エコキュートの利用は私たちの生活に快適さをもたらしますが、その利用に際しては、断水という不測の事態に備える必要があります。なぜなら、断水が発生した際に適切な対処を怠ると、お湯の品質に支障をきたす可能性があり、さらにはエコキュート自体が損傷を受ける恐れがあるからです。
このため、本記事ではエコキュートの利用者に向けて、いざ断水が発生した際の的確な対処方法を分かりやすく解説します。断水時に何をすべきか、注意が必要なポイントは何か、そのすべてを詳細に紹介します。ぜひ最後までご一読いただき、エコキュートを安心してご利用いただくための知識を身につけてください。
不測の事態!断水すると一体どうなるの?
断水とは、水道供給が一時的に中断される状況を指します。この状況では、水が水道から家庭や建物に供給されず、蛇口から水が出なくなります。
断水の原因はさまざまで、水道管の故障、メンテナンス作業、天候の影響、災害などが考えられます。断水が起きると、生活に必要な水を使用できなくなるため、注意が必要です。
エコキュートの場合、断水が解消された後に適切な対策を取ることが重要です。
計画断水とは
計画断水は、あらかじめ計画された水道供給の中断または停止のことを指します。これは通常、水道公社や関連する組織が、定期的なメンテナンス、修理、配管の更新、水質改善などの目的で行うことがあります。計画断水は事前に告知され、特定の日時に予定されています。予め告知されることで、住民や事業所は断水に備えることができます。
計画断水の主な目的は、水道システムを適切に維持し、安全な水供給を確保することです。また、水質改善のために配管を清掃するなどの作業も行われることがあります。
緊急断水
緊急断水は、通常の水道供給が予期せず中断される緊急の状況を指します。このような状況は、水道管の破裂、大規模な配管の故障、自然災害、事故、供給源の問題、水質問題などさまざまな要因によって引き起こされることがあります。
緊急断水は、予告なしに発生するため、住民や事業所にとって予期せぬ問題を引き起こすことがあります。このような状況では、水の供給が一時的に停止し、日常生活や事業活動に影響を及ぼす可能性が高いため、迅速かつ適切な対処が求められます。
緊急断水の場合、水道公社や関連機関はできる限り早く修理や復旧作業を行い、水供給を回復させる努力をします。
断水が起きた時のエコキュートの対処方法
計画断水、あるいは緊急断水が発生したときはエコキュートの給水止水栓をできるかぎり速やかに閉めましょう。
エコキュートの断水時の対処方法は以下の通りです。
まず、エコキュートの電源を切り、給水停止栓を閉めます。断水が解消されたら給水停止栓をゆっくり開け、エコキュートに水を供給します。
エコキュートが正常に動作するか点検し、不具合があれば必要に応じて専門家に修理を依頼しましょう。正常な運用が確認されたら、通常の運用に戻すことができます。取扱説明書やメーカーの指示に従い、安全に対処しましょう。
なぜ断水時に給水止水栓や止水栓を閉めるのか
断水時にエコキュートの給水止水栓や水道メーター横の止水栓を閉じる行為は、貯湯タンクユニット内に泥水や空気が浸入するのを予防するための措置です。
通常、水道管は水で満たされており、圧力がかかっているため、これが泥水や異物の侵入を防ぐバリアとなっています。ただし、計画的な断水や緊急の断水時には、水道管の取り外し作業が発生する可能性があるため、これによって泥水が混入するリスクが存在します。
さらに、通常の状態では水圧によって水道管内部のサビが固定されていることがあり、断水によってこれが剥がれることで水に混ざる可能性も考えられます。
そのため、エコキュートの給水止水栓や水道メーター横の止水栓を閉じることで、貯湯タンクユニットへの泥水やサビの混入を防ぐ対策が必要です。
断水が終わった後のエコキュートの対処方法
断水が終わっても、直ぐにお湯を使おうとするのは止めましょう。断水が解消されたら、給水停止栓を少しずつ開栓してください。急激な水の供給はエコキュートに負荷をかける可能性があるためです。また、水道管内部に泥や空気が混じっている可能性があるため、まずは水だけを流して様子を見ます。
なお、エコキュートの給水止水栓を閉めたかどうかで、対処方法が異なります。順番に解説します。
エコキュートの給水止水栓を閉めた場合の対処方法
エコキュートの給水止水栓を閉じている場合、断水が解消されてもそれを閉じたままにしておきます。
最初に、蛇口のハンドルを水側に向け、泥水や空気が供給されなくなるまで水を出し続けます。
給水止水栓が閉じていても、水は蛇口から出ます。さらに、給水止水栓を閉じていると、誤ってハンドルを湯側に向けても、泥水や空気がエコキュートの貯湯タンクユニットに混入しないようになります。
蛇口から泥水が出ないことを確認したら、エコキュートの給水止水栓を開栓します。
エコキュートの給水止水栓を閉めていない場合の対処方法
エコキュートの給水止水栓が開いていない場合、家の水道メーター横の止水栓の開栓を行います。
次に、蛇口のハンドルを水側に向け、水道からの供給が泥水や空気といった不純物を含まなくなるまで水を出し続けます。この段階で、エコキュートの給水止水栓が閉じていないことを確認し、絶対にハンドルを湯側に向けないようにしましょう。
水が綺麗であることを確認したら、水道メーター横の止水栓を開ける作業を行います。また、断水に伴うエラーコードが表示された場合は、取り扱い説明書にしたがってエラーのリセットを試みることも検討してください。
