防草シートは太陽光発電所を守るうえで重要!シート選びのポイントや注意点を解説

防草シートは太陽光発電所を守るうえで重要!シート選びのポイントや注意点を解説

防草シートは、雑草が生えないようにするためのシートで、雑草による太陽光発電所の故障や発電効率低下などを防いでくれます。

今回は、防草シートの役割から太陽光発電所に必要な理由、耐用年数やシート選びのポイント・注意点について詳しくご紹介します。雑草対策で悩んでいる方や防草シート選びで困っている方などは参考にしてみてください。

防草シートの役割

防草シートは、砂利の沈み込み、泥はねやぬかるみのほか、雑草の発生を防止できます。使い方は簡単で、雑草の生えている場所に防草シートを敷くだけです。除草剤などの薬剤を使用したり、特殊な機材を活用したりするような、大がかりな雑草対策がいらなくなるのがメリットです。

雑草は何度も生えてくるため、手作業による除草作業は負担が大きいです。防草シートは薬剤や草刈りと異なり、雑草が生える前に対策すればよいためタイミングを選ばないというのもよい点といえます。

防草シートで雑草対策ができる仕組み

防草シートは、雑草の成長に必要な日光を遮断することで、雑草の成長を遅らせたり生えてくるのを防止したりすることが可能です。

雑草を含めた植物の成長には、二酸化炭素と水、光の3つが必要です。防草シートには一定の遮光率(光を遮断する性能)があり、敷くだけで成長速度を遅らせます。

遮光率は、防草シートの素材やメーカーによって異なります。防草シートを選ぶ際は、遮光率の数値を確認し、なるべく性能の高いものから検討しましょう。

防草シート以外で雑草対策を行う方法

太陽光発電所における雑草対策は、防草シート以外でも可能です。続いては、防草シート以外で雑草対策を行う方法について詳しく解説します。

刈払機で草刈りを行う

効率よく草刈りを行いたい場合は、刈払機を活用した方法があります。刈払機(草刈機)とは、雑草を刈り取るための機械です。本体に取り付けられた刃が高速回転することで、雑草などを取り除けるため、比較的手軽な除草方法として人気があります

比較的小規模な太陽光発電所であれば、短時間で雑草を刈り取ることが可能でしょう。しかしメガソーラーや中規模以上の太陽光発電所では、大量の雑草が生えている可能性もあり、効率的に刈り取れない場合もあります。

また刈払機の刃が、架台やケーブルなどに当たってしまう危険性もあります。刃が当たって飛んだ小石が太陽光パネルなどに直撃し、破損させてしまうリスクもあるため、敷地の状態や規模によっては、刈払機が向かないこともあります。

敷地内に砂利を敷く

太陽光発電所の敷地内に砂利を敷くことで、雑草の発生や成長を一定期間防止することが可能です。砂利を敷いた地面は日光が届きにくくなるため、防草シートのような役割を果たします。

砂利の費用相場は1㎡あたり1,000~1,500円で、雑草対策の中でも比較的コストの安い対策といえるでしょう。しかし砂利単体では隙間から雑草が生えてしまうため、防草シートと併用することが多いです。

除草剤を散布する

除草剤とは、植物の成長を防ぐための薬剤が含まれたものです。植物の成長に必要な光合成や栄養の生成、植物ホルモンなどの働きを抑えたり、かく乱したりして成長を阻害します。

除草剤を散布するだけで、雑草を含む植物を枯らせるため、非常に手軽です。種類によっては半年程度効果を維持できるため、年間の散布回数を2回程度に抑えられます。

しかし隣地や周辺の住宅地などに除草剤が浸透してしまう可能性があり、近隣への影響に気を付けなければなりません。周辺に農地や住宅地、用水路などがある場合は、除草剤を使用するのは難しいでしょう。

コンクリート舗装工事を依頼する

コンクリート舗装は、雑草の発生をしっかり防げる対策です。コンクリートで地面を覆うため、ほとんど光が差さず、雑草の発生や成長を長期間抑えることが可能です。除草剤とは異なり、隣地や周辺地域へ影響を与えずに雑草対策が可能なのもメリットのひとつです。

しかし1㎡あたり1万円前後の費用を要し、面積によっては排水設備の導入も必要なことから、コストが大きい方法です。

太陽光発電所内に防草シートを敷くメリット

ここからは、太陽光発電所の雑草対策として防草シートを敷くメリットについて詳しく解説します。

雑草による発電効率低下を防ぐ

防草シートを導入すれば、雑草を原因とした発電効率の低下を防止できます。

雑草の中には草丈の高いものもあり、放置すれば太陽光パネルを覆ってしまうこともあります。雑草によって影が発生すると、発電量の大幅な低下を招きかねません。

防草シートを活用すれば、草丈の高い雑草の発生や成長も防げるため、発電量低下のリスクを回避できます。

害虫や鳥の被害を減らせる

雑草を放置すると、虫の発生や増加を招きます。虫や植物が増えると、鳥やヘビ、その他小動物などが敷地内に侵入し、配線ケーブルをかじったりフンをパネルに落としたりする可能性があります。

