蓄電池+太陽光発電!同時に設置するメリットと注意点とは

蓄電池+太陽光発電!同時に設置するメリットと注意点とは

2021年以降、再び太陽光発電システムへの需要が急増しています。新しい住宅を建設する際に太陽光発電の導入を検討する方や、既存の住宅に後付けで太陽光発電を設置する計画を立てる方が増加傾向にあります。

さらに、東京都では住宅用太陽光発電の設置を義務化する条例が制定され、太陽光発電の導入を真剣に検討する人が増えています。こうした背景から、弊社には太陽光発電を導入検討中のお客様から、「蓄電池も同時に設置すべきか?」との質問が増えています。

太陽光発電単体でも売電収入を得ることは可能ですし、自家消費に切り替えることもできます。しかし、電力を効率的に活用するためには、蓄電池の併用が不可欠です。この記事では太陽光発電と蓄電池の同時設置による利点や注意点について詳しく説明します。蓄電池の利点や設置メリットについて知りたい方、蓄電池の併設に関するメリットとデメリットを理解したい方は、ぜひ参考にしてください。

住宅用太陽光発電の基本

住宅用太陽光発電は、通常、出力が10kW未満の太陽光発電システムを指します。このような小規模な太陽光発電設備は、一般的に住宅の屋根やカーポートに取り付けられており、そのため「住宅用」という名称が使われています。

太陽光発電の動作原理は、まず太陽光パネルが太陽からの光を吸収し、太陽電池セルがその光を直流電力に変換し、それをパワーコンディショナに送ります。パワーコンディショナは、電力を制御するだけでなく、直流電力から交流電力への変換も行います。

一般的な家庭用電化製品や生活家電、照明設備などは、通常、交流電力を使用するように設計されています。そのため、太陽光パネルで生成された電力を使用するには、まずパワーコンディショナによって交流電力に変換する必要があります。

交流電力に変換された電力は、分電盤を経由して照明設備や各部屋のコンセントなどに供給されます。

ただし、住宅用太陽光発電単体では電力を貯蔵できないため、以下で説明する蓄電池と組み合わせることが重要です。

家庭向け蓄電池の概要

家庭用蓄電池は、家庭内で電化製品や照明を動かすために開発された電池の一種です。モバイルバッテリーとは異なり、通常、5kWhや7kWhなどの容量を持ち、冷蔵庫、電子レンジ、テレビなどの複数の機器を数時間にわたって動作させることができるのが特徴です。

蓄電池内部には、正極と負極と呼ばれる電極が装備されており、これらの電極間で電子が移動することによって充電や放電が行われます。また、電池内には電解液が存在し、電子の移動を円滑にする役割を果たしています。

家庭用蓄電池の主要な機能は、太陽光発電からの電力受け入れや電力会社からの供給電力の充電、充電された電力の自由な利用などです。異なるメーカーによって蓄電池に搭載されるモードは異なりますが、太陽光発電と組み合わせる場合、通常は太陽光発電からの電力を優先的に貯蓄し、電力会社からの供給を最小限に抑える設定となります。

家庭用蓄電池の充放電に関する制御機能は、年々進化しており、最新の設備を比較検討することが重要です。

太陽光発電と蓄電池の連携の仕組み

住宅用太陽光発電と家庭用蓄電池の協力は、太陽光発電によって生み出された電力を蓄電池に充電し、必要なときに電力を供給する方法です。

具体的な例を挙げれば、ある日の昼間に住宅用太陽光発電が余分な電力を生成した場合、その電力を自宅のコンセントから使用したり、照明やIHクッキングヒーターなどの電化製品に利用したりできます。また、発電した電力が余剰になった場合、それを蓄電池に充電しておき、必要なときに放電や自家消費することができます。また、発電した電力を電力会社に売却することもできます。

太陽光発電と蓄電池の同時導入の利点

太陽光発電と蓄電池を同時に導入し、蓄電池を活用することには、電力料金を節約したい人や非常時に備える必要がある人々に多くの利点があります。以下では、太陽光発電と蓄電池の同時導入に伴うメリットを一つずつ詳しく見ていきましょう。

