田舎の土地活用に太陽光発電はおすすめできる?メリット・デメリットを解説

田舎の土地活用に太陽光発電はおすすめできる?メリット・デメリットを解説

昨今、田舎の土地活用法として、太陽光発電を導入する事業者が増えています。広い土地を活かせる田舎において、太陽光発電は非常におすすめと言えますが、近隣トラブルや自然災害など、留意したいポイントも多いです。本記事では、田舎の土地活用に太陽光発電を導入するメリットやデメリット、適した土地を解説していきます。

田舎の土地活用には太陽光発電がおすすめ

太陽光発電を導入する上では、当然ながら広い土地を利用し、ソーラーパネルの設置面積を大きくすることが必要不可欠です。都会でも、空き地や屋上などにソーラーパネルを設置可能ですが、ビルなど建物が密集し、日陰となるケースも少なくありません。一方、田舎では広大な土地に野立てでソーラーパネルを設置でき、加えて太陽光を遮る建物も少ないため、日当たりは良好です。
また、管理コストを抑えられるとして、発電量が10~50kW未満の太陽光発電を導入する事業者は多いですが、50kWの発電を行う場合、おおよそ500㎡(約150坪)の土地面積を必要とします。都会で500㎡の土地を用意するのは容易ではありませんが、田舎であれば比較的土地を確保しやすいです。よって、田舎の土地活用に、太陽光発電は向いていると言えます。

田舎の土地活用に太陽光発電を利用するメリット

田舎では、広い土地を利用して太陽光発電を運用できるのが利点ですが、他にもメリットは存在します。ここでは、田舎の土地を利用するメリットを見ていきましょう。

売電により安定した収益が入る

太陽光発電により得た電気は、電力会社へ売電し、収益に繋げられます。時期によっては天候次第で、収益が低下する可能性もありますが、年単位で見ると毎年安定した収入を得ることが可能です。
また、太陽光発電では、固定価格買取制度(FIT)を利用できます。固定価格買取制度とは、ソーラーパネルで発電した電気を、電力会社に一定価格で売電できる制度です。適用期間は10kW未満で10年間、10kW以上で20年間と決められています。
固定価格買取制度は再生可能エネルギーの普及を目的として、国が定めた制度です。決められた価格で電力会社が電気を買い取ることを国が約束しているため、安心感は非常に高く、最大20年間安定した収益が得られると言えます。

集客性の低い田舎でも収益を得られる

田舎の土地活用方法としては、アパート経営やトランクルームの設置、コインパーキング運営などの事例が挙げられます。広い土地を利用できる田舎ならではの手法もありますが、集客を行うことが必要不可欠です。しかし、田舎は都会に比べて人口が少なく、利便性も悪いため、集客性が低く販促にかかる時間やコストも増えると言えます。
一方、太陽光発電は集客を必要とせず、日の当たる環境さえ整えれば、収益に繋げられるのが魅力です。アパートやトランクルームのように、契約者が減少して利益も減るということがなく、設置しているだけで収益を得られます。

地価に関係なく売電できる

太陽光発電の売電価格は、地価に左右されない特徴があります。不動産のように、地価の高さに比例して売却価格が上がることもないため、太陽光発電を最大限に行える場所への設置が重要です。
ただし、10kW以上の産業用太陽光発電には、固定資産税が発生します。税金を抑えたい方は、地価の安い土地を選びましょう。

田舎の土地活用に太陽光発電を利用するデメリット

田舎の土地活用として、太陽光発電を利用するメリットは多いですが、デメリットもあります。運用を検討している方は、デメリットもチェックしておきましょう。

反射光による近隣トラブルには要注意

設置するソーラーパネルの近くに一軒家やマンションが建っている場合、注意したいのが反射光です。ソーラーパネルで反射した太陽光が建物内へ差し込むと、眩しくて生活に支障をきたすだけでなく、室内温度の上昇を引き起こします。
国土交通省近畿地方整備局でも、太陽光発電による反射光は光害として注意喚起しており、ソーラーパネルを設置する際は方位や傾斜角の考慮が大切です。太陽光反射光害は法的に規制や基準は設けられていませんが、受忍限度を超えて熱中症に繋がり、実際に裁判まで発展した事例もあります。
20年間安定した収益を上げ続けるためにも、近隣トラブルが起きない太陽光発電の運用を心掛けましょう。

自然災害による損壊や盗難の恐れがある

田舎では土砂災害などの被害を受けやすく、ソーラーパネルが破損するリスクを伴います。ソーラーパネルを設置する場所に関して、あらかじめ災害リスクを予見しておくことが極めて重要です。
また、人通りの少ない田舎なので、ソーラーパネルやケーブルの盗難が発生する可能性もあります。特に、ケーブルは持ち運びやすいことに加え、銅製で高額なため、盗難のリスクも高いです。
メーカー保証だけでは、自然災害や盗難に備えられないので、有償保証も契約しておくことをおすすめします。

ホットスポットが起きる可能性がある

田舎での太陽光発電運用には、ホットスポットに注意が必要です。鳥の糞や落ち葉などがソーラーパネルに付着して陰ができ、局所的に発熱して起きる不具合のことをホットスポットと言います。
ホットスポットが発生すると、下記のような現象を引き起こす可能性があります。

