太陽光パネルは、雨や風以外に黄砂の影響も受けます。そのため黄砂飛来のニュースを目にした時に、「黄砂が発電量に影響を与えないか心配…」「太陽光パネルの汚れをどのように処理すればいいのか」などの心配する方も多いかと思います。
そこで今回は、太陽光パネルで注意すべき黄砂などの汚れとリスク、対策について詳しくご紹介します。太陽光発電の運用管理方法に悩んでいる方は、参考にしてみてください。
黄砂についておさらい
中国のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などといった乾燥地域にある砂が、風で巻き上げられ、なおかつ偏西風によって日本へ飛来して来る現象を黄砂と呼びます。
黄砂には大気汚染物質が含まれている可能性もあり、環境や人への影響も懸念されています。また農作物への被害や精密機器の不良、衣類などへの汚れといったさまざまなデメリットもあり、深刻な事象のひとつです。
発生原因については、森林の減少、砂漠化などといった人為的な事象が関係しているとされています。
太陽光パネルと黄砂の影響
黄砂は広範囲に降下するため、太陽光発電事業においても注意すべき必要があります。続いては、太陽光パネルと黄砂の影響についてわかりやすく解説していきます。
1回の飛散で発電量が大幅に低下する可能性は低い
黄砂の飛散によって、太陽光パネル表面や架台、その周辺機器が汚れてしまう可能性はあります。
ただし、1回の飛散なら陽光パネルに少し付着する程度でパネルを覆う程の汚れではないため、発電量が大幅に低下もしくはゼロになる可能性はほとんどないと言えます。
また多くの場合は、雨や朝露などで流れ落ちてしまいます。
黄砂やその他の汚れで発電量は低下してしまう
太陽光パネルには、黄砂だけでなく鳥のフンや落ち葉、泥、花粉、大気中の汚染物質などが付着します。このような汚れを放置していると、発電量の低下につながるため注意が必要です。
例えば、落ち葉や枝といった飛来物は太陽光パネルの一部を光から遮断してしまうため、発電量の低下だけでなくホットスポット現象を招きやすくなります。太陽光発電におけるホットスポットとは、電気抵抗の増加による発熱で故障・発火といったトラブルを招く事象のことです。
ほかにもさまざまな汚れの蓄積を長期間放置していると発電量低下に影響してくるため、黄砂以外の汚れについても気を付けなければなりません。
黄砂以外に太陽光パネルへ影響を与える汚れ
前段でも触れたように、黄砂のほかにも以下のような汚れ・物が太陽パネルの発電に影響を与えます。
- 泥
- 鳥のフン
- 葉や花びら
- 枝
- 花粉
- 大気汚染物質
しかし、太陽光パネルに付着した汚れは目視で確認できるケースがほとんどです。風の強い場所で太陽光発電事業を行なっている場合や設備周辺に木々が多い場合は、特にパネル表面の状態について注意して日常的に確認するようにしましょう。
黄砂などの汚れを放置するリスク
ここからは、太陽光パネルに付着した黄砂をはじめとした汚れを放置するリスクについて解説します。
発電量が少しずつ低下してしまう可能性
前半でも解説したように、黄砂が1度飛散しただけでは発電量の大幅な低下を招きにくいと言えます。しかし、黄砂などの汚れを放置したままにしておくと、太陽光パネル表面から光を吸収できず、少しずつ発電量が低下するリスクがあります。
太陽光発電所の発電量は、遠隔監視システムなどから確認することが可能です。万が一、発電量が前月や前週より低い場合は、回路の不具合リスクなども含めて専門サービスへ点検や確認を依頼することをおすすめします。
ホットスポットの発生につながる場合も
太陽光パネルに付着した汚れの放置は、ホットスポットの発生につながる場合があります。
前段でも解説したように、ホットスポットは太陽光パネルの一部で発電量ゼロもしくは発電量の大幅な低下が起こった場合に発生します。黄砂の飛散のみでは起きにくいものの、ゴミや鳥のフン、枝や葉などの飛来および付着で見られやすい現象です。また、製造時の不良や経年劣化でも発生することがあります。
ホットスポット現象の起きているセル(太陽電池)は、電気抵抗の熱によって負荷がかかります。高温の状態が長時間続くと、焦げや発火、設備全体へ延焼などの事故へつながる可能性が高くなります。
そのため、太陽光パネルの状態を常時確認することは、このような事故を避けるためにも重要です。
黄砂などの汚れによる影響を抑えるには?
