今回は、日本国内でも急速に進んでいる脱プラスチックの動きについて、なぜ今、脱プラスチックへの取り組みが必要とされているのか、そもそも脱プラスチックを実現することで、どのような効果が期待できるのかについて解説します。
脱プラスチックと聞くと、2020年7月から、コンビニやスーパーなどにおけるレジ袋の有料化を真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?レジ袋の有料化については、国民に環境問題に対する意識を持ってもらうということが目的とされていますが、この対策については「買い物が不便になっただけで何の効果もないのでは?」といった意見も根強いです。
ただ、脱プラスチックの取り組みについては、地球温暖化や海洋プラスチック問題への対応策として、世界中で活発な議論が行われていて、日本だけで行っている対策ではありません。近年では。SDGsの取り組みとして「脱プラスチック」を重要なキーワードに位置付けている企業も増えていて、プラスチックにかわる新たな素材の開発も急速に進んでいるという状況になっています。
それでは、この「脱プラスチック」は、そもそもどのような対策のことを指しているのでしょうか?この記事では、世界中で関心が高まっている脱プラスチックについて、この取り組みが重要とされる理由や実際の取り組みなどを解説します。
プラスチックが広く普及した理由
脱プラスチックの取り組みとは、文字通り「プラスチックの利用を脱する」ということを意味しています。
例えば、スーパーなどで買い物を行った際、レジ袋を利用するのではなくエコバッグを持参してそれに詰めて持ち帰る、飲食店などで使用するストローをプラスチック製から紙製の物に入れ替えるなどといった対策により、極力プラスチック製品を利用しないようにする、もしくは別の素材の製品に入れ替える取り組みのことを指しています。
昨今、さまざまな場所でこの脱プラスチックの動きが急速に進んでいますが、プラスチックは私たちの生活に非常に身近な存在であることから、なぜプラスチック製品を利用してはいけないのか…という意見も根強いです。そもそも、プラスチックがこれほどまで広く普及しているのは、他の素材にはない大きなメリットがあるからなのです。ここではまず、プラスチックの素材的なメリットをご紹介します。脱プラスチックに対する理解を深めるためには、プラスチックが持つ役割も抑えておく方が分かりやすいです。
プラスチックのメリットと役割
プラスチックが爆発的に普及した背景には、第二次世界大戦による金属不足があるとされています。プラスチックは、金属の代替品として需要が一気に高まり、さらに戦後の大量生産・大量消費社会の到来により、それを支える素材として需要が高まったのです。
プラスチックの素材的特徴としては、以下のような点が指摘されます。
- さまざまな形状に簡単に加工できる高い加工性を持つ
- 軽量なのに耐久性が高い
- 安価で大量生産できる
第二次世界大戦中は、軍需物資として金属の優先供給により、民間での金属不足が深刻化したとされます。そしてその中で、軽くて丈夫、さびない、電気を通さないなどの特性を持つプラスチックが代替品として脚光を浴び、あらゆる分野で金属製品に置き換えられていったとされているのです。
さらに戦後は、大量生産技術の発展と経済成長により、安価で利便性が高いプラスチック製品が大量消費時代を支えていたのです。例えば、使い捨ての容器や包装・梱包材などとして、どんどんプラスチックの需要が高まり、いたるところにプラスチック製品が採用される時代となったわけです。
実際に、世界のプラスチック年間生産量は、1950年以降、右肩上がりで増加していて、1950年に約150万トンだったものが2022年には4億3,000万トンにまで増えているという推定データがあるほどなのです。
プラスチックは、衛生面、耐久面、絶縁面で非常に優れた素材とされ、あらゆる場所で採用されるようになっています。実際に、普段の生活の中で、プラスチック製品に触れない日などないと断言できるほど、ありふれた素材となっています。
ただ、私たちの生活とは切り離すことができないプラスチックは、世界中で過剰に普及したことが要因で、さまざまな問題を引き起こすようになっているのです。次項で、プラスチックが問題視されるようになった要因について解説します。
データ参照:statistaより
プラスチックが引き起こしているとされる問題とは?
