太陽光発電を相続したらどうすればいい?

太陽光発電を相続したらどうすればいい?

太陽光発電を相続した場合、相続税がかかります。また、固定資産税が発生する場合もありますし、所有および売電の継続によって所得税の負担も考慮しておかなければいけません。
そこで今回は、太陽光発電を相続した際の対応策や解決方法について詳しくご紹介します。太陽光発電の運用を検討していない方や税金との関係が気になる方などは、参考にしてみてください。

そもそも相続税とは?

相続税は遺産にかかる税金で、亡くなった方の相続資産や財産などが課税対象です。さらに資産や財産を受け取る方が、税額の計算および確定申告、相続税の納付まで行います。
相続税の税率は、相続財産の金額に応じて変わります。

法定相続分の取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

出典:国税庁ホームページ

法定相続分とは、法定相続人(相続を受ける人)の相続財産のことです。
相続財産は、亡くなっていた方の所有していた現金や預貯金をはじめ、株券や債券、土地や建物、動産やその他権利、負債を指します。動産とは、車や家具、家電、貴金属などのことです。また、負債は、借入金や未払いの家賃や医療などといったマイナスの財産です。
さらにみなし相続財産というものが存在します。みなし相続財産は、相続財産に含まれないものの、財産的価値のあるものを指します。たとえば、亡くなった方の生命保険金や退職金などが、みなし相続財産として課税対象となります。

太陽光発電を相続するとどのような税金がかかる?

相続税の基本を把握したあとは、太陽光発電にかかる相続税についても確認していきます。太陽光発電の運用方法や出力によっては、固定資産税もかかります。そのため、事前に相続税と太陽光発電の関係性について理解しておくのが大切です。
それでは、太陽光発電の相続時にかかる税金を紹介します。

相続税がかかる

太陽光発電設備や同設備の建てられている土地を相続した場合は、土地だけでなく設備も相続税の対象です。太陽光発電設備に関しては、一般動産という扱いです。一般動産とは、事業用の機械装置や備品などのことです。

太陽光発電設備を相続した場合は、以下の流れで相続税を計算していきます。

  • 課税対象の相続財産を確認、整理
  • 相続財産を法定相続人で分割
  • 各法定相続人の課税遺産総額から基礎控除額を差し引く
  • 「相続税の総額×各法定相続財産÷合計の課税遺産総額=相続税」
  • 相続税から各控除を差し引く
  • 最終的な相続税が確定、納付

相続税は、所得税と異なり法定相続人の数なども相続税に影響します。また、法定相続人と亡くなった方との関係によって相続税が変わるため、配偶者や子の相続税率や控除額を確認しておくのが大切です。

出力や運用方法によっては固定資産税もかかる

太陽光発電設備を相続したあとは、相続税に加えて固定資産税も課される場合があります。固定資産税は地方税の1つで、土地や建物などにかかります。事業用として用いられている太陽光発電設備は、固定資産税の対象です。
事業用設備は、一般的に出力10kW以上の太陽光発電や土地付き太陽光発電などが含まれます。必ずしも出力に応じて事業用とみなされる訳ではないため、注意が必要です。
住宅の屋根に取り付けられている太陽光発電や出力10kW未満の太陽光発電などは、一般的に非事業用で、固定資産税の対象外となります。
固定資産税の計算方法は、太陽光発電設備の初期費用(本体価格、設置工事費用)から課税評価額を算出し、所定の税率をかけます。

  • 設置費用×(1ー減価率)=課税評価額
  • 課税評価額×税率1.4%=固定資産税

なお、太陽光発電は、「再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置」という固定資産税軽減措置の対象設備です。新規設置後3年間は、課税額が3分の2に減免されます。

売電収入を得ている場合は所得税もかかる

太陽光発電の相続後、売電を継続している場合は、所得税を納付しなければいけません。太陽光発電にかかる所得税の区分は、運用方法によって変わります。余剰買取を選択している時は、一般的に雑所得として確定申告します。一方、全量買取を選択した場合は、事業所得として確定申告していきます。
収入から支出や控除を差し引いた売電所得が、年間38万円以下であれば、確定申告不要です。給与所得者が雑所得として確定申告する場合は、年間所得20万円以下まで申告不要です。
ただし、市県民税の納付が必要な場合もあるため、ふるさと納税の寄附など確認しておくのも大切です。

太陽光発電において相続税の対象となるものは何?