断水時の注意点
断水時には次のことに注意しておきましょう。
トイレや洗濯機の止水栓も閉めておく
断水時には、トイレや洗濯機の止水栓も閉めておくことが重要です。これにより、水を不用意に使用しないようにし、断水解消後の水圧の急激な上昇を防ぎます。止水栓は通常、該当する設備の近くに取り付けられています。
断水時にエコキュートの給水止水栓を閉めておくのは、泥水や汚れ、サビなどが貯湯タンクユニットに入ると故障の原因になるからです。
同様に、トイレや洗濯機に泥水やサビが混じってしまうと、エコキュートが故障する可能性が高まります。そのため、断水時はエコキュートだけでなく、トイレの給水止水栓や洗濯機の蛇口なども閉めておく必要があります。
断水が終了してもすぐに水を出そうとしない
計画断水や緊急断水が終わったとしても、すぐに水を出そうとしてはいけません。水道管内に空気や異物が混入している可能性があるため、最初に水を流す前に外部の蛇口から始めることが安全です。
断水の規模や内容にもよりますが、終了しても水道管内が満水になっていない、水道管内の洗浄が完全に終わっていない可能性があります。
また、水道水は配水池に近いほど水が早く出る仕組みとなっているので、配水池から遠いとすぐに水は出ません。
そのため、断水が終わったからと言ってすぐに水を出そうとしても、上手くいかない場合もあります。自治体や建物の管理者から案内や通知が届くまで待ってみましょう。
水を出す蛇口は外の蛇口から始める
断水解消後、水を再び使用する際には、外の蛇口から始めることをおすすめします。
断水が終わった後の水道管は泥やサビ、ゴミ、空気などを巻き込みながら給水されます。そのため、断水後に水を出そうとすると、空気を吐き出すような音が断続的に続き、白く、あるいは茶色く濁っています。
断水後に行う水出しは、蛇口に負荷をかけるため故障の原因となります。そのため、断水後に水を出すなら、室外にある蛇口から始めると、水道管内の空気や不純物が排出され、屋内の設備に悪影響を及ぼすリスクを軽減できます。また故障した場合の修理代を抑えることができます。
外の蛇口から水を流し、徐々に室内の蛇口に移行しましょう。
洗面台やキッチンの洗管時にはフィルターを外す
洗面台やキッチンの蛇口を使用する際、水が流れる前にフィルターを外すことを検討しましょう。断水解消後、フィルターに異物が詰まっている可能性があるため、フィルターを取り外してから水を流すことで、スムーズな水の供給を確保できます。
断水後の水は泥やサビが混じっている可能性が高いので、フィルターを付けたままだと目詰まりの原因となります。フィルターを外してから、水を出して、汚れや空気が無くなるのを確認します。
断水時にお湯を利用することはできるの?
断水時にエコキュートのお湯を利用することは一般的に難しいです。エコキュートは通常、水道からの給水を利用してお湯を生成するため、断水時には給水が停止するためです。
エコキュートは水道水を加熱してお湯を供給するシステムであり、水道水の供給が途切れるとエコキュートの機能が制限されます。そのため、断水時にはエコキュートからお湯を利用することが難しいか、おそらくできないでしょう。
断水中にお湯が必要な場合、予め貯湯タンクにお湯をためておくことが考えられますが、これもタンク内のお湯が尽きるまでの一時的な対処方法であり、長期的な断水には対応できません。
なお、貯湯タンクユニット内部のお湯は高温なので、出すときは注意しましょう。また、貯湯タンクユニットのお湯は飲用水として使用するのは推奨できません。やむを得ず飲用・調理に使う場合は、煮沸して使いましょう。
断水時には節水を心がけ、緊急の場合は代替手段を検討することが重要です。
まとめ
エコキュートを利用中に断水が発生した場合、以下が対処方法です。断水が発生すると、エコキュートは自動的に停止しますが、そのまま放置すると故障の原因となる可能性があります。
断水の原因がエコキュートに関連している場合、エラーコードが表示されることがあります。この場合、まずはエコキュートの給水止水栓を閉めましょう。
さらに、家全体の水回りや機器に泥水やサビが混入しないよう、水道メーター横の止水栓も閉めておくことが重要です。
その後、トイレや洗濯機の栓も閉めて断水の解消を待ちます。ただし、断水が終了しても、すぐに水を使用しようとしないようにしましょう。外部の蛇口などを開いて、泥水やサビ、空気などが排出できたか確認してから、お湯を使用することを検討しましょう。
断水時の適切な対処は、エコキュートと水回りの設備を守り、安全かつ効率的に復旧させるために重要です。
エコキュートは環境に優しく、家計にやさしい選択です。この給湯器はヒートポンプ技術を駆使して、外部の熱源や空気からお湯を効率的に生成します。結果として、環境にほとんど負荷をかけず、二酸化炭素(CO2)排出も少ないのです。
寒い季節でも安心してお湯を楽しめるのもエコキュートの強みです。低温でも効率的にお湯を供給し、冷たい季節にも快適な入浴を叶えてくれます。
エコキュートはオール電化住宅の理想的な選択肢で、家計の節約や環境への配慮に貢献します。ぜひ、その魅力を検討して、快適な生活を手に入れてみてください。
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