業に使用する大型機械などが太陽光パネルにぶつからないように設計する事が非常に重要です。

国、県、市の厳しい基準をクリアしないと、事業の継続を中断し、設備を撤去しないといけなくなるので、太陽光パネルの下で栽培する作物の選定が非常に重要な課題とされています。

近隣の農地の収量、売り上げの80%を確保するのが国の方針ですので、栽培する作物を選び、3年、5年、10年後の事業計画を立てる事で、事業の安定した継続が可能となります。

今後、農地を保全していくためには、荒廃地を増やしてはいけないことから、農地から農外収入が入ることは非常に大事な事です。

この理由により、今後ますます農地を利用したソーラーシェアリングの普及が期待されています。

太陽光発電の景観問題に関するまとめ

太陽光発電の景観問題に関するまとめ

この記事では、「エコな再生可能エネルギー」として注目されている太陽光発電の景観問題について説明してきました。

太陽光発電は、CO2の排出量が大幅に削減される、エコな発電方式であり、農地や、山林等の有効利用もできるなどメリットも多く、今後ますますの普及が期待されています。

一方で、悪質な業者による無計画な森林伐採や、土砂崩れなどの人的災害、自然豊かな風景が破壊される景観問題などの課題も多く存在します。

今後太陽光発電を行う事業者は、国や地方自治体の定めた法令、基準をきちんと守り、その地域に住む住民の方の不利益とならないよう、より一層安全性の確保に務める事が強く求められています。

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