  • 発電量が低下する
  • 火災トラブルを引き起こす

ソーラーパネルは太陽光を吸収するため、上部に遮るものがなく、加えて設置面積も広いので、必然的に鳥の糞の影響を受けやすいです。また、自然豊かな田舎では、パネル上に落ち葉が落ちやすいと言えます。
ホットスポットが起きるタイミングは非常に読みにくいですが、赤外線サーモグラフィーやドローンを活用し、事故の発生を防ぐことも可能です。太陽光発電設備の周りに野鳥が多い場合や、木々が茂っている場合は、ホットスポットの対策を講じるようにしましょう。

太陽光発電に適した田舎の土地

ソーラーパネルの設置に向いている田舎の土地ですが、すべての土地が太陽光発電に適しているわけではありません。次に、太陽光発電に適した田舎の土地の特徴をご紹介します。

日差しの遮蔽物がない土地

太陽光発電を行う際、ソーラーパネルに入り込む日差しを遮らないことが重要です。日差しの遮蔽物としては、建物・電柱・木々などが挙げられます。
最大限に発電するためにも、周囲の遮蔽物は必ず確認しておきましょう。

海岸から遠い土地

太陽光発電設備にもたらされる自然災害は、土砂崩れや台風などの天災だけではありません。潮風による塩害も、太陽光発電においては自然災害のひとつです。塩分は精密機器の故障やサビを引き起こし、太陽光発電設備の寿命を縮めてしまいます。
一般的に、塩害を受ける地域は塩害地域と呼ばれており、範囲はエリアによって変動するのが特徴です。建設省(現在の国土交通省)のデータによると、例えば瀬戸内海沿岸では1km以内、北海道・東北の日本海側では7km以内が塩害地域と定義されています。
想定外の修理費を発生させないためにも、海岸から遠い土地で太陽光発電を導入しましょう。

傾斜が無く平らな土地

田舎では山や森林の斜面を利用し、日差しを受けられるよう設置されたソーラーパネルもあります。地域にもよりますが、ソーラーパネルの理想的な角度は30度と言われており、斜面を利用することで効率的に太陽光を吸収することも可能です。
斜面での太陽光発電にはメリットがある一方で、下記デメリットも存在します。

  • 土砂崩れの影響を受ける
  • 安定させるための補強が必要

メリットよりデメリットのほうが大きいため、ソーラーパネルは平らな土地へ設置するのがおすすめです。

電柱のある土地

太陽光で発電した電気は、電線を通して送電する必要があります。しかし、ソーラーパネルの近くに電柱がない場合、設置者が費用を負担し、電柱を設置しなければなりません。
田舎では電柱が設置されていない場所も多いため、電柱の設置有無も事前にチェックしておきましょう。

地盤の強い土地

太陽光発電の導入前には、地盤調査を行うことも重要です。地盤の弱い土地にソーラーパネルを設置すると、自然災害による崩壊のリスクが高まります。
また、地盤沈下が発生すると杭が沈み込み、ソーラーパネルの傾斜も変わってしまうため、発電量の低下を引き起こします。はじめから地盤の強い土地を選ぶことで、太陽光発電設備の崩壊リスクや発電量低下を防止可能です。 なお、地盤が弱い土地の改良工事を行う場合、費用は設置者負担なので、ご注意ください。

田舎の土地活用として太陽光発電を始めるときの費用

田舎にソーラーパネルを設置する野立て太陽光発電では、高額な初期費用が発生します。野立て太陽光発電の初期費用はメーカーによっても変動しますが、1,500~2,000万円が相場です。1kWあたり約30万円の費用が発生するとも言われています。
初期費用の内訳としては、概ね下記の通りです。

  • 部材費
  • 設置工事費
  • その他諸費用

さらに、太陽光発電には維持・管理費として、ランニングコストも必要です。ランニングコストの相場は年間15万円程度ですが、長年にわたり太陽光発電を行うと、故障や性能劣化に伴う修繕コストが発生する可能性もあります。
また、先述の固定資産税に加え、年間20万円以上の売電収入がある場合は、所得税も納税しなければなりません。高額な初期費用とランニングコストを考慮し、太陽光発電の導入を検討するようにしましょう。

田舎の土地活用に太陽光発電を利用したときの収入

太陽光発電の表面利回りは、10%前後と言われることが多いです。初期費用として1,000万円の投資を行った場合は、年間で100万円の売電収入が入ります。
実質利回りで見てみると、仮に年間15万円の維持・管理費が発生すれば、実質利回りは8.5%です。とはいえ、資産運用の中で太陽光発電は、比較的利回りが高いと言えます。
また、売電価格は固定価格買取制度の発足当初に比べると下落していますが、初期費用も低下しているため、利回りは大きく下がっていません。固定価格買取制度の適用で、まだまだリスクを抑えて投資することは可能と考えられます。

専門家に相談して田舎の土地を太陽光発電に活用しよう

ソーラーパネルを設置するための広い土地を確保できる田舎は、太陽光発電の運用にぴったりです。特に、集客性に依存せず、安定した収益を上げられる点は、田舎の土地活用法として非常におすすめと言えます。
一方、田舎であるがゆえに損壊・盗難が起きやすい点や、ホットスポットで機器に不具合が生じやすい点など、気を付けるべきポイントも多いです。土地の広さだけに焦点を当てるのではなく、日当たり性や立地、地盤など総合的に判断して導入を検討しましょう。
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