コラム

卒FIT後の蓄電池導入はデメリットしかないの?対策と有効活用手段をご紹介

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卒FIT後の蓄電池導入はデメリットしかないの?対策と有効活用手段をご紹介

卒FIT後の太陽光発電システムに、蓄電池を導入するメリットは多く、エネルギーの自給自足や停電時の安心感などがあります。しかし、蓄電池の導入にはデメリットも存在します。卒FIT後に蓄電池を検討する際、そのデメリットを理解して適切な対策をとることが大切です。

今回の記事では、卒FIT後の蓄電池導入におけるメリットとデメリット、蓄電池の選び方から寿命とメンテナンスについて詳しく解説します。

卒FIT後のエネルギー選択肢として、蓄電池を有効に活用する方法を知っておいて損はありません。

卒FIT後の売電価格変動と影響

太陽光発電システムの所有者にとって、FIT(固定価格買取制度)は長らく安定した収益を提供してきました。しかし、FIT期間が終了すると、売電価格に大きな変動が生じ、その影響が太陽光発電にどのようにおよぶのか気になるところ。

まずはじめに、卒FIT後の売電価格の変動とその影響について見ていきましょう。

FIT適用中と卒FIT後の売電価格の違い

FIT適用中と卒FIT後の売電価格は大きく異なります。特に、FIT制度開始の2012年にFIT制度を利用し始めた家庭では、売電価格が4分の1以下になることが現実となります。そのため、卒FIT後に売電を続けても、以前のような売電収入を得ることは難しい状況です。

FIT制度開始の2012年の1kWhあたりのFIT売電価格は、10kWh以上で40円、10kWh未満で42円でした。これに対して例えば、現在の東京電力の売電価格は、1kWhあたり8.50円となっています。この価格差は明らかで、FIT期間が終了した場合、売電価格が33.5円も下がることが予想されます。

卒FIT後の売電価格の急激な低下は、太陽光発電のオーナーにとっては課題となりますが、蓄電池の導入や電力の自家消費を最適化することで、収益の維持や向上が期待できます。

卒FIT後に蓄電池を導入するメリット

FIT制度が終了すると、太陽光発電所のオーナーにとって新たな課題が生じますが、蓄電池の導入はその課題に対処するための有力な選択肢です。卒FIT後に蓄電池を導入した際の主なメリットについて解説します。

電気代の節約になる

近年、電気料金の高騰が続いており、多くの家庭が電力のコストに悩まされています。燃料費の上昇などがその主な理由です。

高い電気料金に対抗する方法として、太陽光発電システムと蓄電池の導入が注目されています。なぜなら、これらのシステムを導入することで、光熱費を劇的に削減するチャンスが広がるからです。

太陽光発電システムと蓄電池を導入している場合、昼間に発電した電力を自家消費することができるだけでなく、余った電力を蓄電池に充電します。そして、夜間になると、この蓄電池から電気を使用することができます。これにより、高額な昼間の電気料金を避けつつ、夜間も安価な電力を活用できるのです。

なお、実際の光熱費の削減額は、太陽光発電システムの規模や発電量に依存しますが、蓄電池の導入によって、家計にとってかなりの節約が実現することが期待されます。

光熱費の削減は、蓄電池の魅力の一つであり、経済的なメリットが大きいことから、多くの家庭がこの技術に注目しています。

長期停電の対策になる

太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせは、停電に対する強力な対策として注目されています。通常の停電対策とは異なり、このシステムは電力供給の中断時にも家庭の電力需要を確保できる利点があります。

通常、太陽光発電システムのみを導入している場合、昼間に発電が行われるため、夜間には十分な電力供給がありません。しかし、太陽光発電システムと蓄電池を併用する場合、昼間に発電された電力を蓄電池に充電することで、夜間でも電気を使用することができます。これにより、停電時でも家庭の基本的な電力ニーズを満たすことが可能です。

さらに、長期停電が予想される場合でも、太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯め、翌日に備えることができます。これにより、停電の持続時間に関係なく、安定した電力供給を維持できるのです。

また、長期停電への対策だけでなく、災害時にも太陽光発電と蓄電池は非常に有用です。地域の電力供給が途絶えた場合でも、家庭内の電力確保が可能となり、暖房や冷房、照明などの生活設備を維持できます。このような対策により、家庭の安全性と快適さを向上させることができるのです。

