太陽光発電を運用する際は、早期の修理や交換依頼を行うためにも、パワコンの故障原因や症状について理解しておくのが大切です。
そこで今回は、太陽光発電のパワコンが故障する原因や症状、対策について詳しくご紹介します。太陽光発電を始めたばかりで管理に関する注意点がわからない方、パワコンを数年稼働していて故障リスクについて気になる方などは、参考にしてみてください。
パワコンの故障につながる症状とは?
まずは、パワコンの故障につながる症状についてわかりやすく解説していきます。
突然発電量が低下
発電量が突然低下した場合は、パワコンの故障も考えられます。太陽光発電の発電量は天候や時間によって変動するため、曇りや雨の日、夕方や早朝なら比較的低いこともあり得ます。
ただし、通常よりも発電量が低い、晴れているのに発電しないといった状況の時は、パワコンや太陽光パネルなど、どこかで故障もしくは故障の前兆といった可能性もあります。
パワコンのモーターから異音が聞こえる
パワコン内部にあるモーターの異音は、劣化もしくは故障の前ぶれのおそれがあります。
パワコンには、放熱用のモーターが組み込まれているタイプもあります。電力の制御を行う際に熱が発生するため、放熱板やモーターなどで基盤を冷却します。
また稼働中には、「キーン」といった高音や切り替え音なども聞こえます。このような音は異常ではありません。ただしモーターの音がいつもと異なる場合は、念のためO&Mサービスにメンテナンスを依頼することをおすすめします。
万が一モーターが故障してしまうと放熱できなくなり、基盤を含む故障につながることもあります。
発煙してしまう
パワコンからの発煙や焦げ臭は、故障の前兆ではなく故障の症状およびサインです。
場合によっては接続部から火花が発生するケースもあり、周辺機器や配線類に燃え移ると火災に発展してしまいます。
パワコンからの発煙や焦げ臭といった症状には、さまざまな原因が考えられます。
このような症状を発見した場合は早急に運転を停止し、O&Mサービスに状況確認と修理交換を進めてもらうのが大切です。
パワコンが故障するとどうなる?
パワコンが故障してしまうと、前段で解説したような発煙や接続部などの焦げ、電源が入らないといった重大な事象につながります。
またパワコンの故障内容によっては、基板交換といった修理や一部部品の交換で済む場合もあれば、パワコン本体だけでなく配線ケーブルなどの周辺部材・機器の交換も必要なケースがあります。
パワコンの故障が疑われる時はO&Mサービスへ相談し、軽微な修理か一式交換すべきなのか詳細を確認するようにしましょう。
パワコンの故障原因
ここからは、パワコンの主な故障原因についてわかりやすく解説していきます。
経年劣化
太陽光パネルなどと同じく、パワコンも長期間の使用によって劣化していきます。また、劣化の状況や使用環境によっては、モーターの故障や発煙といった症状につながる可能性だけでなく、電源が入らなくなるといったケースもあります。
パワコンの耐久性は一般的に10~15年程度とされています。しかし塩害や雨風などの影響を受けやすい環境下であれば、10年未満で故障してしまうこともあります。
パワコンを数年以上使用している場合は、劣化状況を含めてO&Mサービスに確認してもらうことが大切です。
製造不良
パワコンの製造時に生じた不良が、故障の原因につながるケースもあります。
いわゆる初期不良・製造不良は、主に基盤の組み立てやはんだ付けの際に起こっています。たとえば、基盤のコイルの取り付けやはんだ付けのミスが、焼損(部品が焼ける)および周辺部分の焦げ、火災につながることがあります。
そのため「施工不良なし」で「設置から1年未満」であるにも関わらず不良が生じた場合は、製造不良の可能性もあるため、基盤を含めて詳しく調査してもらいましょう。
弊社とくとくサービスでは、パワコンの故障原因や不具合に関する調査・分析から修理交換まで対応しています。外観からではわからない事象に悩んでいる時も、お気軽にご相談ください。
ホコリなどの不純物が内部に蓄積
チリやホコリといった不純物がパワコン内部に溜まってしまうと、さまざまな症状もしくは故障にいたる可能性もあり、注意が必要です。
空気で冷却を行うタイプのパワーコンディショナは、外気や空調機から空気を取り込み、基盤を冷却しています。また通気口には、ホコリなどをせき止めるフィルターが取り付けられています。
設置直後や適切な種類のフィルターなら、空気を通しながらホコリの侵入が防げます。しかし劣化したフィルターを使い続けたり目の粗いフィルターを設置したりすると、パワコン内部にホコリやチリなどが蓄積するおそれがあります。
雨で基盤に水分が侵入
台風や暴風雨といった雨風などでパワコンに水が侵入し、劣化や漏電につながることもあります。
パワコンの外側部分には雨水などの侵入を防ぐため、パテが盛られています。しかし、パテの劣化もしくは製造・施工不良などで、パワコンに水が侵入してしまうケースもあり得ます。
また水の侵入は錆びや漏電といったさまざまな症状につながるため、発見次第、早急に対策しましょう。
飛来物が直撃
パワコンに飛来物が直撃し、基盤の破損やケーブルの断線にいたる場合もあります。
飛来物に関しては他のケースと異なり、多くの場合で未然に防ぐことができません。そのため、飛来物による故障を想定して保険に加入しておけば、万一の時でも損害を補償してもらえるので安心です。
パワコンを自分で修理してはいけない理由!
