風力発電と太陽光発電のコストや発電量を比較!メリットやデメリットについても

風力発電と太陽光発電のコストや発電量を比較!メリットやデメリットについても

太陽光発電で売電を行っている企業の中には、風力発電事業について注目している企業もあるのではないでしょうか。しかし、太陽光発電と風力発電、どちらの方が効率的に発電できるのか、風力発電のメリットやデメリットについてわかりにくい側面もあります。

そこで今回は、風力発電と太陽光発電のメリットやデメリット、コストパフォーマンスや注意点について詳しくご紹介します。太陽光発電を導入していて風力発電も設置するかどうか悩んでいる方や、太陽光発電と風力発電どちらを導入するか考えている方などは、参考にしてみてください。

風力発電と太陽光発電の特徴を比較

風力発電と太陽光発電どちらへの設備投資を強化していくか悩んでいる場合は、まず設置場所と費用、発電効率、固定買取価格の4点を比較しておくのが大切です。そこでまずは、風力発電と太陽光発電の特徴を比較していきます。

設置場所は太陽光発電の方が幅広く検討可能

設置場所に関しては、太陽光発電の方が優れているといえます。

風力発電は、風速6.5m/s以上を見込める場所でなければ十分な発電量を確保できません。また、部材の運搬や設置が可能な敷地、5m以上の道路を整備する必要もあるため、設置場所に関してデメリットの多い設備です。

一方、太陽光発電は、地上設置(野立て)や建物の屋根、カーポート、水上など、さまざまな場所に設置できます。また日光の降り注ぐ場所であれば、海岸や山間部でなくとも運用することが可能です。

さらに住宅用太陽光発電といった小規模な設備も購入できるので、個人や法人どちらも導入しやすい設備だといえます。

導入費用は太陽光発電の方が安い

導入費用は、設備規模やメーカーによって変わるものの、太陽光発電の方が安い傾向にあります。

太陽光発電の設置費用は、1kWあたり20万円前後で推移しています。一方、風力発電の設置費用は1kWあたり30万円台と、10万円以上高いのが一般的です。

たとえば出力100kW程度で比較すると、太陽光発電は約2,000万円、風力発電では約3,000万円で、価格差は約1,000万円にものぼります。

このように、太陽光発電の方が設置費用を抑えやすく、導入しやすい設備といえます。

ただし出力1kW台の小型風力発電であれば、10万円台と安価なタイプも販売されています。住宅および個人向けの小型再エネ設備という点では、風力発電の方が安い場合もあります。

出典:経済産業省ウェブサイト

発電効率は風力発電の方がいい

発電効率という点では、風力発電の方が優れています。発電効率とは、エネルギーを電気変換できる割合を示したものです。100のエネルギーから10の電気を取り出せる場合は、発電効率10%です。

太陽光発電の発電効率は、一般的に20%前後で推移しています。最新の太陽光パネルには30%以上のタイプもあるものの、まだ実用化には至っていません。

風力発電の発電効率は20~40%と、効率の低い設備でも太陽光発電と同程度の水準です。

ただし、風速は常に変動しますし、毎秒6.5m以上でなければ十分な発電量を見込めません。

一方、太陽光発電は、晴れの日であれば一定の発電量を確保でき、雨や曇りの日でも発電することが可能です。そのため、発電効率という点のみで発電量を計算すると、実際の発電量と異なる数値で比較してしまう場合があります。

それぞれの発電量を計算したい場合は、各施工販売業者へシミュレーションを含めて相談することが大切です。

固定買取価格は同程度

太陽光発電と風力発電の固定買取価格に関しては、同程度の水準で毎年度更新されています。

以下に、2023年度の固定買取価格を紹介します。

設備 固定買取価格
太陽光発電 出力10kW未満:1kWhにつき16円
出力10kW以上50kW未満:1kWhにつき10円
出力50kW以上250kW未満:1kWhにつき9.5円
出力250kW以上1,000kW未満:入札制度
風力発電 陸上風力(出力50kW未満):1kWhにつき15円
出力50kW以上の陸上風力、着床式洋上風力場合は入札制度
浮体式洋上風力:1kWhにつき36円