EV(電気自動車)ユーザーには大きなメリット

太陽光発電システムで生成された電力を、夜間にも有効に活用することができる蓄電池は、EV(電気自動車)ユーザーにとってとても魅力的なメリットになり得ます。特に夜間に、EVを充電したいと考える人々にとって、これは大きな燃料費節約につながります。

EVユーザーにとって、太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせは、二重のメリットをもたらします。まず第一に、太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めておくことで、EVの充電に再利用できます。このため、日中に発電した電力を夜間に利用することができ、充電にかかるコストを大幅に削減できます。電気代の節約は、EVユーザーにとって大きな魅力です。

さらに、EVユーザーが太陽光発電システムと蓄電池を導入していれば、V2H(Vehicle-to-Home)という技術も利用できます。これは、EVから家庭へ電力を供給する仕組みで、停電時にはEV内蔵の電力を建物内で利用できます。V2Hの導入により、蓄電容量が増加し、長期停電時にも快適な生活を維持できるでしょう。

EVユーザーにとって、V2Hは予期せぬ状況に備える強力なツールとなります。

太陽光発電のパワコンをアップグレード

太陽光発電システムをより効率的に活用するために、蓄電池のアップグレードが重要です。特に、ハイブリッド蓄電池とトライブリッド蓄電池は、その効果的な選択肢となります。

ハイブリッド蓄電池は、太陽光発電システムと蓄電池のパワーコンディショナー(パワコン)を一体化しており、電力の変換プロセスを効率的に行います。

この統合型のシステムを導入することで、太陽光発電システムの性能向上が期待できます。また、卒FIT制度下であっても、ハイブリッド蓄電池の導入は家庭において非常に有益です。

EV(電気自動車)を所有している家庭においては、トライブリッド蓄電池が検討してみるのも良いでしょう。

トライブリッド蓄電池は、太陽光発電システムと蓄電池に加え、V2Hのパワーコンを一体化できる蓄電池です。これにより、停電時にEV内の電力を建物に供給でき、長期停電にも対応できます。

トライブリッド蓄電池は、大手メーカーを例に挙げるとシャープとニチコンから製品が提供されています。ご興味がある方はぜひ調べてみてください。

この蓄電池は、太陽光発電システムをさらに進化させ、家庭の電力供給の安定性と効率性を高める手段として注目されています。

太陽光発電システムを保険加入できる可能性も

太陽光発電システムと蓄電池を導入する際、利用時の安心感を高める方法として、太陽光発電システムに保険を選択することがあります。これは、卒FITを迎える家庭にとって重要な要素の一つです。なぜなら、太陽光発電システムは10年以上にわたって使用され、故障やトラブルが発生する可能性があるからですね。

保険には一般的に2つの選択肢があります。一つ目は、太陽光発電システムのメーカー自体が、故障や損傷に対する保証を提供している場合。この場合、システムの故障がメーカーの保証範囲内であれば、修理や交換が無償で行われます。ただし、保証期間や条件には注意が必要です。

二つ目は、太陽光発電システムを販売した販売店などが、独自の保険プランを提供する場合。これらは通常、メーカーの保証を補完し、より包括的な保護を提供します。例えば、自然災害や盗難に対する保険も含まれることがあります。

卒FITを迎え、蓄電池の導入を検討する場合、既存の太陽光発電システムへの保険について調べておくのも必須です。ご自身にあった保険の選択は、太陽光発電システムの安定稼働を保ち、将来のリスクに備える重要なステップにもなります。

卒FIT後に蓄電池を導入するデメリット

卒FIT後に蓄電池を導入することには多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。続いて、蓄電池の導入に伴うデメリットについて見ていきましょう。

高い導入費用

蓄電池の導入には、高い初期費用がかかることが挙げられます。蓄電池自体の価格や設置に関わる工事費用、さらには専門家による設計やインストール費用が含まれます。これにより、導入時のコストがかさみ、一部の家庭にとっては手が届かない場合もあります。

ただし、蓄電池市場は競争が激化しており、価格が下がる傾向があります。また、一部の地域では政府の補助金や税制優遇措置が適用されることもあるため、検討する価値はあります。導入費用については、慎重な計画と情報収集が必要です。

メンテナンス費用の必要性

蓄電池を導入した場合、定期的なメンテナンスが必要です。蓄電池の性能を維持し、長く安全に使うためには、バッテリーの定期的な点検や交換が必要です。これにかかる費用は、所有コストに加える必要があります。

