新電力が高圧電力から撤退!?理由や対策について解説

新電力が高圧電力から撤退!?理由や対策について解説

2021年頃から、新電力の多くは高圧電力向けプランの値上げを行っていましたが、徐々に撤退という事例も出てきました。高圧電力を契約している法人には大きな問題で、新電力の撤退に関するリスク管理を早急に考える必要があります。

そこで今回は、新電力が高圧電力から撤退している理由や事例、切り替え方法やリスク管理について詳しくご紹介します。新電力の高圧電力プランを契約している方や高圧電力撤退によるリスクに備えたい方などは、参考にしてみてください。

新電力の高圧電力事業に関する動向

まずは、新電力の高圧電力事業に関する動向を確認していきましょう。

2021年11月頃から撤退が始まっている

2021年11月頃から、一部の新電力は高圧電力事業から撤退し始めています。その動きは同年9月から始まっていて、11月頃から増えてきています。高圧電力の事業撤退は、同時期だけで7社程度ありました。

また高圧電力を契約している企業の中には、事業撤退の通知はなかったものの急激な電気料金の値上げで困っているケースも出ています。2021年12月当時で値上げ率は20%前後となっており、負担の大きな事象です。

2022年は法人契約の新規停止も行われている

2022年に入ると、新電力のうち電力供給量のほとんどを担う50以上の会社が、新規受付停止を発表し始めました。

法人契約の新規受付停止ということは、現在契約している電気料金プランから新電力に切り替えられない状況です。そのため、電気料金プランを少しでも安く抑えようと考えていても、手続きを進められません。

また、新規で高圧電力契約を交わしたい企業は新電力と契約できず、事業を始められない状況へ陥っています。

しかしながら、2022年4月頃に新規受付を停止していた一部の大手電力会社が、2023年1月に再開を発表したケースもあります。中部電力は、2023年1月31日に高圧・特別高圧プランの新規受付再開を行っています。中国電力の場合は、2023年1月10日に新規受付を再開したものの、1月11日に申し込みを終了しました。

新電力が事業撤退している理由

続いては、新電力が高圧電力事業から撤退している主な理由についてわかりやすく紹介していきます。

スポット市場の取引価格が高騰

スポット市場の取引価格高騰が、新電力の経営を圧迫しているという背景があります。スポット市場とは、卸電力取引所で取引されている電力市場のことです。発電所を所有している場合は電力を販売できますし、発電所を所有していない・追加で電力を調達したい時は取引によって電力を購入できます。

スポット市場で取引されている電力価格は、2021年頃から値上げ傾向にあります。世界では、2021年頃より新型コロナウイルスの自粛やロックダウンから経済活動再開へ社会が動き始め、急激に燃料の需要も増えました。

そのため国際的に燃料価格が高騰し、火力発電に必要な燃料を輸入に頼る日本も高い価格で調達せざるを得ません。すると火力発電所の発電コストが値上がり、スポット市場の電力価格も上昇します。

このように電力の取引価格が高騰したことから、高圧電力事業の撤退という事例も出てきました。

ロシアによるウクライナ侵攻

ロシアによるウクライナ侵攻が始まったことで、電力の取引価格は2022年からさらに上昇し続けています。

2022年2月24日から始まったウクライナ侵攻後、世界の天然ガス・石油・石炭市場は高騰を続け、各国で燃料調達コストの負担増加という事態に直面しています。特に日本は資源を輸入に頼っていて、かつ火力発電所がベース電源という状況なので、燃料調達コスト高騰の影響を大きく受けています。

新電力の多くは、燃料調達コストの負担や電力価格の高騰による厳しい経営状況から、事業撤退を余儀なくされています。

大手電力と異なり資本力が小さい

一般的に、新電力は大手電力会社と比較して資本力が小さい傾向にあります。

大手電力会社の経営基盤は安定しているので、燃料調達コスト高騰による業績悪化という事態でも電気料金の値上げ、再生可能エネルギー発電所を含むさまざまな電源の活用などで切り抜けていけます。また、電力の小売りだけでなく送配電事業も行っているので、収益力という点でも強みを持っています。

しかし新電力は、法律によって送配電事業への参入ができません。さらに自社発電所を所有していない新電力の場合は、スポット市場の影響を大きく受けやすく、厳しい経営状況です。

このように新電力は、大手電力会社と経営基盤が大きく異なります。

政府が新電力向けの支援を行っていない

政府は新電力向けの直接的な支援を行っていないことも、高圧電力事業の再開へ舵を切れない理由のひとつです。

2023年3月時点で、電力事業に関する主な支援策は、需要家向けの補助金制度です。低圧電力と高圧電力の電力量料金、都市ガスのガス料金から値引きしてもらえるという内容で、新電力への対策ではありません。

このまま新電力への支援が行われないと、高圧電力事業の再開や新規受付開始といった状況に戻らない可能性もあります。

新電力の高圧電力撤退でどうなる?

