家庭用蓄電池設置工事の見積もりチェック方法について徹底解説!

家庭用蓄電池設置工事の見積もりチェック方法について徹底解説!

近年、家庭用蓄電池が急速な広がりを見せています。

災害時の非常電源として使えるのはもちろんですが、太陽光発電の余剰分を貯めておき、安価な深夜電力を利用して充電すれば、電気料金の節約にもなります。

今回は、家庭用蓄電池の導入検討から実際の工事・運用開始までのプロセスを説明し、それを踏まえた業者見積の内容チェック方法と間違いない業者の選び方について解説します。

家庭用蓄電池に興味があり導入を検討されている方には大変有用な情報ですので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

家庭用蓄電池の便利な用途とは?

家庭用蓄電池は多くの用途に活用できる便利な装置です。以下では、その使い方について詳しく説明します。

災害時の非常電源として

近年、日本の各地で大規模な災害や停電が発生し、私たちの防災意識の高まりとともに、停電時に電源が復旧するまでの生活を支える予備電源の重要性が認識されています。

災害時、停電が発生することはよくあります。しかし、家庭用蓄電池があれば、非常電源として大いに役立ちます。

たとえば、災害時の連絡手段として重要な携帯電話の充電、外灯も消えた状態での夜間の照明、最低限の食事を作るための家電製品を動かす電源等です。

家庭用蓄電池はこれらのニーズに応えることができ、災害時にはその価値が非常に高まります。

ポータブル電源とは比較にならない大容量で安心

キャンプ用・防災用として多くのポータブル蓄電池が出回っていますが、それらのポータブル電源と家庭用蓄電池の性能の大きな違いは、その蓄電容量です。

家庭用蓄電池は、一般的なポータブル電源と比較して圧倒的な大容量を持っています。これは長時間の停電に対応できるだけでなく、家庭全体の電力需要を賄うことができるため、快適な生活を維持できます。ポータブル電源では難しい冷暖房機器や大型家電の使用も可能です。

家庭内の分電盤に接続できる

ポータブル電源が、機器に備え付けのコンセントやUSB端子から電源を取り出すのに対し、家庭用蓄電池は、通常、家庭内の分電盤に接続されます。これにより、発電された電力を家庭内の回路に供給できます。電力の供給と制御がスムーズに行え、電力の効率的な利用が可能となります。

供給の方法には下記の2種類があり、目的と規模により選択ができます。

特定負荷タイプ

特定の電気回路にのみ電源を供給します。比較的小容量の蓄電池で、特定の電気機器に絞って稼働させたい場合に適用します。

全負荷タイプ

分電盤の上流に蓄電池電源を供給し、家庭内どこでも電気が使えるようにします。主に大容量の蓄電池で検討します。

自家発電機より取扱いが簡単

軽油やガソリン、プロパンガスを燃料として使用する発電機もありますが、可燃物を取り扱うための管理上の問題や定期的な動作確認が必要となります。

維持管理を怠ると、いざ必要な時に稼働せず宝の持ち腐れになってしまう可能性があります。

一般的な自家発電機と比較して、家庭用蓄電池の取り扱いははるかに簡単です。自家発電機は燃料の供給や定期的なメンテナンスが必要ですが、蓄電池はほとんどメンテナンスフリーで、電力の供給や充電制御が自動的に行われます。非常時にも慌てることがなく安心です。

系統電力から充電する

家庭用蓄電池への充電方法は二つあります。まずは系統電力から充電する方法です。

この場合は、夜間に安価な深夜電力を利用して満充電とし、朝や夕方の時間帯に放電し使用するかたちです。

電力供給が安定しているときに充電しておけば、停電時に備えられます。夜間や低電力需要時に充電することで、電力コストを削減することもできます。

太陽光発電設備から充電する

もう一つの充電方法は、家庭の屋根などに設置した太陽光発電設備からの充電です。

太陽光発電設備を導入している場合、家庭用蓄電池は発電された太陽光エネルギーを蓄える役割も果たします。昼間に発電した余剰電力を蓄電池に貯め、夜間や曇りの日に使用することで、自給自足のエネルギーシステムを実現できます。