メンテナンスの頻度やコストは、蓄電池の種類やメーカーによって異なります。また、専門家による点検や保守契約を結ぶことで、トラブルの早期発見やコストの抑制が可能です。蓄電池の導入を検討する際には、メンテナンスについても考慮しましょう。

卒FIT後は売電よりも蓄電池導入がおすすめな理由

太陽光発電システムを導入した家庭では、余った電力を売電して収益を得ることができます。しかし、卒FIT後に売電価格が大幅に下がることが予想されるため、売電よりも蓄電池の導入を検討することが推奨されています。その理由について見ていきましょう。

電気料金と売電価格の比較

まず売電価格と比較して、自宅での電気使用による節約が大きいことが挙げられます。卒FIT後の売電価格は大幅に低下するため、売電による収益が以前ほど魅力的ではありません。そのため、自家消費による電気料金の節約が、蓄電池導入の主なメリットとなります。

自宅で発電した電力を蓄電池に貯め、夜間や雨天時に使用することで、電気料金の支出を大幅に削減できます。売電に頼るよりも、自分自身の電力を最大限に活用することで、経済的なメリットを享受できるのです。

また、蓄電池の導入には専門家からのアドバイスを受けることが大切です。自宅の電力需要や発電量に合わせて最適な蓄電池システムを設計することで、さらなる節約効果を期待できます。

卒FIT後の蓄電池の選び方

卒FIT後に蓄電池を導入するとき、適切な蓄電池を選ぶことはとても大切です。

太陽光発電システムとの組み合わせや家庭の電力ニーズに合った蓄電池を選ぶことで、最大のメリットを受けることができます。では、卒FIT後の蓄電池の選び方について解説します。

太陽光発電のパワコン交換の場合「ハイブリッド蓄電池」

ハイブリッド蓄電池は、太陽光発電システムと蓄電池のパワコンを一体化し、電力の効率的な変換を可能にします。太陽光発電システムのパワコンを新しくすることで、蓄電池との連携がスムーズに行えます。

このタイプの蓄電池は、卒FIT後の家庭において太陽光発電との相性が良く、エネルギーの無駄を最小限に抑えることができます。

ハイブリッド蓄電池の導入に際しては、太陽光発電システムのパワコン交換にかかるコストや、新たなシステムの適合性を検討する必要があります。専門家のアドバイスを受けながら、最適なハイブリッド蓄電池を選ぶことが大切です。

パワコンが使える場合「単機能蓄電池」

単機能蓄電池は、既存の太陽光発電システムに独立して導入できる蓄電池の一種です。太陽光発電システムのパワコンが現行のままでも十分な場合、単機能蓄電池を導入することが選択肢として考えられます。

このタイプの蓄電池は、簡単な設置と低コストが魅力で、卒FIT後に蓄電池を追加する際に適しています。

単機能蓄電池の選択に際しては、太陽光発電システムとの互換性や容量を検討する必要があります。また、パワコンが使える場合でも、蓄電池導入による電気の制御について専門家と相談することが重要です。

EV(電気自動車)導入予定者向け「トライブリッド蓄電池」

トライブリッド蓄電池は、太陽光発電システムと蓄電池に加え、EV(電気自動車)の充電やV2Hの機能を組み合わせた蓄電池です。

EVを既に所有しているか、将来的に導入予定のある家庭におすすめです。この蓄電池は、停電時にEV内の電力を建物に供給することができ、蓄電容量を増やすことができるため、電力の安定供給が求められる状況に適しています。

トライブリッド蓄電池の選定に際しては、太陽光発電システムとEVの充電スケジュール、V2Hの利用計画を考慮に入れる必要があります。さらに、ニチコンとシャープから選ぶことができるため、性能や価格などを比較し、最適な蓄電池を選ぶことが肝要です。

卒FIT後の売電価格変動への対策

太陽光発電を導入し、FIT制度を受けていた家庭が卒FIT(固定価格買取制度)に移行する際、売電価格が大きく変動することが課題となります。卒FIT後の売電価格変動に対処するための2つの主要な対策を紹介します。

売電契約の見直し

卒FIT後、売電価格はFIT期間中と比べて低下することが一般的です。しかし、売電価格の低下幅や期間は地域や電力会社によって異なります。まず、現在の売電契約を確認し、卒FIT後の新しい価格設定について調査しましょう。

売電価格の変動を考慮しながら、最適な売電契約を選択することが大切です。一般的な選択肢には、固定価格の契約や市場価格に連動する契約があります。自分の家庭に合った選択を行うために、電力会社やエネルギーコンサルタントからアドバイスを受けることが賢明です。