出典:経済産業省ウェブサイト

最も固定買取価格の高い設備は、浮体式洋上風力発電です。浮体式洋上風力発電とは、洋上(海上)に浮体構造物(水に浮く設備)を設置し、構造物の上に風力発電設備を固定させたものです。設備規模としては比較的大きいので、億単位の設置費用がかかります。

そのため、中小型の再生可能エネルギー設備を導入したい場合は、陸上風力と太陽光発電で固定買取価格を比較するのが現実的といえるでしょう。

出力10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電と、出力50kW未満の風力発電で比較した場合では、現時点では風力発電の方が1kWhにつき5円程度高い状況です。

太陽光発電と風力発電のメリットを比較

ここでは、太陽光発電と風力発電のメリットを比較していきます。

太陽光発電 風力発電
風力発電より設置費用が安い 発電効率が太陽光発電より高い
晴れの日なら一定量の発電量を見込める 一定の風速を超える風が吹けば夜間も発電可能
さまざまな場所へ設置可能 海上に設置可能なので、洋上風力と合わせて検討すれば設置場所を検討しやすい
日射量のデータがあるので、年間の発電量や収支をシミュレーションしやすい 発電効率が高いため、大規模な設備なら発電コストを抑えられる
さまざまな運用方法を検討できる(PPA方式やオフサイト、オンサイト) 少しずつ設置費用が安くなっている

各設備の共通メリットは、二酸化炭素を排出しない・化石燃料不使用・蓄電池の併用可能といった点です。どちらも不安定なエネルギーですが、蓄電池を設置すれば電力供給の安定化を目指すことが可能です。

設置費用を抑えたい、実績豊富で収支の見通しを立てやすい設備が欲しい場合は、太陽光発電の検討や追加設置を検討してみるのもおすすめです。

一方、洋上を含めさまざまな場所への設置を検討できる時や、MW(メガワット)クラスの発電事業を進めていきたい、普及しきっていない設備投資を優先したい時は、陸上・洋上風力発電を検討してみてはいかがでしょうか。

太陽光発電と風力発電のデメリットを比較

続いては、太陽光発電と風力発電のデメリットを比較紹介していきます。

太陽光発電 風力発電
発電効率が風力発電より低い 風の吹いていない、弱い場所では発電できない
※風速6.5m/s以上が目安
夜間は発電できない 設置費用が太陽光発電より高い
都市部などに設置した場合、反射光トラブルや近隣トラブルのリスクがある 設置場所の近くに建物などがあると、騒音トラブルにつながる可能性がある
気温の高い時期は発電効率が下がる 設置場所に制約がある
※5m以上の道路、風速6.5m/s以上の場所など

風力発電は、設置費用と設置場所、風という不安定なエネルギーという点で、デメリットもあります。そのため、風力発電に適した土地・水上を慎重に探すことが、それぞれの課題を解決するために重要なポイントです。

太陽光発電は風力発電よりコストを抑えやすい反面、気温上昇による発電効率低下、設置場所周辺の反射光トラブルや反対運動によるプロジェクトストップといったリスクも含まれています。

風力発電を導入する場合は太陽光発電の売却を検討

海上での再生可能エネルギー設備設置、MWクラスなど大規模な発電設備を検討していて、かつ発電コストの安い再エネを検討している場合は、風力発電の方がメリットを得られる場合もあります。

また、すでに太陽光発電所を所有していて風力発電へ注力していきたい時は、解体・撤去ではなく売却を検討するのがおすすめです。

ここからは、太陽光発電の売却メリットについてわかりやすく紹介していきます。

太陽光発電の売却益を設備投資に充てられる

太陽光発電を売却すれば、売却益を風力発電の初期費用へ充てることが可能です。

稼働済み中古太陽光発電所は、法人や個人に人気の高い設備といえます。なぜなら、発電実績を確認した上で収支の計算を行えるためです。また、FIT型太陽光発電なら高い固定買取価格で売電を行えるため、買い手のつきやすい状況でもあります。