ここまでパワコンの故障原因などを確認した方の中には、「軽微な故障なら自分・自社で修理しようかな」と考えている方もいるのではないでしょうか。
パワコンに異常や故障が発生した場合、自分・自社で修理してはいけません。
そこでここからは、パワコンを自分で修理してはいけない理由を1つずつ確認していきましょう。
国家資格を持った人しか対応してはいけない
そもそも、パワコンを含め太陽光発電所の部材や精密機器の点検や修理・交換といった作業は、国家資格を持つ人しか対応できないことになっています。
太陽光発電所の設置や修理交換、調整などの作業を行えるのは電気工事士のみ、と電気工事士法で定められています。また、無資格者がパワコンを取り外したり勝手に修理したりすると、法律で罰せられることもあります。
パワコンの修理交換は、有資格者の在籍しているO&Mサービスへ依頼しましょう。
出典:経済産業省ウェブサイト
事故の危険性がある
無資格者はもちろん、有資格者でも技術や経験がほとんどない方がパワコンの修理を行うと、事故の危険性や火災などにつながる可能性もあります。
太陽光発電には高い電圧・電流が流れています。誤って金属部分などに触れてしまうと、感電により死亡してしまうこともあり得ます。また、稼働中に各部品を取り外したり触れたりすると、感電だけでなく火災事故につながる可能性もあるので危険です。
そのため、パワコンの修理交換は太陽光発電専門のO&Mサービスに依頼しましょう。
失敗してもメーカー保証は受けられない
O&Mサービスなどの専門業者以外が修理した場合、失敗した際にメーカー保証を受けられない可能性があります。
たとえば、メーカー側の製造不良で故障していたとしても、自分で勝手に部品交換してしまうと無償の修理交換を受けられません。このように専門業者へ依頼せずパワコン内部の調整や交換を行うと、ケガや火災事故、無保証といったリスクにつながり、メリットがありません。
パワコンの故障や気になる症状が出たら?
パワコンに気になる症状が出たり故障したりした場合は、速やかにO&Mサービスへ問い合わせるのが重要です。
太陽光発電専門のO&Mサービスは、メガソーラーや低圧太陽光発電、地上設置型・屋根設置型など、さまざまな種類の太陽光発電所に関する定期メンテナンスや各種機器の修理・交換に対応しています。
弊社とくとくサービスの場合は、ドローンによる点検などあらゆる機器を使用し、太陽光発電所の早期異常を発見し、修理・交換を行います。また、防災対策や災害復旧といった作業にも対応しているので、災害対策について悩んでいる方もお気軽にご相談ください。
パワコンの修理・交換費用相場
パワコンに気になる症状が出たり故障したりした場合、O&Mサービスに依頼すべき理由についておわかりいただけたと思います。次に知っておくべきことは、費用相場です。
パワコンの修理・交換費用相場を把握しておけば、見積りをスムーズに比較検討することが可能になります。
最後は、パワコンの修理・交換費用相場についてわかりやすく紹介します。
修理費用は20万円前後
パワコンの修理費用は、一般的に20万円前後で推移しています。
修理内容やサービスによっては、安くて10万円、高ければ30万円台といった場合もあります。またパワコンの状態を点検してもらう必要があるので、数万円程度の調査費用もかかります。
交換費用は本体価格に交換工事代も加算される
パワコンの交換には、5kW程度の小型タイプなら1台につき20万円台、10kW前後のタイプなら1台につき40万円台の費用がかかります。
費用相場としては、1台につき20~40万円程度と言えます。交換費用の内訳は、主にパワコンの本体価格と交換工事、その他事務作業の3種類です。また、パワコンの交換工事でブレーカ、配線類、その他機器類の故障が発覚した場合は、さらに費用が上乗せされます。
なお、交換工事に関しては下記記事で詳しく紹介しています。気になる方はぜひ参考にしてみてください。
パワコンの故障や故障につながる症状が出たら専門サービスへすぐに相談!
パワコンに気になる症状が出たり故障したりした場合は、すぐに太陽光発電専門のO&Mサービスへ相談するのが大切です。O&Mサービスは、太陽光発電の保守点検から異常の調査や分析、修理交換まで対応してくれます。
パワコンの調子がおかしいと感じている方や最近パワコンから異音がして気になる方は、今回の記事を参考にしながら、O&Mサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
とくとくサービスは、低圧の産業用太陽光発電からメガソーラークラスのメンテナンスや設備の異常に関する調査、パワコン交換も含めて一括サポートしています。今なら期間限定の無料ドローン点検サービスも受けられます。
お客様のご予算や要望に合わせたプランを複数ご用意しているので、ぜひお気軽にご相談ください。