太陽光発電の発電量低下を予防する方法を解説!定期的な検査と点検がポイント

太陽光発電の発電量低下を予防する方法を解説!定期的な検査と点検がポイント

太陽光発電の発電量低下を予防する方法を知りたいとお考えではないでしょうか。予防する方法は定期的なメンテナンスが良い方法ですが、それ以外にも予防方法はございます。
そこで今回は、太陽光発電の発電量低下を予防する方法についてご紹介いたします。原因や点検についてもご紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

太陽光発電の発電量が低下する原因とは

予防方法の前に、まずは太陽光発電の発電量が低下する原因についてご紹介いたします。

1.パネルの汚れ

パネルの汚れにより発電量が低下しているケースは、屋根に設置しているパターンを中心に多くなっています。汚れの原因は土埃や花粉、鳥のフン等がほとんどです。
「パネルの汚れであれば雨で流れるのでは?」と考えがちですが、太陽光パネルの角度がなだらかな馬合やパネルの材質によっては、雨だけで汚れを落とすのは難しくなります。太陽光パネルの洗浄や掃除が必要となるでしょう。

2.パワーコンディショナーの停止

パワーコンディショナーそのものが稼働を停止している場合は、遠隔監視装置のデータからでもチェックできます。この場合は、まずパワーコンディショナーの状態をモニター等で確認し、エラーコード等で履歴を確認して何が原因かを探り当てていきます。
一般的には再起動で復旧しますが、復旧しない馬合はメーカー対応や交換になります。

3.ストリングの停止

太陽光パネルを直列で繋いだ回路のことを「ストリング」と呼びます。このストリングが停止すると、電気が創れなくなくなり発電量が低下します。
遠隔監視によってわかることもありますが、基本的には直接点検しないとわかりません。電圧の測定等を行うことでわかります。
原因としては、ケーブルの断線やコネクタ不良が考えられます。ごく稀ですが、最初から接続されていなかった例もあります。

4.クラスタの断線

太陽光パネルをある程度の枚数組み合わせたものを「クラスタ」と呼びます。このクラスタ内部で断線が起きると発電量の低下原因となります。
原因の特定は「I-Vカーブ特性測定」と呼ばれる診断でわかります。パネルの発電性能が、通常であれば一定のカーブを描くため、電圧の数値よりも確実に判断できます。
この測定で「パネルのどこが損傷しているのか」を特定し、交換できる状態まで調査した後、交換を行います。

太陽光発電の発電量低下を予防するための3つのポイント

太陽光発電の発電量低下を予防するための3つのポイントをご紹介いたします。

ポイント1.太陽光発電システムには定期的なメンテナンスが必要だと知っておく

太陽光発電システムは様々な素材や部品、製造工程を経て作られるものですがから、そのどこかで故障や不具合が発生する可能性は必ずあります。「故障・不具合は起こらない」と考えるのではなく、「人が作ったものだから故障や不具合は当然起こるものだ」という前提で購入を検討したり、後のメンテナンスについて考える必要があることをしっかり認識しておくことがトラブル防止につながります。メンテナンスの手間や費用も、運用の1つとして計算しておきましょう。

ポイント2.長期に渡ってしっかりメンテナンスしてもらえる設置業者を選ぶ

太陽光発電システムを販売している業者はたくさんありますが、その「買い方」によっては後々のメンテナンスを安心して受けられない場合があります。価格の安さだけに注目せず「トラブルがあった時に相談できるか」「相談に対して誠意ある対応をしてもらえるか」という観点で業者を選んでいきましょう。
また、接続箱やパワーコンディショナーといった関連機器は、外見重視でアクセスの悪いところよりも、メンテナンスのしやすさを考慮して配置を決めてくれる業者がお勧めです。

ポイント3.月単位で発電量をチェックし記録してみる

この「記録」が最も重要なポイントです。太陽光発電システムを設置したら、必ず毎月の発電量をチェックし記録しておきましょう。特に、業者の通常点検だけだと、故障や不具合が完全に取り切れない可能性もあります。異常を利用者本人が早期に、かつ手軽に発見する方法として、「記録」は確実な方法です。
発電量は天候に左右されるため、前年から大きく下がったとしてもすぐに故障や不具合につながるということではありません。
しかし、長期的に記録を続ければ、異常を発見する手がかりになり、メーカーに通知するときも大きな参考や証拠になります。ぜひ、「定期的な記録」と「確認」を習慣づけてみて下さい。