黄砂などによる汚れが太陽光パネルに与える影響について把握した後は、対策について確認していきましょう。
汚れにくい太陽光パネルを導入する
黄砂や花粉、大気中の汚染物質などの汚れを受けやすい環境で、なおかつ太陽光パネルを新規で導入もしくは交換する場合は、汚れにくい仕様の太陽光パネルの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば、太陽光パネルのフレームに溝の入ったタイプは、雨が降った際に汚れを洗い落としやすい構造で、汚れが付着しにくい特長があります。
ほかにも、日光に含まれる紫外線で汚れを分解できる「光触媒」コーティングが施された太陽光パネルは、親水性も高いため汚れを水で洗い流しやすいというメリットも兼ね備えています。
O&Mサービスで防汚コーティングを行なってもらう
太陽光発電専門のO&Mとは、太陽光発電所の運用管理(Operation)と保守点検(Maintenance)に関するさまざまなサポートを提供するサービスのことです。国内にも多くのO&Mサービスがあり、主に事業用太陽光発電のサポートサービスを手掛けています。
太陽光発電専門のO&Mサービスによっては、防汚コーティングに対応している場合があるので、自社で太陽光パネルの洗浄やコーティングを行なわなくても、プロの手によって対策を進めてもらうことができます。
定期的な洗浄で汚れを丁寧に落とす
シンプルかつホットスポット対策としてもおすすめの方法は、太陽光パネルの定期的な洗浄です。黄砂の飛散しにくい環境で運用していても、ホコリや水垢、鳥のフンなどは付着してしまいます。
そこで定期的に全ての太陽光パネルを洗浄していれば、汚れの蓄積が原因で起こるトラブルを避けられるだけでなく、発電量低下を防止することにもつながります。
ただし太陽光発電事業を行なっている企業の中には、リソース不足などから定期的に洗浄できず悩んでいる企業も多いかと思います。太陽光パネルを定期的に洗浄する場合は、自社で対応するよりO&Mサービスへ依頼することをおすすめします。
O&Mサービスがおすすめの理由は次の項目で紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
洗浄も含めてO&Mサービスへ依頼するメリット
O&Mサービスは、太陽光パネルの黄砂をはじめとする汚れ対策以外にもメリットがあります。最後は、洗浄作業も含めてO&Mサービスへ依頼するメリットについて解説します。
有資格者でなければ対応できない部分もサポートしてくれる
O&Mサービスへサポートを依頼すれば、修理点検などを含めて総合的に対応してくれます。
太陽光発電所の修理点検作には資格が必要です。また専門技術や機器がなければ、太陽光パネルやパワーコンディショナ、その他周辺機器や部品の異常を見つけられませんし、修理点検もできません。
O&Mサービスの場合は、有資格者による電気点検で太陽光パネルやパワーコンディショナなどの異常をチェックします。また目視点検があるので、配線類や架台の破損、太陽光パネルの汚れや傷の確認にも対応しています。
太陽光発電所はメンテナンスフリーではありません。そのため、実績豊富なO&Mサービスへ依頼し、故障や発電量低下に対して早めに対処できるようにしておくことが大切です。
定期点検以外のサービスも充実
O&Mサービスは、定期点検以外のサービスも充実しています。
例えば、多くのO&Mサービスで提供されている常時監視・遠隔監視サービスは、24時間365日遠隔監視システムやカメラで発電量・設備の状態をチェックしています。また、敷地内の清掃作業や除草作業などにも対応してもらえるので、自社の負担を軽減しながら管理運用することが可能です。
万が一発電量が低下した場合は、O&Mサービスのスタッフが太陽光発電所へ駆けつけて、点検および修理を行なってくれます。
間違った洗浄方法による傷などのリスクを避けられる
さらに、太陽光パネルの状態に合った洗浄・清掃を行なってくれるのもO&Mサービスを利用する大きなメリットです。
太陽光パネルに付着した汚れを隅々まで落とすには、鳥のフンや黄砂、花粉など汚れの種類に合わせた洗浄を行なう必要があります。
例えば、雑巾やブラシなどで太陽光パネル表面をゴシゴシ拭いてしまうと、ガラスに傷が付いてしまうおそれがあります。また、水道水に含まれているカルキがパネル表面に付着してしまうため、カルキ抜きなどの対策も必要です。
O&Mサービスへ依頼すれば、黄砂をはじめとした多様な汚れに合わせた洗浄方法を選定してくれるので、間違った洗浄による傷や汚れの付着を避けることができます。
太陽光パネルに付着した黄砂はO&Mサービスに洗浄してもらうのがおすすめ!
黄砂の飛散による汚れだけでは、太陽光発電の大きな発電量低下にはつながりません。ただし、パネルに付着した汚れの蓄積および放置によって、発電量の低下やホットスポット現象による故障リスクを招きます。
太陽光パネルの適切な洗浄を行なってくれるサービスを探している方、黄砂をはじめとした汚れの蓄積に悩んでいる方は、今回の記事を参考にしながらとくとくサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
O&Mサービスのとくとくサービスでは、産業用太陽光発電の遠隔監視や緊急時の駆けつけサービス、定期点検などを提供しています。また点検以外にも、敷地内の清掃作業、太陽光パネルの汚れに合わせた洗浄など幅広く対応しています。
無料のお試し点検もあるので、お電話やWebフォームからぜひご相談ください。