家電の利用を停電時や夜間でも確保できる

太陽光発電と蓄電池を同時に設置することで、災害などによる停電時でも家庭内のあらゆる部屋の設備やコンセントから電力を利用できるようになります。

通常、太陽光発電単体では限られたコンセントからしか電力を取り出せません。たとえば、リビングに太陽光発電用のコンセントを設置しても、停電時にはリビング以外の場所から電力を取り出すことはできません。これにより、冷蔵庫やテレビ、ラジオ、スマートフォンの充電など、複数の電化製品や機器の動作が制限されます。

さらに、大型エアコンやIHクッキングヒーターなどの「200V」電源を必要とする機器は、太陽光発電単体では停電時には稼働しません。

一方、特定負荷型蓄電池を併用する場合、停電が発生した際には、あらかじめ蓄電池の配線と接続しておいたほとんどの部屋で電力を使用できます。つまり、各部屋の照明やリビングの冷蔵庫、電気ポットなども動作させることができ、あらかじめ接続しておいた部屋のコンセントからも電力を取り出せます。

さらに、全負荷型蓄電池を設置した場合、あらかじめ配線を接続しておいた部屋だけでなく、全ての部屋で電力を使用することが可能です。これにより、IHやエコキュート、大型のエアコンなど、200V電源を必要とする機器も利用できます。

もし太陽光発電を停電対策や災害対策の一環として設置する場合、太陽光発電と蓄電池を同時に設置し、併用することが非常に重要です。家族やペットの安全を守るためにも、蓄電池の検討をおすすめします。

電気代の節約の効果を最大化できる

太陽光発電と蓄電池を同時に設置するか、後から蓄電池を追加して併用することで、電気料金の削減効果を最大限に引き出すことができます。

自宅の屋根に住宅用太陽光発電を設置した場合、自宅内で発電した電力を使用できます。最近では在宅ワークが増加し、電力費の節約を目指す人々が増えており、太陽光発電の導入が一般的となっています。

しかし、太陽光発電は日出前や日没後、雨雪の日など発電が制限される状況があり、その時には太陽光発電の電力を利用できません。さらに、全量自家消費型のシステムに切り替えた場合、未使用の電力は無駄になります。この無駄な電力は後で取り戻すことができません。

蓄電池を併用することで、未使用の電力を蓄えることができ、発電量より消費量が少ない時に電力を保存できます。そして、消費が多い時間帯に蓄電池から電力を供給することで、太陽光発電の電力を無駄なく活用できます。

さらに、電気料金プランによっては時間帯によって電気料金が変動することがあります。例えば、一部の電力会社のスマートライフプランでは、電気代が時間帯に応じて変動します。蓄電池を使用する際、安い時間帯に充電し、高い時間帯に電力を供給する設定をすることで、電気料金を抑えることができます。

これにより、高額な電力料金を支払う必要があった時に、夜間の低単価で電力を使用できるため、太陽光発電との連携により、大幅な電力費削減が実現できます。ただし、この効果は各家庭の電力消費量と電力料金プランによって異なります。

FIT制度の終了後にも有効な選択

FIT制度が終了した後も太陽光発電を運用する際には、蓄電池の導入が長期的な利益をもたらします。

住宅用太陽光発電を設置し、FIT制度の認定を受ける場合、通常は固定買取価格での売電が10年間可能です。FIT認定期間の終了後、同制度の価格で電力を売ることはできません。

卒FIT時に太陽光発電を運用する場合、電力会社が提供する卒FIT向けの電力買取プランに加入するか、全量自家消費に切り替える必要があります。通常、卒FIT向けの電力買取プランは固定買取価格よりも低価格に設定されているため、全量自家消費への切り替えが有益な選択です。

全量自家消費に切り替え、電力費を効率的に削減するためには、蓄電池の運用が不可欠です。蓄電池を併用することで、余剰な電力を保存し、夜間や電力使用が多い時間帯など、必要に応じて自家消費することができます。

また、太陽光発電と蓄電池を同時に設置しておくことで、卒FIT後にスムーズに全量自家消費へ切り替えることが容易になります。

蓄電池のみよりも経済的に優れた選択

太陽光発電と蓄電池を同時に設置することは、蓄電池単独よりも経済的な利益が大きい選択肢です。

蓄電池の利点は、電力の利用状況に応じた充電と放電つまり電力の使用ができることです。しかし、単体では電力会社からの電力供給が必要です。時間帯別電力プランに加入している場合、蓄電池を使用することで電力料金を削減する機会があります。しかし、最近の電力料金の上昇により、時間帯別プランだけでは電力料金の削減が難しくなっています。