太陽光パネルやパワーコンディショナ、架台など設備一式が、相続税の対象です。また、土地付き太陽光発電を相続した時は、太陽光発電設備を設置している土地も相続税に含まれています。
太陽光発電を相続する際は、住宅用太陽光発電と土地付き太陽光発電どちらのタイプなのか確認しておくと、相続税の対象となる財産を早期に把握できます。

相続税に必要な相続税評価額の求め方

太陽光発電を相続した場合は、相続税の計算方法だけでなく相続税評価額についても理解しておく必要があります。相続税評価額は、資産価値を求めるために重要なものですが、一部複雑なポイントや専門用語もあります。
それでは、相続税の計算に必要な相続税評価額について確認していきます。

太陽光発電設備は基本的にパネルから計算

動産の相続税評価額は、一般的に過去の事例(売買実例価額)を参考に算出していきます。しかし、太陽光発電の売買事例は少ないため、減価償却費から相続税評価額を求めます。
太陽光発電の相続税評価額は、購入価格から経過年数に応じた減価償却費を控除させた残存価格を適用します。
たとえば、取得価額500万円の太陽光発電を3年間運用していた場合は、以下の流れで相続税評価額を求めます。

  • 1年目の残存価格:500万円×0.127=63万5,000円
  • 2年目の残存価格:(500万円ー63万5,000円)×0.127=55万4,355円
  • 3年面の残存価格:(500万円ー(63万5,000円+55万4,355円))×0.127=約48万3,952円

各年の残存価格を求めたあとは、それぞれの価格を合算します。上記のケースの場合は、合計約167万3,307円です。
その後は、前半で紹介した相続税の計算方法に約167万3,307円を組み込んで、法定相続人の相続税額を求めていきます。
なお、法定耐用年数17年を超える期間については、評価額0円となるようです。しかし、個人で判断するのは難しい要素なので、管轄の税務署もしくは最寄りの税理士などへ相談してみるのがおすすめです。

太陽光発電の敷地は雑種地として計算

土地付き太陽光発電を相続した場合は、設置場所の敷地も相続税の対象です。太陽光発電設備を設置している敷地の相続税評価額は、宅地と異なる雑種地として区分されます。雑種地の相続税評価額は、売買実例地比準方式と近傍地比準方式という2種類から計算することが可能です。
売買実例地比準方式は、類似の事例から評価額を求めるのが特徴です。そのため、近隣の土地で類似の事例がなければ算出できません。
周辺に土地付き太陽光発電が設置されていなければ、近傍地比準方式で評価額を求められます。近傍地比準方式は、周辺の一般的な土地(山林など)を参考に評価額を算出します。
なお、住宅に太陽光パネルが設置されている場合は、太陽光パネルを含め住宅の一部としてみなされます。

相続税を節税できる場合

続いては、相続税の節税可能なケースについて紹介します。

太陽光発電の借入金で評価額を削減

相続を始めた時点で太陽光発電のローンが残っている場合は、ローン残高を控除として用いることも可能です。
太陽光発電のローン残高は、債務控除として相続税評価額から差し引かれるため、税負担を軽減できます。太陽光発電設備を相続予定の方は、現時点のローン残高を確認してみるのも大切です。

小規模宅地等の特例適用で節税できる可能性あり

太陽光発電の敷地が、小規模宅地等の特例対象に含まれていれば節税を見込める場合もあります。小規模宅地等の特例対象は、土地の評価額を最大80%減額してもらえる制度です。小規模宅地等の特例対象として認定されるには、特定事業用宅地等という条件に該当する必要があります。

