太陽光パネルが耐えられる風速は?事故事例や台風対策も解説!

太陽光パネルが耐えられる風速は?事故事例や台風対策も解説!

近年、世界規模で自然災害が増加しています。国内でも台風被害や地震リスクなどが叫ばれています。太陽光発電は屋外に設置するため、自然災害を受けやすい設備です。中には強風によるパネル損傷や飛散被害により、甚大な影響をもたらす可能性もあるでしょう。この記事では太陽光パネルが耐えられる風速や強風対策などについて解説していきます。

太陽光パネルが耐えられる風速

太陽光パネルが耐えられる風速をご存じでしょうか。

太陽光発電の普及に伴い、自然災害で受ける被害も増加しています。過去には台風の到来により大きな被害を受けた地域もあります。ここでは、太陽光パネルが耐えられる風速や基準風速、台風による被害について紹介します。

基準風速は風速約62mまで

太陽光パネルの耐風圧は、JIS規格「C61215-1」により2,400Paと決められています。風速に換算すると毎秒約62mです。

これは、気象庁が定める瞬間最大風速と同じレベルであり、住宅が倒壊する可能性のある風速でもあります。つまり、この風速に耐えられることが、太陽光パネルの耐風圧の基準になっているわけです。

【基礎知識】基準風速とは?

基準風速とは、建設省(現国土交通省)が2000年に定めた各地域の最大風速です。50年に1度の確率で発生する大型台風の、地上10mにおける最大風速を指します。

具体的な速度は30~46m/秒となっており、過去に発生した各地域の台風の記録に基づき算出されています。

30~46m/秒のイメージは、一般道を通常の速度で走行するのが困難なレベルです。なお、建築基準法で風圧力を計算する場合、この基準風速を用います。

太陽光パネル強風被害の主な原因は「台風」

太陽光パネルの強風被害の主な原因は台風です。大きな風速により以下のような被害が発生する可能性があります。

  • 飛来物によるパネル自体の損傷
  • 強風によるパネルの変形
  • パネル自体やパネルの部品が飛散し、近隣に被害が発生

参考:令和3年度における再エネ設備に係る事故発生状況について|経済産業省

台風の強風による太陽光パネルの事故事例

台風の強風による太陽光パネルの事故事例を3つ紹介します。

経済産業省のリンクに写真付きで事故事例のイメージが掲載されているので、参考にしてください。

参考:今夏の太陽電池発電設備の事故の特徴について|経済産業省

大きな風速による太陽光パネルの落下や飛散被害

一つ目は、強風により太陽光パネルやパネルの部品が飛散し、他のパネルや近隣に発生する被害です。

たとえば、パネルと架台の接合部の強度が十分でない場合、留めていたネジやクリップが外れる可能性があります。他にも、パネルだけが引きちぎれてしまうこともあります。

実際に、パネルや部品が風によって飛ばされた結果、近隣の建物に飛散し、建物が損傷を受けた事例がありました。

飛来物の衝突によるパネルの破損や飛来

二つ目は、風で飛ばされた飛来物がパネルに衝突し、破損する被害です。近隣の建物から構造物の一部が飛んでくる場合や、砂利等がパネルのガラス面にぶつかり、細かく割れる可能性なども考えられます。

パネルを支える架台の損傷

最後は、風の強さによりパネルを支える架台が損傷する被害です。損傷の可能性は太陽光パネルだけではなく、太陽光パネルを支える架台にもあります。架台の変形・破損や、架台が強風によりまくれてしまった結果、パネルが反り返ったという事例も実在しています。

太陽光パネルの台風対策

ここでは、台風による被害に備えて、事前にやっておきたい対策を3つ紹介します。また経済産業省が点検についてのチェックポイントを挙げているので、あわせて確認してください。

参考:「事業用太陽電池発電設備に対する台風期前の点検強化の周知依頼について」および「一般用太陽電池発電設備に対する台風期前の点検に係る周知について」|経済産業省

台風シーズン前の点検の実施

対策の一つ目は、台風シーズン前の点検実施です。

設置されている太陽光パネルがJIS規格「C61215-1」に則って施工されているかどうかを確認しましょう。また太陽光パネルや架台部分のネジなどに緩みがないか、付近に飛ばされやすい物を置いていないかなど、あらゆる状況を想定して確認するようにするといいでしょう。ただし、太陽光パネルなどを個人で点検するのは危険です。依頼しているO&M業者などにお願いするようにしてください。