太陽光発電と蓄電池を連携させると、太陽光発電から発電された電力を蓄電池に供給できます。また、電力消費が高い時間帯には、蓄電池だけでなく太陽光発電の電力を活用することで、電力の購入量を効果的に削減できます。

電力料金の削減を最大化したい、電力料金の負担を軽減したい場合、蓄電池だけでなく太陽光発電を同時に利用することを検討することが重要です。

同時設置の方が導入コストを抑えられる

太陽光発電と蓄電池を同時に導入することは、それぞれ別々に導入するよりもコストや設置手続きにおいて利点があります。

太陽光発電と蓄電池を同時に購入する場合、同じ施工会社によって同日に両方の設置工事を進めることができます。

太陽光発電と蓄電池の設置工事費は発生しますが、設置工事の人件費や部材の調達や運搬費用などは一度の作業でまとめて済ませることができます。

一方、太陽光発電を設置した後に蓄電池を追加する場合、工事費用自体は同じでも人件費が倍になります。

さらに、太陽光発電と蓄電池を別々の日に別のメーカーから設置する場合、部材費に関する負担が増加することになります。

太陽光発電と蓄電池の設置費用を抑えるために、補助金制度の活用も非常に重要です。一部の自治体では、太陽光発電と蓄電池を同時に導入する際に、補助金の金額を増額して提供しているケースもあります。太陽光発電を新たに導入する場合、蓄電池の同時導入を検討し、予算の計画や準備を行うことがおすすめです。

太陽光発電と蓄電池の同時導入に伴う注意点

続いては、太陽光発電と蓄電池を一緒に導入することで考えられるデメリットを確認していきます。

初期費用の負担が大きい

太陽光発電と蓄電池を同時に導入する場合、それぞれの初期費用を同時に負担する必要があります。

住宅用太陽光発電の初期費用は、出力5kWの場合で約150万円程度かかります。一方、出力9kWの場合は、初期費用が200万円を超えることもあります。蓄電池の場合、太陽光発電よりは費用相場が低い傾向にありますが、容量が4〜7kWhであっても約90万円から160万円程度の費用がかかります。両方を導入する場合、少なくとも300万円以上の初期費用が必要となります。

太陽光発電と蓄電池の価格は年々下がってきていますが、それでも簡単に手の届く金額ではありません。初期費用の支払いに負担を感じる場合、補助金制度の活用や、太陽光発電を先に導入するなどのアプローチを検討することが重要です。

太陽光発電と蓄電池それぞれにメンテナンス費用がかかる

太陽光発電と蓄電池を設置した後は、各機器の定期的な保守点検とメンテナンスにコストがかかります。

太陽光発電と蓄電池は、長期間の使用により徐々に劣化し、発電量や充電容量の低下、部品の損傷、電子回路の故障などが発生する可能性があります。そのため、専門業者による定期的な点検や部品交換が必要です。太陽光発電は、FIT法によって定期的なメンテナンスが義務化されています。

さらに、自然災害(地震、台風、豪雨、積雪)、事故、盗難、破損などによる損害が発生した場合、機器や部品の修理・交換費用がかかることも考えられます。

太陽光パネルは通常20年から30年の寿命を持ち、パワーコンディショナーや蓄電池は10年から15年程度の寿命です。FIT期間が終了しても、これらの機器を交換しなければならない可能性があることを考慮する必要があります。

太陽光発電と蓄電池を導入する際には、維持管理費用についての計画と予算を確保し、年間の収支を正確に計算および分析することが重要です。

設置スペースが必要

太陽光発電と蓄電池を同時に設置する場合、屋根以外にもスペースを確保する必要があります。

住宅用太陽光発電は、通常住宅の屋根に設置されるため、特殊な形状や素材を必要とせず、比較的簡単に設置できます。一方、蓄電池の設置場所は、屋内の床や屋外の地面(庭や駐車場など)となるため、事前に適切なスペースを確保する必要があります。

屋内設置型の家庭用蓄電池は、一般的にエアコン室外機1台分程度のスペースを必要とします。

屋外設置型の場合も、基本的にはエアコン室外機1台分ほどのスペースが必要ですが、蓄電容量によっては2台分ほどのスペースが必要な場合もあります。さらに、蓄電池を固定するための基礎を設置する必要もあります。

蓄電池の重量は、屋内設置型では約60kgから始まり、製品によっては170kg程度になることもあり、屋外設置型や大容量の蓄電池では200kg以上になることもあります。