防草シートを敷いておけば、雑草の発生や成長を抑えるだけでなく、虫の発生や鳥・小動物の侵入リスクを下げられます。

機器の破損リスクを下げられる

防草シートを敷地内に敷いておけば、雑草による太陽光発電設備の破損リスクを抑えられます。

雑草の中でもつる性植物は、つるを伸ばしながら壁や設備などに絡みつく特性を持っています。太陽光発電所の敷地内に発生した場合、配線ケーブルなどへ絡みついたりパワーコンディショナなどの機器類に侵入したりする可能性があります。

万が一、つる性植物が設備へ絡まってしまうと、刈払機で刈り取ることはできません。状況によっては、発電停止や発電量低下といった事態につながるだけでなく、機器類の破損を招く危険性もあります。

防草シートは、支柱や架台周辺を含め、隙間なく敷くことができます。アスファルトを貫通してしまう強壮雑草の成長を抑えられるタイプのシートもあり、コンクリート舗装と比較しても有用性は高いといえるでしょう。

近隣トラブル防止につながる

隣地や周辺に住宅や農地などがあると、他の敷地に雑草が侵入することで近隣トラブルに発展する可能性もあります。状況によっては裁判に発展する恐れもあり、できる限りの対策はしておきたいところです。

防草シートを導入しておけば、草刈りの回数や巡回の頻度もぐっと減らせます。近隣の地域へ雑草が侵入する可能性を減らせれば、遠隔地の太陽光発電所でも安心です。また除草剤の散布とは異なり、対策の際に隣地などへ影響を与えない点も近隣トラブルを避けるうえで重要な要素です。

防草シートの注意点

防草シートを選ぶときは、耐用年数や費用回収期間に注意する必要があります。

設置から5年程度でボロボロになってしまう

防草シートを選ぶ際は、シートの耐用年数を確認したうえで検討してください。防草シートの耐用年数は、織布タイプ(縦糸の列に横糸を織り込むタイプ)で1~5年程度、不織布タイプなら7~10年程度とされています。一般的には、約5年程度でボロボロになってしまうことが多いです。

耐用年数が過ぎて劣化した防草シートは、穴が空いたり裂けたりしてしまうため、雑草の発生や成長を止められなくなります。防草シートを選ぶときは、なるべく耐用年数が長い製品を選ぶのが大切です。

とくに不織布タイプは、織布タイプより長期間使用できます。その分コストがかかりますが、交換の頻度は抑えられます。

費用の回収が難しい可能性も

一般的な耐用年数の防草シートを購入してしまうと、太陽光発電事業目線では費用回収が難しい可能性もあります。

防草シートの初期費用相場は、40~50万円台(低圧の発電所を想定)とされています。対してシートの導入時には、除草作業などにかかる費用を年間10万円程度削減できる計算です。したがって防草シートの費用回収には、5年程度かかる見込みです。

一方、通常の防草シートは5年程度もしくは5年未満の耐用年数のため、費用回収前に交換しなければならないケースも出てきます。耐用年数などを確認せずに購入してしまうと、経済的メリットがない可能性があるということです。

耐用年数と初期費用、導入により得られる経済的メリットなども考慮しながら慎重に比較していきましょう。

防草シート選びのポイント

防草シートを長期間使用するためには、素材や耐用年数などをしっかりと調査して比較しましょう。続いては、防草シートを選ぶ際に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。

耐用年数5年を超える防草シートから選ぶ

防草シートを選ぶ際は、耐用年数5年を超えているかどうか確認して検討してください。前段で触れたように、防草シートの費用回収期間は、一般的に5年程度だと考えられます。少なくとも設置から5年は、防草シートが機能しないと経済的ではありません。

防草シートの耐用年数は、種類やメーカーによって異なります。たとえば、織布タイプは、耐用年数1~5年程度とされています。耐用年数1年の織布タイプだと、草刈りを依頼する方が安くなってしまいます。

一般的に耐用年数が5年を超えるのは、不織布タイプに多いです。メーカーによって10年以上使用可能なタイプもあります。

PETの不織布タイプかどうか確認する

不織布の防草シートを選ぶ際は、PETかどうか確認しておくのも大切なポイントです。不織布タイプの中でも、さらに素材によっても種類が分かれます。

代表的なタイプはPP(ポリプロピレン樹脂)の防草シートで、安価なことが多いです。しかし他の不織布タイプよりも、熱・紫外線に対して弱いというデメリットがあります。太陽光発電は発電量確保のため日当たりがよい場所であることが多いでしょう。熱や紫外線に弱い素材では、劣化が早い可能性もあります。