プラスチックの特徴だけを見ると、非常に優れた素材であり、脱プラスチックの取り組みなど必要ないのではないかと考える方が多いと思います。
ただ、昨今、脱プラスチックの動きが世界中で急速に推し進められているのには、きちんと理由があるのです。実は、プラスチックの過剰な普及は、さまざまな問題を引き起こしており、特に「地球温暖化」と「海洋汚染」の2つの面は非常に深刻な問題と捉えられています。
そこでここでは、脱プラスチックへの取り組みが必要とされる主な要因である「地球温暖化」と「海洋汚染」の2つの面からプラスチックの問題点を解説します。
プラスチックと地球温暖化問題の関係
プラスチックと地球温暖化問題については、一見何の関係性もなさそうに思えますが、プラスチックは、生産から経年劣化、そして処分という全ての過程で温室効果ガスを排出するとされるため、地球温暖化にも大きな影響を与えているとされています。
ちなみに、温室効果ガスについては、二酸化炭素(CO2)のイメージが非常に強いのですが、これ以外にもメタン(CH4)や亜酸化窒素(N2O)といったさまざまな種類の気体があり、これらは地球の温度を一定に保つ役割を果たしているとされます。
もちろん、一般的に温室効果ガスと呼ばれる気体は、一方的に「悪」というわけではありません。例えば、温室効果ガスが一切なければ、地球の表面温度は-19℃程度まで下がってしまうとされていて、人間やその他の生物が生きていくには、温室効果ガスも必要不可欠な存在なのです。
ただ、昨今ではこの温室効果ガスの濃度が高まっていて、地球全体の平均気温が上昇し、気候変動などによる災害など、世界中でさまざまな問題を引き起こしているとされます。
そのため、これ以上の地球温暖化を阻止する目的で、温室効果ガスの排出削減が重要視されるようになり、その取り組みの一つとして脱プラスチックも組み込まれているのです。
地球温暖化問題に対して脱プラスチックが必要とされるのは、以下の様な事が要因です。
・プラスチックは生産、処分の際にCO2を排出する
プラスチックが地球温暖化に影響を与えるとされる理由は、生産の際も処分の際も温室効果ガスであるCO2を排出するからです。例えば、環境問題の研究を行うアメリカの非営利組織CIEL(Center for International Environmental Law)が公表しているデータによると「プラスチック樹脂は1Mtあたり1.89Mtの二酸化炭素を排出する(1Mt=1トン)」としています。
二酸化炭素1トンは、杉の木「71本」が1年をかけて吸収する量に相当するとされていて、プラスチック樹脂1Mtが排出する二酸化炭素1.89Mtを全て吸収するには、杉の木が約150本必要とされるのです。さらに、使い終わったプラスチックは、ゴミとして焼却されることになり、その際にも二酸化炭素を排出します。この他にも、プラスチックは、石油などの化石燃料が原料となるため、大量の資源を消費する、資源の採掘や輸送の際に二酸化炭素を排出するという面もあるため、地球温暖化を大きく促進させるのではないかと危険視されるわけです。
・プラスチックは経年劣化の過程でメタンを排出する
先ほどご紹介したように、メタンも温室効果ガスの一種です。
実は、プラスチック製品は、経年劣化の過程で温室効果ガスであるメタンを排出するという論文が出ているのです。2018年に発表された論文では、レジ袋、ペットボトルなどのプラスチック製品は、太陽光や水にさらされ、劣化が進行する過程で、メタンガス、エチレンガスを発生させることがわかったとされています。メタンは、二酸化炭素の25倍もの温室効果を持つとされているため、地球温暖化の促進にプラスチックが影響すると考えられるのです。
このように、プラスチックは、製造から処分までの過程で、多くの温室効果ガスを排出することが分かってきたことから、地球温暖化対策の側面から脱プラスチックが必要不可欠であると考えられるようになったわけです。
先ほどご紹介したように、プラスチックは、現在でも世界中で大量に生産されています。当然、生産されたものはいずれ処分しなくてはならないため、可能な限り生産量を減らしていくためにも脱プラスチックの取り組みが注目されるようになったのでしょう。
プラスチックによる海洋汚染問題について
脱プラスチックの取り組みについては、昨今の海洋汚染問題を前面に押し出し、さまざまな取り組みを開始する企業が多くなっています。皆さんも、海洋プラスチックごみによる汚染の問題はテレビなどの大手メディアで見聞きした経験があるのではないでしょうか?