FIT期間の終了(卒FIT)で自家消費に

家庭用の太陽光発電設備はFIT制度による売電収入が主たる目的でしたが、10年の固定価格買取期間の終了を機に、自家消費用に切り替えるケースが増えています。

FIT期間終了後、買取価格が急激に低下し、ほとんどの場合、1年ごとの契約更新が必要になります。

昼間の電力供給が余剰となる地域では、電力ネットワークへの電力供給を拒否されることもあります。需給のバランスの乱れた現状では、状況に応じて「価格を切り下げられる」ことがあります。

その結果、自家消費用に切り替える家庭が増加し、再生可能エネルギーの普及、高電力料金、災害への備え、環境への配慮、技術進化、政府支援策などが蓄電池の需要を急増させています。

発電余剰分を夜間のピーク需要へシフトできる蓄電池

売電を中止すると、太陽光発電から得られる電力は、通常、家庭の自家消費に供給されます。ただし、多くの場合、発電量が昼間に最も多いため、この電力をすべて消費することは容易ではありません。

仕事などで家を離れることが多い昼間に余剰の電力を蓄電池に貯め、夕方から夜間の電力需要を賄うことで、電力の節約を実現するアイデアが提案されています。

パワーコンディショナーの更新と同時に蓄電池を導入

さらに、FIT期間の終了とほぼ同時に、通常パワーコンディショナーの寿命も10~15年で尽きる時期となります。このタイミングで、既存設備を更新し、新たにパワーコンディショナーを備えた蓄電池を導入することは合理的な選択肢と言えます。

家庭用蓄電池設置工事の流れは?

それでは、家庭用蓄電池の実際の導入までの流れについて説明します。

なぜ蓄電池を導入したいのかを明確にする

家庭用蓄電池設置工事の第一歩は、明確な目的を設定することです。なぜ蓄電池を導入したいのかを考え、電力のバックアップ、節電、環境への貢献などの目的を明確にしましょう。

太陽光発電の余剰分や深夜電力を利用した蓄電用途であれば、一日に消費する電力量(kWh)を確認しておきます。

検針票に記載の月間消費量を期間日数で割れば、おおよその一日当たり消費電力量は確認できるでしょう。目的が明確であれば、適切な機種や容量を選ぶ際に役立ちます。

蓄電池本体のスペックをしっかりと比較

次に、蓄電池本体を比較検討します。

蓄電池のスペック(容量、出力、効率など)は異なります。目的に合ったスペックを選ぶために、複数の蓄電池モデルを比較検討しましょう。エネルギー効率や保証条件も検討材料です。

特に重点的に確認するのは、最大容量(kWh)と最大出力(kVA≒kW)です。最大容量は、その家庭の一日の電力使用量と同等程度が目安となります。最大出力は、停電時に同時使用する可能性がある機器の合計出力を目安として考えます。

最適な設置位置を検討

蓄電池の能力スペックの目星が付いたら、そのサイズが敷地内・もしくは住宅内に設置可能かどうかを確認します。

蓄電池の設置場所も考慮に入れる必要があります。通常、屋内か屋外、地上か壁面などのオプションを検討します。設置場所によっては適切な冷却や通気の確保が求められます。

蓄電池は小型化していますが、まだかなりのサイズと重量がありますので、実際には屋外での設置が一般的です。

建物や外構物が蓄電池に極端に近接している場合、配線工事やメンテナンスが難しくなる可能性があります。最低でも50cm以上のスペースを確保することが望ましいです。

住宅内の分電盤に近い設置場所を選ぶと、配線工事費用を最小限に抑えることができます。また、直射日光が当たり過ぎないような場所を選び、パワーコンディショナーの効率を維持し、蓄電性能を最適化しましょう。

業者へ見積の依頼

蓄電池を選定し自宅に設置できそうなスペースを見つけられたら、いよいよ見積の依頼です。

蓄電池設置工事にかかる費用を把握するために、複数の業者に見積もりを依頼します。これにより、予算に合ったプランを選ぶことができます。

見積提出・契約~各種申請

専門技術者が現地を確認後に正式見積の提出となります。

見積もりを受けたら、選んだ業者と契約を締結します。また、必要な許認可や補助金の申請手続きも行います。手続きの正確さがスムーズな工事のカギです。

家庭用蓄電池は国のDER補助金や各自治体の補助金制度を活用できる場合がありますので、ぜひ活用をご検討ください。

現地調査

現地調査は家庭用蓄電池設置工事において重要なステップです。以下に、現地調査の内容について詳しく説明します。

設置場所確認

現地調査では、蓄電池の具体的な設置場所を確認します。設置場所は電力供給や配線のアクセス、通気や冷却の確保などに影響を与えます。設置場所が選ばれたら、地盤調査も行うことがあります。