点検の頻度と時期の目安について

ここでは太陽光発電の点検頻度と時期についてご紹介いたします。
定期点検…最初の点検は1年後、その後は4年に1度程度が目安
最初の点検は初期不良の発見を目的とした点検です。その後は最低でも4年に1度は劣化や異常の有無を確認するためにも定期点検を依頼しましょう。
定期点検で重要なのは、メーカー保証が切れる直前の9年目、パワーコンディショナー等の出力保証が切れる20年目以降の定期点検です。消耗品や部品の交換を検討するためにも、9年目と20年目には必ず
定期点検を依頼しましょう。

設置状況に応じた点検…塩害地域や積雪、雷が多い地域等

「重塩害地域」と呼ばれる海岸から200m~500m以内の地域や積雪、雷が多い地域は、気候上設備トラブルが起きやすい地域です。このような地域に住んでいる方は、4年に1度よりも頻繁に点検することをお勧めします。

災害後などの自主点検…台風・豪雨等の悪天候後

落雷・台風・豪雨・地震といった悪天候や災害で普段とは違う状況になった後は、とりあえずできる範囲の自主点検で異常が起きていないかどうか確認しておきましょう。
特に以下の点には注意が必要です。

  • ネジの緩み等が起きていないか
  • 強風や飛来物でパネル等が損傷していないか

簡単な点検の後は、念のため専門業者に依頼して一通り点検してもらいましょう。
このような点検を怠ったことが原因で事故が起きた時には設置者の責任となります。周囲の状況に合わせた自主的な保守点検、その後の専門業者による点検は必須ともいえます。

簡単な日常点検は「セルフメンテナンス」で

簡単な日常点検であればセルフメンテナンスを行っても問題ございません。ここでは簡単にできるセルフメンテナンス方法についてご紹介いたします。
パワーコンディショナー
本体の汚れやフィルターの目詰まり、異音、振動、異臭は一切パワーコンディショナーに触れなくてもチェックすることが可能です。

太陽光パネル

高所に注意を払い、はしごや足場を使って傷や破損がないか、汚れていないかを目視で確認して下さい。

ケーブル・接続箱

配線を点検し、破損や腐食がないか調べておきましょう。

モニターも毎日チェックして、急激な発電量の低下を防ごう

急激な発電量の低下ではなくても、日々チェックしておけば微量の低下も見つけやすくなり、重大なトラブルを防ぐことができます。

定期的な点検・検査は「ランニングコスト」として運用しておこう

太陽光発電システムは故障しにくい性質のため、メンテナンスの必要性や方法がまだ浸透しきっていません。それだけに、故障やトラブルが起きると予定外の費用がかかることがあります。
これから太陽光発電システムの設置を検討される方は、設置後のメンテナンス費用も含めて必要経費を考えておくことが大切です。
太陽光発電は1度導入すると20年以上のお付き合いとなります。設置後のメンテナンスやランニングコストについても正しい知識を身につけておきましょう。

まとめ:発電量の低下は正しい「知識」と「検査」で防ごう

発電力の低下には様々な原因と可能性があることがおわかりいただけたかと思います。汚れや断線等様々な原因がありますが、そのほとんどに必ず事前の「サイン」が潜んでいます。そのサインを見逃さないためにも、正しい知識は非常に重要です。
また、日頃の簡単な点検も発電量の低下を予防するポイントになります。ただし、あくまでも「安全重視」で、不安な点は必ず専門業者に依頼して点検してもらいましょう。
太陽光発電システムは電気系統の設備です。素人が間違った知識で触れてしまうと感電等の事故につながる可能性もあります。
セルフメンテナンスは安全な範囲内で行い、効率の良い発電を日頃からできるようにしておくと、電気代の節約や初期費用の早期改修にもつながります。

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