また、屋外に蓄電池を設置する場合、スペースだけでなく湿度や直射日光など、設置環境についても注意が必要です。高湿度の場所では、劣化や故障のリスクが高まります。直射日光の当たる場所では、蓄電池の過熱や効率低下、故障の危険性があるため、適切な環境を確保することが重要です。

太陽光発電の出力に合わせた蓄電池の選定が不可欠

太陽光発電と蓄電池を同時に利用する場合、それぞれの出力と容量に応じて設備を選択する必要があります。

太陽光発電の出力は、発電量をkWh単位で示しており、蓄電池の容量は充電可能な電気の量をkWhで示しています。

例えば、太陽光発電の出力が蓄電池の容量よりも小さい場合、必要な電力を蓄えることができず、余分な電力が失われる可能性があります。逆に、蓄電池の容量が太陽光発電に比べて過剰に大きい場合、スペースや初期費用、維持管理費用に関する負担が増加することが考えられます。

出力には限界がある

太陽光発電と蓄電池の設置によって電気代を削減できると言っても、発電能力や蓄電容量には限界があります。また、電気代を完全にゼロにしようとして予算を超えて設備を購入すると、家計に負担をかけ、生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

太陽光発電と蓄電池の導入を検討する際には、家庭の予算、初期費用の回収期間の計算、収支のシミュレーション、設置場所の環境、現実的な毎月の電気代削減額などを検討し、販売業者との詳細な相談が重要です。

既存の太陽光発電システムに蓄電池を組み込む方法

既に住宅用太陽光発電を導入済みの場合、ハイブリッド型家庭用蓄電池の設置を検討することをおすすめします。

ハイブリッド型家庭用蓄電池は、太陽光発電と蓄電池の制御と出力を1つのパワーコンディショナで行うタイプの蓄電池を指します。

単機能型蓄電池(ハイブリッド型でない製品)を後から追加する場合、太陽光発電と蓄電池のためにそれぞれパワーコンディショナを設置する必要があります。さらに、発電した電力を2つのパワーコンディショナ間で送電するため、変換の効率低下により充電容量が減少する可能性があります。

一方、ハイブリッド型家庭用蓄電池を設置すると、太陽光発電からの電力変換、蓄電池への充電、放電、売電など、さまざまな制御を1つのパワーコンディショナで一括して行うことができます。また、電力の損失率が低いため、電力の効率的な利用が可能です。

太陽光発電と蓄電池の提供店選びの要点

太陽光発電や蓄電池の販売店を選ぶ際には、価格だけでなく実績やサービス品質を考慮することが重要です。

価格が極端に低い販売店は魅力的に見えるかもしれませんが、施工品質に問題があったり、何らかのコストを削減している可能性があるため、注意が必要です。また、見積もりが提示された場合は、費用と項目が詳細かつ丁寧に記載されているか確認することが重要です。

見積もりが費用項目の詳細情報を欠いている場合、サービス品質や信頼性について疑念が生まれることがあります。また、金額や項目に関する質問に迅速に対応する販売店は、信頼性や専門知識の面で有利です。

その他、蓄電池の幅広い選択肢を提供する販売店や、充実したアフターサービスを提供する販売店を比較することも大切です。

蓄電池と太陽光発電は同時設置で協力効果を最大化!

太陽光発電と蓄電池を同時に設置するか、後から蓄電池を追加することは、電気代の削減効果の向上や非常用電源としての利用性向上など、さまざまなメリットがあります。特に、蓄電池を同時に設置することで、コストを抑えやすく、費用面での利点があります。

最近の物価上昇や高騰する電気代に悩む方、非常用電源を備えたい方などは、太陽光発電と蓄電池の設置を検討することをおすすめします。

家庭用ソーラーパネルと蓄電池を同時に導入することで、エネルギー自給率が向上し、家計にも環境にもやさしい選択となります。自然エネルギーを有効活用して、持続可能な未来への一歩を踏み出しましょう。

和上ホールディングスでは、太陽光発電や蓄電池の導入に関して専門知識と経験を持ったスタッフがサポートいたします。ご希望に合わせた最適なプランを提案し、設置時のコスト削減に貢献いたします。

太陽光発電や蓄電池の導入に関するご相談は、和上ホールディングスにお任せください。皆様のエネルギー節約と経済効果の最大化をサポートいたします。

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