電力供給ルート確認: 蓄電池は電力供給と連動して動作します。現地調査では、既存の電力供給ルートや分電盤との接続方法を確認します。適切な電力供給が確保されることが重要です。

安全性確認

安全性は蓄電池設置の鍵です。現地調査では、蓄電池の設置場所が火災やその他の安全上のリスクにどのように影響するかを評価します。必要に応じて安全対策を検討します。

配線計画

配線は蓄電池の正常な動作に欠かせません。現地調査では、適切な配線計画を策定し、電力の効率的な供給と分配を確保します。

太陽光パネルの配置

太陽光発電と連動する場合、太陽光パネルの最適な配置も考慮されます。太陽光パネルの設置場所や角度が日射状況に適しているかを確認します。

設置に必要な工事の評価: 現地調査では、必要な工事や設備の評価も行います。例えば、基礎工事や地盤改良が必要な場合、それに関する計画を立てます。

法規制の確認

蓄電池設置には地域や国による法規制があります。現地調査では、これらの法規制に適合するかどうかを確認し、必要な手続きを進めます。

施工計画の策定

現地調査の結果を踏まえて、実際の工事計画が策定されます。設置場所や配線、安全対策、工事スケジュールなどが含まれます。

現地調査は、正確な情報をもとに工事を進め、蓄電池の効果的な運用を実現するために欠かせないステップです。調査結果を基に、工事の成功と長期的な性能を確保しましょう。

工事施工

正式契約と申請等の事前準備を経て、いよいよ実際の工事施工となります。パワーコンディショナー、蓄電池本体、配線などが設置されます。

施工規模にもよりますが、基礎工事に2~4日、蓄電池設置に1日、電気工事と試運転で1日、計4~6日程度で完了します。

検収・発電開始

工事が完了したら、必ず立ち合い確認し検査・検収を行います。

蓄電池やパワーコンディショナーは相当な重量物であり、地震などの揺れで脱落・転倒すると非常に危険です。正しく設置され、動作することが確認されたら、蓄電池の発電が始まります。自家発電を楽しむ準備が整います。

各段階で注意深く進め、効果的な家庭用蓄電池設置工事を実現しましょう。

家庭用蓄電池の費用は?

ここでは、気になる家庭用蓄電池設置工事の費用の目安と見積のチェック方法について解説します。

蓄電池の価格相場

日本における蓄電池の価格相場は、蓄電池の種類や容量、ブランド、インバーターの性能、付属品などの要因によって大きく異なります。一般的な家庭用蓄電池の価格は、以下の範囲になることが一般的ですが、これはあくまで一般的な目安であり、市場の変動や特定の条件によって異なります。

  • 小規模な蓄電池システム(5kWh未満): 約50万円から150万円程度
  • 中規模な蓄電池システム(5kWhから10kWh): 約150万円から300万円程度
  • 大規模な蓄電池システム(10kWh以上): 約300万円以上

これに加えて、蓄電池の設置工事費用、電力会社との連携に関連するコスト、税金や補助金の適用なども価格に影響を与えます。また、ブランドや性能によって価格に大きな差があることもあります。

蓄電池市場は急速に成長しており、技術の進歩や競争の激化により価格が低下する傾向があります。また、政府の再生可能エネルギーに関する支援策や補助金も費用を大きく左右します。したがって、最新の価格情報を確認し、複数の業者やブランドを比較検討することが重要です。

システム費用の内訳

家庭用蓄電池のシステム費用は、機器(蓄電池本体やパワーコンディショナー)の価格が70~80%、工事費が20~30%程度の配分となります。

工事費に含まれるもの

システム費用の20~30%を占める工事費について、チェックすべきポイントを説明します。

基礎工事

まず、設置場所の調査と評価が行われます。これには地盤の状態や設置場所のアクセスなどが含まれます。蓄電池本体やインバーターを設置するための基礎工事が必要な場合、その費用が含まれます。これは特に大型の蓄電池に必要です。

機器設置工事

蓄電池本体とその周辺設備の設置作業が工事費用に含まれます。これには蓄電池の据付や固定、設置場所の調整が含まれます。要するに設置に掛かる人件費になります。

ここは相場が確立されている部分ですので各社大きな違いは出にくいですが、狭小地での作業など搬入や施工に時間が掛かり、近隣対策にも注意を要する場合は価格も上昇します。

