太陽光の両面パネルとは何?特徴や設置メリット・デメリットについて解説!

太陽光の両面パネルとは何?特徴や設置メリット・デメリットについて解説!

これから自家消費型太陽光発電を行う際に気になるポイントの1つといえば、太陽光パネルのメーカーや型番ではないでしょうか。太陽光パネルを選ぶ際は、出力やサイズの他にも発電可能な面について確認しておくことも必要です。太陽光パネルの両面パネルタイプは、文字どおり表裏の二面でからの発電が可能な仕様で、発電効率を高める上でメリットがあります。

そこで今回は、太陽光発電の両面パネルに関する特徴、メリットやデメリットについて詳しくご紹介します。自家消費型太陽光発電を検討している方や太陽光発電の発電効率について関心を持っている方などは、参考にしてみてください。

太陽光発電の両面パネルとは何?

太陽光発電の両面パネルとは何?

太陽光発電に取り付けられている太陽光パネルは、通常片面のみに太陽電池(セル)が組み込まれています。一方、両面パネルの場合は、表と裏の両面に太陽電池が搭載されています。

まずは太陽光発電の両面パネルに関する特徴や仕組みについて確認していきましょう。

裏面に太陽電池セルが搭載されたパネル

太陽光発電の両面パネル(両面発電モジュール)は、太陽光パネルの表面だけでなく裏面にも太陽電池が搭載されたパネルを指しています。太陽から降り注がれている光は、地上に反射しています。このパネルは、さらに反射光も吸収することが可能です。

つまり、両面パネルは裏面からも地上からの反射光を吸収できるということです。

直射日光と比較すると日射量は低下するものの、設置環境によっては効率的に発電を行える可能性があります。特に白色に近い地面は光を反射しやすいため、太陽光発電を設置している場所の色を確認してみるのもおすすめです。

水面や積雪などでも反射光を吸収できる

両面パネルは、地面からの反射光だけでなく、さまざまな環境下で光を吸収できるのが強みです。

前段でも触れたように、反射面の色は白色の方が光をより多く反射してくれます。積雪量の多い地域や雪の降りやすい冬場は、地面に積もった雪によって多くの光が反射されます。

そのため両面パネルを設置することで、発電量の下がりやすい冬場でも発電効率の向上が見込めます。

他にも、水上に設置された太陽光発電設備に両面パネルを取り付ければ、水面に反射した光を効率よく吸収することが可能です。また、砂地などでも反射光の多い環境であれば、両面パネルの設置メリットを得られます。

費用は片面型より高い傾向

両面パネルの本体価格は、太陽電池の搭載量や構造の関係から片面パネルより2倍前後で設定されています。

初期費用という点では、両面パネルの導入にハードルを感じるところですが、発電効率を高められる強みを考慮すると、費用回収期間に関するデメリットは限定的です。

また反射光の多い地域に太陽光発電を設置する場合は、売電収入アップが期待できます。

太陽光発電の両面パネルを製造している主なメーカー

太陽光発電の両面パネルを製造している主なメーカー

続いて、両面パネルを製造販売している主なメーカーと商品の仕様について紹介していきます。

トリナソーラー

中国の太陽光発電関連企業、トリナソーラーでは多種多様な太陽光パネルを製造していて、両面パネルの開発・製造も行っています。

両面パネルシリーズ「Duomax Twin」は最大410Wという高出力で、耐火性にも優れているのが特長です。また2022年時点では、「Duomax Twin」の他にも両面発電モデルが製造されています。

以下にいくつか両面パネルシリーズを紹介します。

型番機能
Vertex 600W TSM-DEG20C.20 ・単結晶型
・出力580~600W
・変換効率21.2%
・追尾式架台(太陽の動きに合わせ架台の角度を自動で調整する装置)
Vertex 600W TSM-DE20 ・単結晶型
・出力585~605W
・変換効率21.4%
Vertex 550W TSM-DE19 ・単結晶型
・出力535~555W
・変換効率21.2%

トリナソーラーの両面パネルは、低コストながら高出力、さらに高い変換効率という特性およびメリットがあります。出力重視でなおかつ国産にこだわりを持っていない方などは、使いやすい太陽光パネルと言えるのではないでしょうか。

ネクストエナジー

国内企業のネクストエナジーは、太陽光パネルをはじめパワーコンディショナや発電量の監視モニタ、蓄電システム、接続箱などの製造販売を行っています。太陽光パネルに関しては、片面パネルの他にも両面パネルを製造しています。

以下に両面パネルシリーズをいくつか紹介します。

型番機能
NER144M540B-MDD ・単結晶型
・出力540W
・変換効率20.9%
・ハーフカットセル
・マルチバスパー
NER156M585B-MDD ・単結晶型
・出力585W
・変換効率20.9%
・ハーフカットセル
・マルチバスパー搭載
NER144M545A-MDD ・単結晶型
・出力545W
・変換効率21.0%
・ハーフカットセル
・マルチバスパー搭載

ネクストエナジーの太陽光パネルは、ハーフカットセルやマルチバスパーといった独自技術を導入しているのが強みです。ハーフカットセルとは、一般的な太陽光パネルのサイズに対して約半分程度(2分割)のサイズで設計されたパネルのことです。サイズが小さくなると電流抵抗値の上昇を抑えられるため、発電効率低下が軽減されます。

バスパーは、太陽光パネル内に搭載された電流を通すための電極で、光を吸収するための部品です。マルチバスパー型の太陽光パネルは、通常の太陽光パネルより電極の数が多く、光の吸収量増加や抵抗値の減少といったメリットもあります。