実は、海洋プラスチックごみによる汚染は、皆さんが考えている以上に深刻で、ダボス会議2016にて発表された海洋ゴミに関する報告書によると、現在世界の海には、毎年ペットボトル(500ml)5,000億本に相当する910万トンものプラスチックごみが流出しているそうです。そして、このままの状態が続けば、2050年には海の中で生息する魚の数を海洋プラスチックごみの量が超えてしまうと予測されています。
それでは、プラスチックによる海洋汚染は、どのような問題があるとされているのでしょうか?ここでは、海洋プラスチックごみの主な問題をご紹介します。
・人体に悪影響を与える
海洋のプラスチックごみは、ペットボトルが丸ごと流れ出るといったケース以外にも、小さく砕かれたプラスチック片がマイクロプラスチックとして海に流出するケースが考えられます。そして、このマイクロプラスチックは、魚がエサとして食べ、体内に蓄積した状態で人が水産資源として食べることで、人体内にプラスチックを取り込み、健康被害に発展する恐れがあるとされているのです。プラスチックは、微生物の働きなどで分解されることがないので、海洋生物の体内に取り込まれたとしても、消化・分解されることなく蓄積していきます。人は、魚介類などの海洋生物を食料として食べるわけですので、その蓄積されたプラスチックもまとめて取り込んでしまう恐れがあるのです。
マイクロプラスチックの成分や添加剤は、そもそも人体にとって有害であることに加えて、プラスチックはさまざまな化学汚染物質を吸着する性質を持っているので、有害物質に汚染されたマイクロプラスチックが人体内に取り込まれた場合、健康被害に発展する可能性が高いでしょう。
・生態系に悪影響を与える
海洋プラスチックごみ問題は、海洋生物の生態系に悪影響を与えるとも言われています。例えば、大量のプラスチックごみが海を漂流することで、魚類やウミガメ、アザラシやクジラなど、海洋生物に絡みつき、身動きができなくなるケースがあります。皆さんも、漁に用いる網がウミガメに絡みつき、カメが涙を流している画像を見かけたことはあるのではないでしょうか?海を漂流するプラスチックごみは、海洋生物に怪我をさせたり、最悪の場合、死んでしまうような事故に発展することもあるのです。さらに、海洋生物の移動経路となる海域に、プラスチックごみが停滞してしまうと、海の生き物の移動を阻んで、季節に応じて適切な地域に移動する生物の繁殖を邪魔する結果になる可能性もあります。もちろん、十分な量のエサが得られなくなり、死んでしまう生き物もあるでしょう。
このような問題もあり、近年、海洋プラスチックごみ問題は、海洋生物の絶滅危惧種を増やす要因の一つになっているのではないかとも言われています。
・産業への悪影響
海洋プラスチックごみの問題は、漁業や養殖業、観光業など、海の自然環境を有効利用する産業に多大な悪影響を与えているとも言われています。環境保全団体のWWFジャパンが公表したデータによると、アジア太平洋地域におけるプラスチックごみによる損失は、漁業・養殖業で年間3.6億ドル、観光業では年間6.2億ドルにのぼるとされます。
例えば、漁業や養殖業では、水産物に付着する海洋プラスチックごみの除去などにコストがかかるほか、プラスチックごみにより漁網が破損する、漁獲量が減るなどといった問題が生じているとされます。観光業では、海の景観が悪くなり、レジャー需要が減る、観光客が減ることで地域経済自体に影を落とすなどの問題にまで発展しています。
このように、海に流出するプラスチックごみは、海洋生物だけでなく、人や産業など、さまざまな面に悪影響を与えているのです。したがって、海とプラスチックに関わる諸問題を解決するためにも、脱プラスチックが必要とされるわけです。
脱プラスチックが「意味ない」と言われる理由は
ここまでの解説で、なぜ今、脱プラスチックへの取り組みが必要とされているのか分かってきたのではないでしょうか?
