山林で太陽光発電を始められる?メリットや注意点を解説

山林で太陽光発電を始められる?メリットや注意点を解説

山林を相続した方やキャンプなどを行うために山林を購入した方の中には、土地活用の一環として太陽光発電の設置を検討している方もいるのではないでしょうか?山林の場合は、一般的な空き地および平地と異なり造成工事や送電線の敷設工事、その他手続きなどが必要です。

そこで今回は、山林で太陽光発電を始めるために必要な工事や手続き、メリットやデメリットについて分かりやすくご紹介します。山林を相続する方や山林の土地活用を検討している方などは、参考にしてみてください。

山林で太陽光発電を始められる!

山林では、平地と同じく太陽光発電投資を始められます。一般的な土地(平地など)と比較すると安価なので、コストを抑えながら取得可能な環境です。また、南方向など日光を受けやすい場所・角度で太陽光パネルを設置できれば、効率よく発電できます。

山林で太陽光発電を始める時の注意点

山林で太陽光発電を始めるには、許可手続きの有無を確認したり造成工事や伐採、送電電線などの設置といった工事も必要です。

ここからは、山林で太陽光発電を始める際の注意点について紹介します。

1ha以上の場合は都道府県より許可が必要

地目が山林でなおかつ1ha以上の土地開発を行う場合、林地開発制度の許可を受ける必要があります。

林地開発制度の林地開発許可は、森林法第10条の2で定められていて、1ha以上の開発および建築物その他の工作物の設置が許可手続きの対象です。また、基礎の上に架台、架台に太陽光パネルを設置する太陽光発電は、建築物その他の工作物としてみなされています。

なお、1ha以上の敷地面積が必要な設備規模は、出力1MW以上のメガソーラーにかぎられます。そのため、出力10kWや100kW台の太陽光発電設置を検討している時は、林地開発制度の許可手続きを行わずに済みます。

太陽光発電を設置する時は、太陽光発電の販売店や施工業者に林地開発許可手続きの有無を確認しておくのが大切です。

森林の伐採や造成工事が必要

山林の土地で太陽光発電を設置する時は、森林の伐採工事や造成工事の検討も大切です。多数の木々や枝葉は、日光を遮ったり設備を設置できなかったりといった問題につながります。そのため、伐採や造成工事が必要です。

  • 枝葉が太陽光パネルに落ちて発電効率低下
  • 多数の木で太陽光発電設備の設置スペースを確保できない
  • 切り株や石などで基礎工事が難しい

伐採工事は1本あたり数1,000円〜数10万円、造成工事は1㎡あたり3万円程度かかります。

森林伐採工事を行う時は、伐採の計画や伐採後の造林計画に関する届出を提出します。また、森林伐採に関する法規制では、伐採後に植栽を行う決まりという点にも注意が必要です。

伐採に関する届出書類は、林野庁HPからダウンロード可能です。提出期限は、伐採を始める90日前から30日前と定められています。

そして、伐採工事によって地盤が弱い土地や元々地盤の弱い土地を活用する時は、造成工事で地盤強化や整地なども必要です。

送電線の敷設工事も行う必要がある

山林に太陽光発電を設置する時は、電柱の有無を確認しておくのが重要です。太陽光発電で発電した電気は、送電線を通じて電力会社へ売電します。周辺に電柱や送電線が設置されていない場合、電柱の設置と送電線の敷設工事、高圧線の変換工事なども必要です。

電柱の設置や送電線の敷設工事は、一般的に100万円以上かかります。

山林で太陽光発電を始めるメリット

続いては、山林の土地で太陽光発電を始めるメリットについて1つずつ確認していきます。

山林の有効活用につながる

山林で売電型太陽光発電を始める大きなメリットは、山林の有効活用につながるということです。

一般的に山林は、平地や住宅地と異なり都市部から離れていて、マンションなどの不動産投資に不向きな環境です。一方、太陽光発電投資の場合、アクセスしやすさや住みやすさなどの考慮は不要です。さらに影の少ない環境で晴れの人が多い土地であれば、一定の売電収入を見込めます。

地価の安い土地で初期費用削減につながる

山林は他の土地よりも安く売買されているため、初期費用削減につながります。太陽光発電の初期費用を少しでも抑えたい方には、メリットがあります。

山林は、アクセスしにくいケースや都市部や住宅地から離れているケースも多く、比較的資産価値の低い傾向です。そのため、他の土地より安く購入することが可能です。

さらに山林は各地域で売却されていて、購入しやすい点も嬉しいポイントです。

日光を遮る施設が少ない

山林は、住宅地や平地などと異なり、日光を遮りやすいビルや住宅、工場などが建設されにくい環境です。周辺環境の変化が少ない点は、太陽光発電投資家にとってメリットの1つでもあります。

太陽光発電で一定の売電収入を獲得するには、高性能な機器類の購入はもちろん、日光を遮られない環境の確保が必要です。都市部や都市部から少し離れた平地・空き地などは、周辺にマンションやアパート、工場、事務所などが建てられていたり今後建設されたりする可能性があります。

一方、山林は、周辺にマンションや工場などが建てられにくい傾向です。周辺に建物が建てられていても平地より高い位置で太陽光発電を設置できるため、日陰のリスクを避けられます。

売電収入を得られる

山林で太陽光発電投資を始めると、売電収入を得ることが可能です。100坪の土地で太陽光発電を設置およびFIT認定を受けた場合は、以下の売電収入を見込めます。

【2022年度にFIT認定を受けた場合】

  • 土地:100坪
  • 出力:100坪の土地であれば出力30kW程度の太陽光発電を設置可能
  • 固定買取期間:20年間
  • 売電の割合:70%、残り30%は自家消費要件のため売電不可
  • 2022年度の固定買取価格:11円
  • 1kWあたりの年間発電量:平均的な1,100kWhを想定
  • 30kWあたりの発電量:33,000kWh
  • 年間の売電収入:約25万4,100円(自家消費率30%を考慮)
  • 1ヶ月あたりの平均売電収入:2万1,175円