太陽光発電所の売却額は、一般的に「年間の売電収入×10年」程度の水準です。年間100万円の売電収入を得ている場合は、1,000万円前後の金額で買い手を探せます。

まとまった資金を確保しやすいため、中古太陽光発電所の売却および風力発電への設備投資を検討している場合にもメリットがあります。

売買仲介サービスがあるので気軽に売却を進められる

稼働済み中古太陽光発電所の売買仲介サービスを利用すれば、自社の負担を増やさずに売却手続きを進められます。

太陽光発電は、再生可能エネルギーの中でもとくに普及が進んでいる設備であり、売買仲介サービスに関しても充実しています。

サービス内容は、査定をはじめ現地調査とメンテナンス、売却に必要な資料の準備と物件情報のHP掲載、売買契約手続きなどです。

なお、弊社とくとくファームでは、稼働済み中古太陽光発電所の売買仲介サービスを展開しています。専任の担当者による査定から、売却に必要な資料や契約書の準備、売買交渉、売却後の税務処理まで一括対応しています。

また、仲介手数料や物件掲載料は無料なので、費用負担を抑えながらご利用いただけます。

売電収入を伸ばす方法

最後は、風力発電と太陽光発電いずれか一方、もしくは両方を導入する場合に、押さえておくべき売電収入を伸ばすポイントについて紹介していきます。

風力発電と太陽光発電をそれぞれ稼働させる

資金面に余裕のある場合は、太陽光発電と風力発電の両方を稼働して売電や自家消費を進めていくという選択肢を検討できます。

太陽光発電と風力発電を導入できれば、それぞれの弱点を補いつつ稼働できます。

太陽光発電の場合は、自社の敷地や駐車場など多くの場所に設置することが可能です。また、遠隔地であっても自己託送という方式で送電できるため、遠方からでも全量を自家消費しながら運用できます。

一方、風力発電の場合は、発電効率の高さを活かして売電事業に用いて収益を伸ばすことも可能です。

このように設備の種類を増やす大きなメリットは、運用方法や選択肢の幅が広がることです。

中古太陽光発電を購入し、高い固定買取価格で売電

太陽光発電で売電収入を伸ばしていきたい場合は、稼働済み中古太陽光発電所を購入してみるのがおすすめです。

太陽光発電の固定買取価格は年々下落していて、売電収入を伸ばしにくい状況に変化しています。一方、稼働済み中古太陽光発電所でなおかつ固定買取期間の残っている設備なら、過去の高い固定買取価格で売電を始められます。

たとえば2012年にFIT認定を受けた中古太陽光発電所を購入した場合は、残りの10年間は2012年の高い単価で売電することが可能です。

風力発電に注力する場合は20kW以上の出力にする

風力発電の売電事業に注力したい場合は、太陽光発電所を売却したのち、20kW以上の風力発電所を購入するのがいいかもしれません。

太陽光発電所を売却すべき理由は、前段で紹介したように資金を確保できるためです。

出力20kW未満の風力発電所は、2018年度まで固定買取価格が55円/kWhという高単価でした。しかし2019年度以降は、出力20kW以上の風力発電と同じく10円/kWh台の固定買取価格へ引き下げられました。

そのため2019年度以降からは、小型風力発電所で売電を行う大きなメリットが少なくなりました。

しかし大規模設備を導入した場合は発電コストを抑えられるため、風力発電の売電事業へ注力したい時は、規模の大きな設備で比較検討するのがいいでしょう。

発電効率は風力発電、導入しやすさは太陽光発電の方がいい!

発電効率や大規模設備の発電コストという点では、風力発電の方がメリットの多い設備といえます。一方、設置場所の選択肢の広さ、初期費用の負担額、実績豊富という点では、太陽光発電所の方が優れています。

風力発電へ注力したい方や太陽光発電の売電収入を伸ばしたい方は、今回の記事を参考にしながら、まず稼働済み中古太陽光発電所の売却を検討してみてはいかがでしょうか。

弊社とくとくファームでは、中古太陽光発電所・メガソーラーの売買仲介サービスを展開しています。また、売買のサポートだけでなく、より高く売却できるよう自社スタッフによる洗浄や保守点検を実施しています。

さらに売却後の税務処理に無料対応しているので、費用負担をかけずに手残り額最大化へ向けた準備を進められます。

わずか30秒で簡易査定を完了できるかんたん査定サービスの他、30項目の入力だけで詳細な査定結果を確認できるしっかり査定、すぐ売却したい時にも役立つ電話サービスなど、多彩なサービスをご用意していますので、お気軽にご相談ください。

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