「両面パネル+独自技術」でさらに発電効率を高めたい時は、ネクストエナジーを検討してみるのがおすすめです。

両面パネルで自家消費型太陽光発電を行うメリット

両面パネルで自家消費型太陽光発電を行うメリット

両面パネルの特徴やメーカーについて把握したあとは、両面パネルで自家消費型太陽光発電を行うメリットについて確認していきましょう。

発電効率アップというと、売電収入の増加について考えてしまう方も多いかと思いますが、自家消費型太陽光発電でも十分にメリットはあります。

発電量をアップできるため固定費を削減できる

自家消費型太陽光発電に両面パネルを導入することで、固定費の削減率を上げることが可能です。

自家消費型太陽光発電の導入メリットは、自社の電気料金を削減できるという点です。しかし、立地やその他要因により発電量が増えなければ、導入の意味がありません。

両面パネルなら発電効率の改善につながり、また電気料金負担の削減効果を高めることができます。

設置角度や方角にかかわらず反射光を発電に活用できる

設置角度や方角にかかわらず地面からの反射光を吸収できるため、両面パネルは自家消費型太陽光発電の発電量に悩む多くの企業にとってメリットの多い設備です。

両面パネルの裏面は表面と異なり、さまざまな方向から反射した光を吸収します。そのため、方角やパネルの設置角度がベストでなかったとしても、効率的に反射光を吸収できる可能性があります。

また、垂直に立てても朝日や夕日の反射光を吸収できるため、設置予定場所の環境に応じたオプションを検討することが可能です。

両面パネルで自家消費型太陽光発電を行うデメリット

両面パネルで自家消費型太陽光発電を行うデメリット

ここでは、両面パネルで自家消費型太陽光発電を始めるデメリットについて紹介します。

初期費用の負担が増える

両面パネルは片面パネルより本体価格が高い傾向があり、その分初期費用の負担も増えてしまいます。

初期費用回収期間は一般的に15~20年程度なので、両面パネルの導入により収支バランスを維持できないのであれば、片面パネルを検討するのがいいかもしれません。

ただし、両面パネルの方が発電効率を伸ばしやすいので、自家消費による固定費削減額と支出のバランスを維持できる可能性はあります。

弊社和上ホールディングスでは、自家消費型太陽光発電の設計から見積もり作成、部材調達や設置工事、設置後の保守点検まで一括サポートしています。また、自家消費型太陽光発電の設置によって、年間でいくら電気料金を削減できるのか、設置費用の回収期間(融資の返済期間)なども丁寧に検討およびシミュレーションいたしますので、お気軽にご相談ください。

反射光の少ないエリアでは導入メリットが少ない

反射光の少ない場所に設置してしまうと、両面パネルの導入メリットが少ないと言えます。

両面パネルの裏面で発電できなければ、片面パネルと同じ発電効率ということになり、初期費用はかさんでしまいます。そのため両面パネルの導入を検討する際は、まず設置予定場所の環境についてよく確認しておくのが重要です。

なお、片面パネルで十分な場合は、発電量に対する追従性能の高いパワーコンディショナから比較検討してみたり、設置角度を調整したりするなど、他の部分から発電効率の改善へ向けてアプローチしてみるのがおすすめです。

反射光を増やす、反射率の改善を行う方法については、次の項目で解説していきます。

太陽光発電の両面パネルで効率よく発電するには?

太陽光発電の両面パネルで効率よく発電するには?

両面パネルで効率よく自家消費していくには、反射光をいかに逃がさずキャッチできるかがポイントです。

最後は、両面パネルで効率よく発電するために重要なポイントを紹介していきます。

防草シートを敷地内に敷いておく

両面パネルで自家消費型太陽光発電を行う時は、設備を設置した直後に防草シートを敷いておくのがおすすめです。

防草シートは地面に敷くタイプのシートで、雑草の成長を抑えられるのがメリットです。

雑草が成長するほど、地面からの反射光は減少していきます。太陽光発電所周辺に防草シートを敷いておけば雑草の成長を抑えられるだけでなく、除草作業の手間も省くことができます。

白色など反射率の高い防草シートであれば、さらに反射率の向上も見込めます。

アルミシートなどの反射率が高いシートを敷く

防草シートで光の反射率を高めにくい時は、アルミシートを追加で敷いておくのも良策のひとつです。

アルミシートは光の反射効果を高められるのが強みで、両面パネルとの相性という点で優れています。ただし防草シートよりも破れやすいため、予備のアルミシートを用意したり強度のあるアルミシートを探したりするといいでしょう。

両面パネルは自家消費型太陽光発電に役立つ

両面パネルは自家消費型太陽光発電に役立つ

両面パネルは、太陽光パネルの裏面にも太陽電池が搭載されたもので、地面からの反射光から発電できます。また、積雪や白色に塗装された面なら、より効率よく発電を行うことが可能です。

自社の電気料金を効率よく削減していきたい方や太陽光発電の両面パネルに関心を持っている方などは、今回の記事を参考にしながら自家消費型太陽光発電を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社和上ホールディングスでは、自家消費型太陽光発電のプランニングから設計施工、保守点検まで一括サポートしております。

スーパーマーケットや工場、物流施設、ドラッグストアなど、さまざまな業態に合わせたプランをご提供いたしますので、どのようなケースでも柔軟に対応可能です。

少しでも自家消費型太陽光発電に関心を持っている時や電気料金高騰の影響に悩んでいる時は、この機会に電話やメールからお気軽にお問合せください。専任の担当者が、ご質問やご相談にお応えいたします。

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