電気工事

インバーターおよび変換装置は、太陽光発電と蓄電池の連携を管理するために必要です。蓄電池システムが正しく動作するために、各種設備や機器の調整とテストが行われます。蓄電池への配線や分電盤への接続には国家資格である第二種電気工事士以上の専門資格が必要です。

蓄電池設置工事の作業者が電気工事士の資格を持っており、ワンストップで工事を施工できる場合は、電気業者を外注する必要が無いためこの部分の費用を抑えられます。

失敗しない工事店選びのためにチェックすべきポイント

最後に、工事業者の選定で失敗しないためにチェックすべきポイントについて解説します。

見積もりが安価な業者にご注意?!

蓄電池設置工事の見積もりを検討する際には、重要なポイントがあります。まず、価格と設備仕様を詳細に確認し、予算内で要求される性能を満たすか確かめましょう。先述の内訳費用がきちんと計上されているかをチェックします。

さらに、関連費用や契約条件を細かく検討し、予期しない費用が発生しないよう注意しましょう。設置場所の安全性と調査にかかる費用も見逃せません。最後に、補助金や税金の適用を確認し、費用削減の機会を検討しましょう。見積もりの詳細を理解し、契約前に納得のいく条件を確保することが重要です。

工事内容や予定スケジュールも注目すべき要素であり、設備の保証やアフターサポートについても確認が必要です。

工事費が極端に安価な業者にはそれなりの理由がありますので、基礎の仕様で手抜きをせず、転倒防止の固定などの安全対策をしっかり実行してくれるかを確認しておく必要があります。

工事店の太陽光発電施工実績は?

蓄電池の設置業界には、異なる分野からの新規参入が増え、経験が浅い業者も増加しています。信頼性のある業者を選ぶために、業者の実績を確認することが大切です。業者のウェブサイトから情報を入手できる場合もありますし、直接電話で問い合わせることもおすすめです。

特に、お住まいの地域での実績を確認できれば、より安心して業者に依頼できるでしょう。ただし、口コミサイトの評価は信頼性に欠けることがあるため、参考程度にとどめるべきです。

工事の保証体制も要チェック!

非常に重要なのは、メーカーの機械保証だけでなく、自然災害補償や工事保証の制度を徹底的に確認することです。蓄電池の安定性や充電能力を確保するために、定期的な点検や緊急時のサポートなど、業者ごとにさまざまなサービスが提供されています。見積もりを検討する際には、無償・有償サービスの対象と期間、有償オプションの費用について詳細に調査しましょう。

アフターフォロー体制が重要

蓄電池システムは、設置後に最低でも10年以上使用することを考慮しています。初期費用が低くても、継続的な点検と保守に高額な費用がかかり、最終的には高額につながることがあるため、見積もりの額面だけでなく、補償範囲やアフターサポート体制も検討する必要があります。

日本の多くの地域では自然災害が頻繁に発生します。地震、台風、雪による被害に対処できる自然災害補償は非常に重要です。また、異常が発生した場合に迅速な点検と対応を提供するアフターサポート体制も考慮に値します。したがって、業者との連絡方法や対応時間について詳細に確認することが大切です。

蓄電池の工事では設置工事や保証内容も含めて比較するのが大切!

蓄電池の工事を考える際、設置工事と保証内容の比較は非常に重要です。設置工事の品質やコストは、システムの長期的な性能に大きな影響を与えます。保証内容は、設置後に発生するかもしれない問題に対処する際の安心感を提供します。さらに、設置業者の実績やアフターサポートも考慮すべき要素です。

蓄電池は、エネルギーコストの削減や災害時の備えとして非常に価値がある選択肢です。そして、投資の価値を最大化するために、適切な設置工事と充実した保証が欠かせません。

自宅での蓄電池設置は、家庭用エネルギーシステムを向上させ、エネルギーの効率的な活用を可能にします。お金と環境への配慮が必要な今日、蓄電池は持続可能な未来に向けたステップの一つと言えるでしょう。

和上ホールディングスでは、太陽光発電や蓄電池の導入に関して専門知識と経験を持ったスタッフがサポートいたします。ご希望に合わせた最適なプランを提案し、設置時のコスト削減に貢献いたします。太陽光発電や蓄電池の導入に関するご相談は、和上ホールディングスにお任せください。皆様のエネルギー節約と経済効果の最大化をサポートいたします。

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