自家消費の最適化

卒FIT後、売電価格が低下することから、自家消費を最適化することが重要です。自家消費を増やすことで、売電に依存しない持続可能なエネルギーシステムを築くことができます。

自家消費の最適化には、以下の方法があります。

  • EMSの導入 EMS(エネルギーマネジメントシステム)は、電力の消費と供給を効果的に管理するシステムです。太陽光発電の発電量やバッテリーの状態をリアルタイムで監視し、エネルギーを最適なタイミングで使用することができます。
  • エネルギーストレージの増設 余剰の電力を蓄えるために、蓄電池の容量を増やすことも検討に値します。蓄電池を最大限活用して、太陽光発電から得た電力を夜間や曇りの日に使いましょう。
  • エネルギーシフトの実施 電力を消費するタイミングを調整することで、自家消費を最適化できます。洗濯機や電子レンジを太陽光発電のピーク時に動かすなど、エネルギーの使い方に工夫を凝らすことが重要です。

卒FIT後の売電価格変動に対する対策を検討する際には、家庭のエネルギー利用パターンや地域の条件を考慮し、適切な選択を行いましょう。これらの対策を実施することで、太陽光発電の利益を最大化できるでしょう。

蓄電池の寿命とメンテナンスについて

太陽光発電システムに蓄電池を導入することで、エネルギーの効率的な利用が可能になり、電気料金の削減や停電時の備えとして重要な役割を果たします。しかし、蓄電池も寿命があり、適切なメンテナンスが必要です。

次に、蓄電池の寿命を延ばす方法とメンテナンス計画の重要性について見ていきましょう。

蓄電池の寿命を延ばす方法

蓄電池の寿命を延ばすためには、以下のポイントに注意が必要です。

  • 適切な充放電サイクル 過度な充放電サイクルは蓄電池に負担をかけ、寿命を縮める原因となります。充電残量が30~80%の範囲で使用することが推奨されます。
  • 過充電・過放電の防止 蓄電池は過充電や過放電によって劣化しやすくなります。制御装置を使用して過充電・過放電を防ぎ、蓄電池を保護しましょう。
  • 温度管理 蓄電池は温度が高い状態で使用すると劣化が進みます。涼しい場所に設置し、温度管理に気をつけることが大切です。
  • 定期的な点検 蓄電池の状態を定期的に点検し、異常がないか確認しましょう。異常が見つかった場合は早めに修理や交換を行うことが寿命延長の鍵です。

メンテナンス計画の重要性

蓄電池の寿命を延ばすためには、メンテナンス計画を策定し、定期的なメンテナンスを行うことが不可欠です。

  • メンテナンススケジュールの設定 メンテナンススケジュールを設定し、定期的な点検やメンテナンス作業を実施しましょう。蓄電池のメーカーや専門家からのアドバイスを参考にすることをおすすめします。
  • 故障の早期発見 定期的なメンテナンスによって、潜在的な故障や異常を早期に発見し、修理や交換を行うことができます。これにより、蓄電池の寿命を延ばすことができます。

蓄電池の寿命を延ばし、効果的に利用するために、適切な対策とメンテナンスを行うことが大切です。また、メーカーのガイドラインや専門家のアドバイスに従うことも忘れずに行いましょう。

まとめ:卒FIT後は蓄電池導入がお得で安心な選択!

この記事では、蓄電池の選び方から寿命とメンテナンスについて詳しく解説しました。

卒FIT後の太陽光発電システムに蓄電池を導入することは、電気料金の節約や停電対策など多くのメリットがあります。蓄電池を導入する際には、高い導入費用やメンテナンス費用の必要性といったデメリットも考慮すべきですが、その対策方法も紹介しました。

卒FIT後の選択肢として、売電よりも蓄電池導入がお得で安心な選択であることが明らかです。太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせ、電力の自給自足を目指すのも選択肢の一つ。

卒FIT後も安定した電力供給と電気料金の削減を享受できることで、より持続可能なエネルギー利用が実現します。蓄電池のデメリットに対する対策を講じながら、快適で経済的な暮らしを実現しましょう。

和上ホールディングスでは、蓄電池に関して豊富な販売実績と施工件数を誇っております。特に、太陽光発電と蓄電池をセットで購入することで、よりお得に設置できるため、蓄電池のご利用や導入をお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

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