プラスチックは、軽量で耐久力があり、さらに安価に作れるなど、素材的には非常に優れた特徴を持っています。食品や飲料水を保存するための素材としては、まさにうってつけの存在といえるのがプラスチックで、物流面のことを考えても、プラスチックを完全にゼロにすることは現実的ではないという意見も根強いです。
実際に、脱プラスチックの取り組みについては、「意味がない」という意見を持つ方も多く、中には脱プラスチックの取り組みこそが環境に悪いという方までいるのです。
そこでここでは、脱プラスチックが意味ないと言われる理由を考えるため、この取り組みのメリットとデメリットを考えてみます。デメリット面を見れば、なぜ脱プラスチックが意味ないと言われているのかがわかるはずです。
脱プラスチックのメリット面
まずは脱プラスチックのメリット面からご紹介します。脱プラスチックの取り組みには、以下のようなメリットが期待できます。
・プラスチックによる諸問題を解決できる
最もわかりやすいメリットは、先ほどご紹介したプラスチックが原因で発生している諸問題を解決することができる点でしょう。プラスチックの使用を控えることができれば、製造量が少なくなるわけなので、製造から処分までに排出される温室効果ガスの削減が期待できます。また、海洋に流れ出るプラスチックごみの量も少なくなると予想できるため、海洋生物などへの影響が少なくなります。
・企業イメージの向上
脱プラスチックの取り組みは、企業にとっては自社のイメージを向上させることができるというメリットがあります。脱プラへの取り組みは、環境へ配慮する企業だというイメージを与えることができます。近年では、ESG投資と呼ばれる、環境、社会、ガバナンスといった売り上げ以外の要素を考慮した投資への注目が高まっています。そのため、環境問題への積極的な取り組みは、投資対象企業として選択されやすくなるというメリットがあるのです。その逆に、プラスチックゴミを大量に廃棄する、二酸化炭素の排出量が多い企業などは、取引を打ち切られるなど、環境への配慮と企業の関係性は年々高まっています。脱プラへの取り組みは、今後、企業そのものを左右する重要なポイントになってくるのかもしれません。
・人の健康を守ることにつながる
脱プラスチックの取り組みは、人の健康を守るという点でも重要な取り組みになるとされています。
先ほどご紹介したように、海洋プラスチックごみ問題を放置すれば、マイクロプラスチックとして最終的に私たちの食卓に並び、人がプラスチックを食べてしまうリスクがあるのです。現在、体内にマイクロプラスチックを取り込んだことで、どのような健康被害につながるのかは明らかになっていません。そのため、すぐさま重大な健康問題が発生するとは言えませんが、将来的に何らかの悪影響を及ぼす可能性があることは確かです。脱プラスチックの取り組みは、海洋プラスチックごみの削減につながり、ひいては人の健康を守る取り組みになると考えられます。
脱プラスチックのデメリット面
上記のようなメリットがある一方、脱プラスチックにはいくつかのデメリットも指摘されていて、それを持って「意味がない」という意見があるのも事実です。
・取り組みのためのコストが高い
一つ目のデメリットは、脱プラスチックに取り組む場合、企業にとっても個人にとってもコストがかかってしまう点です。プラスチックは、安価で軽く、輸送性に優れていることが特徴です。現在、プラスチックの代替品は、さまざまな製品が開発されているのですが、プラスチックと比較するとどうしても製造コストが高くなります。さらにそれに加えて、輸送コストも高くなるとされており、企業にとっては脱プラへの取り組みは、コスト負担が大きくなる点が悩みの種となっています。そして、消費者である個人にとっても、商品価格が高くなるというコスト面がデメリットになります。企業の製造コストが高くなれば、必然的に商品価格も上昇します。さまざまな面で物価高に頭を悩まされている現在、脱プラスチックの取り組みによりさらなる価格上昇となれば、脱プラスチックの取り組みそのものに嫌気がさす人もいると思います。
・脱プラスチックが環境破壊につながる
脱プラスチックの取り組みは、環境保全のために取り組まれています。しかし実は、一部の専門家目線での意見では、脱プラの取り組みそのものが環境破壊を加速しているという意見もあるのです。