たとえば、以下の要件が定められています。

  • 土地を事業用として利用している
  • 期限内に申告書類を提出
  • 土地の取得者が事業を継続

特定事業用宅地等における事業用は、一般的に出力50kW以上の太陽光発電もしくは、出力10kW以上でなおかつ売電を行っている設備などを指します。一方、自家消費や住宅用太陽光発電は、上記の要件を満たせない可能性があります。
太陽光発電の敷地にかかる相続税を節税したい方は、小規模宅地等の特例適用に該当するか確認してみると良いです。

太陽光発電の相続に関する注意点

太陽光発電を相続した場合は、手続きのミスだけでなく相続税の申請期限やその他申請要件についても注意しておく必要があります。

相続した際に自治体へ申請が必要

太陽光発電を相続した時は、相続に伴う各種変更手続きを行う必要があります。
太陽光発電の相続時には、事後変更届出書の作成や添付書類などを経済産業省へ提出します。また、出力50kW未満の太陽光発電を相続した時は、再生可能エネルギー電子申請サイトから手続きを進めます。
出力50kW以上の太陽光発電を相続した場合は、被相続人の戸除籍謄本や法定相続人の戸籍謄本や事後変更届出などを用意し、郵送にて提出します。
各種書類の提出から約3ヶ月後に変更認定の通知書等が届きます。太陽光発電を稼働および売電、もしくは自家消費するには、事業計画認定の変更などが必要です。

申請期限内に相続税を申告

相続税の申告および納付期限は、被相続人(相続を行う方)が亡くなった日から10か月以内です。
相続税の納付期限に間に合わなかった場合は、延滞税も納付しなければいけません。延滞税は、納付期限日の翌日から何日経過しているかによって変わります。納付期限の翌日から2か月以内は、原則相続税の7.3%です。2か月を超えた場合は、原則年14.6%へアップします。
相続税の負担を少しでも抑えるには、納付期限に注意が必要です。

相続した太陽光発電が不要な時はどうする?

太陽光発電を相続予定ではあるものの、相続税の税負担や相続手続き、維持管理の手間などから手放したいと考えている方もいるのではないでしょうか。最後に、太陽光発電が不要な場合の対処法について紹介します。

太陽光発電設備を撤去

太陽光発電設備は、撤去することが可能です。
設備撤去は、太陽光発電の施工会社や解体業者などへ依頼できます。撤去を含む費用は規模により変わりますが、出力100kW未満で数10万円です。なお、撤去の際は、撤去費用と産業廃棄物の運搬費、処分費などがかかります。
撤去を検討している時は、専門業者へ依頼するのが基本です。個人による撤去は、産業廃棄物の処理に関して法律違反のリスクが生じますし、感電などの事故リスクもあります。

太陽光発電設備を売却

土地付き太陽光発電設備を所有している時は、土地と設備をまとめて売却することが可能です。
太陽光発電関連事業者の中には、設備や土地を含めた売買の仲介サービスを提供している会社があります。弊社サービスとくとくファームも、中古太陽光発電所の売買に関する仲介から税務処理、登記代行まで一括サポートしています。
問い合わせおよび査定の際は、30秒で完了可能なかんたん査定と30種類の項目を記入するしっかり査定を選択することが可能です。さらに最短3時間で査定金額を確認できますし、最短3日で現金化できます。
なお、太陽光発電付き住宅を売却したい時は、設備を含め不動産会社で売却の相談を行うことができます。

太陽光発電を相続する際は税金や取り扱いを考えておくのが大切

太陽光発電を相続する場合は相続税の納付準備を含めて、1つ1つ確認しておくのが大切です。 相続税評価額は、取得価額から減価償却を差し引いた残存価格を用います。ただし、状況によって変わる可能性があるため、税理士や管轄の税務署へ相談するのも大切です。
太陽光発電の維持管理に負担を感じる時は、売却という選択肢もおすすめです。売却の場合は、売却益を見込めまし維持管理の負担から解放されます。
太陽光発電を相続する可能性がある方は、今回の記事を参考にした上で相続の準備や相続後の運用方法について考えてみてはいかがでしょうか。
弊社とくとくファームでは、専任の担当者が中古太陽光発電所の売却査定から売買の仲介手続き、税務処理のサポートまで一括対応いたします。太陽光発電を相続した方の中で設備を手放したい方は、お気軽にご相談ください。

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