100坪の土地では、一般的に出力30kW程度の太陽光発電を設置可能です。出力10kW以上50kW未満の太陽光発電を運用する時は、全発電量の30%以上を自家消費分としなければFIT認定が取り消されてしまいます。

売電収入を増やしたい時は、全量買取可能な出力50kW以上の太陽光発電を設置できる土地の確保、造成工事を進めるのが大切です。一般的に200坪以上の土地があれば、出力50kWの太陽光発電を設置できます。

伐採や造成工事などで日光の入りやすい土地に整備した場合の売電収入は、平地で太陽光発電を始めるケースと大きく変わりません。また、天候や太陽光パネルの性能などに大きな変化がなければ、毎年一定の売電収入を獲得できます。

山林で太陽光発電を始めるデメリットやトラブル

ここまでは山林で太陽光発電を始めるメリットを確認しました。しかし、メリットばかりではないため、デメリットやリスクについても把握しておくのが大切です。続いては、山林で太陽光発電を始める主なデメリットやトラブルについて確認していきます。

森林法の保安林であればさらに手間がかかる

自身の所有している山林が、森林法の保安林に該当していると公的な届出を行ったうえで造成工事や設備の設置を進める必要もあります。また、状況によっては、伐採や造成工事も認められていない場合もあるため、注意の必要なポイントです。

土砂流出などのリスクがある

山林での太陽光発電設置は、土砂流出などの問題につながる可能性もあります。

山林の地盤は木々の根に支えられていて、土砂の流出などが防がれています。木々の根は、網のように地中へ入り込み、土壌をつなぎとめています。伐採や造成工事によって木々や根を除去した場合は、土壌を支えるものがなくなります。また、雨や台風などの際に土砂災害へとつながるため、注意の必要なポイントです。

そして、山林の土砂流出によって農地や住宅地に被害が発生すると、賠償責任や近隣住民とのトラブルなどにつながります。特に山林でのメガソーラー設置は、設備規模の大きさから被害拡大が懸念され、慎重に検討する必要があります。

山林の購入もしくは太陽光発電の設置を検討している時は、地盤が強いかどうか施工業者へ相談してみるのが重要です。

枯れ葉や雑草対策など維持管理の手間もかかる

山林で太陽光発電を始める場合は、枯れ葉や枝、雑草の除去などといった作業頻度が高まる場合もあります。維持管理の手間を省きたい方や忙しい方は、デメリットの1つです。

枯れ葉や枝が太陽光パネルに乗ってしまうと、発電効率低下につながります。設備周辺に生えている雑草の放置は、太陽光パネルの発電効率低下だけでなく配線類や架台に絡まり、故障につながる可能性があります。

そのため、定期的な除草作業や除草剤の散布、設備周辺の目視点検などが必要です。

固定資産税が上昇する可能性

山林に太陽光発電を設置すると、雑種地という地目へ変わり、固定資産税の上昇につながります。(地目:土地の種類、山林や雑種地、宅地などそれぞれ区分されている)

山林で太陽光発電を始める時は、初期費用・維持管理費用・固定資産税や所得税などの支出を売電収入でカバーできるのか慎重に計算および分析するのが大切です。

山林での太陽光発電をやめた後の土地の対処法

初期費用回収完了もしくは別の理由から山林での太陽光発電をやめた場合は、太陽光発電の解体撤去もしくは設備を含めた売却などを検討してみます。

解体撤去の際は、解体専門業者へ依頼するのが基本です。一方、売却を検討する時は、太陽光発電の売買仲介に特化した事業者へ売却相談します。また、太陽光発電を撤去した場合は、土砂流出などを防ぐために植栽を行うのが大切です。

なお、一定期間山林の土地を借りている場合は、設備撤去後に土地の返却など事前に取り決められた契約に沿った行動や手続きが必要です。

自身で所有している山林の固定資産税や維持管理の負担を避けたい時は、設備や土地の売却を含め検討してみるのもおすすめです。

弊社とくとくファームでは、土地付き太陽光発電はもちろん、不要になった土地の売却サポートも行います。また、最短即日による査定額提示も可能ですので、ぜひご利用ください。

■山林を購入・相続した時は太陽光発電への活用を検討してみよう!

山林を購入したり相続したりした時は、太陽光発電の設置および売電を検討してみるのも大切です。山林の太陽光発電設置や送電線の敷設工事などは、認められています。また、他の土地と異なり周辺にビルや住宅などが建てられていないため、効率よく発電できる可能性もあります。

地価の安い土地で太陽光発電を始めたい方や山林を相続した物の活用方法に悩んでいる方は、今回の記事を参考に太陽光発電の運用方法や土地の比較検討をしてみてはいかがでしょうか。

土地取得と設備設置の手間を省きたい時や山林では収支バランスを維持できない時は、中古太陽光発電もおすすめです。

弊社とくとくファームは、中古太陽光発電所物件を掲載しており、購入に向けた多種多様なサポートサービスを提供しています。ご相談いただいた際は、専任の担当者が対応し、ヒアリング内容をもとに物件検索・現地調査、提案を行います。

さらに契約手続きや税務処理、登記代行など、各種手続きの手間も省略できるので、負担を避けながら太陽光発電を始められます。気になる方は、無料の個別セミナーをご検討してみてください。

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