例えば、飲食店などではプラスチックのカップやストローを紙コップや紙ストローに切り替えるといった対策を行う企業が増えています。しかし、紙コップや紙ストローは、むしろ生産・廃棄の過程でプラスチックより多くの二酸化炭素を排出するという意見があるのです。また、プラスチックをガラス容器に代替した場合、重量が大きくなるため、輸送時の環境負荷が大きくなるとされています。こういったことから、地球温暖化対策の面で脱プラスチックの取り組みを進めるのは「意味がない」という意見があるわけです。
現在では、プラスチックの代替えとなる製品がたくさん開発されるようになっています。もちろん、それらの代替策が、すべての面で環境負荷の低減につながるとは言えないかもしれません。しかし、海洋汚染の問題なども含めて考えると、現状のペースでプラスチックを使用し続けるのは、地球環境に及ぼす影響が計り知れないのも事実だと思います。
したがって、コストや一部の面だけを見て、「脱プラスチック全てが意味ない」とは考えない方が良いのではないでしょうか。
脱プラスチックの具体的な取り組みについて
それでは最後に、脱プラスチックに向けて、具体的にどのような取り組みが行われているのかについて、いくつかの事例をご紹介します。
まず、世界を見渡してみると、EUなどでは、日本と比較してもかなり厳格な脱プラスチックに向けた取り組みが開始されています。例えば、2018年には「EUプラスチック戦略」が発表され、2030年までにEU市場全てのプラスチック包装をリサイクル可能なものに代替し、使い捨てプラスチック製品を削減するといった対策が始まっています。そして、2021年にはストローや食器など、使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する法案が可決されているのです。また、プラスチック生産量世界一位のアメリカでも、ニューヨーク市で使い捨ての発泡プラスチック容器(日本では発泡スチロールと呼ばれる)の使用が全面的に禁止になったり、サンフランシスコ国際空港で、ペットボトル入りの飲料水が販売禁止(2019年8月から)になるといった取り組みが始まっています。
この他にも、各企業が独自に脱プラスチックへの取り組みをスタートしているので、以下でいくつかの取り組みをご紹介します。
すかいらーく:各種プラスチック製品の廃止
ガストなどのファミリーレストランを展開する「すかいらーくホールディングス」では、2018年より石油由来のプラスチック製品削減への取り組みを行っています。
具体的には、2018年8月以降は石油由来の使い捨てプラスチック製ストローの使用を中止、2018年12月からはトウモロコシ原料の生分解性のストローを提供開始などさまざまな面でプラスチックを削減しています。詳細は、公式サイトで確認してみてください。
ネスレ日本:キットカットの外袋を紙パッケージへ
ネスレ日本では、2019年9月下旬出荷分から、「キットカット」の主力製品である大袋タイプ5品について、プラスチック製の外袋から紙パッケージに変更すると発表しています。
また、2022年までに「キットカット」全製品の包材を全てリサイクル・リユース可能な素材にすることを目指しているとも公表されています。
スターバックスにおける容器の工夫
スターバックスでは、プラスチック削減のため、紙ストローの導入や容器の改良などさまざまな対策に取り組んでいます。例えば、以下の様な対策が有名です。
- ペーパーカップでのアイスビバレッジの提供
- ストロー不要のリッド導入
- 紙製ストロー全店舗導入
- 繰り返し使うカップ「リユーザブルカップ」を全店舗で販売
- プラスチック製ギフト包装資材を全廃
まとめ
今回は、日本国内でも急速に関心が高まっている脱プラスチックの取り組みについて、なぜ今、脱プラスチックが必要とされているのか、本当にこの取り組みに意味があるのかについて解説しました。
脱プラスチックの取り組みは、地球温暖の防止やプラスチックごみによる海洋汚染問題の解決を目的として、世界中でその取り組みが始まっています。日本国内では、レジ袋の有料化が有名ですが、これ以外にも各企業は脱プラスチックに向けた取り組みを急速に推し進めるようになっています。
地球温暖化対策と聞くと、太陽光発電の導入や蓄電池の設置による省エネ対策などが思い浮かびますが、実はプラスチックの利用を削減することも有効な対策になると考えられているのです。
脱プラスチックの取り組みについては、政府や企業単位では対策が進んでいるものの、個人による脱プラスチックの意識はまだまだ低いように思えます。こういった大きな流れをつくるには、私たち小さな個人が脱プラスチックへの意識をもっと高める必要があるのかもしれません。