そこでおすすめなのが、PET(ポリエステル樹脂)の防草シートです。PETは、他の素材より高価な傾向にありますが、耐久性という点で強みのある素材です。PPより融点が高いため、高温でもボロボロになりにくいです。また紫外線を受けても劣化しにくく、直射日光の当たりやすい太陽光発電所での利用にも最適です。

耐用年数は10年以上と長い傾向にあるため、結果的に経済性が高くなるといえるでしょう。

遮光率の高い素材かどうか確認する

PET素材の防草シートから比較するときは、遮光率についても注意してください。遮光率とは、光をどのくらい遮断できるのかをパーセントで示したものです。

防草シートの遮光率は、素材やメーカーなどによって変わります。よく確認して検討しましょう。

価格の安い防草シートから比較する

防草シートの費用回収期間を短縮したいとなると、可能な限り価格の安いものを選びたいところです。前段でも紹介したように防草シートの初期費用は、40~50万円台だといわれています。一定の量以上で安くなることもあるため、複数の太陽光発電所を持っているなら、同時に導入を検討すると経済的です。各メーカーの価格を1つずつ確認して比較してみてください。

両面パネルの場合は白の防草シートを検討してみる

両面発電型太陽光パネルを導入している場合は、防草シートの色についても確認しましょう。両面発電型太陽光パネルは、裏側のパネルによって地面からの反射光なども吸収できるため、地面からの反射光を考慮しなければなりません。

通常の防草シートは黒をベースとした色味であることが多く、日光を吸収してしまいます。すると、両面発電型太陽光パネルの裏面から光を吸収・発電できないため、かえって発電効率が悪くなる可能性もあります。

両面発電型太陽光パネルの発電所に使う防草シートを探す際は、白をベースとした色味から比較検討してみてください。

太陽光発電所の雑草対策に対応しているのはO&Mサービス

雑草対策の方法や防草シート選びなどで悩んでいる場合は、実績豊富なO&Mサービスを利用してみるのがおすすめです。最後は、O&Mサービスの利用メリットについて解説します。

防草シート選びから管理までサポートしてくれる

実績豊富なO&Mサービスなら、雑草対策全般をさまざまな面からサポートしてくれます。

O&Mサービスによっては除草作業や防草シートの提案、設置作業や管理まで対応可能です。自分で防草シートを比較検討すると時間も手間も必要です。包括的に依頼可能なO&Mサービスを活用すれば、手軽に防草シートの導入が可能でしょう。

また防草シートを設置する際は、隙間ができないよう丁寧に敷かなければ意味がありません。自己流で設置することで、思ったような効果が出ない可能性もあります。

O&Mサービスへ相談すれば、専門的な技術や経験をもとに隙間なく防草シートを敷いてくれるでしょう。設置後の管理やシートの交換作業などにも対応しており、敷地内の管理全般を任せられます。

点検や敷地内の清掃、遠隔監視サポートもある

O&Mサービスのサービスは、雑草対策に関するサポートだけではありません。遠隔監視システムを用いて、24時間いつでも発電量や設備の状態の監視が可能なサービスも多いです。万が一、異常が発生した場合は、O&Mサービスのスタッフが現地に駆けつけて緊急点検を行います。雑草が伸びて発電量が落ちてしまっても、すぐに気付けるでしょう。

また、定期点検では、ホットスポットの検査や電気点検、目視点検など、さまざまな点から設備の状態をチェックしてくれます。経年劣化や故障している箇所があれば、部品や機器の交換作業を行ってくれるため、別途施工業者へ相談せずに済むのも便利です。

防草シート選びや雑草対策は太陽光発電専門のO&Mサービスへ相談を!

防草シートは、地面に敷くことで雑草の発生や成長を防止してくれます。他の雑草対策よりコストや管理方法などにメリットがあり、導入しやすいのも嬉しいところです。

雑草対策で悩んでいる方や最近雑草が増えてきて困っている方などは、今回の記事を参考にしながらO&Mサービスを比較検討してみてはいかがでしょうか。

弊社のとくとくサービスは、産業用太陽光発電専門のO&Mサービスです。遠隔監視システムによる24時間監視から緊急時の駆けつけ対応、定期点検などに対応しております。除草作業や防草シート選び、設置や管理まで一括サポートが可能です。

雑草対策にお悩みの方は、ぜひお電話やメールより、お気軽にご相談ください。

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