新電力の高圧電力事業撤退や新規受付停止が相次いでいることで、多くの企業も電力供給に関する影響を受け始めています。

ここからは、新電力の高圧電力事業撤退によるリスクや対処法について紹介していきます。

別の電力会社へ切り替えなければいけない

新電力から高圧電力事業撤退および契約解除に関する連絡を受け取った場合は、すぐに別の新電力や大手電力会社から自社に合った高圧電力プランを探し、相見積もりを取った上で切り替え手続きを進めましょう。

高圧電力契約の切り替え手続きは、電力会社で対応してもらえます。そのため、複雑な作業などを負うことなく切り替えられます。

切り替えられない場合は最終保障供給

高圧電力契約の切り替えを行うことができない場合は、最終保障供給約款によって大手電力会社から電力を供給してもらえます。

最終保障供給は、高圧電力や特別高圧電力契約者を対象にした保護制度です。突然、企業への電力供給が途絶えてしまうと、生産設備や通信機器などの稼働も止まり、取引先や一般消費者に甚大な影響を与えかねません。

そのため、最終保障供給という仕組みが定められています。最終保障供給によって電力を供給しているのは大手電力会社10社で、基本料金と電力量料金から構成されています。

最終保障供給の電気料金は、一般的な電気料金より2割程度高く設定されているので、早めに新電力や大手電力会社のプランへ切り替える必要があります。

高圧電力事業の撤退リスクに備えるには全量自家消費型太陽光発電がおすすめ

新電力では、高圧電力事業への撤退や新規受付停止といった措置を取っています。また大手電力会社でも一時的に高圧電力契約の新規受付停止を行っていて、高圧電力の新規契約不可、契約解除といったリスクの多い状況です。

高圧電力事業の撤退リスクに備えたい場合は、全量自家消費型太陽光発電がおすすめです。

最後は、全量自家消費型太陽光発電が高圧電力を契約している・したい企業にとっておすすめの理由をわかりやすく紹介します。

太陽光発電で発電した電気を自社設備へ供給

全量自家消費型太陽光発電を導入しておけば、電力会社から電力供給されなくとも太陽光パネルで一定の電力を自社設備へ供給できます。

全量自家消費型太陽光発電の発電量は、太陽光パネルの設置枚数によって変わります。出力100kW程度の太陽光発電なら、年間数100万円程度の電気料金を削減することが可能です。

仮に最終保障供給によって電力が供給されていても、一定の電力を自家発電できれば、電気料金の負担を軽減できます。

設置方法によっては消費電力量の多くをカバー可能

全量自家消費型太陽光発電の設置方法によっては、消費電力量のうち数10%以上をカバーすることも可能です。

工場や倉庫を所有している場合は、建物の屋根に太陽光パネルを設置することで、遮蔽物を避けながら効率よく発電を行うことができます。また駐車場があれば、ソーラーカーポートという方式を用いながら自家消費するという選択肢もあります。(ソーラーカーポート:カーポートの屋根に太陽光パネルを設置)

自社の敷地内に設置スペースがないようであれば、遠隔地に太陽光発電を設置し、自己託送することで自家消費を始められます。自己託送とは、送配電設備を活用して遠隔地から送電するシステムのことです。

産業用蓄電池との併用で夜間でも自家消費可能

全量自家消費型太陽光発電は、産業用蓄電池との併用で夜間や消費電力量の多い場面でも効率よく自家消費できます。

産業用蓄電池とは、太陽光発電で発電した電気や電力会社から購入した電気を貯めたり任意のタイミングで放電したりできる蓄電ユニットのことです。

太陽光発電は夜間に発電できないため、夜間も業務を継続しなければいけない場合には自家消費ができません。そこで産業用蓄電池を設置しておけば、日中に発電した電気の一部を蓄え、それを夜間に消費することで電気料金を削減できます。

自家消費型太陽光発電で高圧電力撤退に備えよう!

新電力の高圧電力事業撤退や大手電力会社の新規受付停止は、今後も続く可能性があります。また高圧電力の契約を交わしている場合は、最終保障供給の一時的な利用による電気料金負担の増加も想定しておくことが必要です。

高圧電力事業の撤退について不安を覚えている方や高圧電力契約リスクに備えたい方は、今回の記事を参考にしながら全量自家消費型太陽光発電を検討してみませんか?

創業30年の和上ホールディングスでは、多数の全量自家消費型太陽光発電に関する企画から設計、設置工事、運用保守までトータルサポートしています。

また、設置スペースについてお悩みの場合は自己託送型太陽光発電などのプラン、費用負担が気になる場合はPPA型太陽光発電など、お客様のご要望に応じて柔軟に対応いたします。

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