保険の加入

対策の二つ目は、保険の加入です。加入すべき以下の4種類を紹介いたします。万一被害を受けた場合、発電設備の損傷だけでなく、近隣の住居などに影響を与えることも考えられ、かなりの損害が発生することが想定されます。それをカバーするためにも、保険に加入しておいたほうが安心です。ただし、発電の規模や補償範囲・金額などにより内容が異なるので、実績のある施工業者などに相談するのがいいでしょう。

  • 企業総合保険
  • 施設賠償責任保険
  • 動産総合保険
  • 休業損害補償保険(売電収入補償特約)
保険種別 保険内容
企業総合保険 火災、落雷、風災、水彩などのさまざまな偶発的な事故により太陽光パネルなどの設備が損害を受けた場合に補填される保険
施設賠償責任保険 太陽光パネルやパネルの部品が飛散し、人的被害や物的被害が発生した場合の損害を補填する保険
動産総合保険 自然災害などによる損害を補填する保険
休業損害補償保険(売電収入補償特約) 発電が停止した場合に、本来入るはずだった収入を補填する保険

メーカー保証の確認

次は、メーカー保証の確認です。通常、メーカー保証は、製品に問題があったときや、メーカーが想定する基本的な使用用途の範囲において故障等があった場合に修理・交換を保証するものです。多くの場合、台風等の自然災害は対象外です。例え対象であったとしても、被害が多大であった場合はカバーしきれません。そのため、任意保険に加入しておくことを強くおすすめします。

【万が一に備える】太陽光パネルの強風被害対処法

事前の対策を実施していても、万が一、強風により太陽光パネルに被害が発生してしまった場合の対処法を紹介します。

電源を切る

被害発生後の対処法の一つ目は、太陽光パネルの電源を切ることです。

太陽光パネルや架台以外にも、配線ケーブルが損傷を受けている可能性があります。断線している場合、漏電による出火や感電などの二次被害が出ることも考えられます。強風により太陽光発電設備が被害を受けたら、まず自分の安全を最優先するためにも電源を切るようにしましょう。

その際、どの電源を切るかも注意すべきポイントです。

  • ブレーカー
  • キュービクル
  • パワーコンディショナー
  • 集電箱
  • 接続箱

被害発生時になるべく慌てないよう、事前に確認しておくことをおすすめします。

被害状況の確認

被害発生後の対処法の二つ目は、被害状況の確認です。被害発生直後はまだ危険があるので、台風が過ぎたあとに確認しましょう。確認のポイントは二つです。

  • 発電量モニターで稼働状況を確認
  • 目視で太陽光パネルの損傷有無を確認

なお、被害後も発電が続いている場合ありますので、不用意に近づいたり触ったりしないようにしましょう。

専門業者へ相談

次は太陽光パネルの専門業者への相談です。被害が確認できたら施工業者に連絡し、その後の対応を任せましょう。漏電などが起こっている場合は二次災害も考えられるので、速やかに相談するようにしてください。

太陽光パネルの回収

最後に、太陽光パネルの回収です。パネルを復旧させるために、風で飛ばされたパネルの回収が必要です。

ただし、パネル設備を自分で復旧させるのは非常に危険なのでやめてください。感電などのおそれがあります。施工業者に連絡の上、しっかり対応してもらいましょう。

【強風対策】太陽光パネル点検は実績ある業者に依頼を!

太陽光パネルの風速被害に関する対策と対処法について、以下のとおり紹介しました。

  • 太陽光パネルの強風や台風対策
  • 【万が一に備える】太陽光パネルの強風被害対処法

太陽光パネルの設置増加に伴い、強風による被害も増加しています。日本には今後も台風がやって来ることが想定されます。太陽光パネルや近隣に被害があった場合、法人であれば事業に悪影響をおよぼし、個人であれば家計に大きな打撃を与えかねません。

太陽光パネルに関してしっかりとJIS規格をクリアした設計・施工を行う業者への相談が重要です。強風への事前対策および被害発生後の対策については、実績のある業者への依頼を検討してください。

株式会社和上ホールディングスは、法人様向けおよび個人様向けともに太陽光パネル設置の実績が多数あります。お気軽にお問い合わせください。

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